ネクソンとCCP Gamesは、本日、東京・南青山で「EVE Online」のプレイヤーカンファレンスを開催、プレゼンテーションやテーブルディスカッションが行われた。
今回のプレイヤーカンファレンスは、英語版でプレイしているプレイヤー100名を招き、開催されたイベント。
ネクソン 運用部 運営1チーム 左留間 正之氏が登壇し、日本語サービスに関する説明が行われた。EVE Onlineの開発・運用は今まで通りCCPが担当、ネクソンは課金システムを担当する。そのためゲームシステムはこれまでどおり、世界共通のものとなるそうだ。
続いて、CCP CEO Hilmar氏より、ビデオメッセージで今回のサービスに至るまでの経緯や日本市場への想いが語られた。
EVE パイロットのみなさん、こんにちは
EVE Onlineの開発会社であるCCPでCEOを努めますHilmar Veigar Peturssonです。
まずはじめに、NEXONとCCPにとって初の共同開催となるこのイベントにご来場いただきましたみなさまに厚くお礼申し上げます。今回は全国各地の遠方よりはるばるお越しいただいた方もいらっしゃるとのこと、本当にありがとうございます。残念ながら私は今、出張でアメリカにいまして、今回のEVEイベントに参加することができないのですが、幸いにも現代の技術のおかげで、こうやって海を越えてみなさんにご挨拶をさせていただけます。
みなさんご存知のとおり、CCPは何年か前にEVE Onlineの日本語化を進めていたことがありました。当時、わたしたちは日本のゲームマーケットに対する深い興味と、市場参入に向けての熱い想いを持っていましたが、プロジェクトを進めるうちに、三つの点で決定的に準備不足であったことに気づきました。
まず1番目に、日本語のような非常に複雑で奥の深い言語を翻訳するためには、もっと優れた現地化プラットフォームを用意しなければならないこと。2番目に、日本のゲーム市場でEVE Onlineを展開するためには現地パートナーの協力が必要だということ。そして3番目に、広大なEVE宇宙の中で新しいコミュニティを作っていくためには、日本プレイヤーのみなさんのご協力が必要不可欠だということです。
このようなわけで、2009年にわたしたちは日本語化プロジェクトを一旦中断しましたが、そこから再開するのに何故こんなに時間がかかったのか?と不思議に思われる方もいらっしゃるでしょう。
一番大きな理由は、これから導入していく日本語のような新しい言語の翻訳品質を向上させることに加えて、ドイツ語やロシア語といった既存の言語で発生している翻訳上の問題をトータルに解決できるような、全く新しいローカライゼーション技術の開発に注力していたということです。
この新しいローカライゼーション技術はセルベルスと呼ばれ、長い間私たちの頭を悩ませ続けていたEVEの複雑な仕組みに起因するあらゆる翻訳上の問題を解決してくれます。これまでわたしたちはセルベルスの開発に多くの時間を費やしてきました、そしてついに、この最新の技術を日本語版の翻訳に使える運びとなりましたことを大変うれしく思います。
私は、日本のプレイヤーのみなさんに、これまで長い間おまたせしてしまったことを深くお詫びします。ただ、既存のプラットフォームでは、わたしたちが目指すクオリティの日本語クライアントをお届けできなかったため、苦渋の決断であったことはどうかご理解下さい。
わたしたちにとって、日本でのあらゆるサービスに対応するために、現地のパートナーを見つけることも重要でした。みなさんご存知のとおり、EVEは200以上もの国や地域からプレイヤーが集まるグローバルなゲームです。
わたしたちはニーズの多様性や、マーケットの独自性をできるだけ理解する努力をしていますが、一方では、言語や時差などの壁があるマーケットにおいては、現地パートナーの協力を得ることが、より良い結果を生むために必要であると考えています。
わたしたちは日本で最高のサービスを提供すべく、最良のパートナーを見つけることにも多くの時間を費やしました。
CCPは一筋縄ではいかない会社です。自分たちの理想を追求するためには一切の妥協を許さず、また、正しいと判断したときには思い切った軌道修正も行います。
私たちはこれまで驚異的なペースでゲームデザインとその導入を繰り返してきました。私達のようなムズカシイ連中とうまく付き合ってくれる会社を探すのは非常に難しいのですが、その意味でも今回NEXONにパートナーになっていただけたことを非常にうれしく思います。
NEXONは、日本一のオンラインゲーム会社というだけではなく、常に高い理想を求め、その強いパイオニア精神でCCPとともに困難に立ち向かってくれる頼もしい会社です。
NEXONの協力なしでは、わたしたちは日本のみなさんにEVE Onlineの完全なサービスをお届けすることはできないでしょう。この場をお借りして、日本でEVEをサービスするために多大なご協力をいただきましたNEXONにお礼を申し上げます。
