セガが今冬に正式サービス開始を予定している「ラスティハーツ」。10月29日13時までクローズドβテスターの募集が行われており、11月1日のCBT開始日も近づいてきた今回、本作のプロデューサーを務める関口悦昭氏にゲームの見どころなどを伺うことができた。
「ラスティハーツ」は、ベルトスクロール型の3DアクションMORPG。カートゥーンレンダリングによるアニメ調の独特なグラフィック表現や、コンソールアクションゲームのような派手なエフェクト、スピーディーかつ爽快なアクション性が特徴となっている。さらに、ヴァンパイアや魔女の血を引く個性的なキャラクターたちが登場し、重厚なサウンドに乗ってストーリーを盛り上げてくれるのもポイントだ。
今回のインタビューでは、それらの各ポイントについて話を聞いたほか、パブリッシングの経緯からCBTで遊べる範囲なども伺ったので、その内容をお伝えしていく。なお、テスター募集にはOnlineGamer枠として1,500名分用意してもらっているので、興味を持った方はぜひ応募してほしい。
――まず本作のパブリッシングを決めるまでの経緯をお聞かせください。
関口氏:弊社では今年PC版「ファンタシースターオンライン2」(PSO2)をリリースさせていただきました。それに引き続き、今後も国内外を問わずPCオンラインゲームを積極的にパブリッシングしていく計画があります。その第1弾が本作「ラスティハーツ」であり、「PSO2」の成功を柱にして、順次第2弾、第3弾をパブリッシングしていこうと考えています。
――その中で本タイトルを選んだ理由は何でしょうか?
関口氏:日本に受け入れられやすい、アニメーションのカートゥーンレンダリングを使っているのがひとつですね。個性的なキャラクターを中心とした「ラスティハーツ」ならではの独特な世界観とストーリーがとても引き込まれるものになっています。
それから、本作はベルトスクロール型となり、横ラインだけでなく縦ラインが豊富に盛り込まれているのですが、他にも高低差が多いなど多彩なアクションを活かしやすいダンジョン構成になっているのも魅力のひとつになっていると感じています。あとはなんといっても、その多彩なアクションを活かしたPvP要素が私自身楽しいと感じているところでして、今後も注力していきたい要素になりますね。
――韓国では約2年前からサービスされているタイトルですが、それに対する抵抗感などはなかったのでしょうか?
関口氏:約2年サービスが続いていますので、コンテンツ不足の心配がなく、そこが大きなメリットであると考えています。コンテンツを日本向けにチューニングすることも可能なので、そういった部分が強みだと思っています。
――パブリッシングに向けていつ頃から動かれていたのでしょうか?
関口氏:今年の4月頃から毎月のように韓国へ行き、何回も打ち合わせを重ねていきました。5分で終わるような要望もあれば、丸一日かかるような要望もありました。それらを現地のパブリッシャーと開発会社にすべて説明して、ほとんどの要素を実装していただきました。
――パブリッシングで苦労された点はありますか?
関口氏:弊社としても初めての経験だったので、足りないものがたくさんありましたし、それを補いつつローカライズやカルチャライズを行うのは非常に大変でした。ただ、優秀な人材もいますので、カバーし合いながらここまで来たという感じです。
――ヴァンパイアによる事件や病気の蔓延などダークな雰囲気ですが、世界観やストーリーの魅力はどこでしょうか?
関口氏:メインキャラクターのひとりに、ヴァンパイアと人間のハーフであるフランツというキャラクターがいます。彼は恋人のアメリアが事故で命を失いかけていたところを助けるため、彼女をヴァンパイアにしてしまいます。
ただアメリアは、フランツがヴァンパイアであったこと、さらに自分をヴァンパイア化させたことにショックを受けて、敵側に寝返ってしまうんです。そこでフランツが彼女を何とか人間に戻そうとする…というのがメインストーリーになっています。この二人の行く末が一番の見どころですね。
――キャラクターの資料を拝見したところ40体以上がいましたが、全員に背景となるストーリーがあって、ゲーム内でもそれが語られていくのでしょうか?
関口氏:そうですね。ほかのオンラインゲームですと、NPCの個性が薄かったりすることもありますが、本作では一体一体が本当に個性的になっています。例えば、街を移動してもついてくるNPCがいますし、個々のキャラクターのストーリーもきめ細かく描いています。恐らくほかのオンラインゲームと比べて10倍以上のボリュームがあると思うので、ストーリーは見どころのひとつですね。
――各キャラクターのストーリーはクエストを進めることで語られていくのでしょうか?
