ガンホー・オンライン・エンターテイメントは、「ラグナロクオンライン」において、8月6日に新職業の「影狼」と「朧」を実装する。今回は新職業の体験プレイレポートと、運営チームの中村聡伸氏へのインタビューを紹介しよう。
8月6日に実装される忍者の上位職「影狼」と「朧」は、「ラグナロクオンライン」にとって約3年ぶりの新職業だ。韓国では2011年に実装されていたが、今回いよいよ日本にも上陸ということで、ファンにとっては待望のアップデートとなるだろう。
今回、一足先に新職業をプレイする機会を得たので、それぞれで使用できるスキルを紹介していこう。また、運営チームの中村聡伸氏にお話を伺うこともできたので、その内容も合わせてチェックしてほしい。
ソロプレイ、対人戦のどちらでも活躍できるスキルの数々
影狼・朧はどちらも二刀流の装備が可能になった忍者の上位職だが、特徴は大きく異なる。まず、影狼は男性キャラクター、朧は女性キャラクターのみが転職できるという点がひとつ。さらに、影狼は影の力を行使する物理攻撃タイプ、一方の朧は、月の力を行使する魔法攻撃タイプとなっている。
それぞれの職業固有のスキルを紹介する前に、まずは両職業に共通するスキルを確認していこう。
投擲系スキルには忍者の頃から存在するものに加えて、範囲内のすべての的にダメージを与える「八方苦無」や「爆裂苦無」が新たに登場。
特定の属性攻撃の威力を上げる霊符・術式系のスキルには、炎属性強化の「火符:炎天」をはじめ、水、風、地属性を強化するスキルが存在する。そのほか、物理攻撃を強化するスキルもある。
自己支援系のスキルとしては、スキルの詠唱速度を格段に早める「十六夜」と、急速にHP・SPを回復できる「明鏡止水」がある。これらのスキルは今回のテストプレイでも度々お世話になったので、実際にプレイする際も使用する機会は多いだろう。
さらに影狼と朧は対人戦においても有効なスキルを所持しており、中でも印象的なのが、自分の「身がわりとなる分身」を作る「幻術 -影武者-」だ。このスキルによって生まれた分身はデコイとして使用可能で、相手の攻撃を分散させる効果が期待できるという。
そして特殊攻撃として「十文字斬り」というスキルも存在する。こちらは、一度相手を攻撃して「十字傷」状態にしたあと、一定時間内にもう一度十文字斬りで攻撃すると、より高いダメージを与えられるスキルだ。「十字傷」状態になっている時間は短いため、ソロプレイで発動させるにはコツが必要だが、パーティ内に複数人の影狼・朧がいる場合は無類の強さを発揮するだろう。
クセのあるスキルを使いこなせるかがカギになる「朧」
筆者が体験してみたのは、魔法攻撃タイプの朧。こちらは忍者のころに習得していた忍術がメインの戦闘手段となっているが、忍者との最大の違いは魔法攻撃能力を自ら強化できるところにある。
最も特徴的なスキルが、使用したタイミングでの自身のHPやSPが奇数か偶数かによって、AtkやMatkが増減する「幻術-残月-」だ。偶数であればプラスに、奇数であればマイナスにステータスが変化するので、最大HP・SPをあらかじめ偶数に調整しておくと、戦闘前の段階で手軽に使用できるので便利だ。
激しくHP・SPが変化していく戦闘中は使用するタイミングが難しくなってしまうが、効果は非常に強力なので、ぜひとも使いこなしたいスキルだ。
また、相手の回復スキルをダメージに変えてしまう「幻術-紅月-」というスキルは、主に対人戦向けのスキルとなっており、混戦のどさくさに紛れて使用すると、高い効果が得られそうだ。
そして相手のHP・SPが奇数か偶数かによって、対象のHP・SPを増減できる「幻術-朧幻想-」というスキルも存在する。さらにこのスキルを受けた相手に魔法攻撃を仕掛けると、周辺にいる敵キャラクターにもダメージを与えることが可能だ。ただし、「幻術-朧幻想-」を発動した際に相手のHP・SPが奇数だと回復してしまうので、使用には充分な注意が必要。
固有スキルはどれもクセが強いだけに、影狼との共通スキルをいかに織り交ぜて戦うかがカギになる。霊符・術式系のスキルや、「十六夜」の効果が途切れないように心がけることが大切だ。
また、これは影狼にも言えることだが、忍者のときに覚えたスキルの中には強化されているものもあるので、それらも有効的に使っていこう。
