今後はキャラクターの魅力を掘り下げていく―「Web恋姫†夢想」運営ディレクターに5th、6thシーズンの内容と今後の展望を聞いた

ガマニアデジタルエンターテインメントは、11月14日より「Web恋姫†夢想」のサーバー10にて5thシーズンの先行スタートを開始する。また6thシーズンでは、新たに「俺の嫁」システムの導入なども予定されており、今後はどういったアップデートをしていくのか、運営ディレクターを務める高井氏にインタビューを行った。

「Web 恋姫†夢想」は、PCゲームブランドのBaseSonが展開するアドベンチャーゲーム「恋姫†無双」の世界観をモチーフにしたブラウザシミュレーションゲーム。プレイヤーは1つの村の領主となり、乙女武将を操りながら村を発展させていきつつ、領土を拡大、最終的には三国の統一を目指していくこととなる。

11月14日にはサーバー10で、ほかのサーバーでも翌週の11月22日より5thシーズンが開始となり、同時にさまざまなアップデートも実施される。12月にはサービス2周年を迎え、さらに次の6thシーズンでは新たなシステムの導入も予定されている。

これらのアップデートを前に、今後は一体どんな形で進化させていくのかを高井運営ディレクターに伺ってきたので、そのインタビュー内容をお届けしていく。

――まず今後のアップデートの方向性について教えてください。

高井氏:今までの「Web恋姫†夢想」は不具合や負荷面など、未熟な部分が多いゲームでした。いわゆる“村ゲー”としても足りない部分がありましたが、サービス開始から2年間、それらを少しずつ修正し、ようやく次のステップを目指せる段階に来たと思っています。「Web恋姫†夢想」は原作があるゲームですので、今後は原作が持つ乙女武将たちの魅力を掘り下げていくような展開を考えています。それをアップデートという形で落とし込んだのが、5thシーズンや6thシーズンになっています。

――では先に6thシーズンで導入される「俺の嫁」システムについてお聞かせください。

高井氏:「俺の嫁」システムは、今のゲームシステムに+αで愛情度ポイントを追加し、そのポイントによってデートができるというものです。そしてサーバー内で愛情度ポイントが一番高いプレイヤーは、俺の嫁という称号がもらえるようになります。例えば劉備の愛情度ポイントが最も高いプレイヤーであれば、劉備がそのプレイヤーの嫁であるといった形ですね。

「Web恋姫†夢想」では武将たちがカードとして登場するので、システム上、同じキャラクターが何人も存在します。その中で「一体誰が本物の劉備なのか」といったことがユーザーさんの間でも話題に出ることがありますので、そこを運営側からシステムとして提示したいという考えがありました。

あとは純粋に乙女武将の魅力を掘り下げるため、武将とのデートをシステムとして実装したいというのがありましたので、愛情度ポイントが貯まるとショートストーリーのような形式でデートイベントが解放されていくようになっています。武将の魅力を掘り下げるというのは6thシーズン以降の目標として考えていることでもありますし、ほかにも新たに制作したリアルグッズをゲーム内のランキングと絡めてプレゼントしたいと考えています。

――愛情度ポイントはどのようにして貯めていくのでしょうか?

高井氏:愛情度ポイントは、村ゲーとしての要素をはじめ、戦闘や領地拡大、キャラクターの育成といった、これまでのゲーム内容でもポイントを貯められるようになっています。6thシーズンでは新たにPvPも導入しますので、こちらでも愛情度ポイントを貯められるようになっています。

――デートイベントでは、能力が上がるといったゲーム的メリットはあるのでしょうか?

高井氏:キャラクターの魅力を掘り下げていくのが趣旨となっていますので、そういうことはあまり考えていません。「Web恋姫†夢想」をプレイしている方は原作もプレイされている方が多いので、原作にはないエピソードを楽しんでもらい、好きなキャラクターへの愛着を深めてもらいたいなと思っています。今まではキャラクターの個性を感じられる部分が少なかったこともありますので、ストーリーとして見せていくところを強化していきます。

――「俺の嫁」システムを実装する際に原作のNEXTONさんやBaseSonさんからオーダーはありましたか?

