待望の新職業が3種類実装!韓国の小中学生のオンラインゲーム事情とは?「メイプルストーリー」レジェンドアップデート情報&開発チームインタビュー

ネクソンは、「メイプルストーリー」において、2011年10月19日に第7回目の職業アップデート「レジェンドアップデート」を実装、その概要や開発チームインタビューも実施したのであわせてお届けしよう。

「レジェンドアップデート」とは?

冒険者、シグナス騎士団、英雄、レジスタンス、デュアルブレイド、Union(アラン・エヴァン)に続く、「メイプルストーリー」において第7回目の職業アップデートが「レジェンドアップデート」だ。

メイプルの伝説「レジェンド」が再び目覚め、新たに伝説の3職業「メルセデス」「キャノンシューター」「デーモンスレイヤー」が実装される。まずはそれぞれの職業を詳しく紹介していこう。

10月19日実装予定

「メルセデス」
「キャノンシューター」

11月16日実装予定

「デーモンスレイヤー」

氷に封印されたエルフの女王の復活「メルセデス」

メルセデスは、アラン、エヴァンに続く3番目の英雄で、エルフの女王。今までになかった新しい種族「エルフ」となっており、専用の新両手武器「デュアルボウガン」を扱い、美しいエフェクトが特徴。また、エルフ専用の騎乗動物の所有もできる。

ピンクの花が咲く大木が目印の新マップ、エルフ村「エウレル」の女王であり、メルセデスはユーザーの性別と関係なく、キャラクターの性別を選ぶことができる。ストーリーは、アランと同じく氷づけになっていたところ目覚め、エルフの街から冒険が始まっていくところから始まる。

冒険者で海賊「キャノンシューター」

キャノンシューターは海賊、冒険家で、豪快な範囲攻撃をメインとし、新しい武器・巨大な大砲「ハンドキャノン」を使用する。また、「モンキー」を召喚でき、モンキーは一緒に攻撃をしてくれる頼もしい仲間。海賊の末裔であるために、スイミングが得意で、水中でも呼吸ができるのが特徴。

ストーリーは、冒険者になるためにメイプルアイランドに船で向かっていたところ、バルログに襲撃され、島に漂流することになる。そこである人物に出会い、キャノンシューターになるという物語が展開する。モンキーを相棒に持つようになり、共に冒険を進めていく。

数百年の眠りから目覚めた戦士「デーモンスレイヤー」

デーモンスレイヤーは、ワイルドハンター、バトルエイジ、メカニックに続く4番目のレジスタンスの戦士職業。人間と魔族の血が混ざっており、片手斧または片手鈍器「セプター」と専門盾のフォースシールドを扱うスタイルの戦闘を得意とする。

他の職業とは異なり、MPがない代わりにモンスターを攻撃することによってたまるエネルギー「デーモンフォース」を消費してスキルを使用する。また、魔族の羽によって飛翔し、早く移動することができる。

デーモンスレイヤーは元々暗黒の魔法使いの軍団長だったが、家族を暗黒の魔法使いに殺されたことから、暗黒の魔法使いを倒そうとしたところ、返り討ちにあってしまう。数百年後、エーデルシュタインで目覚めた彼は、復讐のためにレジスタンスに加わることとなるストーリー。

その他のアップデート

移動速度上昇

移動しやすくするために、キャラクターの移動速度が向上。

クエスト追加

ビクトリアアイランドの低レベル帯クエストを改変し、2次転職までのレベルアップが易しくなった。

リンクスキルシステム

レジェンド新規職業キャラクターを70レベル以上に育成すると、該当職業の特殊スキルを、同一アカウント内のキャラクターと共有できるシステム。1日1回、共有キャラクターを他のキャラクターに変更することが可能で、職業によって下記スキルを共有することが可能だ。

キャノンシューター:パイレーツブレス(全てのステータスポイント+15、HP/MP5%増加)
メルセデス:エルフの祝福(獲得経験値10%増加)
デーモンスレイヤー:デーモンズフューリー(ボスモンスターに10%の追加ダメージを与える)

開発者インタビュー

日本での「レジェンドアップデート」実装に先駆けて、ネクソン開発チームに今回のアップデートについて、さらに韓国のメイプルストーリーの大ファンとなっている小中学生のオンラインゲーム事情についてなどなど、メイプルストーリーにまつわるさまざまなお話を伺うことができたので紹介しよう。

