DMMゲームズが2016年6月23日に正式サービス開始を予定している「エルダー・スクロールズ・オンライン」日本語版。本日6月6日に、同社にてメディア向け体験会が行われた。
「エルダー・スクロールズ・オンライン」ってなに?
「エルダー・スクロールズ・オンライン(ESO)」は、ベゼスタ・ソフトワークスが1994年より発売しているRPG「The Elder Scrolls」シリーズのMMORPG版。本作は2014年4月4日より英語版の正式サービスが開始され、少し期間を開けた同年6月よりPS4/Xbox One版が発売された。
当時、日本語版のアナウンスは発表されていなかったものの、2015年9月にDMM.comより本作の日本語ローカライズが発表。そして2016年6月23日に日本語版の正式サービスが開始されることとなった。
さて、そもそも「『エルダー・スクロールズ』ってなに…?」「どこかで聞いたことあるような……」とおぼろげながらに記憶している人も多いはず。日本のユーザーにとっては、きっと「オブリビオン」「スカイリム」というタイトルのほうが馴染み深いだろう。
「エルダー・スクロールズ」シリーズは、惑星ニルンにあるタムリエル大陸が舞台となっている。本シリーズは、小説「指輪物語」に代表されるような濃密な正統派ファンタジー物で、その世界観を十分に楽しむために綿密に組み上げられた歴史、人種、神話など、非常に膨大な量の設定が用意されている。こういった設定は実際にゲーム内で書物や伝承として見聞きすることができるので、途方もない「エルダー・スクロールズ」の歴史を紐解くこと自体に魅了されたユーザーも多いことだろう。
ESOはそんな歴史の中でも、タムリエル大陸全土を支配下においたタイバー・セプティムを初代皇帝とする第三帝国(セプティム朝)が興る以前、ゲーム内史上では“第二紀”と呼ばれる年代に焦点が当てられている。先に例として挙げた「オブリビオン」がセプティム朝の最盛期でもある“第三紀”の終盤、「スカイリム」がセプティム朝が崩壊した“第四紀”となっているので、シリーズを通してみても本作はかなり古い時代が描かれることになる。
ゲーム内の詳しい歴史については、実際にゲームをプレイして学んでいこう……と言いたいところだが、本当に情報量が尋常ではないので(それこそ実際の歴史書をひっくり返すくらいの労力が要求されるので)、まずは有志がまとめてくれているサイトなどをチェックすることをオススメする。もっとも、ゲーム内に記述されている歴史すべてが正しいというわけでもないので、あくまで用語や歴史を大まかな流れを知るくらいの気持ちで十分だ。
アカウント登録やインストールなど、気になる日本語版のセットアップ周りを確認!
ESOの日本語版ローカライズをDMM.comが担当するに辺り、ユーザー・アカウント登録面などで、北米版とは異なる部分が多くある。こういったスタートアップ部分について、今回は本作のプロデューサーを務める松本卓也氏から説明が行われた。
先週ようやく完成したという日本語版ESO。体験会では、ロットアップが終わったばかりという初回限定版も実物でお披露目された。こちらはおさらいとなるが、初回限定版の同梱物についても今一度チェックしておこう。
初回限定版 内容
- 特製アートBOX
- 特製インストーラーUSBメモリ(Win/Mac両用)
- 日本版限定ブックレット
- 大型バンダナワールドマップ
- 早期生産分限定 グレートソード型ペーパーナイフ
- 取扱説明書(アクティベーションコード付属)
- 初回限定版インゲームアイテム“インペリアルパック”
帝国種族でプレイ可能
帝国種族スキルラインが使用可能
騎乗動物(帝国馬)
マーラの婚約指輪
ペット:マッドクラブ
日本版限定ブックレットはフルカラー100ページ以上の内容となっており、北米版の「インペリアルエディション」に付属していたブックレットを再編集したもの。すべて日本語に訳されており、装丁も日本向けに濃紺色にアレンジされている。サウンドトラックも日本向けに再編集されており、ボーカル曲を含む全9曲が収録されているようだ。
中でも特製インストーラーUSBメモリは松本氏もオススメの特典となっており、こちらは2ドライブ構成で片方に公式サイトのインストールページへと誘導してくれるリンカーを内蔵。もう片方は約4GBのデータを持ち運べる通常のUSBとして活用できるようになっている。