関口氏:本作は結構特殊で、操作キャラクターが誰であっても、同じメインストーリーを追っていきます。どんどんストーリーが進行していくにつれ、ほかの操作キャラクターが仲間として参戦してくるといった感じです。クエストをクリアすることで物語が進むので、ユーザーさん同士でストーリーを進めることもできます。
――正式サービス時にはストーリーが一区切りつくまで実装されるのでしょうか?
関口氏:本作はストーリーも結構特殊な作りになっています。まずブラッドという大きなボスがいて、ブラッドとの戦いの一週間前から始まるストーリーなんですよ。そしてレベルを上げてメインストーリーを進めていくと、それによって日付が進んでいくという形です。今後のアップデートでは日付にとらわれない方針で進めていきますが、面白いダンジョンやコンテンツを用意していますので、タイミングを見計らって実装していきたいと思います。
――ストーリーによってキャラクターが成長、例えば主人公だったらヴァンパイアとして覚醒していくという要素がありますが、ゲームとしての要素では具体的にどういった成長を遂げるのでしょうか?
関口氏:キャラクターの成長は、ストーリーによってというよりも、純粋に敵を倒してレベルアップしていくという形がメインとなります。最初は使用できる武器のカテゴリが1種類だけですが、経験を積んでレベル10になると、3種類の武器カテゴリが扱えるようになります。
そして、さらに経験を積んだレベル20以降では、扱える武器カテゴリを1つに絞る転職クエストが発生します。これは、1つの武器に特化することで、攻撃の幅が一気に広がるような仕組みですね。なので序盤では、自分のスタイルにはどの武器がマッチするかな、というのを肌で感じるためにも、使う武器をどんどん変えて楽しんでもらう側面が強いと思います。今回のCBTでは、その序盤に触れていただく形になります。
――操作可能なキャラクターは何人ぐらいいるのでしょうか。
関口氏:今後キャラクターは実装していきますが、CBT時点ではフランツとアンジェラの2キャラクターが選択できます。フランツは初期装備が片手剣で、スピード感あふれる戦闘を繰り広げることができます。アンジェラは非常に重くて長い剣を使用しますので、動きは遅いですが、攻撃力の高い打撃感あるアクションが楽しめるようになっています。現状では操作可能なキャラクター数や実装時期は未定ですが、すでに韓国では8キャラクターでプレイすることができます。
――いわゆる職業のような概念はキャラクター固定になるのでしょうか?
関口氏:たしかにキャラクター固定ですが、使う武器によって操作感も変わってきますね。フランツでは最初片手剣からスタートしますが、レベル10になるとそれに加えて斧とツインソードも使えるようになります。アンジェラの場合はマジックソードという大きな魔法剣から始まり、次は大鎌と薙刀のようなものが使えるようになります。アンジェラは魔女という設定なのですが、見習いであるため、撃たれ弱い魔法使いといったイメージよりも、未熟な部分を格闘でカバーするといったイメージです。
――キャラクターによっては魔法使いのようなタイプも?
関口氏:今のところ魔法使いというジャンルに分けるとしたらアンジェラしかいませんが、フランツも暗黒魔法を使えますし、キャラクターごとに属性のようなものが用意されています。ただ、今後は遠距離タイプも実装していきたいとは思っています。
――アクション面で特徴的な部分はどこでしょうか?
関口氏:多くの敵が出てきますので、それらをまとめて倒す爽快感が特徴かなと思います。あとはスキルもストレスなく出せますので、ほかのタイトルにはないようなスピード感があると思います。ほかにも、敵の攻撃に対して特定のタイミングで防御するとジャストガードが発生し、そのまま攻撃するジャストアタックによるカウンターのような攻撃システムもありますので、2段ジャンプや回避系のアクションも活用しつつ、戦況にあわせた緊張感ある戦いが楽しめるようになっています。
BGMも非常によく、アクション性にあったBGMが流れますので、そこも注目してほしいですね。韓国側では20ほどのBGMがありましたが、無音の場所もあったので、日本から要望して新しくBGMを追加した箇所もあります。
――日本ではキャラクターにボイスが入り、フランツを緑川光さん、アンジェラを沢城みゆきさんが担当されています。お二人を起用するきっかけは何かあったのでしょうか?
