ネクソンは、2012年4月23日~25日韓国ソウル特別市内「COEX」において「NDC 2012(Nexon Developer Conference 2012)」を開催、Ndoorsキム・テゴン氏に「三国志を抱く」に関するインタビューを実施した。
4月23日に行われたカンファレンスにて、Ndoors キム・テゴン氏は急激に利用者が増加しているスマートフォンについて、PCオンラインゲームとの競争について懸念していたが、現在開発中のタイトル「三国志を抱く」を中心にお話を伺うことができたので紹介しよう。
「三国志を抱く」についてNdoors キム・テゴン氏にインタビュー
――スマートフォンの普及は韓国において影響は大きいでしょうか?
キム・テゴン氏:こんなに短期間で増加するとは思っていませんでした。韓国の文化の特徴でもありますが、最新機器の早い展開に付いていけるとは感じていますので、どんどん流行するはずです。
――新タイトルの開発は大変でしたか?
キム・テゴン氏:ブラウザゲームに移行するときには特に苦労しました。もちろんスマートフォンにゲームを移植するのも大変でしたね。
――ブラウザゲームはスマートフォンに移行する際のクッション材となりましたか?
キム・テゴン氏:はい。期待感が大きいゲームを作って提供することをユーザーが望んでおり、最適化を実施したときにも苦労しましたが、楽しかったです。
――ハイブリッド化(PCとスマホで同じゲームを遊べる)について教えてください。
キム・テゴン氏:すでにほぼ開発は終わっており、PC版とスマートフォン版を同時に実機デモを公開しています。今後はハイブリッドゲーム開発の経験を積みながら、最適化などについてもしっかりと分析して反映したいと思っています。
――PC版とスマートフォン版のスケジュールを教えてください。
キム・テゴン氏:PC版リリース後、約一週間以内でコンバージョンを実施します。もちろんテストの結果で多少前後はすると思います。
――PC版リリースの時期を教えてください。
キム・テゴン氏:韓国では今年の上半期となる5~6月、テスト結果によってですが変動するかも知れませんが、日本では下半期にはリリースできると思います。
――日本独自のカルチャライズも予定していますか?
キム・テゴン氏:日本の文化(ユーザーの特性も活かした)ならではのものになると思います。
――ハイブリッド化以前の危機感について
キム・テゴン氏:以前使っていたゲームエンジンで、スマートフォンの最適化ができるのか不安要素でした。しかし、現在では開発環境も変わりましたし、以前は別々で稼働していた部署も一緒に開発しています。
――純粋なPCゲームユーザーはどのように感じると思いますか?
キム・テゴン氏:ユーザーに対しては3回ほどデバッグテストを重ねましたが、ユーザーが望んでいるクオリティを保ったまま、スマートフォンで同じゲームができるのか、ダウングレードされたゲームを遊ばされるかもしれない、といった懸念も当然あったと思います。
――PSO2のマルチ化について(PCメインでスマホはサブという考え方)
キム・テゴン氏:自分たちは「PCゲームでできることはすべてスマートフォンで遊べる」という考えが原則です。そして、ゲームユーザーがスマートフォンを通じてPCゲームの魅力を他の人へ伝え、ゲームに今まで触れてこなかった人を迎えたいと思っています。PCゲームすべての要素がスマートフォンでできなければならないと考えており、スマホ単体でも充分遊べるようにしたいですね。
――PCとスマホの遊び方の変化(バッテリーの問題など)
キム・テゴン氏:スマートフォンでじっくり遊ぶのは、バッテリーの問題があります。そこで、スマートフォンでは10分ほどで完結するクエストなどを導入し、狩りなども電車の待ち時間などで遊べるようなコンテンツを実装し、家を改造したり、部隊を動かす指示なども簡単にできるようになっています。
――集中して遊ぶ人が強くなるということについてはどう思いますか?
キム・テゴン氏:かなり大きな問題と認識しています。開発側では、一日に遊べる制限を設け、それ以上遊ぶと(経験値など)取得効率が下がるようになっています。アイテムはすべて取引ができないようにしました。数カ月で初期化も考えています。
――戦略性を実現させるために最初からスマホ版を考えていましたか?
キム・テゴン氏:はい。開発初期段階でスマホに対応することを念頭に置いて開発しました。開発側でもそれをしっかりと実現してくれましたね。
――ありがとうございました。