ベクターが運営する「Finding Neverland Online -聖境伝説-」が近日、大型リニューアルを実施し、「エターナル・アトラス -The Refined FNO-」に進化する。その経緯や見所を運営チームに聞くことができたので紹介しよう。
「ミルキー・ラッシュ~晴空物語~」に続き、2013年6月末にタイトル変更と大型リニューアルを実施する「Finding Neverland Online -聖境伝説-」。新タイトルは「エターナル・アトラス -The Refined FNO-」となる。
なぜリニューアルを実施するのか、日本運営のキーパーソンとなるベクター オンラインゲーム事業部 運営部「楢 和隆」氏、「池田 冬実」氏、「小林 健吾」氏の3人にお話を聞くことができたので紹介しよう。
運営インタビュー
リニューアルについて
――タイトル変更について経緯や、なぜこのタイトル「エターナル・アトラス -The Refined FNO-」に決定したのかを教えて下さい。
楢氏:5月に「晴空物語」が「ミルキー・ラッシュ~晴空物語~」にタイトルを変更し、ポジティブなリニューアルが非常にユーザーさんにも好感触であり、「Finding Neverland Online -聖境伝説-」(以下、FNO)も続いて実施することになりました。
新タイトル「エターナル・アトラス -The Refined FNO-」ついては、ゲーム内に登場するプレイヤー「エターナルチルドレン」、そしてFNOを永遠に運営し続けたいという意味を込めて「Eternal」、そして「Atlas」は地図という意味で「プレイヤーが冒険を繰り広げながら、地図を描いていく」イメージを含ませています。
――今回のリニューアルの大きな目的を教えて下さい。
楢氏:今後長くサービスを続けたいという気持ちが一番のリニューアルですね。開発を手がけるX-Legend Entertainmentが同時に「晴空物語」もリニューアルの準備をしていたようです。台湾での公開時期は「晴空物語」が2012年12月、「FNO」は2013年3月と開発の関係で少しズレましたが。
――他にはどんなタイトル名が挙がっていましたか?
楢氏:いろいろな単語を候補として挙げ、社内で会議をしたんですが、「Eternal Atlas」は一番しっくり感じた単語だったように思います。日本ならではの、漢字を使ったアイデアも挙がりました。
池田氏:数にすると、3~400種類は挙がりましたね(笑)。
――リニューアルについては、台湾X-Legend Entertainmentから提案されたものなのですか?
楢氏:はい。リニューアルの話自体は開発会社から、まず提案をもらいました。
――リニューアル時に苦労した点を教えて下さい。
楢氏:X-Legend Entertainmentの開発の傾向では、まずは各国の運営会社の意見・要望を聞き、それを集約して「全世界版」として実装します。なのでいろいろな国のプレイヤーの要望は基本的に組み込まれている状態なんです。ただ、各国で若干違う仕様もあるので、日本独自の調整を施している箇所もあります。「特にリニューアルだから苦労した」ことはあまりありませんが、翻訳だけで新作1本分ほどありましたので…(笑)。
――国内でのリニューアルの作業でどのくらいの期間かかっていますか?
楢氏:翻訳を含め半年くらいかかっていますね。
――リニューアルに関して、初めて聞いた際にはどう感じましたか?
楢氏:とてもありがたいな、と感じましたよ。日本側でも「すぐにやりましょう!」と前向きに話を進めていきました。
――正式サービス後より、ユーザーからはどんな要望が挙がっていましたか?
小林氏:MMORPGというジャンルのオンラインゲームは、特に対人戦(PvP)や、ダンジョンの攻略要素のバランス調整についてのご意見を多く頂きます。また、本作の特徴である「ジョブフリー」に関しても、ジョブ能力の強弱よりも、自由に使えるジョブの「活躍の場所」がもっと欲しいという要望も多かったです。もちろん種族やジョブごとのステータスに関する要望もありました。いただいた意見・要望は開発会社とも共有しながらアップデートに反映しています。
――開発会社とはどのくらいの頻度で打ち合わせをするんですか?
小林氏:直接テレカン(テレフォンカンファレンス)でお話しする機会を週に1回、メールなどの文字ベースでのやり取りは毎日必ず行っています。こちらから提案する際に「実は台湾ではこんな調整をしました」というような台湾の状況を踏まえた貴重な意見をもらうことはありますね。
――2段ジャンプを導入した経緯は?
小林氏:ゲームというのは、「なんで自分の身長より低い壁を超えられないんだ」といった現実の世界と違った「不条理なこと」が多くあります。その部分を「ジャンプして飛び越えることができる」ようにすることで、不自然さをなくし、自分が冒険する楽しみを改めて探してもらえると思いました。
――設置されたオブジェクトに飛び乗れるように調整したのはなぜですか?
