NHN Japanが6月7日よりオープンβテストを予定している「スペシャルフォース2」。今回、本作のプロデューサーを務める佐野亘氏に、5月に実施されていたCBTの手応えや、来週に迫ったOBTの実装内容などについてお話を伺ったので、その内容を紹介しよう。
「スペシャルフォース2」は、韓国のドラゴンフライが開発したFPS(ファーストパーソンシューティング)「スペシャルフォース」の続編。前作ではできなかったことを実現させようという意思のもと、「スペシャルフォース」の開発中心メンバーでチームが組まれ、初心者から上級者まで誰でも楽しめる最高のFPSを目指して開発が進められているタイトルだ。
5月3日から6日までクローズドβテスト(CBT)が実施されており、いよいよ6月7日からはオープンβテスト(OBT)がスタートする。公式サイトでもCBTに参加した方のプレイ状況などのレポートが公開されているが、それらを踏まえての手応えや、OBTや今後の大まかな展開についてもお話を伺うことができた。
CBTの感触と今後の展開について聞いた佐野氏へのインタビュー
――まずはCBTの感触をお聞かせください。
佐野氏:CBTは5月3日から6日までの4日間実施させていただきました。目的は技術面、特別なサーバークライアント方式という稼働方法を取っていますので、サーバーの安定度や負荷テストの調査ですね。あとは単純に「スペシャルフォース2」を日本のユーザーさんにプレイしてもらい、どういう反応が見られるのかをメインにさせていただきました。
先行体験会に参加いただいた方には面白いと言っていただけたのですが、CBTではオンライン上の反応ということもあり、辛辣な意見があるのではと思っていた部分があります。ですが結果を見てみると、たくさんの方が面白いと言ってくださっていて、逆に不安になるぐらいでしたが(笑)、全体的にユーザーさんに受け入れられている印象です。
CBTではどういったところが不満だったかを聞く意味も含めてアンケートシステムを入れていたのですが、そこでも全体的に肯定的な意見が出てきました。ただ、バランスに関しては、スナイパーが強すぎるという部分と、マップが狭いのではないか、という2点に関する意見が多かったです。
――敵のスナイパーのスコープが光って位置が分かる要素が入っていますが、それを踏まえてもまだスナイパーが強いという感じでしょうか?
佐野氏:そうですね、実は韓国でもずっとスナイパーが強いと言われている傾向がありまして、ゲームバランスの調整をしている部分があります。どういった調整をしていたかと言いますと、今まではスナイパーが強いのでアサルトライフル(AR)を強化しようとしていたんです。それでも現状の日本の状況だとまだバランスが取れていないので、CBTが終わった後に開発会社さんが来たときに「スナイパーが強いという意見がこれだけきています」という話をさせてもらい、今度はスナイパーの強さを調整しようとしています。
これはまだ検討段階という前提なんですが、今は2つの方向性でスナイパーの強さを修正できないかと考えています。そもそもなぜスナイパーが強いかと言いますと、現在のスナイパーライフル(SR)はすごく扱いやすいんですね。「スペシャルフォース」などでは、移動しているところから、止まって武器を構えて狙って撃つという動作があるときに、移動のキーを離すと慣性で動くので、その間に撃つと弾がブレるんですよ。なので、移動していた方向とは逆にキーを入れるストッピングというテクニックがあるんですが、「スペシャルフォース2」ではそれを使わなくてもいいように設計されています。
本来は簡単に扱えるようにという意味で設定しているのですが、そういったテクニックを必要とせずに相手に大きなダメージを与えることができる状況になっています。そのため、ストッピングを必要する仕様に変更するかどうかというのが一つ目の修正案としてあります。
あとは単純にダメージが大きいというところですね。ヘッドショット(HS)で頭を狙えば一発で倒せるというだけでなく、胴体や手足の先に当たっただけでもかなりのダメージが入るので、一発当ててからハンドガンに切り替えて攻撃すればすぐ倒せてしまう状態なのが良くないのではと考えています。ちゃんと狙って撃ち、しかるべきところに当たった時だけ大ダメージが与えられるべきかなと思い、手足のダメージを低めに修正しようかと話をしているところです。
それから細かいところでは、銃を構えてる最中に相手からの攻撃を受けたとき、今の「スペシャルフォース2」では一定確率で怯むんですね。それが今はどの銃でも同じような確率で怯むようになっていますので、怯む条件を武器ごとの特徴に合わせていこうかなと思っています。
例えば、ARを相手に3発当てれば怯むと設定したとき、スナイパーは単発でしか撃てないので、向こうから撃たれる前に3発撃ち込めば怯ませて倒せるようにすれば、ARとスナイパーの差が縮めやすくなるのではと考えています。実際にどんな方法になるか分かりませんが、こういった要素について調整できないかと開発会社さんと話し合いをしているところです。
――ゲーム的な部分、武器ごとのキルデス数や全ての銃器で照準器を覗けるといった部分の反響はいかがでしたか?