関口氏:お二人とも私からのオーダーなのですが、フランツはクールでダークな雰囲気をまとっている部分や、技、モーションといったことを考えて緑川光さんかなと直感的に感じました。沢城みゆきさんは、アンジェラの破天荒な性格とマッチしていると思い、それぞれお願いさせていただきました。
――ボイス収録時のエピソードもお聞かせください。
関口氏:まずイベントシーンは、ボイス収録の前に私が全部チェックし、その後に収録を行ったので、緊張感あるイベントシーンが見られるんじゃないかなと思います。ただイベントシーンの収録は、クリックやボタンを押すことで先に進むのではなく、映画のようにイベントシーンがどんどん進んでいくので、セリフと各シーンの秒数を合わせるところが非常に苦労しましたね。
――ボイスのほか、イラストの描き直しについてはいかがでしょうか。
関口氏:イラストは、基本的にイラストレーターさんに「これはこういったキャラクターで、韓国のイラストはこんな感じです」といったことをお伝えしてお任せしています。ただ、私のイメージする部分もイラストレーターさんに伝えて描いてもらったので、韓国のものと比べるとかなり違っていると思います。
細かいところですが、ゲーム内のキャラクターのフェイスグラフィックも少し変更しています。韓国では3Dのキャラクターグラフィックを作ってからイラストを起こしたという経緯があるのですが、日本で「このキャラクターのイメージが違うのではないか」という部分が出てこないためにもグラフィックを変更することになりました。やはりイラストが一番最初に目に入ってくるので、そこはこだわりました。
――お気に入りのキャラクターはいらっしゃいますか?
関口氏:私が一番好きなのは、ゲーム前半にはあまり登場しないのですが、ヴィンセントというキャラクターですね。主人公たちに対しては協力的ですが、何をやっているのか分からない、裏がありそうなキャラクターで非常に気に入っています。
――日本向けに手が加えられている部分がありますが、特に力を入れたところはありますか?
関口氏:システム部分では、操作感にかなり力を入れました。ゲームパッドに対応していますので、そのキーアサインですね。アクションMORPGなので、ユーザーさんが自由にカスタマイズできるよう、非常に綿密にカスタマイズしました。あと、今後のコンテンツについては徐々に明らかにしていくのですが、カメラワークや敵の強さといったバランシングの部分も修正しました。日本から非常に多くの要素について要望を出し、プレイしていてストレスに感じるような部分は全部取り除きました。
――一番大きな変更点はどこでしょうか?
関口氏:韓国ではキャラクターの販売を行っていたのですが、日本ではそれを考えていませんので、キャラクターの選択は自由に選んでいただくスタイルにしています。
――体型や顔パーツといったキャラクターのカスタマイズ要素もあるのでしょうか?
関口氏:顔パーツについてはあまりないのですが、アバターアイテムを用意していますので、髪型や服を変えるだけだいぶ印象が変わります。ほかの人がプレイしているのを見れば、あの装備僕もほしいな、といったことも出てくると思います。
――ゲームパッドに力を入れているとのことですが、マウス+キーボードと比べて不利なことは?
関口氏:韓国ではマウス+キーボードがメインなのでゲームパッドには力を入れていなかったのですが、日本ではゲームパッドも主流ですし、そちらもフォローできるように要望を出しましたので、満足いただける仕様になったと思います。
――ほかのプレイヤーとのコミュニケーション要素、ギルドやPvPといった要素はありますか?
関口氏:当然用意しています。PvPではモードが多数あり、個人でのバトルをはじめ、サバイバルバトルやチームバトル、一番大きなところでは10人対10人のPvPも可能ですね。ルームを作成してPvPを行う形なので、ギルドに入っていなくても多人数同士でのPvPをプレイすることもできます。
――パーティーを組むメリットはあるのでしょうか?
関口氏:経験値にボーナスといった要素を用意しています。また、一日一回だけ受けられるパーティーミッションを実装し、そこは3人以上でパーティーを組むことで挑戦できるようにしています。ですので、3人以上でプレイしていただければ報酬もよく、効率よくクエストに挑戦できると思います。
――すでにサービスされている国ではどういったコンテンツがよく遊ばれていますか?
関口氏:韓国ではアイテムエンチャントや、かなり先のコンテンツもありますので、よりハイレベルな戦闘が人気です。レイドダンジョンなどもありますので、日本でも同じようにレベルを上げて、難しいダンジョンやPvPコンテンツで遊んでいただければと思っています。ほかの国ではPvPにはそれほど人気が集まっていないのですが、実際にPvPをプレイしてみると、非常に面白いものになっていたので、みなさんにも楽しんでもらえればと思っています。
――日本や他国との大会は考えていますか?