高井氏:NEXTONさんからはかなりの裁量を任せてていただいているのですが、「俺の嫁」導入後に楽しめるショートストーリーや、武将の新規イラストなど、基本的にBaseSonさんに監修していただいて制作していく予定です。

――ちなみに高井さんにとっての俺の嫁は誰でしょうか?

高井氏:私にとっては…(笑)、孫権ですね。原作をプレイされている方は孫権の性格を知っているので好きな方が多いですし、ゲーム内でも非常に人気が高いキャラクターです。原作を知らない方ですと、関羽を好きな方が多くて、なかなか興味深くもありますね。

――具体的な数値が取れるものではないと思いますが、運営を続けてきた中で原作をプレイしている方としていない方の割合はどれくらいだとイメージしていますか?

高井氏:実は「Web恋姫†夢想」をプレイしている方が、弊社の別タイトルをプレイしている割合はすごく少ないんです。「Webナイトカーニバル!」や「ラングリッサー・トライソード」など、キャラクターの魅力を押し出したゲームという点で似ているタイトルはあるのですが、それらをまんべんなく遊ぶというよりも、「Web恋姫†夢想」をメインで遊んでいる方がたくさんいらっしゃいます。なので数値としては出ていませんが、原作が好きな方は非常に多いと感じています。

――PvPの各モードについてもお聞かせください。

高井氏:PvPは武将同士を単体で争わせて勝敗を決めるシステムで、「夢想モード」と「大乱戦・夢想モード(以下、大乱戦モード)」の2つを用意しています。夢想モードはプレイヤーが自由なタイミングでPvPを楽しめるもので、同じレベル帯のプレイヤーからランダムでマッチングリストが生成され、その中から任意で対戦相手を選んで武将を1対1で戦わせる形式です。

大乱戦モードは国ごとの括りで、PvPが行われるときに接続しているプレイヤー同士で戦い、国ごとの勝敗を決めていくというものです。勝利ランキングも用意して、順位によって乙女武将カードやゲーム内アイテム、水晶ポイントを付与するといった報酬も考えています。

PvPを実装する理由は愛情度ポイントに関連してだけでなく、現状だとライトユーザーとコアユーザーの戦力差が開きすぎてしまっているので、ゲームを始めたばかりの方でも気軽にPvPを楽しんでほしいという思いがあります。そのため、簡単に参加でき、勝敗も分かりやすい形で伝えるように、ということを考えています。

――PvPとこれまでのゲームプレイでは、愛情度が上がる割合はどうなるのでしょうか?

高石:今後の開発で調整していく部分ですが、PvPだけやればいいとか、村ゲーだけやればいいといったバランスにはしたくないので、あまり差を付けないようにしようと考えています。好きな方を遊んでいたら愛情度ポイントも貯まるといった形で、選択肢を広げるようにしていきたいと思っています。

――大乱戦モードも武将を一人で参加させるのでしょうか?

高井氏:そうですね、選んだ武将がオートで参加して勝敗が決まるという流れになっています。夢想モードと同様、近いレベル帯のプレイヤー同士でマッチングするので、こちらも気軽に参加できるようになっています。

――PvPを始める前に同じ国同士の人で作戦を考えるといった戦術的要素はありますか?

高井氏:そういった要素は考えておらず、大乱戦モードも夢想モードも、もっと個人単位でライトに参加できるところにフォーカスして開発しています。

――PvPではどういった要因で勝敗が決まるのでしょうか?

高井氏:これまでの村ゲーとは勝敗の決まり方を変えて、もっと分かりやすい形にしようと考えています。三すくみの延長版と言いますか、歩兵は騎兵に強いとか、騎兵は工兵に強いといった五すくみの要素を設け、それが勝敗にも絡んでくるようにしています。これまで通り兵士の多さも影響しますが、それに加えて五すくみの要素が入っている形です。

――ランキング上位への入賞などアイテムがもらえる条件はすでに考えているのでしょうか?

高井氏:ランキング上位やキリ番を取った方へのアイテムもありますし、単純に参加賞のようなプレゼントも用意しています。ブービー賞のようなものも考えていますし、参加した方には広く特典を用意していこうと考えています。

――6thシーズンの実装時期はいつ頃でしょうか?