佐野氏:結構細かいデータまで見れるよ、というのは本作の売りのひとつだと思っていたんですが、反応的にはそこよりも全体的なバランスに対しての方が大きかったですね。詳細なデータが見れるというのはゲームの入口部分ではなく、もっとプレイした先にあるからかな、と思っています。
――公式サイトで公開されているCBTレポートを見るとAR、SRを使っているユーザーの割合が多いですが、武器カテゴリが増えたらもっと分散するという予想なんでしょうか?
佐野氏:CBTではマシンガンとショットガンのカテゴリが入っていないので、その2つが入ればバランスが変わってくると思います。ただ、マシンガンもショットガンもメインストリームになる武器ではないと思うので、AR、SRの順位は大きく変わらないと思います。
――プレイされているマップやモードのバラつきもありますが、このあたりでテコ入れの予定はあるのでしょうか?
佐野氏:あらかじめ予想はしていたのですが、アンケートの内容を見て、チームデスマッチと爆破モードの需要がすごく高いんだなと改めて感じました。OBTのときには、主にその2つのモードのマップを増やしていく方向性でアップデートの内容を考えていますね。ただ、脱出モードや奪取モードをもっと遊んでほしいと思う部分もありました。
脱出モードは「スペシャルフォース」のときには特定のポイントまで行けばよかったんですが、「スペシャルフォース2」ではまずはヘリを呼んで、そこからヘリが到達するポイントまで行かなくてはいけないので、以前よりも難しくなっているところがあります。ゲーム内のUIをシンプルにして説明を少なくしていたこともあって、ゲームルールが分かりづらいという声もありましたので、OBTの時には運営側からこういったモードですといった案内ができるようにと考えています。
――モードごとに攻め側と守り側での有利・不利といった意見はありましたか?
佐野氏:ゲームシステムとして、途中で攻守がガラッと入れ替わるシステムが入っているので、どちらがいいとか悪いといった意見は多くなかったですが、勝率は攻め側が何%といった比率も調査したところ、結構差が出てきていることが分かりました。マップに対して狭いとかバランスが悪いといった意見がありましたので、そういったところが勝率の違いにも表れてしまっているのかなと思っています。
――OBTではどれくらいのマップや銃が実装されるんでしょうか。
佐野氏:まずマップが3つ追加される予定です。チームデスマッチ、爆破、奪取用のマップが1つずつの合計3つですね。武器はかなり追加されるので、今具体的な数は把握していないのですが、新カテゴリのマシンガンとショットガン、それからブーメラン型の特殊武器「Kukri」が追加されます。
中でもマシンガンは壁の向こう側の敵を撃てる貫通性能が入っていて、韓国のクラン戦なんかでは敵が潜んでいそうなところにマシンガンを撃って敵がいないことを確認するといった戦術が取られていますね。「スペシャルフォース」では敵がいるかいないかを目視、もしくは爆弾でやっていたことが多いですが、これからはマシンガンがその役割を担っていくかもしれない、といった印象です。
――ゲーム性が前作から大きく変わったと思いますが、その反応はいかがでしょうか。
佐野氏:「スペシャルフォース」って、ジャンプで飛び跳ねたり、屈伸したり、斜めに走ったりといったテクニックがあって、FPSの中では特殊な部類に入ると思うんです。今作ではそういったテクニックがなくなっているので、「スペシャルフォースらしさがない」といった意見もありますが、全体的にはすんなり受け入れられている感じです。
――今後本作のオリジナリティをどういった部分で出していけたらと考えていますか?
佐野氏:特殊なモードがないとなかなか独自性やオリジナリティと言いづらい部分もありますが、開発会社のドラゴンフライさんはずっとFPSを作っている会社で、「スペシャルフォース」を作っていた人たちが「スペシャルフォース2」のために集まって、前作ではできなかったことを全部入れて新しいFPSのスタンダードになれるよう開発しています。ゲームとしては、操作にストレスなくすんなり始められるタイトルで、カジュアルな部分もありますが、実際は奥深く、競技性もあり、FPS初心者から上級者まで楽しめる本当に良いゲームです。
僕ら運営としては、世界大会や国際大会を大きな目標にして、国内でも大会を開催して盛り上げていきたいと考えています。「スペシャルフォース」のように長い年数サービスが続いているタイトルは、強いクランが固定化されてきているイメージがあります。それはそのチームが非常に努力した結果だと思いますので、それ自体は問題あるとは思っていませんが、「スペシャルフォース2」の登場によって、「FPSやってるけど上にいる人は強すぎてなかなか勝てない」といった人たちが、新しいラインでスタートできるようなところが実現できたらいいな、思っています。
――たしかに中級者レベルから上に行くのは大変ですよね。
佐野氏:そのあたりの層の方って、結構いいところまではいくんですが、最終的にプレイしている時間の差とか、ちょっとした経験の差で敗れてしまうことがあると思うんですよ。「スペシャルフォース2」がサービスされれば、そのタイトル独自の経験の差がリセットされて、同じ土俵で戦うことになりますので、他タイトルの強豪クラン同士が戦ったり、逆に無名クランが頭角を現してくれると嬉しいなと思います。
――大会も積極的に開催していくんでしょうか?
