MMORPG「HIT : The World」は4月17日に正式サービス開始―特徴や日本展開に向けた取り組みが紹介されたメディア発表会をレポート

ネクソンは、iOS/Android/PC向けMMORPG「HIT : The World」のメディア発表会を3月19日に開催した。

本作は、アクションRPG「HIT」の世界観を継承し、MMORPGとして生まれ変わったタイトルだ。

今回のイベントでは、「HIT : The World」の特徴や日本展開に向けた取り組みが紹介されたほか、実際にゲームの一部をプレイできた。本稿ではそれらの内容をお伝えしていきたい。

ユーザーがサーバーのルールに投票できるなどユニークな要素も

本作の特徴として、誰もが参加できるエンドコンテンツ、団結すれば対抗できるバランス調整、ギルドコンテンツの充実、課金バランスとゲームプレイの最適化などが挙げられた。特に、微課金・無課金ユーザーにも配慮した成長環境の確保や、重課金ユーザーとのバランスを取るための工夫が印象的だった。

というのも、日本展開に向けて過去のMMOを参考に日本のユーザーの意見を抽出・分析し、少人数で行われたMMORPGのヘビーユーザーを招いて行われた座談会で出た意見を反映するなど、きめ細やかな対応が行われているからだ。

また、ユーザーとのコミュニケーションを重視し、実現可能な範囲で意見を取り込むことで、日本のユーザーと共にゲームを進化させていく姿勢もアピールされた。

ゲームシステムについても、6種類のクラス、ペットシステム、スキルのカスタマイズ、調律者の祭壇、ルーンシステム、探検手帳、PvPコンテンツなど、多岐にわたる内容が紹介された。特に、ユーザーの投票によってルールが変化する「調律者の祭壇」や、フィールドボスの出現が通知される「ボスアラーム」といったシステムは本作のユニークなポイントになりそうだ。

クラスは「大剣」、「鈍器」、「双剣」、「宝珠」、「杖」、「弓」をベースにしており、ゲーム内ではこれらの武器をベースにした多様なクラスが登場する。

「大剣」は重厚な一撃で敵を薙ぎ払う力強い攻撃が特徴だ。「鈍器」は敵を気絶させるスタン効果を持つスキルを駆使して戦う。「双剣」は素早い動きで敵を翻弄し、連続攻撃で大ダメージを与える。「宝珠」は味方を回復したり、バフを与えたりとサポート役として活躍する。「杖」は広範囲に及ぶ魔法攻撃で敵を一網打尽にする。「弓」は高い機動力を生かして、遠距離から敵を狙い撃ちする。

クラスにはレアリティがあり、当然、レアリティの高いクラスの方がパラメーターが高くなっている。入手したクラスが重なると合成したりして、上位のクラスに挑戦できるというシステムもあった。これにより、プレイヤーは自分のプレイスタイルに合った武器を使うクラスを見つけ、成長させていく楽しみがある。

ほかにもペットを召喚してステータスを底上げする要素や、装備の制作や収集要素、ギルドシステム、取引所などスタンダードなMMORPGのシステムを踏襲している部分も多くあった。ほかのモバイルMMORPGをプレイしたことがあるユーザーなら、すんなりとゲームをプレイできるだろう。

その中でも特にユニークなシステムだと思ったのが「調律者の祭壇」というシステムだ。サーバー内のプレイヤーが2つの要素に投票することでサーバーのルールが変わる。今回確認できたひとつが復活に関するルールだ。「復活待機時間がなくなりすぐに復活できる」というルールか「その場で復活できる」に投票できた。

また、アイテムの獲得に関するルールもあり、「ボス討伐時に最後の打撃を与えたプレイヤーに獲得権限が与えられる」か「ボス討伐時の討伐寄与度に応じてアイテムの獲得権限が付与される」を選べる。

例えば自分のキャラクターが弱いと感じるプレイヤーは、“ワンチャン”に期待して最後に打撃を与えたプレイヤーにアイテム獲得権限が付与される方に投票したくなるだろうし、強いプレイヤーは「討伐寄与度に応じてアイテムの獲得権限」が付与される方に投票したくなるだろう。ここから政治的な活動が盛んになるかもしれない。そんな面白さが期待される。