インストーラーUSBを挿入して誘導される上記のような公式サイトでは、ゲームガイドやアップデートなどのニュース、ゲーム内通貨のクラウンの購入、月額プレミアムコースの“ESO Plus”への加入や内容の確認などが行える。
日本語版ESOをプレイするには、まずこちらのサイトより「DMM GAMES PLAYER」をインストールする(Win OS or Mac OSを選択)。インストール後は、記載されている通りにアクテベーションコードの入力などを行っていくとクライアントのダウンロードが開始される。
一点注意したいのは、本作を遊ぶには上記に加えてDMMアカウントも取得しなければならないということ。DMMゲームズが提供しているオンラインゲームをプレイするにはこちらのアカウントを取得し、プロフィールなどの設定を完了させないといけないので、今からでも忘れずにこちらの登録を済ませておこう。
インストール時間やレスポンスなどについても、日本語版のローンチに合わせてさまざまな改善が施されているという。快適なプレイが実現するように数々の工夫がこなされているので、これらについてもぜひ期待しておこう。
気になる料金体系についてだが、本作はパッケージを購入すれば以降は基本的に無料でプレイすることができる。そのほか、コスチュームなどを購入するために仮想通貨“クラウン”が用意されているほか、経験値やゴールドにボーナスが付与される月額プレミアムコースも用意されている。
プレミアムコースに加入すると、上記のボーナスと合わせて毎月1,500クラウンが付与され、現在配信されている4つのDLCもプレイ可能。こちらはクレジットカードによる自動継続にも対応しているので、自身のプレイスタイルによってこれらを組み合わせて遊んでいこう。
いよいよ途方もない「エルダー・スクロールズ」の世界へ……
ここからは実際にプレイしたESOの所感を、チュートリアルを含めた冒頭のストーリーを追いながら紹介する。ちなみに筆者は今回、カジートと呼ばれる獣種でプレイ。カジートはネコ科の顔と猫っぽい性格が特徴の種族で、過去にアルゴニアンというトカゲのような顔を持つ獣種と共に奴隷として利用されていたことがあるという。どちらの種族も、JRPGに慣れている人には結構衝撃的な外見をしているので、ぜひ一度じっくりと観察してみてほしい。
左)カジート 右)アルゴニアン かなりリアルな作りになっているので、初めて見た時は思わずぎょっとしてしまうかも? |
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誰もが悩む最初の関門、キャラクターメイキング! 顔のバランスや部位の調整、体格、特徴付けまでかなり細かく設定できる。 |
ESOでは、プレイヤーは超常の存在である“デイドラ”に名を連ねる冒涜と不和の神・モラグ・バルによって魂を抜き取られてしまった“魂なき者”として、彼らの領土であるコールドハーバーで奴隷として拘留されていたところから物語が始まる。
日本語版では、各種説明文やNPCの会話が日本語にフルローカライズされていることはもちろんなのだが、その一環としてキャラクターボイスもすべて日本語として収録されている。
冒頭でプレイヤーを獄中から救い出してくれる気高き女戦士 リリス・ティタンボーンのCVを小清水亜美さんが担当しているほか、平川大輔さんや藤原啓治さん、立木文彦さんや森川智之さんなど、数々の実力派声優陣が従来の役柄とは一味違ったキャラクターを担当。キャラクターの会話はフルボイスで収録されているので、壮大だがやや難解でもある本作のストーリーを分かりやすくしてくれていた。
さてさて、囚われの身だったプレイヤーはリリスによって助け出されることになったわけだが、コールドハーバーは超常の存在たちの領地。プレイヤーたちの生まれたニルンとは次元が異なるようで、簡単には帰還できないようだ。そんな時、2人に手を差し伸べたのは“預言者”を名乗る盲目の老人。リリスは預言者について知識があるようで、彼ならば自分たちがニルンに戻る術を知っているとのこと。
そういうわけで、道中に点在する看守や、魂を抜かれやがて野性に目覚めてしまった囚人たちを倒しながら、この“預言者”を助けることが最初の目的となる。