最後に一番大事なことを。日本のEVEプレイヤーのみなさんに是非お願いしたいことがあります。私たちは情熱を持ってEVEをプレイしてくださっている、規模は小さいけれど気高い日本のプレイヤーグループを知っています。
わたしはこの何年もの間、この小さな日本のコミュニティがイベントを開いてくれたり、時として0.0宙域で大きな戦果をあげるのを見るたびに、すごくウキウキした気分になります。わたしは、ゲームを楽しみながら学習し、さらにその知識を他のプレイヤーに惜しみなく提供し、共有するという日本のプレイヤーのすばらしい姿勢に深く感動し、感謝しています。
暗く危険なEVE宇宙に住み始めたばかりの新人パイロットにとって、ベテランプレイヤーの助言ほどありがたいものはありません。初心者のためのコーポレーション、ブログ、Wiki、などなどは、弊社が似本サービスを準備していた何年の間、EVE宇宙を生き抜いていくための大きな助けだったことは間違いありません。このイベントが熱心な日本のEVEプレイヤーの良き出会いの場となることを願っています。
EVE Onlineは良き友と面白いライバルに出会える場所です。今日のようにお互いに顔を合わせてEVEについて語り合うことは、ゲームの面白さを何倍にも大きくしてくれます。
みなさんが今日のイベントを楽しまれることを願っております。EVEをプレイしてくれているすべての人に、ありがとうございました!
プレゼンテーション
CCP Creative Director Torfi氏によるプレゼンテーションが行われた。CCP社のデザイン哲学や日本語版クライアント(プロトタイプ)のデモが行われた。
Q&A セッション
Q&Aセッションでは、事前に来場者から寄せられた質問にTorfi氏と左留間氏が回答した。
――CCPにとってネクソンとの提携によるメリットは?
Torfi氏:日本の文化に近いローカルなパートナーは重要だと思っています。提携により、お互いに学べるところも多いと思います。
――課金形式や方法、たとえば、ネクソン経由で課金する場合は、固定料金なのか、為替により変動するのか?
左留間氏:ネクソンポイントを購入後、PLEXを購入することになります。為替については、重大な変化があった場合に検討します。
――アカウント情報はネクソンが管理するのでしょうか?
左留間氏:EVE IDについてはCCP、NEXON IDについてはネクソンが管理します。
――新しい艦船を追加する予定はありますか?
Torfi氏:近い将来リリースを予定しています。デザインについては、最近行われたコンテストの応募作品から選び、今、アーティストチームがモデリングをしているところです。新しい艦船をリリースするときは、艦船が新しい役割を果たせるかどうかを重視しています。
――ゲームで起きた技術的なトラブルのサポートは、ネクソンを通して日本語で対応してもらえますか?
左留間氏:日本語クライアント公開後は日本語でサポートを受けることができます。
――今後どこまでリアリティを追求していきますか?
Torfi氏:株式市場については難しいと感じています。
――PvE、とくにミッションに関して今後の展望を教えて下さい。
Torfi氏:ワームホール内のミッションを増やす予定です。今後さらなるアップデートを通じて、これまでとは違った要素をもったPvEを提供していきたいです。
――タブレットでプレイできるようになりますか?
Torfi氏:現段階でタブレット上でプレイできるようにするのは難しいです。今後のタブレットの性能向上に期待しています。
――日本語化に伴い、既存プレイヤーは何か対応が必要ですか?
左留間氏:ネクソンポイントの利用に関してNEXON IDを取得する必要があります。ゲームについては、変更はありません。
テーブルディスカッション
テーブルディスカッションでは、参加者を交えて意見交換が行われ、ローカライズによるインターフェースの変化や、新規ユーザーの獲得・サポート方法などさまざまな視点での議論が行われた。
抽選会&チャリティーオークション
Nvidia 3D Visionキット、ZOTAC GeForceGTX560 AMP Edition 1GB DDR5が各3名に当たる抽選会が実施された。
続いて、会場で行われていたチャリティーオークションの結果が発表された。秋葉原や会場となった青山を舞台にしたグラフィックが出品されており、来場者が入札が行われていた。本チャリティーオークションでの売上金額は合計163,000円となり、さらに、落札額と同額をCCP社が加え、東日本大震災復興を目的として日本赤十字社へ募金される。
最後に「ロシアやドイツへの提供を開始したときと同じように、日本へ提供することでより良い世界を提供していきたいと思います。(Torfi氏)」「ディスカッションでの意見を日本のサービスに活かしていきたいです。近いうちに、日本サービスの日程を発表したいと思います。(左留間氏)」と挨拶が行われ閉幕した。
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