ガマニアデジタルエンターテインメントは、本日3月15日に「Webパワードール」のアップデートを実施する。今回、そこでの実装内容をはじめ、今後4月頃までに予定しているアップデート内容を開発&運営スタッフに伺ってきたので、その内容をお伝えする。
開発&運営スタッフへのインタビュー
――現在予定しているアップデート内容についてお聞かせください。
ガマニア:ゲームを開始すると、一番最初の報告画面に登場するオペレーターの女の子がいるのですが、彼女を4月のタイミングで新しいキャラクターに変更する予定です。今後は毎月1人オペレーターを切り替え、色んなキャラクターを生み出していきたいなと考えています。
先日結果発表をさせていただいたように、DoLLSの人気投票も実施しておりますので、上位にきたキャラクターをオペレーターとして登場させていければ面白いですね。
…と言いつつも、人気投票で一位を取ったケイティが4月に実装予定です。社内でも事前にオペレーターとして登場させようと考えていたので、人気投票の結果が仕込みということはありません(笑)。社内での人気とユーザー様の評判が合致したのでよかったなと思っています。これは構想段階ですが、最終的にはユーザー様が任意のキャラクターをオペレーターに設定できるシステムを組み込んでいきたいですね。
今オペレーターとして配属されているキャラクター・ジュリエッタの今後ですが、3月21日のアップデートでテストパイロットとして仲間になるようにする予定です。特別採用では当然レアリティの高いバージョンが手に入りますが、無料の一般採用でも登場しますので、全ユーザー様が手に入るように展開していくつもりです。
また、新しく加入するジュリエッタが今第一線で活躍している兵士に頑張って追いつけるよう、経験値が多くもらえる専用も追加予定です。
――人気投票では票数の偏りはいかがでしたか?
ガマニア:上位3人が接戦でした。やはり人気が出そうなキャラクターが上位を占めており、その中でもケイティが1位を取得することになりました。今後は原作のキャラクターを含め、全キャラクターに投票できるようにしたいですね。
――ローダーに関するアップーデート情報をお聞かせ下さい。
ガマニア:現在、ローダーの性能を上げるためのアイテムとして「強化骨格」というパーツがありますが、こうしたパーツの拡張を図っていきたいと考えています。回避や地上用兵器に対する防御力を上げるパーツをはじめ、ローダーがダメージを受けた時にパイロット側へいく衝撃を緩和するパーツなど、様々な強化パーツをゲーム内に入れ込んでいく予定です。
3月28日に追加される新指令では、クリア報酬として一部の新強化パーツが手に入るようになります。より効果量の高いパーツに関しては、エクスプローラーで取得できるアイテムの中に登場させていきたいなと考えています。
――ローダーそのものの追加は行われるのでしょうか?
ガマニア:週ごとに女性兵士を追加していますが、その投入ペースを維持する一方で、もっとローダーの追加も定期的に行っていこうと考えています。現在、パーツを集めて設計図と照らし合わせて作るローダーを実装していますが、こうした形式で開発するローダーも、新たな指令と合わせて追加していこうと思っています。
次に追加を予定しているローダーは、「蒼穹のファフナ―」のメカニックデザイナーである鷲尾直広さんに担当していただいています。鷲尾さんがもともと「パワードール」のロボットが好きということもあり、“鷲尾さんが描くローダー”をお願いしました。上がってきたデザインに対して、こちらで設定を組み立てていくといった流れで進めています。
ローダーの設定に関しては、工画堂様にご協力いただいています。まずはガマニアの考えている機能や特徴などをお伝えして、こういった能力であればこの企業のこういった技術が使われている、といった設定の肉づけを工画堂様の協力の元でやらせていただいています。
――2体のローダーの設定についてお聞かせください。
工画堂:すでに実装されてますが、ToMoさんにデザインしていただいた「高機動特化型 XX-xc」は、白兵がすごく強い高機動型のローダーです。シルエット通り、武装や装甲がほとんどない状態で、すごく早く動けるのが特徴です。その機動性を活かし、敵の攻撃を全部回避しながら近接戦で敵に一方的にダメージを与えて倒す、というコンセプトで設計された設定になっています。
極力機動性を上げようとしましたので、後ろに生えている2本の尻尾がバランサーの役目を果たしています。機体制御のために付けているのですが、こういった外見的な変化を意識して描いてもらったところがあります。欠点としては、被弾したときにパーツが壊れやすく、パーツが壊れやすいためパイロットも負傷しやすいという点がありますので、とてもピーキーな機体になっています。
今度実装される「威力偵察高機動型 XR-11」は、同じ高機動型ではありますが、こちらは宇宙用などで作っている戦闘用ではないローダーの技術を用いて、機動性を上げる軸を打ち出している設定です。「XX-xc」はある意味油臭い設定ですが、「XR-11」は姿勢制御ノズルですとか、バーニアやブースターでバランスを取るという形をとっています。
「XX-xc」は非常に速く動ける設定でしたので武装も軽量のものしか持てませんが、「XR-11」は火力支援もしてほしかったので、両手で重い武器を持てるようにしました。ただ、そうすると一層バランスが取れなくなりますので、航空機などで使用されているスラスターをローダー用に改造したという設定で、これらを両肩に埋め込み、バランスを取るようになっています。また、頭部に注目してもらえると分かるのですが、「XR-11」はレーザーを内蔵しているという設定のため、索敵にも強いイメージを出しています。
――ローダーの設定作りは苦労されましたか?
