「エヌ・シー・ジャパンが行く2011SP NC Japan 10th ANNIVAERSARY感謝祭」に登壇した、ビジネスプロデューサーの金慶秀(キム・ギョンス)氏とリネージュサービスチームの金成奐(キム・ソンファン)氏にインタビューを実施。今回のイベントや「リネージュ」の新コンテンツの数々について、さまざまな興味深い話を聞かせてもらった。
インタビュー
――今回のイベントの感想をお聞かせ願えますか。
キム・ギョンス氏:日本では初めてのイベントだったので、けっこう緊張しました。お客様がすごく真剣に聞いて下さったのが、本当にうれしかったです。
――新企画がかなりたくさん発表されたので驚きました。
キム・ギョンス氏:今年はお客様にいろいろな変化を見せたかったんですけど、3月に震災があったので日程が延期されてしまいまして、あまり見せられなかったんです。2012年は「リネージュ」10周年なので、今年見せられなかったところは来年まとめて全部見せようと、今がんばっております。
――実は今年実装するはずだったものが、かなり含まれていたということですか。
キム・ギョンス氏:今回発表した内容の3分の1くらいはそうですね。
――今回発表されたコンテンツは高レベルユーザー向けのものが多かったと感じました。高レベルへのアプローチを強くしていこうとお考えでしょうか。
キム・ギョンス氏:「リネージュ」っていうのはレベルを上げながら楽しむゲームですので、高レベルのお客様に自分が頑張ったことに対するごほうびを上げて、ゲームをする目的をもっと作っていきたいなと。ただ、高レベルのお客様だけではなくて、全レベルのユーザーさんに対してコンテンツを改善していく形で考えております。
――これから始める人に向けたサービスなども考えていると?
キム・ギョンス氏:もうサービス開始から10年経とうとしていますから、システム面で古くなったところや不便なところをもっと改善して、これから入ってきてもプレイしやすいようなガイドラインなども盛り込んでいく予定です。
――10周年記念企画のようなものは考えておられますか。
キム・ギョンス氏:今回、美樹本晴彦先生とコラボしたコンテンツを発表していただいたんですけど、これは10年たって生まれ変わるという雰囲気を出していきたいと考えて企画しました。
――美樹本晴彦さん起用の理由を教えてもらえますか。
キム・ギョンス氏:美樹本晴彦先生のファン層といいますか、「マクロス」とかを楽しんでいた年齢層と「リネージュ」ファンの年齢層がけっこうかぶっているんです。絵柄とかの雰囲気も「リネージュ」と合うんじゃないかなと思って選ばせていただきました。
――上がってきたイラストを見たときの第一印象を聞かせて下さい。
キム・ギョンス氏:「さすが、すばらしい!」と思いましたね。
キム・ソンファン氏:僕も中学生とか高校生のときに、すごく憧れた作家さんだったので、ラフが上がってきたときのを見たときはうれしかったです。先生と会って仕事ができるのは、本当に光栄だと思いました。
――美樹本さん以外にも作家の候補はおられたのですか。
キム・ギョンス氏:候補の方は相当数いまして、かなり時間をかけて決定しました。運よく美樹本先生のスケジュールも空いたので、お願いさせていただきました。
――これらのイラストをパッケージに使用するなどのお考えはありますか。
キム・ソンファン氏:分かりませんが、可能性はあると思っています。
――日本独自のコンテンツについてですが、戦国時代をテーマにした理由を聞かせて下さい
キム・ギョンス氏:私の場合、日本に来て1年しか経っておりませんで、日本の映画とかマンガとかを見まして。日本の文化とか歴史の中で、何を選択すれば日本のみなさんが楽しめるコンテンツになるか考えて、内部のスタッフと話をした結果、戦国時代にしようということになりました。
――確かに戦国時代は受けがいいですよね。
キム・ソンファン氏:そうですね。ヨロイとか日本をイメージしやすいですし。
――ほかに日本のもので取り入れたかったものとかありますか、着物とか。
キム・ギョンス氏:日本専用のコンテンツではありますが、韓国の本社との共同作業が必要なところがありますので。韓国の本社は日本文化の知識が浅いところがありまして、内容をまとめて伝えるのがちょっと難しかったところがあるんですよね。ただ、着物とかそういったところは、今後取り入れていく可能性は高いと思います。また、今回の日本独自コンテンツでは君主の体型などをどう指定するかで悩みました。ナイトとかはサムライっていうイメージが合うので多分問題はなかったんですけど、君主はイメージしにくくて、それが一番大変でした。
――日本向けのコンテンツを世界に向けて展開するというお考えはありますか。
キム・ギョンス氏:韓国の本社との話が必要になると思うので、ほかの海外の支社に出すとしたら、少し時間がかかるんじゃないかと思います。