高速攻撃で敵を圧倒する「影狼」
続いては影狼だが、こちらは先述の通り物理攻撃タイプで、これまでの忍者とは異なる戦闘スタイルとなっている。
特に注目して欲しいスキルは、幻術でプレイヤーと同じ動作をする分身を作り出す「幻術-分身-」だ。これを使用すると、すべての通常攻撃がダブルアタックになる可能性が生まれる。二刀流と組み合わせれば、既存の職業では不可能だった高速攻撃が実現する。
さらに「幻術-分身-」は自分自身だけでなく、パーティプレイをしているほかのキャラクターにもかけることが可能だ。
実際に「幻術-分身-」をかけた状態でプレイしてみると、目にも止まらぬ速さでダメージを与えていく姿は爽快感抜群。「火符:炎天」などの強化スキルを組み合わせれば、さらに圧倒的なダメージを与えられるものの、「幻術-分身-」だけでも充分強力。復数のスキルを駆使する朧に比べると、ある程度の力押しにも対応した職業となっている。
また、影狼は対人戦で役立つスキルも複数所持しており、その中のひとつが「幻術-虚無の影-」だ。これを相手にかけると、リフレクトシールドなどの反射能力を無効できるほか、効果時間中は一定確率でスキルが失敗するようになる。攻撃・防御の両方で役立つスキルだ。
さらに自分の周囲に隠れている相手を発見し、さらに動きを封じることもできる「幻術-影踏み-」というスキルも。強力な攻撃が持ち味の影狼だが、妨害系スキルも豊富に用意されているため、プレイヤー次第でさまざまな楽しみ方ができそうだ。
以上が、朧・影狼をプレイしてのインプレッションとなる。実際に触ってみると、忍者時代に習得したものを含め、あらゆるスキルを駆使して戦う朧はやや上級者向けに感じた。一方の影狼は、忍者では難しかった力押しが可能になっているため、爽快感重視の戦闘が楽しめる。
今回はソロプレイのみだったが、どちらも対人戦に特化したスキルを多数所持している点も魅力だ。実装された際には、ぜひPvP、攻城戦にも挑戦してもらいたい。
中村聡伸氏へのインタビューをお届け!
ここからは、「ラグナロクオンライン」の運営チーム・中村聡伸氏に、影狼・朧を実装するまでの経緯や、ユーザー体験会での反響などを伺ってきたので、その内容を紹介しよう。
――新職業が実装されるのはかなり久しぶりですね。
中村氏:影狼と朧は約3年ぶりの新職業になりますね。ただ、2012年に実装した「スーパーノービス限界突破」は、あくまでも「スーパーノービス」のまま強化されるという位置付けでしたし、完全な新職業としては本当に久しぶりですね。
韓国では2011年に実装されたのですが、日本では公表してから実装までに相当な時間がかかってしまいました。その代わり調整もしっかりできていますし、影狼・朧だけで充分に遊べる内容になっていると思います。
多くの人に影狼と朧でプレイしてもらいたいので、さまざまな企画を計画中です。まず、新職業を体験できるワールドを設置します。このワールドでは影狼と朧になれるキャラクターを用意するほか、タイムアタックイベントも行う予定です。
タイムアタックは6月16日に北海道のネットカフェで開催した体験会でも実施したのですが、4人パーティを組み、次々に現れるモンスターを倒していくという内容です。
また、7月23日からは転職応援キャンペーンとして、忍者への転職条件を若干緩和します。通常ですと忍者になるには、鉄鉱石が30個、プラコンが1個必要になりますが、期間中は鉄鉱石の必要数を大幅に減らし、2個で転職できるようにします。
さらに、転職した際には「忍の腰帯」というアイテムをプレゼントしたり、最初に手に入る忍者刀「阿修羅」に追加能力を付けたりと、忍者になりたての人が冒険しやすいように調整します。
――序盤の育成は楽になりそうですね。
中村氏:そうですね。加えて影狼と朧の実装前に両職業への転職条件である、BaseLv99、JobLv70に達した人には記念品を贈る予定です。記念品の詳細はまだ調整中ですが、衣装装備になるかと思います。
また、育成とは直接関係ないのですが、影狼と朧に転職した人にもれなく、イメージイラストに描かれている新髪型を無料で提供します。
――実装後に関しては、何かキャンペーンを予定しているのでしょうか?
