セガは本日5月2日、東京・秋葉原にて開催されている「ファンタシースターオンライン2」ファンブリーフィング2nd in秋葉原PCゲームフェスタを開催、次回テストや正式サービスで実装予定の新情報を公開した。
クローズドβテスト結果速報
イベントの冒頭では、本作のプロデューサー・酒井智史氏が登場し、4月30日まで実施されていたクローズドβテスト(CBT)の実施目的や状況報告を行った。まずはCBTで発生していた通信遅延や回線切断について「皆様には多大なストレスをおかけして申し訳ございませんでした」と謝罪し、その原因がネットワーク機器の不調にあったと説明。
ネットワーク機器はスペック的には問題のないものを使用していたため、原因に気づくのが遅れてしまったというが、4月26日にサーバー構成の変更を行ったことで通信プレイが可能となった。それに合わせ、CBTの実施期間も当初の28日までから30日まで延長された。
そしてCBT結果速報として、ゲームダウンロード数やテスト参加総人数、デイリーでの平均ログイン人数、最大同時接続者数が公開された。最大同時接続者数に関しては、約23,500人と、α2テストとほぼ同数。これは先ほど述べた通信遅延や回線切断があったため、CBT初期の頃にプレイをやめてしまった人がいる可能性や、ネットワークの問題により接続の上限ができてしまっていたなどの可能性があるためだという。
そのため、次回テストはオープンβテスト(OBT)の予定だったが、状況によってはOBT前に一度、短期間のテストを追加で実施する可能性があるとのこと。なお、通信問題に関して大きな不具合があったものの、2012年初夏サービスインの予定に大きな変更はないとしている。
現在CBTは終了しているが、参加者へのアンケートも実施されており、そちらの締め切りが5月7日までとなっているので、ぜひ色んな意見を聞かせて欲しいとした。そのほか、キャラクターコンテストのノミネート作品への応募締め切りも5月7日までとなっている。
次回テストや正式サービス時の実装要素
CBT結果速報の後は、次回テストでの新要素紹介へと移った。まず大きな要素として、新惑星「リリーパ」が追加されることが判明。新惑星の登場に伴い、新フィールドの「砂漠」も登場となる。
この砂漠には、機甲種と呼ばれるメカニック系のエネミーが登場する。機甲種は、正確なレーザー攻撃やパーツが壊れても襲ってくるなど、これまで惑星ナベリウスに登場した原生生物とは異なる特徴を持っているようだ。
さらに、砂漠にはアリジゴクのような新ボスダーカー「グワナーダ」が登場する。このボスは、無数の触手による地面からの攻撃や、強力なアゴによる攻撃を行ってくるとのこと。
また、マターボードに分類されるストーリークエストも追加される。ストーリーモードには、主人公を狙う好戦的なキャラクターをはじめ、新惑星に住まうリリーパ族、龍族など新たなキャラクターや種族が登場する。
ほかにも、OBT時にはクラスレベルは30のままだが、正式サービス時にはレベル上限が40まで引き上げられるという。一部のクエストにはハードモードも実装される。
新たな惑星「リリーパ」と新フィールド「砂漠」
惑星「リリーパ」
惑星全体が砂に包まれた、過酷な環境の惑星。かつて存在した文明の残滓か、惑星のそこかしこに資源回収の建造物が存在している。この惑星をアークスが発見したのは、ごく最近のことであり、現在進行形で惑星調査を続けている。
「砂漠」フィールド
惑星リリーパ全域に広がる砂のエリア。生命体の痕跡はほぼ見当たらないが、主を失ったロボットである機甲種が外敵排除のために闊歩している。見境なく襲いかかってくる機甲種だけでなく、ダーカーの存在も確認されているため、危険度の高いエリアとして認識されている。
新エネミー&ボスモンスター
機甲種エネミー
ギルナス
巨大で頑丈な身体を持つ中型機甲種。体内にコアを隠しているため、コアを破壊しない限り身体がバラバラになっても襲いかかってくる。
シグノガン
素早い動きで翻弄する中型機甲種。動きながらの射撃を繰り返し、的を絞らせない強敵。
スパルダン
汎用性に優れた四足歩行の機甲種。強固な外殻を活かした突進攻撃を繰り出してくる。
他に砂漠フィールドには、アークス達の敵である「ダーカー」も存在している。
ボス:グワナーダ
地に潜み、強襲してくる大型のダーカー。大きな鎌を携えた本体だけでなく多くの触手を操り、狡猾な波状攻撃を仕掛けてくる。
そして正式サービス時の新要素としては、新コスチュームや待望のエネミーウェポンの追加、タイムアタッククエストの実装、マグの第3形態などが存在する。さらに惑星ナベリウスにも、新フィールド「凍土」が追加されるようだ。
これらの新要素は会場でPV上映による補足説明も行われ、映像では凍土に登場する新ボスモンスターの姿も確認できた。
実機プレイもあったイベント二部
イベントは二部制となっており、ここまでの発表がイベント第一部での内容となる。ここからは酒井氏に加え、本作のディレクターを務める木村裕也氏を招き、実機プレイや来場者からの質問に開発陣が答える質疑応答コーナーのあった第二部の内容をお届けしていく。
