CCP Gamesは、MMORPG「EVE Online」内の市民化学ミニゲーム「プロジェクト・ディスカバリー」が、「Webby People’s Voice賞（公共サービス、アクティビズム、ソーシャル・インパクト部門）」を受賞したと発表した。
「プロジェクト・ディスカバリー」は、ユーザーがミニゲームをプレイすることで、研究機関が実施している解析作業に参加できるというもの。今回の受賞は、現在参加中の新型コロナウィルスに関連した免疫システム解析への貢献が評価されたものとなっている。
「EVE Online」の「プロジェクト・ディスカバリー」が「Webby People’s Voice賞（公共サービス、アクティビズム、ソーシャル・インパクト部門）」を受賞
多人数同時参加型オンライン科学は、すべてのプロジェクトで5億の分類に近づき、ビデオゲームコミュニティが大規模な科学研究のための貴重なリソースであることを証明しています。
本日、CCP GamesとMassively Multiplayer Online Science（MMOS）は、プロジェクト・ディスカバリー（Project Discovery）がゲーム部門のPeople’s Voice Winnerに選ばれたことを発表しました。COVID-19研究への貢献が評価され、第25回ウェビー賞のPublic Service, Activism, and Social Impact部門でPeople’s Voice Winnerに選ばれました。また、MMOSは、Project Discoveryの複数のイテレーションを含む過去5年間のすべてのプロジェクトにおいて、5億件近い分類を記録したことを明らかにしました。
ニューヨーク・タイムズ紙で「インターネットの最高の栄誉」と評されたWebby Awardsは、International Academy of Digital Arts and Sciences（IADAS）が主催する、インターネット上の優れた作品を表彰する国際的な賞です。
Project Discoveryは、「EVE Online」の画期的な市民科学ミニゲームで、プレイヤーはシステムの探索、資源の採掘、宇宙戦争の合間に科学的なブレークスルーに貢献することができます。昨年6月以降、327,000人のEVE Onlineプレイヤーが1億1,500万件以上のデータを送信し、COVID-19が血液細胞や人間の免疫システムにどのような影響を与えるかを解明するための330年以上の研究期間を節約することができました。
MMOS、McGill大学、BC Cancer、COVID-19の第一線で活躍する臨床医の協力を得て制作されたCOVID-19フェーズのプロジェクト・ディスカバリーは、「EVE Online」のミニゲームで、プレイヤーはトレースツールを使って血液中の細胞集団をグループ分けすることで、フローサイトメトリーのデータを処理することができます。これにより、科学者は感染によって異なる細胞集団や種類がどのように変化するかを知ることができ、プレイヤーは参加することでゲーム内の報酬を得ることができます。
「EVEのプレイヤーが科学に貢献していることを示す素晴らしい証しです。プロジェクト・ディスカバリーを通じて、カプセラの皆は、主要な科学雑誌の最初の ”架空の ”表紙から新しい発見、アルゴリズムのトレーニングによる科学者の貴重な時間の節約まで、科学の世界に真の意味で貢献してきました」と「EVE Online」のクリエイティブ・ディレクター、ベーガー・フィンボガソン氏（Bergur Finnbogason）は述べています。「今回のウェビーが、科学に貢献するためのよりクリエイティブな方法を見つけるよう、他の人たちを刺激することを心から願っています。」
MMOSのCEO兼共同設立者であるアッティラ・ザントナー氏（Attila Szantner）は、「6年前に科学とビデオゲームのコラボレーションという新しい方法を開拓し始めたとき、Webby賞の受賞は私たちの想像をはるかに超えたものでした」と述べています。「今回の受賞は、私たちが正しい道を歩んでいることを確信させてくれるだけでなく、より多くのゲーム開発者が科学の発展のために私たちの仲間に加わってくれることを期待しています」。
MMOSの革新的な市民科学的アプローチが、ドキュメンタリー番組「Off the Cuff」の最新エピソードで紹介されました。クリス・パー氏（Chris Parr）とハリス・ダーバーガー氏（Harris Dirberger）がホストを務める「Off the Cuff」は、世界で最も魅力的なコミュニティを探求する番組で、MMOSについては「ゲーマーが世界を変える方法」を説明しています。
「プロの科学者として、私たちは自分の研究の動機、原理、成果を一般の人々に伝えるという道義的な義務があります。今回の受賞は素晴らしい出来事です」と、マギル大学コンピューターサイエンス准教授のジェローム・ウォルディスピュール氏（Jérôme Waldispühl）は述べています。「ビデオゲームが社会の中でユニークな役割を果たすことで、科学がより多くの人に伝わり、よりまとまりのある知識豊かな社会の構築に貢献できることを示しています」と述べています。」
モデナ・レッジョ・エミリア大学の病理学・免疫学教授であるアンドレア・コサジラ博士（Dr. Andrea Cossarizza）は、「ヒトの細胞の深い免疫学的解析を行うには、高度で複雑な技術だけでなく、強力なバイオインフォマティクス・ツールが必要です」と述べています。「プロジェクト・ディスカバリーは、すべての人々の健康を向上させるために、科学と医学の進歩をゲーマーがいかに支援しているかを示す素晴らしい例です。このプロジェクトは、機械学習や人工知能のフレームワークとして機能し、何百万もの異なる免疫細胞の集団をほぼリアルタイムで識別するための新しい方法論を開発するための鍵となります」と述べています。
ブリティッシュ・コロンビア大学遺伝学部教授、BCキャンサー特別研究員、Cytapex Bioinformatics社マネージング・ディレクターのライアン・ブリンクマン博士（Dr. Ryan Brinkman）は、「一般の人々に科学を理解してもらうためにできることは、発見がなされるまでの過程や厳しさを理解してもらうことであり、存在するいくつかの誤解を正すことにつながります」と述べています。「情報を提供するだけでなく、一般の方々にも興味を持っていただけるような方法で行うことは、すでに素晴らしいことですが、有意義な方法で研究に直接貢献していただけるような方法で行うことは、皆を元気づけてくれます。」
COVID-19のパンデミックに世界が立ち向かう中、プロジェクト・ディスカバリーは続いています。プロジェクト・ディスカバリーの過去のバージョンでは、科学者が太陽系外の太陽系外惑星の位置を特定したり、ヒトタンパク質アトラスにヒト細胞の分類を提供したりしています。MMOSは、Borderlands Scienceのような他のスタジオと共同で市民科学プロジェクトを立ち上げ、大規模なデータセットの分析を必要とする他の重要な研究分野の研究を進めています。
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