中村氏:9月上旬までの期間で、影狼か朧のBaseLvを110にした人へ、限定の衣装装備をプレゼントする、応援キャンペーンを実施する予定です。
――影狼と朧が実装されたら、ユーザーにはどのような遊び方をしてほしいですか?
中村氏:対人戦用、対モンスター用と、それぞれに特化したスキルを持っているので、どこかの場面に限定するのではなく、あらゆる戦闘で使いこなしてもらうのが理想ですね。
本当にいろいろできる職業なので、ユーザーさんによっては影狼・朧のキャラクターを何人も作る、という人も出てくるのではと予想しています。
――同じ職業でも、ユーザーによってまったく違う個性が生まれると。
中村氏:戦い方のバリエーションはかなり豊富ですね。運営からも「こういう戦い方がしたければ、このスキルがおすすめ」といったパターンを紹介していくつもりです。転職した際にステータスとスキルがリセットされるので、育成の参考にしていただけるとありがたいです。
――対人戦でも強力な存在になると思いますが、大会にはどのような影響を与えると思いますか?
中村氏:前回のワールド対抗戦ですと、ソウルリンカーが「カウプ(味方が敵の攻撃を回避しやすくなるスキル)」でパーティを守っているシーンが多かった印象でした。ですが、影狼・朧はこのような状況を打破する力を持っているので、次回のワールド対抗戦では、また違った展開が楽しめるのではないかと期待しています。
相手チームに影狼・朧がいると、それだけで対策を考える必要が出てくるので、これまでの対人戦におけるセオリーも通用しなくなると思います。
――「ラグナロクオンライン」では現在「Breidablik」ワールドをオープンしていますが、こちらに影狼・朧が実装されることはないのですか?
中村氏:「Breidablik」はあくまでもこれまでの「ラグナロクオンライン」の歴史を追体験してもらう、というコンセプトなので、最新の職業は実装されません。ですから「Breidablik」と新職業の両方を楽しみたいという人は、忙しくなってしまいますがワールド間を行き来してもらえたらと思います。
――先行体験会を各地で開催していましたが、そちらでのユーザーの反響はいかがでしたか?
中村氏:忍者は元々のポテンシャルが高い職業だったのですが、それがさらに強化されているので、ユーザーさんの反応も良かったですね。これまで狩れなかったモンスターを簡単に倒している姿は、ユーザーさんの中でもインパクトが強かったみたいです。
――では、先行体験会から実装までの期間で、調整を加えた箇所はあるのでしょうか?
中村氏:バグ取りは行ったものの、基本はそのままですね。ただ、苦無によるダメージに不具合があるので、そこは調整する予定です。また、忍者のスキルの詠唱時間やクールタイムも一部短縮します。
私たちとしても大きなアップデートであることは認識していますし、誰もが満足できるようにスキルなどの調整を進めています。
――先行体験会では影狼と朧のどちらが人気だったのでしょうか?
中村氏:体験会では両方を触ってもらう形だったので、どちらかに人気が集中したということはないですが、派手なスキルが多い分、若干ながら朧のほうが注目を集めていた印象はあります。
影狼に関しては、忍者の時と戦い方がガラッと変わるので、最初は戸惑っている人もいましたね。
――共通の注目スキルはどれでしょうか?
中村氏:やはり十文字斬りですね。復数のプレイヤーが協力して繰り出すというのは、ユーザーさんにとっても新鮮だったみたいです。
――十文字斬りは威力も高いですし、実装後も注目を集めそうですね。
中村氏:近接攻撃系ではもっとも強力なスキルなので、使う場面は多いと思います。また、スキルの詠唱速度を早める「十六夜」は習得すると戦闘が楽になるので、まずはこのスキルから覚えることをおすすめします。「十六夜」自体は、決して派手なスキルではないのですが(笑)。
――最後に、実装を楽しみにしているユーザーへのメッセージをお願いします。
中村氏:影狼・朧は特殊2次職というカテゴリーに属するので3次職には及ばないものの、3次職に負けない魅力もたくさんあると思います。ユーザーさんには、ぜひ強みを生かした育成をしてもらいたいです。
パーティに1人いるだけで凄く頼もしい存在になりますし、もちろんソロプレイでも強力です。ぜひ、ユーザーさん独自の影狼・朧を作ってみてください。
――ありがとうございました。
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