質問:シンボルアートもキャラクタークリエイトのように外部で作れるようにできませんか?また、シンボルアートのコンテストも開催してほしいです。
この質問に対しては、シンボルアートを外部で作れる予定はまったくなかったが、非常に多くの要望が寄せられているようで、実現できるかは定かではないが、「考えなくてはいけないなと思っています」と前向きな回答が得られた。シンボルアートコンテストについても、「ぜひやってみたい」と同じく前向きなコメントが飛び出した。
なお、当初開発陣が予想していたよりも凝ったシンボルアートを作る人が多かったようで、「お約束はできませんが」と前置きがされたものの、CBTで作成したシンボルアートのデータだけは、今後のテストやサービスインにも引き継げないか検討中だという。
質問:シップ間のキャラ移動の対応予定はありますか?課金予定も含めて教えてください。
これに対しては、データベースへのデータの書き込みなどの問題により、ラグが発生してしまうことを避けるために現在シップを分けた状態にしていると、まずは現状について説明が入った。そして今後は、ある程度の制限があるものの、ほかのMMORPGにあるようなものとは違ったシップの移動方法を、将来的に実装していきたいとした。
質問:胸の揺れのON/OFFができるようになりませんか?今後の衣装の追加内容に期待してもいいですか?
この質問がモニタに映しだされると、なぜか来場者から拍手喝采。確かに重要な要素であるが、現状では同機能のON/OFFは予定していないが、要望が多ければ検討していくとのこと。ちなみにお尻が揺れる機能の実装はできるかと追加で話題に上がったが、こちらは仕込が足りないようで、少なくともすぐに実装されることはなさそうだ。しかし、胸やお尻を強調した衣装も用意しているというので、そちらを楽しみにしてほしいとした。
質問:武器の種類の追加など今後の予定はありますか。
本質問に対しては、時期については明言されなかったが、新しい武器のカテゴリも近いうちに増える予定との回答が得られた。また、どの武器が実装されるのかについて、酒井氏から会場に向けて「何がほしい?」と逆に質問が飛び出すと、来場者からは主に「ダブセ!(ダブルセイバー)」と声が上がり、それを聞いた酒井氏は「じゃあダブセ入れますか!」と意気込んでいた。さらに木村氏からは、「ナックルも入ります!」と思わぬ情報が飛び出した。
新ステージの砂漠を酒井氏が実際にプレイ!
質疑応答コーナーのあとには、第一部で公開された新フィールド「砂漠」を実機でプレイすることに。惑星ナベリウスと比べると、起伏のあるフィールドとなっているほか、出現するモンスターもダーカーがメインで、時折「EMERGENCY CODE」で機甲種が登場するなど、様相がだいぶ異なっていることが伺えた。
また、ボス戦も少しだけ見ることができた。新ボスダーカーのグワナーダも第一部で公開されたが、実際のボス戦では2体同時に登場するようだ。かなり多くの触手が地面から攻撃してくるので、先に触手を倒すのもアリだろう。実機プレイの解説を行った木村氏によると、ボスの弱点属性は炎だが、触手の数が多いので、フォースであればゾンデ系のテクニックで攻撃して一度に多数の敵にダメージを与えるのも有効な手段だという。
正式サービス以降の実装内容も少しだけ公開に!?
第二部ステージの最後には、正式サービス後に最初に追加されるマップの映像が会場限定で公開された。映像でお届けできないのが残念ではあるが、シノワビートやギャランゾの雰囲気をほんの少しだけ感じるモンスターの姿も確認でき、「ファンタシースターオンライン」からのファンにとっては期待が持てそうな内容となっていた。
酒井氏&木村氏へのミニインタビュー
イベント終了後には、短い時間ではあるが酒井氏と木村氏へのインタビュー時間も設けられたので、最後にその内容をお届けする。
――初夏サービスインから変更なしとのことですが、CBTをもう一度実施するかもしれず、当然OBTもされる。となると、一般的な初夏のイメージだとかなりスケジュールがタイトな印象を受けますが。
酒井氏:問題がなければすぐオープンにして、サービスインという感じになっています。ほぼオープンにいける状態を整えて、本当に問題ないかを確認するためにCBTをもう一度、本当に短い期間ではありますが、実施しようかなと考えているところです。
今回、同時接続者数が少し低いのですが、ネットワーク機器の問題があり、上限に達してしまっていたようでした。その上限をちゃんと突破できるのか、もちろんこちらでも検証するのですが、実際にプレイヤーの皆様を入れてみて大丈夫かを確認しないと怖いところがあります。それがある程度検証できれば、すぐOBTというのも考えられますが、その辺りは今後の検証で決めていきたいなと思っています。
――CBTをもう一度実施するかもとのことですが、ゲーム内容は今回のCBTと同内容になるのでしょうか?