工画堂:自由すぎる方が難しくなってしまいますし、今回はお題がキチンとありましたので、「これは高機動型で、これは新型系の試作機にしましょう」といったように設定しやすかったです。武装と機体制御の関係などに説得力を持たせるため、しっかりと設定を考えますのでもちろん時間は必要でしたが、苦しいというのはありませんでした。
――デザインの監修ではどのようなところに注目していますか?
工画堂:まずはシルエットを大事にしたい気持ちがあります。あとは当然ダサいのは嫌ですので(笑)、ダサくなくてシルエットから何となく機体のイメージが伝わるように、という方向で監修させていただいています。
ガマニア:「XR-11」は3月15日から追加される指令の中でパーツを集めていくローダーですが、ほかにもまだ工画堂様監修のもとに作成いただいているローダーがあります。今回追加するものとは真逆で、チョバムアーマーを着たかのような、圧倒的な防御力を誇るローダーであったり、指揮官用にチューニングされたローダー、ロングライフルなどを持った狙撃用のローダーなどを考案中です。
今後のローダーは汎用機というよりも、試作機や試作機のさらにプロトタイプであったりと、外見的にも能力的にも尖った機体が多くなりそうですね。今後のアップデート機能となる「ボス戦」や各種指令の中で、「この指令に対してはこの機体のほうが相性がいい」といったように、ユーザー様に様々なローダーを使い分けてもらえるよう、遊びの幅を持たせていきたいと考えています。
――今は人気のローダーが偏っていたりするのでしょうか?
ガマニア:搭乗するローダーに対して兵士の階級が一定以上達していないと乗れないものがありますが、現在ですとX5Sを使っている方が多いですね。かなりプレイしているユーザー様ですと、総合的に能力の高いXB-10や、XC-10にスパンカーを装備させて攻撃力を高くしている方もいらっしゃいます。ただ、どうしても1つの機体に固定の兵装という状況になってしまいますので、今後いろんな要素を追加する中で、様々なパターンを駆使して戦えるようにしていきたいと思っています。
先ほど紹介した新型のローダーは、原作の「パワードール」シリーズに存在していなかったものですので、「Webパワードール」を機に、新たなローダーの歴史であったり、「パワードール」全体の歴史が動き出せばいいなという気持ちがあります。
――ローダーの立体化も発表されていますが、現在公開されているシルエットの第一印象をお聞かせください。
工画堂:ファーストインプレッションはよかったですし、1番最初にいただいたラフに対して、こうしていただけますかとお願いした内容を反映していただいており、やっぱりプロは違うんだなと感じています。量産機のようなローダーは困りますし、エッジが立ちすぎてもパッと見でローダーに見えなくなってしまうので、ローダーを描くのはやはり難しいようです。
基本的に抑えるべきポイントだけはこうしていただけませんかとお願いする形で出していますが、それ以外は作家さんの出すデザインですとか、作家さんのやる気が出る部分、“自分のローダーだったらこうする”というものがありますので、そこを変えるつもりはありません。
――レールガンが搭載されるとのことですが、そのことについて何か協議されましたか?