――今回発表された以外で、日本独自にやりたいアイディアなどはありますか。
キム・ギョンス氏:まだ発表はしていないんですけど、日本で人気のあるペットを調べておりまして。どういう形になるかは分かりませんが、そういった動物をゲームに実装したいと考えております。
――逆に日本のユーザーからの意見や要望にはどんなものがありましたか。
キム・ギョンス氏:お客様の要望はアンケートやニコニコ生放送などで集めています。ひとつ例を上げると、自分の友達や仲間にアイテムなどをプレゼントボックスで贈りたいというのが。ゲームに入ってボックスを開けないと中身が分からない、サプライズ的なプレゼントをしたいので、そういった仕組みが欲しいという意見がありましたね。また、この1,2年の「リネージュ」はアップデートの際にUI(ユーザーインターフェース)をよくいじっています。つい最近のアップデートもUI回りをとても気にしていまして、ユーザーアビリティを上げるとという内容で動いています。そういったところで、ユーザーさんの隠れたご要望を拾えているのではないかと思います。
――こういったオフラインイベントで実際にユーザーさんと顔を合わせてみてどうでしたか。
キム・ソンファン氏:発表しているときは真剣にじーっと見ていただいて、ギョンスさんも僕もすごく緊張でガチガチしていたんです。でも、あとでトイレに行ったときに、お客様が「楽しいです」「もっと頑張ってゲームやりたいです」と言って下さって、すごくうれしかったです。場所が場所だったんですけど(笑)。
――韓国ではやはり発表の内容に対して「オーッ」みたいなリアクションがあったりするわけですか。
キム・ソンファン氏:そうですね。そこは本当に違うなと思いました。
――日本人はちょっとおとなしすぎですね。
キム・ソンファン氏:もしかしたら私たちの緊張が伝わってしまったのかもしれません。本当にガチガチで、うまくしゃべれなかったりしたので。
――今日のイベントでユーザーさんがGvGで戦われたんですが、日本と韓国のユーザーの戦い方の違いはありましたか。
キム・ギョンス氏:違うところはあまりなかったなと思います。現在の韓国のバージョンとだいたい同じ内容になっておりますので、あまりそこは変わっていないなと。
――やり込んでくると、やはり同じようなプレイになっちゃうんでしょうね。
キム・ギョンス氏:そうですね。
――では、おふたりから見た日本と韓国のユーザーさんの一番の違いは何でしょうか
キム・ギョンス氏:新しいコンテンツに対する目線がぜんぜん違うなと思いました。
キム・ソンファン氏:僕もコミュニティとかのアップデートに対する感想を見ていくと、国によって違うなと思うことが多いですね。例えば「このアップデートは本当に良かった」と言ってくれる国もあれば「このアップデート微妙」というような、評価がぜんぜん違うということがよくあると思います。
――国ごとに対応を変えていくというのは、やはり難しいですか。
キム・ギョンス氏:難しいですね、ほんとに。日本に来たばかりのときは困ることがすごく多かったです。
キム・ソンファン氏:僕も日本に来て5年になるんですけど、最初は文化の違うところとか、理解できないところがけっこうありました。ギョンスさんも同じことを感じてて、僕もこんなことがありましたと説明したりして経験を共有しながら。今はけっこう周りのスタッフとかがフォローしてくれて、日本のことも少しだけ分かってきたので、これからはもっと日本の文化を知り、日本に合う「リネージュ」を作りたいなと考えています。
――次回もおふたりでオフラインイベントの司会をやってみたいと思いますか。
キム・ギョンス氏:日本語の勉強をもっとして、直接進行とかできるようになりたいですね。お客様と直接会って会話をしたりしたい気持ちになっております。
キム・ソンファン氏:一番ビックリしたのはお客様が家族的な感じで暖かかったことです。「リネージュ」も家族的なみんなで楽しむゲームなので、このようなイベントがあれば、もっとそういう雰囲気でやっていきたいなと思っています。
――それでは最後に2012年に向けて、日本のファンに向けてメッセージをお願いします。
キム・ギョンス氏:来年は10周年に向かう年になりますので、新しいアップデートも計画しております。皆さんが特別な経験ができる年になるようにがんばります。
キム・ソンファン氏:記事が出るのは、年明けですよね?あけましておめでとうございます。僕は韓国のコンテンツと日本の文化をちゃんと合わせたものを出したいという気持ちが強いです。両方の国の良さを合わせた、新しい面白いコンテンツが出ることを望んでいるので。これからもどんどん本社と共同でがんばって、日本と韓国の文化が入ったコンテンツを考えてますので、暖かい目で見ていただけたらと思っています。
――ありがとうございました。
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