内容のレビューに関してはほとんど出尽くしているようですので割愛します。
他国と違うサービスの価格設定やハンゲームという運営企業の特質上、
レビューがそういった方向に偏りがちで散漫になっているようですが、
本当の問題点に立ち返りたいと思います。
大半のオンラインゲームサービスを提供している企業についても言えることですが、
"仮想世界の正常な運営の元、レジャーサービス提供によって対価を得る"という、
顧客のいるサービス業として至極当たり前の発想がまったくありません。
広告を打ち出して喧伝し、前評判を高め、そのタイトルにプレイヤーを殺到させ、
サービス開始からほんの数ヶ月で資金を回収するビジネスモデルが主流です。
TERAに関してもそれは同じでした。
パッケージ、推奨PC、3ヶ月分事前課金、すべてにゲーム内アイテムが付属しました。
これらを売り抜けることで短期間で利益を上げる方向性であることは明らかです。
正式開始後の基本プレイ料金に上乗せする形でのアイテム課金も確実でしょう。
殺到していたプレイヤーが去るだけでなく、
運営の態度に絶望したプレイヤーも離れることで、
とてつもない速度で過疎化が進むことは明白です。
作りすぎたサーバーとCHのせいで人々が拡散し、
まともにコミュニティを築けていないのが現状です。
過疎化が進めば、pt必須バランスのTERAは成り立たなくなります。
仮想世界は崩壊し、ゲームの正常な進行は不可能となってしまうでしょう。
そこを乗り越えたとしても、予想されるこれからの展開に希望はありません。
金銭効率を目指すための人件費カットによってサポートはまず不可能、
BOT、RMT、チーター、それらすべてが放置されることになるでしょう。
冒険に必須である即時回復ポーションなどのアイテムの有料化。
装備強化関連の有料化。レアアイテムのPC間取引の有料化。
遅い小出しのアップデート、理由もなく実装されない本国実装済み要素。
有料アイテムの販促のため日本独自仕様による難易度の引き上げ等が考えられます。
これらはすべて他のタイトルで起こっていることです。
私の想像を遥かに超え、TERAはもっとひどくなるのかもしれません。
初ログイン後、歓声をあげて食い入るように眺めた景色。
最初の橋で立ち止まり、舞う鳥の群れに目を奪われたこと。
ペガサスに乗りながらPrintScreenキーを連打したこと。
都市の散策に夢中になって何時間も経っていたこと。
作りこまれた森のウサギや羊を眺めて過ごしたこと。
正式サービス後、冒険の中で出会うはずだったプレイヤーたち。
きっと眺めたであろう美しい景色。そこにあった私の旅、私だけの物語。
自分の感受性を無残に踏みにじられ辱められた悔しさだけが残りました。
お気に入りの本を横合いから奪い取られ、ゴミ箱に投げ込まれたような心持ちです。
プレイヤーから物語をつむぐ権利を奪い、空想を打ち砕き、世界を使い捨てる。
そういった多くの運営企業のビジネスモデルこそがMMOというジャンルを低迷させている。
私はTERAのテストプレイを通してそう結論付けました。
それほど的外れではないはずです。
始まることすらなくあらかじめ終わっていた、多くの人々の冒険にとむらいを。
評価
総合評価 | 2.67 |
---|---|
システム | 3.00 |
グラフィック | 5.00 |
サウンド | 4.00 |
イベント | 1.00 |
料金 | 2.00 |
運営管理 | 1.00 |
投稿者情報
投稿者 | eldorado(4) |
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プレイ期間 | 1ヶ月未満 |
状態 | 引退 |
投稿日 | 2011年8月13日 |
更新日 | 2011年8月13日 |
TERAサービス終了
本レビューは2011年8月13日に投稿、2011年8月13日に更新され、現状と異なる場合があります。また、ユーザーの投稿をそのまま表示しているため誤った情報が掲載されている場合があります。ご自身の責任においてご利用下さい。