開発チーム

ネクソン ライブ1本部 ライブ2室 日本メイプルチーム チーム長「ファン・ソンヨン」氏
ネクソン ライブ1本部 ライブ2室 日本メイプルチーム 副チーム長/企画チーム長「キム・ヒョンソン」氏
ネクソン ライブ1本部 ライブ2室 日本メイプルチーム 事業パート「リュ・ハヨン」氏
ネクソン ライブ1本部 ライブ2室 日本メイプルチーム 事業パート「チョ・インギョン」氏(通訳)

アップデートに関して

――「レジェンドアップデート」で実装される職業のそれぞれのコンセプトなどを教えて下さい。

キム・ヒョンソン氏:今回実装される職業のうち、キャノンシューターは人間、メルセデスはメイプルストーリーで初となる人間以外の種族であるエルフ、デーモンスレイヤーは人間と魔族のハーフ、という設定になります。イラストを見ると分かると思いますが、キャノンシューターは開発の時点で少年マンガに登場するようなコミック的なキャラ、メルセデスは少し冷たい女性に見えますが、きらびやかな雰囲気を持っている設定になっています。デーモンスレイヤーは、魔族の暗さを表現し、バックストーリーもやや悲壮感が漂っているものになっています。特に苦労したのはキャラクターの特性を表現するところです。デーモンスレイヤーに関しては、低年齢層に向けてストーリー的にあまり暗くなりすぎないように調整しました。

――新キャラクターの武器のエフェクトやデザインにこだわったところはありますか?

キム・ヒョンソン氏:エルフであるメルセデスには、華麗できらびやかな雰囲気を出すことに注力し、映画などの設定でも見られるようにエルフは弓を使うことが多く、素早い動きをします。メルセデスも人間とは違うエルフらしさを大事にし、スキルを使うと光が弾けるようなキレイなエフェクトが実現されています。外見も男女とも美しい姿にこだわりました。デーモンスレイヤーは、バックストーリーやコンセプトがやや暗い話になっているので、キャラクターの表情も悲しそうな雰囲気を表現しました。エフェクトやデザインなども黒やグレーなど少し暗いカラーを使っています。キャノンシューターは熱血的な人間キャラクターで、モンキーと呼ばれる仲間も明るくて楽しい設定・デザインになっています。

――コンセプト決めなどでボツになったキャラクターはありますか?

ファン・ソンヨン氏:最初のコンセプト決めでNGになったキャラクターはいませんね。ただ、メルセデスとデーモンスレイヤーは、メイプルストーリーで初めて登場する「人間以外の種族」だったこともあり、他にはないアイディアが(開発段階で)たくさん出ました。最初にメルセデスの企画として出たアイディアが後に、デーモンスレイヤーに実装することもありました。メルセデスは素早さを生かした動きや空中スキル、二段ジャンプなど今までのキャラクターと差別化するために調整を重ねています。デーモンスレイヤーの羽で滑空できる動作も特徴的ですよ。

――次に実装を予定している職業はありますか?

ファン・ソンヨン氏:メイプルストーリーは1年に1回くらいのペースで新職業を実装していますので、まだ確定したことはなく、明言はできないのですが、今回実装するエルフや魔族などの拡張型の職業を考えています。

韓国での反応やユーザーについて

――すでに今回のアップデートは韓国では実装されていますが、ユーザーの反応を教えて下さい。

ファン・ソンヨン氏:韓国で職業を実装するときには、ユーザー様の間でかなり盛り上がるので、次々と開発してきました。今回のレジェンドアップデートで実装した3キャラクターは今までで一番反応が良かったですね。韓国オンラインゲームで最高の同時接続数を更新しています。韓国のメイプルストーリーのプレイヤーは平均10~15歳くらいの年齢層が多く、ほとんどの小中学生がプレイしているみたいです。学校でメイプルストーリーを知らなかったり、プレイしたことがない人は友達との話題についていけないそうです。さらに、クラスの学級委員になるためにはメイプルストーリーのレベルが高くないとダメで、家でこっそりお母さんがレベル上げの手伝いをしているというジョークも聞いたことがあります(笑)。

――低年齢層ならでは要望や意見などはありましたか?

ファン・ソンヨン氏:詳しい要望の内容や詳細な数字は明かせませんが、ユーザーコンテストなどから起用され、実装された要望などもあります。

――韓国でのこれからのメイプルストーリーはどのように進化しますか?

ファン・ソンヨン氏:今回はレジェンドアップデートにて最高の同時接続数を記録しました。韓国のメイプルストーリーはゲームの他に、アニメーションやコミック化などメディアミックス事業にも力を注いでいます。また、メイプルストーリーが正式サービスを開始して8周年を迎えますが、今でも遊んでくれているユーザー様が多いのは、(メイプルストーリーが)その年齢層の文化に影響したことが起因となっていると思います。メイプルストーリーを小中学生を中心に大きな「文化」として広めていくことがネクソンの大きな目標でもあるとも言えます。

日本でのメイプルストーリー

――日本での今後の展開はどのように考えていますか?