工画堂:兵器的なサイズを考えるとレーザーは使えませんし、防御する方法が簡単すぎてしまいますので、何かしらのエネルギーを打ち出せるというと、レールガンが現実的でした。とはいえ、レールガンにも色々と大きな問題がありましたので、光より速く航行できる技術や砲身を冷やす方法、耐久性など、問題を解決して実現しやすそうなデザインを考えていただきました。それに合わせて、我々が設定を考えていくという感じです。
――指令に関するアップデート情報をお聞かせください。
ガマニア:ユーザー様の中には原作の「パワードール」シリーズをプレイされている方が多く、「1」と「2」のキャラクターがいつ出てくるのかといった意見をいただいております。ただ、「Webパワードール」は「3」以降の世界観をベースにしており、その「1」と「2」の2作品は時代背景では100年前の世界となります。
そのため、単純に「新キャラクターが追加されました」というのも整合性が取れませんし、どうにかゲームシステムと絡めてできないかと考えた結果、3月15日からのアップデートで旧作のキャラクターと疑似的にゲームの中で戦える専用指令を追加することになりました。
ゲーム的な解釈で言いますと、「OMNI(オムニ)本部から兵士育成プログラムの一環として、半ば伝説となっている初代DoLLSメンバーと戦えるシミュレーターを各基地に配布する」という形になっています。3月15日に追加する指令は2部構成となっておりまして、初代DoLLSのキャラクターと戦い、一度勝利すると、さらにパラメーターのアップした同じキャラクターと戦えるようになっています。
3月28日には初代DoLLSの登場するシミュレーターをもう1人分追加する予定です。3月に追加となるのはジュリア・レイバーグとアリス・ノックスというキャラクターですが、ファンの方の中では象徴的な存在のキャラクターもいますので、今後も随時旧作のキャラクターと戦える指令を追加していきたいと思います。
――原作のキャラクターに根強い人気がありますが、当時はどのようにして人気が出たのでしょうか?
工画堂:当時はキャラクターの設定を付けていただけで、セリフは一切なかったのですが、それが逆にユーザー様の妄想をかきたてたようです。例えばプロフィールで“銀髪のコンピュータ”と書かれているセルマ・シェーレというキャラクターがいるのですが、ゲーム内でもその設定がパラメーターなどで生きてきますので、能力と外見、そして設定で感情移入する方が多く、そこから人気が出てきたというイメージです。
皆さんの思い入れが強い隊長の2人や、日本人の名前とキャラクターが受けているタカスナミ、能力が非常に高くてゲーム内で使われることが多いミリセントなどが人気のキャラクターですね。ほかにもマフィルというキャラクターは、射撃が全然当たらずに使い勝手が悪いと思われていたのですが、クローズコンバットの能力だけはすごく高く、限定された場面ではかなり使えるということもあり、「この子は育てるといいよね」といった感じで人気が出てきました。
最初はゲームの設定や能力によってキャラクターを好きになることが多かったのですが、「パワードール2」になってからはキャラクターの魅力、プロフィールの魅力も影響して色んなキャラクターに人気が出てきたという経緯があります。
ガマニア:原作のキャラクターと戦える指令では、自分が倒したキャラクターはどんな人だったのかを知ることができるように、イベントクリアの演出を用意したいと思っています。シリーズが好きな方には当然懐かしんでいただけますし、シリーズを知らない方にも「こういったキャラクターがいたのか」と、新鮮な気持ちで楽しんでいただけるかなと思っています。
この他にも、特定のキャラクターの組み合わせによって発生する指令もいよいよ実装できるかなと思っています。
――公式サイトのアップデート予定ではボス戦について書かれていますが、こちらの予定はいかがでしょうか?