関口氏:日本ではネットカフェ様などを利用してPvP大会ができたらいいなと思っています。韓国などでも、日本でリリースされることによってPvPがより活性化すれば、そういった展開があるかもしれません。
――CBTで遊べる範囲や、今お話しできる範囲で今後実装予定のコンテンツを教えてください。
関口氏:CBTではレベル20までのストーリーやコンテンツを用意しており、基本的な操作を覚えられるチュートリアルでレベル7~8ぐらいまで上がります。先ほどお話ししたように、ほかのタイトルですとNPCの個性が薄かったりすることもありますが、クエスト受託の際にも単純は返事だけでなく、依頼を断ったときのセリフも用意していますので、そこも見応えがあると思います。OBT以降では、操作キャラクターが3人、4人と増えていきますし、比較的難しいダンジョンも追加してコンテンツアップデートを行っていく予定です。
――ダンジョンでの特徴的な要素はどんなものがあるのでしょうか?
関口氏:途中で15コンボ以上を決めろ、といったインスタンスクエストが発生することがあります。それをクリアすると扉が開く、といったギミックが用意されています。
――リザルト画面ではクリアランクのようなものもありましたが、どういった行動がランクに影響してくるのでしょうか?
関口氏:攻撃を受けた回数、敵を倒した数やクリアタイムなどが評価に影響し、ランクはSSSからEまであります。
――今後、日本独自の要素を追加する予定はあるのでしょうか?
関口氏:日本から要望したものは、チェックの意味も含めて一度韓国側に導入されてから日本で実装されるのですが、日本独自でこういったものを入れてもらいたいとか、日本ユーザーが望んでいるので実装してほしいといった要望は私から出していて、韓国のパブリッシャーと開発元を含めた三社で協議して、ブラッシュアップしていくといった形になります。
――日本向けに要望を出した内容は、コンテンツやシステムなど、どういった方面のものでしょうか?
関口氏:日本の要望ではかなり先のコンテンツまで要望を出していまして、コミュニティ部分やミニゲーム、PvPをより面白くする準備をしてもらっています。メインストーリーも非常に魅力的ですし、同じダンジョンを周回しても飽きない工夫も入れていますが、どうしても同じコンテンツを遊んでいると少し疲れてしまうときがあると思うんですよ。そういったときにPvPコンテンツを遊んでもらいたいと思っています。PvPで獲得できる称号も用意していますし、全体のランキングだけでなく、キャラクターごとのランキングなどもありますので、ぜひトップ目指して頑張ってほしいですね。
――ここを遊ぶと面白さが分かるというような、CBTでのポイントを教えてください。
関口氏:CBTでは、まず世界観に触れていただきたいので、どんどんストーリーを進め、この先どんな展開が待っているのかを楽しみにしてほしいと思います。それからアクションの部分で一番プレイしてほしいのは、PvPコンテンツですね。CBTからPvPは実装していますので、みんなでワイワイ遊んでほしいと思います。
――CBTやOBTでの引継ぎや特典はあるのでしょうか?
関口氏:CBTは引継ぎはなく、データはワイプ(削除)させていただきますが、OBTでお使いいただける参加特典を用意しております。OBTから正式サービスにはデータの引継ぎを行う予定です。
――今後のテストやサービスに向けての意気込みをお願いします。
関口氏:多くのユーザーさんに楽しんでいただくため、将来的にもアップデートを繰り返して「ラスティハーツ」を盛り上げていこうと思っていますので、ぜひよろしくお願いします。
クローズドβテスト開催概要
募集期間:2012年10月17日(水)~10月29日(月)13:00まで
募集人数:10,000名(OnlineGamer枠:1500名)
実施期間:2012年11月1日(木)~2012年11月5日(月)
応募方法:オフィシャルサイト内の募集ページからお申込みいただけます。
※SEGA IDの登録が必要となります
クローズドβテストPC動作環境について
必要動作環境 | 推奨動作環境 | |
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OS | Windows XP (SP3) 日本語版 Windows Vista/7 32bit・64bit 日本語版 |
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CPU | Pentiumu4 2.8GHz以上 | Inter Core 2 Duo 2.5GHz以上 |
メモリ | Windows XP:1.5GB以上/Windows Vista/7:2GB以上 | 2GB以上 |
グラフィックカード | NVIDIA Geforce 7600 GSもしくは同等の性能以上 | NVIDIA Geforce 8600 GTSもしくは同等の性能以上 |
HDD空き容量 | 10GB以上 | |
モニター解像度 | 1280×720以上 | |
DirectX | Microsoft DirectX9.0c以降 | |
通信環境 | ブロードバンド環境(ADSL・光ファイバーなど) |
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