酒井氏:クライアントの内容が変わってしまいますので、恐らくOBT相当の形になると思います。
――サービスイン後もコンテンツを追加する予定とのことですが、一般的なオンラインゲームのように定期的にアップデートしていくという考え方でしょうか?
酒井氏:そうですね。大体月一ぐらいでアップデートしていく予定です。
――課金アイテムは一部コスチューム等はメセタでのトレードも可能とのことですが、現状でトレード可能なもののイメージを教えてください。
木村氏:コスチュームは一部と言っていますが、現状ではあまり制限するつもりはありません。将来的にはもしかしたら制限を付けるかもしれませんので一部という言い方をしていますが、基本的にコスチュームはメセタでやり取りできるものと考えています。ドロップで手に入るレアアイテムに関しても、現状だと一回装備するとオーナー登録がされてトレードができなくなりますが、一度も装備したことがないものに関しては売却できるようになっていますので、基本的にあまり制限がない感じで考えていただければと思います。課金してない方でも、メセタでアイテムをある程度集めることもできるようにしていきたいなと思っています。
――キャラクタークリエイト体験版のデータはOBTや正式サービス時にも読み出せるのでしょうか?
木村氏:現状ではキャラクタークリエイト体験版やCBTでもクリエイトデータを保存でき、継続してロードできるようにしていくつもりです。シンボルアートに関してはステージでもお話ししましたが、なんとか残せないか前向きに検討中です。
――エネミーウェポンが追加されると発表されましたが、直接ドロップするのでしょうか、それとも素材を手に入れて作成する形になるのでしょうか?
木村氏:基本的には直接ドロップするようになっています。
――OBTの期間はどれくらいを予定しているのでしょうか?
酒井氏:状況によりますね。長かった場合どれくらいになるかちょっと分からないですが、短い場合は1週間ぐらいになってしまうかもしれないです。OBTだとアークスキャッシュ(AC)が使えず、遊べる範囲も狭くなってしまうので、早めにサービスインできるよう、今の見込みでは一週間前後ぐらいがいいかなと思っています。
木村氏:OBT期間はACがチャージできないので、マイルームやマイショップは解放しようかなと思っていますが、コスチュームも購入できないので、早めにサービスインしたいと考えています。
――OBTの内容は引継ぎということは変わりなく?
酒井氏:もう一回CBTをやる場合、それは引き継げない形になりますが、OBTは正式に引き継げるようになります。
――OBT以降から正式サービスに至るまで、今日発表された以外にボリュームアップは予定されているのでしょうか?
酒井氏:裏では結構いろいろ動いているのですが、先ほど発表させてもらった内容ぐらいですかね。クライアントオーダーの数は相当増えますね。
――クライアントオーダーはストーリーを進めると受けられなくなるものも出てくるのでしょうか?
木村氏:かなり限定されたところでは出てくるかもしれませんが、今のところ厳密な予定はありません。もしかしたら受けられなくなるものが出てくるかもしれませんが、その場合は別の代替手段を用意したり、ゲーム的なところで不都合がないようにする予定です。クライアントオーダーだけをやりたい人もいると思いますので、そのあたりに制限を設けないようにしようかなと思っています。
――最後にユーザーの方へメッセージをお願いします。
木村氏:CBTは非常に不安定な状況で、その間、開発もユーザーさんに申し訳ないと心苦しい状態だったんですが、それでも毎日6万人ぐらいの方に来ていただいて、本当にありがたいことだなと思っています。CBTの意見や要望をたくさんいただいていまして、目下吟味しており、次回のテストやサービスインにどれだけ対応できるかを考えております。スケジュール、もしくは技術的にすぐ対応できないものもあるのですが、サービスイン後にいつ対応できるかも含めて検討しています。今後もより面白く、かつ快適に遊べるものを目指していきますので、これからも応援いただければと思います。
酒井氏:CBTではご迷惑をおかけして申し訳ないと思っておりますが、ネットワークゲームをやっている以上想定外の問題は起きるものですので、CBTの段階で今回のような問題が分かったのは、ある意味よかったのかなと思っています。しっかりとこの不具合を修正し、次のテストに臨んでいきたいと思います。
また、正式サービスに向けて改良しつつ、正式サービス後がオンラインゲームはポイントになってくると思うので、皆様の意見を入れつつしっかりと改良して、より楽しい世界を作っていきたいなと思います。課金についても色んなご意見があると思いますが、少しでも多くの人にネットワークゲームを楽しんでもらいたいという考えで今の課金体制になっているところもあります。全員に納得いただくのは本当に難しいことだと思いますが、一人でも多くの人に楽しんでいただけるような体制にしていきたいですし、タイトルとしてもそういった育て方をしていきたいと思っておりますのでこれからもよろしくお願いいたします。
(C)SEGA