楢氏:どうやら開発側ではもともと「オブジェクトに乗れる」ようにゲームを設計していたいみたいなんです。2段ジャンプに関してはたぶん「面白そうだから」という経緯で導入したのかも知れません(笑)。
池田氏:今後はダンジョンなどで2段ジャンプを利用したギミックなどを実装していく予定です。
小林氏:オブジェクトの利用方法の広がりに合わせた、面白いギミックや攻略方法も登場すると思いますね。
――日本側では2段ジャンプ機能については予想していた調整でしたか?
小林氏:実際に2段ジャンプを導入してくることは嬉しい予想外でしたね。
楢氏:新作タイトルに力を注ぐのはもちろんなんですが、ある程度サービスが続いているタイトルのアップデートにきちんと注力する開発会社はあまりないので、とても良い関係で付き合えていると思います。
――スキル発動の進化について教えて下さい。
小林氏:今までのバトルでは、移動しながら詠唱のないスキルを出す際に少しの時間ではありますが立ち止まって発動するので、とても違和感がありました。今回のリニューアルで解消されることで、より戦闘の爽快な楽しさが拡がって行くと思います。
――初めて新しいスキル発動を体験したときはどうでしたか?
小林氏:現在プレイを楽しんでいるユーザーさんにこそ、体験してほしいと思うほど感動しましたね!
池田氏:特にキーボードでプレイされるユーザーさんには使いやすいと感じてもらえるはずです。
――発動方法の変更でスキルの見直しなども実施していますか?
小林氏:見直しはほとんどしていません。むしろ不満点をなくしていく方向性が強かったと思います。
――ゲームシステム改良でユーザーが楽しめる要素はどのように変化すると想定していますか?
小林氏:MMORPGではバトルをしてレベルを上げて、PvPを楽しむ、といった戦闘をメインとして楽しむ人も多いと思います。ですが本作のリニューアル後では、戦闘はもちろんですが、友人とのコミュニケーションや、ピクニックのようにフィールドを自由に冒険するなど、ユーザーそれぞれの楽しみを見つけられるようになっています。「斬新なことができるようになった」というイメージではなく、今まで楽しんでいたコンテンツがさらにパワーアップして楽しくなる、といった感じです。
――グラフィックを大幅に改良したのはなぜですか?
池田氏:もともとFNOのグラフィックは、マップのオブジェクトがひとつひとつ丁寧に作りこまれているのですが、サービスから2年経過し、他社のゲームタイトルのグラフィックも急激に進化したこともあり、今後も長く遊んでもらうために不可欠な調整だったと思います。
また、開発会社が世界観を大事にする社風なので、ゲーム内でうっかり通りすぎてしまうような場所でも、草花などのオブジェクトを増やし、光と影の描写も時間で変化するように、かなり力を入れて調整しているので、パッと見ただけでもプレイしたことのあるユーザーさんなら気付くと思います。エフェクトやテクスチャーもグラデーションがなめらかになり、質感もより自然に表現されています。
――今まで使っているPCのスペックでリニューアル後のグラフィックも楽しめるんですね?
池田氏:はい、十分楽しめます。オプションでかなり細かく設定できるので、お持ちのPCに合わせて楽しんでください。
――開発側でのグラフィック改良だけでどのくらいの期間がかかっているんですか?
楢氏:かなり前からグラフィックの向上については研究をしていたみたいです。今回のリニューアルのために本格的な作業は半年くらいだと思います。ただ、まさかFNOに導入するとは思っていなかった(新作タイトルに導入するものだと思った)ので驚きました。
――インターフェースを大幅に改良したのはなぜですか?
小林氏:サービスを続けていく中で、新しいシステムがどんどん追加され、UIも次々と設置し、だんだんと複雑になってきました。今回のリニューアルでは、今あるコンテンツに最適化する形で今回UIを一新し、関係したシステムを直感的に操作できるように調整されています。特にミニマップのごちゃごちゃしたシステムアイコンもすっきりと改良されています。
池田氏:もともと日本側でも運営やユーザーさんからもらっている意見や要望もしっかりと開発会社にフィードバックして、今回のリニューアルにも導入しています。
――インターフェースは今後も改良されていく予定ですか?
池田氏:はい、もちろんです。今回のリニューアルのあとのアップデートでの意見・要望も取り入れ、改良していきたいと思っています。
――初心者ユーザーに対しての調整はどのようなものがありますか?
小林氏:まず必要経験値が調整されています。現在のレベルキャップは75ですが、Lv60までの必要経験値が調整、全体的には必要経験値は減少しました。本作はレベルを上げてから楽しめるコンテンツが増えているので、早くたくさんのユーザーさんに楽しんでもらえるようにするためですね。ただ、低いレベル帯は多少必要経験値が増えているものもあります。これはレベルが早く上がりすぎるためで、ストーリーの進捗に合わせて適正レベルでクエストを楽しめるような調整をしています。
楢氏:本作はレベルを上げるのが大変なタイプのゲームではないので、ストーリーを追いながら自然にレベルが上がっているはずです。
――キャラクターを新規作成する際のジョブが追加されていましたよね?
小林氏:今までは戦士と魔術師のみ選択できたところに、神官・狩人・シーフの3種類を追加しました。早い段階で「ジョブフリーシステム」の魅力を体験してもらえるようになっています。
――アバターを自由に着せ替える「フィッティングルーム」も実装されましたよね?