もうひとつユニークだと感じたのが「ボスアラーム」という機能だ。これはフィールドボスの出現時間がわかり、なおかつ出現する時間の前にアラームが鳴るという機能だ。

なぜこのシステムがユニークかというと、MMORPGのフィールドボスに関連するシステムでありがちなのが、ボスが倒された後に復活する時間がわからないということだ。

ボスが復活する周期時間がわかっていても、いつボスを倒されたかわからない。そのため、ボスを倒そうと思うと、ボスが出現するポイントで待ち続けるか、何らかの情報を得るといった方法が必要になる。しかし、フィールドボスは取り合いになることが多く、そういった情報がオープンになることはほとんどない。だが、本作はそこをあえてオープンにする仕様になっている。

ちなみに、グローバル版ではこの機能は実装されていないという。このシステムの追加も、日本のユーザーが遊びやすくするための調整要素だそうだ。ここからも本作の微課金・無課金ユーザーへの配慮がうかがえた。

運営元が繰り返す「微課金・無課金ユーザーに向けた調整」も明らかになったものがある。それが取引所の活性化の工夫だ。

今回発表されたのが「女神の祝福の秘薬」というアイテムについてだ。このアイテムは取得経験値にバフがかかるようなアイテムで、プレイヤーは欲しくなるアイテムになっている。しかし、このアイテムは強力なキャラクターが狩りをするような最上級の狩場では入手できず、微課金・無課金ユーザーがメインに狩りをするであろう、少しランクを落とした狩場でのみ入手できるのだという。

そのため、微課金・無課金ユーザーはそれらのアイテムを取引所に出し、上級者はそのアイテムを購入する。そういった流れで取引所の活性化を狙っているという。

もうひとつは、PvPが可能なチャンネルと不可能なチャンネルが明確に分けられていることだ。よくあるMMORPGにありがちなのが、“PvPチャンネルにメリットをもたせるために、フィールドボスはPvPチャンネルにしか出現しない”という仕様だ。

しかし、本作では思い切ったことにPvPができない一般チャンネルにフィールドボスが出現する。そのため、微課金・無課金ユーザーがフィールドボスから排除されたり、抗争を起こしているギルドがいるためボスが倒せなかったりということは起きにくくなっているのだ。

逆にサービス開始当初は積極的にPvPチャンネルを選ぶメリットはなさそうだが、今後のアップデートでコンテンツが追加されるとのことだ。

プリセットを切り替えながら戦うゲームシステムは新たな可能性を感じさせた

会場では実際にゲームをプレイすることもできた。プレイできた内容はチュートリアルの序盤と、ソロでのメディア対抗PvP、4人でパーティを組んで戦ったパーティ対抗のPvPが行われた。

今回はキャラクターやシステムへの理解が浅かったためPvPのシステムや戦略については深く体験できなかったが、6クラスあるそれぞれの特徴は出ている印象だ。戦っている最中にクラスを変えることもできるので、複数のクラスにまたがったコンボも発動でき、その点は特に面白いと感じた。

例えばソロプレイであれば追い込まれたら上手く逃げ切って、ヒールができる宝珠に変えて自分を回復して戻ることもできる。これはパーティ戦でも同じで、追い込まれるまでは全員アタッカーで攻撃、特に遠距離で戦えるキャラはそれを中心に戦い、ヒットポイントが減ってきたり、バフが切れたりしたら適宜宝珠に切り替えるというような戦い方も可能だろう。

この辺りはじっくりプレイしながら研究をしていきたいところだ。

また、チュートリアルからプレイして感じたのはプレイの快適さだ。最初からキャラクターを作成してプレイしたときは、最初からキャラクターを作成してプレイしたときは、クエストを順番に進めていくことでシステムの理解、ストーリーの進行、序盤のキャラクター育成を並行でき、スムーズに進められる。もちろん自動狩りもしっかりと搭載されており、長時間のプレイでも疲れにくいシステムになっているので安心してほしい。

微課金・無課金ユーザーも大事にし、ゲームプレイを快適にすることが、人口の維持に繋がり、その人口の維持がMMORPGとしての面白さに繋がる。そこを強く意識しているのが全体を通して伝わってくる発表会だった。

なお、発表会では事前登録が受付中であることや、HTWクリエイターズの募集、マイルストーンの公開、2024年3月28日にキャラクター名を先に確保できるキャンペーン「キャラクター名先取りキャンペーン」がスタートし、正式サービス開始日が2024年4月17日であることなども発表された。

改めて、ネクソンは日本のユーザーに寄り添ったサービス展開を目指す決意を示し、コミュニケーションを重視しながらユーザーと共にゲームを成長させていく姿勢を強調する発表会だった。

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