ファン・ソンヨン氏:韓国で実装しているコンテンツなど、ゲーム自体が面白ければ他の国のユーザー様もみな楽しいと感じるはずなんですが、日本のユーザー様の好みが少し特殊なので、今回のレジェンドアップデートなど面白くて魅力的なコンテンツを投入していく予定です。さらに今後日本のメイプルストーリーでもゲームだけではないメディアミックスを実施していきたいと思っています。

――現在日本ではゲームとアニメのコラボが多いですがどのように感じますか?

ファン・ソンヨン氏:コラボレーションには開発チームもとても興味があります。日本のメイプルストーリーでは「鋼の錬金術師」とタイアップをしたこともあり、かなり前向きに考えています。

――コンシューマタイトルのタイアップなども考えていますか?

ファン・ソンヨン氏:メイプルストーリーのIPでゲーム内でもいろんなプラットフォームをカバーしたいと思っています。ニンテンドーDSで開発された「メイプルストーリーDS」は韓国ではすでに発売され、iPhoneアプリも配信されています。また、PCゲームでの限界も開発側では感じるところがあり、コンシューマタイトルのような「アクション性が足りない」「ステータスばかりにこだわってしまう」といったPCゲーム文化独特の弱点などを含め、コンシューマタイトルの良い点をたくさん取り入れて開発することも心がけています。

――「メイプルストーリーDS」の韓国での評判はどうですか?

ファン・ソンヨン氏:ニンテンドーDSプラットフォームでの開発は、最初の頃に実験的にしたことがあるだけだったのでとても大変でしたが、韓国内での評価はかなり高かったと思います。担当のディレクターに聞いたところ、かなりの利益をもたらしたと聞いています。

――日本と韓国の小中学生のゲームに対する違いを教えて下さい。

ファン・ソンヨン氏:最近はかなり変わってきましたね。昔はPCゲームより任天堂のゲームボーイで遊ぶ人が多かったんですが、家庭でのPCの普及率が高くなり、メイプルストーリーもその時期にサービスを開始できたので、現在はPCプレイヤーのほうが増えてきまように感じます。また無料で遊べるPCゲームが多いので、低年齢層のユーザー様はPCで遊ぶことが多いんです。

――開発チームのメンバーは普段どんなゲームで遊んでいますか?

ファン・ソンヨン氏:個人的には、「World of Warcraft」を遊んでいます(笑)。「デッドアイランド」や「ギアーズオブウォー3」、出勤するときなどはPSPなどのタイトルでも遊びますね。

――韓国ゲームショウ「G-STAR」は韓国ユーザーから見るとどんなイメージなのですか?

ファン・ソンヨン氏:韓国のゲーマーは東京ゲームショウやE3など世界の大きなゲームショウにも興味を持っています。「G-STAR」はオンラインゲームの出展がほとんどなので、韓国の各地から遊びにくる人は年々増えています。

――韓国で「メイプルストーリー」単独のオフラインイベントなどは実施していますか?

ファン・ソンヨン氏:大きなアップデートの前には、小学校の前やホールでイベントやQ&Aをしたり、ショーを見せることもありますよ。かなり盛り上がるんです。また、韓国メイプルストーリーでは、ゲーム内で自分の学校を登録できるので、友達と遊んだり、他校と競争しやすいみたいです。

――そんなに子供がPCゲームをしていて親に怒られたりしないんですか?

ファン・ソンヨン氏:もちろん怒られたりすることもあります(笑)。特に受験や勉強が大事な年頃の子供には時間を制限するべきという意見が多いですね。まだ決定してはいないんですが、国内で時間制限を設けて、自動的にゲームををシャットダウンしたりする機能を実装したらどうかといった動きも出ています。

――最後にレジェンドアップデートを待っているユーザーに向けてメッセージをお願いします。

ファン・ソンヨン氏:今回、日本のみなさんが心待ちにしている新職業をついにお届けすることができるようになりました。今回は過去の職業とは全く違い、デザインやアクション性、スキルなどすべてがアップグレードしています。遊んでもらえれば必ず楽しいと感じられると思います。今までメイプルストーリーを休んでいた人も、初めて遊ぶ人もぜひ楽しんでもらえると嬉しいです!

――ありがとうございました。

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