高井氏:今は1シーズンを4か月ごとで運営しておりますので、11月にスタートする5thシーズンの4カ月後、2013年3月頃には6thのアップデートを予定しています。

――それでは11月14日に先行でスタートする5thについてもお聞かせください。

高井氏:5thシーズンは、6thシーズンのアップデートに先駆け、PvPなどに向けて準備をしていただくのがひとつの大きな目的となっています。また、UI周りを中心に、ユーザーの方から寄せられた改善要望を反映したアップデートも行っていきます。5thはサーバー10で先行してスタートしますが、そのほかのサーバーでは11月22日より開始となります。

――アップデートやバランス調整について詳しくお聞かせください。

高井氏:ユーザーさんから寄せられた意見を参考に、これまでゲームプレイ中にストレスとなってしまっていた部分や、遊びにくい部分を調整した内容になっています。例えば武将の経験値では、レベル1から10ぐらいまでのプレイヤーだと、コアユーザーと実力差が離れすぎてしまっているので、そこを少しでも埋めるような調整ですね。ライトユーザーの方にもっと戦闘を楽しんでいただくことも目的ですが、ほかにもゲームの待ち時間を減らし、もっと快適にしていこうということも考えています。

――では上方修正といいますか、全体的に遊びやすいよう調整してくといった感じでしょうか。

卑弥呼
卑弥呼

高井氏:そうですね。ユーザーさんにデメリットがないような形になっています。ライトユーザーの方のレベルを底上げするための要素として、原作にも登場した卑弥呼がまれに現れ、倒すと経験値がたくさん手に入る「はぐれ卑弥呼」システムも導入します。

――卑弥呼の強さは初心者でも倒せるような設定でしょうか?

高井氏:すぐに逃げてしまうとか、すごく強いといった想像をされるかもしれませんが、そういったことは考えていません。ライトユーザーの方のベースアップを支援するためのシステムなので、大体レベル1~10ぐらいまでの方が“おいしい”と思えるような経験値を設定しています。強さに関しても、しっかりと準備すれば勝てる設定で、全然歯が立たないことはないようにしています。

――では出会えたらラッキーみたいな存在なんですね。

高井氏:そうなります。マップ画面上にある小城にいまして、ランダムで場所が変わるような形で出現します。

――バランス調整によって具体的にはどういったところが遊びやすくなっていますか?

高井氏:輸送の量と速度を調整したので、まず待ち時間が短くなったという印象を持っていただけると思います。自分の国の味方に資源を援助するシステムがあるのですが、これまではそこに時間が掛かっていました。ですが援助するのに手間がかかるのは非常にもったいないので、敷居を低くして、国全体での協力をもっとやりやすくしています。

派兵の移動速度も短くしていますし、建物の建築時間も短くしていますので、これまでよりも待ち時間が全体的に少なくなってライトに村ゲーを楽しんでもらえるような形にしています。

――ユーザーから多く改善要望が寄せられていたことはありますか?

高井氏:戦闘までのステップが煩雑になってしまっているところですね。4回とか5回クリックしないと戦闘までいけないので、そこをもっとスムーズにできるようにしていこうと思っています。戦闘もゲームの肝となる部分なので、もっと分かりやすい形を考えています。

5thシーズンでは武将の待機人数を20人から30人に増加していますが、これもユーザーさんからの意見が多かったところです。ただ、この人数をあまりにも多くしすぎてしまうと武将をたくさん育てているコアユーザーの方にとって有利に働きすぎてしまうので、いったん30人で抑えるようにしています。今後もユーザーさんからもっと数を増やしてほしいという意見があれば、ゲーム内の様子を見つつ順次検討していきます。

――待機人数の増加は全ユーザーを対象にアップデートするのでしょうか?