ガマニア:ボス戦のシステムは4月に導入予定です。今は指令に出すと成功・敗北どちらの場合も一回で終了しますが、ボス戦は一回の指令では倒すことができない内容になっています。例えば1回出撃して100ダメージを与え、2回目の出撃でも100ダメージを与えると累積で200ダメージとなり、トータルの耐久度を徐々に削っていく形になります。
それだけですと何回も繰り返していればいずれ倒せてしまうので、制限時間を設けています。また一度ボスを倒すと、さらに強化されたボスに挑戦できるようになっており、一度クリアしたレベルのボスとは戦えなくなりますが、より上のランクに位置するボスを倒したときの報酬もレアリティが高いものになりますので、期間内にどのレベルのボスまで倒せたのかというところを楽しんでいただきたいと考えています。
今後のアップデートでは出撃させるDoLLSや装備、ローダーによる相性も色濃く出していきたいと思っています。自分で組み合わせを練って、うまく時間内に倒せる組み合わせを探すような、今存在している通常の指令とは違った角度から楽しんでもらえるものを投入予定です。
――ボス戦でパイロットが手に入るとのことですが、ボス戦でしか手に入らないものも出てくるのでしょうか?
ガマニア:そうですね。強化パーツであったりローダーであったりと、そのボスを倒さないと手に入らないものも設定できればと思っています。“ボス戦”と銘打ってはいますが、必ずしも1体の敵と戦うものばかりではなく、難攻不落の前線基地を落とすといったものや、30機からなる敵部隊をせん滅するといった、色んな見せ方ができるかなと思っています。
――ボス戦の制限時間は長めになるんでしょうか、それとも短めに?
ガマニア:そこはボスの強さであったり、どのプレイヤー層に向けた指令かによって変えていきますので、あえて上級者向けのボスを出す場合には時間制限を短くするつもりです。もちろん始めたばかりの方でもチャレンジできるよう、そこは両立させていきたいなと思っています。
――今後の「パワードール」の展望などはありますか?
工画堂:変な言い方になりますが、あまり僕らが作るものではなくなったかなという印象があります。工画堂スタジオやそのスタッフが「こういうものを作りたい」と投げた石が水に落ち、その波紋がすごく大きくなってきていると思います。そうなると、我々がこういったものを作りたい、こういった表現をしたいというよりも、遊んでいただいている皆さんが「パワードール」を作っている状況になっているかなと感じています。
無責任さではなく、皆さんに少しずつ決めていただいて、遊びたいと思っていただいたものを形にするだけなのかなと感じています。まさに今、新たな歯車が入って歴史が転がり始めた状態なので、それに対して我々が起こせるアクションはどんなものだろう、といったことを考えていきたいですね。
ガマニア:ストーリーに関しても、「新しい話はどうなるんだろう」と待ち焦がれているユーザー様がたくさんいらっしゃいますし、「Webパワードール」を正史とするかといった問題もありますが、この先々、限りなくオフィシャルに近いところで世界を構築し、ユーザー様の反応を伺いたいというのがあります。
また、間口を広げるために、3月15日にはチャネリングを予定しておりまして、NHN Japan様のハンゲームにてプレイできるようにあります。原作のキャラクターと戦う指令や新たなローダーが追加されますし、「Webパワードール」はまだ成長し続けるコンテンツだと思っていますので、今後も一層市場を盛り上げるような施策や企画をやってきたいと考えています。
――ゲーム内容から少し離れますが、スマートフォンへの対応が行われました。その感触はいかがですか?
ガマニア:正直なところ、スマートフォンで遊んでいるという声はいただくのですが、スマートフォンでプレイしていて良かった点、悪かった点への意見はあまり届いていないですね。ただ、現状ではスマートフォンで遊ぶように操作性などが最適化されているとは言いづらいため、より遊びやすいようにチューニングしていきたいと思っています。
――最後に今から始める方とすでにプレイしている方へのメッセージをお願いします。
ガマニア:コンセプトが“女の子とロボット”という非常に分かりやすいものになっており、プレイしていただければすぐに入る込める世界だと思いますので、ぜひプレイしてみてください。すでにプレイしていただいている方には、今回ご説明したようなアップデートを次々と実装していきますので、楽しみにしていてください。これからはローダー押しということもあり、ロボット好きの方にはたまらないと思います。
工画堂:「パワードール」をずっと作ってきていますが、ユーザー様に満足していただけるものを提供する形で進めております。歴史が長いだけだといずれ風化して消えてしまうだけの存在になってしまいますので、その時代に合わせた求められている遊び、設定やキャラクター、ローダーなど、ガマニア様とやらせていただいて勉強になった部分があります。最終的にはそれらをまとめ、古くからプレイしていただいている方、そして新規の方も含めて満足していただけるものを作り続けていければと思っていますので、ぜひ遊んでみてください。
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