ESOの戦闘はノンターゲティング方式となっており、左クリックで弱攻撃(長押しで強攻撃)、右クリックでガード(押し続けるとガードを維持)を行う。また、敵も強攻撃を行ってくることがあり、それを上手くガードすることで相手の態勢を崩すことができる。このとき相手は無防備になるので、こちらも強攻撃などですかさず追撃しよう。
そのほか、移動キーを同じ方向に素早く2回押すことでローリング、Shift+移動キーでダッシュ、数字キーにスキルを割り当てることで多彩なアビリティを発動する。ローリングやダッシュ、一部アビリティはスタミナを消費するほか、魔法などのアビリティはマジカを消費する。HP、スタミナ、マジカは戦闘中でも時間経過で徐々に回復していくものの、戦闘時は自然回復量が減少するので注意したい。
これらの値はレベルアップすることで得られるアビリティポイントを消費することで自由に強化することができるので、どのようなアビリティを使うか、戦い方、ロールプレイなどに合わせてキャラクタービルドしていこう。
また、本作にはさまざまな特徴を持ったクラスが用意されているものの、どのクラスを選択しても手に入れた装備品は自由に使うことができる。習得したアビリティについても好きに付け替えることができるので、自分のイメージした英雄をキャラクターとして創造しよう。
無事に“預言者”が囚われた場所へと辿り着いたものの、何やらここはプレイヤーが囚われていた牢獄とは異なる造りになっている様子。リリス曰く、彼を助け出すには代わりに魂のあるものが囚われなければならないという……。この場で唯一魂を残したリリスが自ら犠牲になることで預言者を助け出すことに成功したものの、リリスを助け出す方法は今はなく、プレイヤーは預言者 サー・キャドウェルと共にニルンへと帰還するのだった。
チュートリアル的な部分はここまでとなっている。ニルンへと帰還したプレイヤーが何を成すのかはプレイヤーの選択次第となっており、一応大筋のストーリーを進めるための導線は用意されているものの、それに従わなくても「エルダー・スクロールズ」の物語は進んでいく。ここから先はぜひ、正式サービス後にユーザー自身が体験していってほしい。
最後に、本作のマルチプレイ要素についても紹介しよう。
ESOでは、街中やフィールドはオープンワールドになっており、ほかのプレイヤーと自由に交流を楽しむことができる。ダンジョンはインスタンス方式が取られているため、あらかじめパーティを組んだ状態で突入することで協力して攻略に臨むことができる。
今回はレベル50キャラクター3人で「灰の街」というダンジョンに挑戦した。編成はドラゴンナイト、ソーサラー、テンプラーで、筆者は味方の回復や雷を用いた攻撃、デバフ/バフの付与を行うテンプラーでプレイ。ESO初プレイだったのだが、キャラクターも体験会用にある程度育っているので「余裕でしょ!」と内心かなり高を括って挑んだ結果、初戦から手痛いしっぺ返しをくらう羽目に……!
ESOでは、キャラクターのレベルに合わせてダンジョン内の敵も自動的に強くなっていく。そのため、何度挑んでも歯ごたえのある戦闘が楽しめるようになっている。これが、もう、本当に強くて強くて……一番硬そうなドラゴンナイトを先頭に、筆者たちが後方から援護しようとするものの、全員もれなく数秒で倒されてしまうのであたふたしながら戦闘を繰り返すこと数十分。
回復を早めにかけることを意識したり、ヒールヘイトが高まってこちらに寄って来た敵に対して防御力バフを炊きつつ迎撃したりと……いろいろ考えながらゾンビアタックを繰り返し、ようやく一番最初の雑魚モンスターを倒したときは3人でガッツポーズをするほど。
その後は多少こなれてきた頃合いでもあり、比較的スムーズに(死にながら)進行していったのだが、最終的にボスにたどり着くことはなく体験会終了の時間となってしまった。
戦闘のセオリーを熟知しておらず、勉強不足な面も大きくあったが、かなりやり応えのあるゲーム内容になっているのは確かだと言える。やはりシリーズ初となるマルチプレイの面白さは底が知れず、短いゲームプレイの中で難しいが故に攻略するための相談を行ったり、自然と個々人が最良の行動を導き出したりする場面も多々あった。ボスとの戦闘がどのようなものなのかを体験できず、また伝えきれなかったのは非常に残念だが、これを見て少しでも興味の湧いた人はぜひESOをプレイしてみてほしい。
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