高井氏:その通りです。ここは課金アイテムで開放するようなことは考えていない部分ですね。ゲーム内の活性化を目的にしており、変に制限してしまうとまったく無意味になってしまうので、課金による制限などはなしで全てのユーザーさんを対象にしています。

――内政画面の変更点について教えてください。

高井氏:現状では建物が30ほどありましたが、5thシーズンからは類似した機能を持つ建物をまとめて、スッキリと見やすく、操作しやすいようにしています。グラフィック面も、建物の発展状況によっては都に見えるぐらいリッチに進化させています。

使いやすさの面でも、これまではどの建物が何なのか分かりづらかったのですが、5thシーズン以降は建物にラベルを付けて分かりやすいようにしています。ラベルが邪魔であればオン・オフも設定できるので、使い勝手は良くなっていると思いますし、内政画面は使用頻度が高い部分なので、ここのストレスを軽減するのも目的のひとつです。

それから、建物の中のインターフェースにも手を加えています。機能をまとめた建物もありますので、ひとつの画面で複数のことができるようになっているので便利ですし、これまでは2つの建物のレベルを同時に上げていく流れだったので、建物の成長も行いやすくなっています。

――5thシーズンはライト層向けの内容が多くなっていますが、これから始める人たちへのアドバイスや、オススメの遊び方はありますか?

高井氏:すでに入っているシステムですが、新規の方が一番最初にログインすると、一定期間さまざまなボーナスが付与されます。建築を支援するためのボーナスもありますので、それを活用してまずは拠点の整備をしっかりしつつ、あとは卑弥呼システムでどんどん武将を育てていってほしいですね。

5thシーズンで追加できないのは残念なところではあるのですが、今後予定しているPvPでもアイテムのプレゼントを考えていますので、そこで武将の成長を促進させていただければと思います。

――今回のインタビュー前に資料をいただき、その中に趙雲と呂布のイラストがありましたが、これはアップデートと関係があるのでしょうか?

高井氏:5th、6thのシーズンに大きく関係しているわけではないのですが、これは5thシーズン以降に追加される描き下ろしの乙女武将イラストになります。今はこの2人のイラストだけですが、関羽、袁術、張勲の描き下ろしも予定しています。今後もユーザーさんからの意見をいただきつつ、好きな武将に好きな衣装を着せられるような展開を考えていきますので、こちらもご期待ください。

5thシーズン以降に実装される描き下ろしの趙雲(左)と呂布(右)

――5th、6thシーズンへ向けたアップデートで苦労したことはありますか?

高井氏:バランス調整は開発担当とやり取りを重ねて、何度もリテイクを繰り返しました。難易度が易しすぎてもゲーム性を崩してしまいますし、バランスの均衡を取る部分は非常に気を使いました。6thシーズンはまだ開発段階ではありますが、どうしたら武将の魅力が伝わるかというのは何度も議論しています。

――11月はニコニコアプリで1周年、12月は公式で2周年ですが、これに伴い企画は何か考えているのでしょうか?

高井氏:まだ詳しいことは申し上げられないのですが、2周年ではリアルグッズの展開を考えており、準備を進めているところですね。オリジナルかるたの製作制作も予定しており、10月26日までユーザーの方から“どきどきするセリフ”を募集していましたが、そういったグッズを2周年でプレゼントしていきたいと考えています。オフラインイベントでも何かできないかと準備を進めている段階ですので、そこも期待していただけたらと思います。

――来年以降でやってみたいと考えている、大まかな構想などはありますか?

高井氏:グッズは作っていきたいですね。これまでサービスを続けてきた中でも、リアルグッズの人気は非常に高かったので、ゲームと絡めたプレゼント企画を実施できないかと考えています。

――グッズと言えば今年の夏に初めてコミケ(コミックマーケット)に参加されていましたが、その感触はいかがでしたか?

高井氏:「Web恋姫†夢想」「Webナイトカーニバル!」「ルーセントハート」を出展していたのですが、「Web恋姫†夢想」が一番最初に売り切れになりまして、本当にすごい人気なんだなと改めて感じました。今年の冬コミにも参加する予定なので、そちらも楽しみにしていただければと思います。

――最後にユーザーの方へメッセージをお願いします。

高井氏:「Web恋姫†夢想」ですが、ようやく将来を語れる段階に来ました。今後は「俺の嫁」システムを始め、原作の魅力をどんどん掘り下げていくことを考えています。これからも「Web恋姫†夢想」はどんどん攻めていきますので、現在も遊んでいただいている方はもちろん、いったんプレイをやめてしまった方も、これから始める方もぜひご期待ください。

Web恋姫†夢想サービス終了

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