小林氏:本作は、アバターの種類と質も大きな魅力となっているので、自分のキャラクターを作る際にアバターとの髪型などの色の組み合わせなどを事前に試すことができます。
池田氏:今まではキャラ作成をしてゲームを始めないと、ゲーム内のフィッティング機能は使えなかったんです。
楢氏:本作はきせかえの要素もかなり楽しく、これまで実施してきたキャンペーンなどでアバターをプレゼントしておりますし、早い段階できせかえの楽しみを感じてもらえると嬉しいです。
――イメージイラストなどの変更はありますか?
池田氏:もちろん予定しています。キャラクターデザインのNardack氏に新しく「エターナル・アトラス -The Refined FNO-」をイメージしたイラストを依頼しています。完成したイラストは公式サイトやランチャー、特設サイトに使用する予定です。
――FNOのマスコット「アルパカ」はどう進化しますか?
小林氏:「アルパカ」は直接物語に関わっているキャラクターではないのですが、ゲーム内の至る所に登場します(笑)。過去に実装した「アルパカ王事件」のコンテンツではアルパカの王様が登場しました。本作を象徴する動物のアルパカは、イメージキャラクターとしてこれからもお世話になります(笑)。
今後の「エターナル・アトラス -The Refined FNO-」について
――大型リニューアル後、「エターナル・アトラス -The Refined FNO-」はどのような作品に進化していきますか?
池田氏:本作はゲームシステムやコンテンツも豊富なMMORPGなのですが、より深くやり込みが可能になったり、初心者のユーザーさんも楽しめる要素も増えていきます。またコミュニティーに関するシステムも増えていく予定です。
楢氏:本作は、成功している良いタイトルなので、順調に発展させていき「より長く楽しんでもらえるようなタイトル」というテーマを忘れずに、開発会社への提案や運営側からイベント、キャンペーンなどを実施していきたいと思っています。
――台湾X-Legend Entertainmentとはどのような意見交換をしていますか?
池田氏:週に一度、テレフォンカンファレンスにて日本での売上や今後のスケジュールなどについて話しています。また、毎日のようにユーザーさんから報告や調査などはやり取りをしています。
――大型リニューアル後のアップデート情報を教えて下さい。
池田氏:2013年内のスケジュールはほぼ決まっており、新ジョブ「魔剣士」が夏を目処に実装する予定です。レベルキャップの解放や対人イベントの調整も随時実施していきます。魔剣士はかなり魅力的なジョブになるようです。12月以降もエンドコンテンツや季節イベントなどを準備しています。
楢氏:これまでも月一回のアップデートを重ね、今後も提供できる予定です。初心者のユーザーさんには最初は遊びきれないほどのボリュームを持ったコンテンツが豊富になっています。休眠ユーザーさんもかなり変わったゲーム内を楽しめると思います。
池田氏:また、台湾で用意されたコンテンツ以外で、日本オリジナルのコンテンツも用意しているので楽しみにしてください。
――大型リニューアル後のキャンペーン情報を教えて下さい。
小林氏:今回は新作タイトル並みの準備をしており、初心者や既存のユーザーさんどちらも楽しめるキャンペーンを用意しています。きせかえや戦闘の楽しさ、アイテム収集なども含め、コミュニティーやみんなで楽しめる要素を主軸にした企画を考えています。
――リニューアルの際にゲーム内でユーザーが気付く施策はありますか?
池田氏:ゲーム内のヘルプで確認することができ、公式サイトや特設サイトなどで周知する予定です。
――ユーザーへメッセージをお願いします。
楢氏:これまで遊んでくださっていたユーザーさんは、面倒くさい手続きなどはなく、そのまま楽しめますので、ぜひゲーム内に遊びに来てもらいたいです。
小林氏:僕自身が新しくなった「エターナル・アトラス -The Refined FNO-」をはじめてプレイしたときに、運営側ではなく、1ユーザーとして純粋に「スゴイ!」と感じたので、ぜひユーザーさんにも体験して、良さに気づいてもらいたいと思います。
池田氏:見ればわかるグラフィックの美しさと、2年間で蓄積した豊富なコンテンツやアバター、プレイヤーが参加できるイベントもわかりやすく整理整頓され、さらにプレイしやすくなっていますので、ぜひ楽しんでもらえればと思います。
また、特設サイトにてTwitterや掲示板やユーザー報告などで、ユーザーさんと運営チームで「一問一答」を実施しますので、ぜひ参加してもらえれば嬉しいです。
さらに、6月21日から6月23日までの間、「#FNOnlineJP」のハッシュタグが付いたツイート、または「FNOnlineJP」あてのリプライを拾って公式サイト上で回答をします。「エターナル・アトラス -The Refined FNO-」に関する疑問質問がありましたら、お気軽につぶやいてください。掲示板などでも募集しているので、詳しくは公式サイトをご確認ください。
――ありがとうございました。
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