佐野氏:もちろんやります。「スペシャルフォース」は手さぐりで運営していたこともあり、後発のタイトルや他社さんのタイトルでやられている、オフラインイベント中心の地盤作りができなかったんですね。世界大会や国際大会を目指す場合、やっぱり近くのネットカフェなどに集まって声を掛け合いながら練習されることが多いですし、サービス開始した初期の段階はオフラインイベントを中心に行って、地域のクランみたいなものを作っていけたらいいなと思っています。
それからみなさんが「スペシャルフォース2」に慣れてきた頃、秋頃に大きな大会があるといった流れを作っていけたらと考えています。
――韓国では「スペシャルフォース2」がe-Sportsの種目にも選ばれていますよね。
佐野氏:そうですね。前作がもともとプロリーグという大会の種目になったんですが、「スペシャルフォース2」が出てきたことで、そのまま入れ替わった感じになっています。将来どうなるかわかりませんが、韓国のe-Sports協会「KeSPA」と開発会社のドラゴンフライさんが親密にやり取りしていて、WCGのFPS種目の中にノミネートされていることもあるので、今年の末に国際大会ができたら嬉しいなという思いはありますね。そこは投票なので、まずは選ばれないとですが(笑)。
夏の間は、ハンゲーム全体で行うキャラバンの中に「スペシャルフォース2」も入っていますので、地域に根付いたクランがたくさんできると嬉しいですね。それらのクランが競えるよう夏休みには大会を開催し、秋頃に大きなオフライン大会をできたらいいなと考えているところです。
――CBTレポートにあった「お客さまのご意見」で実装予定のものはありますか?
佐野氏:結構ありまして、まず試し撃ちができるモードはOBTで入る予定です。あとはAI系のモードを実装できないかと話し合いをしていることですね。韓国にはすでにトレーニングモードといって、キャラクターを配置して遠くから撃つモードはあるんですが、それだけだと寂しいので、キャラクターが動くようにできないかといったところも話している最中です。占領戦が欲しいといった意見もありましたが、韓国ではマップがひとつ入っています。これもかなり出来がいいモードだったので、なるべく早い段階で入れられるようにしたいです。
あとはトグル機能ですね。照準器を覗くときってマウスを右クリックすると画面を切り替える感じになっているんですが、ほかのFPSタイトルによってはキーやボタンを押しっぱなしにしていると覗く仕様のものもあるので、そこをどうしようか悩んでいます。クリックを押しっぱなしで覗くようにできないかと考えたのですが、「スペシャルフォース」では覗いた後にもう一回クリックすると倍率が上がるというスナイパーライフルがあるんですよ。押しっぱなしで覗く仕様にすると倍率が変えられなくなってしまうので、どういった操作方法にしようかも協議しています。
それから移動速度が遅いといった意見もありました。走れば早いんですが、歩いている時や照準器を覗いている時の移動速度を遅いと感じる方が多かったですね。照準器を覗くと命中率が上がるのでペナルティ的に設定しているんですが、現状だとARとSRも同じような移動速度なので、遠距離で撃ちあった場合、圧倒的にSRが強くなってしまいます。
もちろんSRは遠距離用の武器なので当然と言えば当然なのですが、ARを使っていても、もう少し弾を避けながら当てたいという意図があるので、覗いたときの移動速度も武器の特性に合わせて調整していきたいと開発と協議しています。
仕様面について色々とお話しさせていただきましたが、ユーザーさんからよく言われる意見に「世界大会に向けて練習していても、世界大会の仕様が違って力を出せないのが嫌だ」というのがあるんです。これはその通りだと思っていて、開発側にもお願いして直してもらっているんですが、最終的にはまったく同じグローバルなバージョンを目指しています。
CBTのときにWキー2回で走ることができる機能を付けたのは、韓国やほかの国で実装される流れになっていますし、先にお話ししたストッピングがないと攻撃をうまく当てられないようにしようと話をしていることも関係しています。ただ、韓国ではすでにサービスが始まっているゲームなので、それを急に入れることですごくネガティブな印象になるケースも考えられるんですね。
実際に日本でOBTの期間に新しい仕様を入れるかは分かりませんが、仮に入れることになったとしても、それがグローバルに入れようという判断になったら全ての国に反映されますし、逆にグローバルに通用しませんとなったら日本版で入れた機能も削除していきます。ゴールとしては全部をグローバルバージョンに合わせて作っていこうという意思がありますので、今作では国ごとに仕様が違うといった心配はされないでも大丈夫かなと思います。
――ではゲームモードなども統一していくのでしょうか?
佐野氏:そうですね。特にユーザーさんが一番気になるのは試合だと思っていて、世界大会などで使われるモードやマップはいち早く導入して、同じ条件で戦えるようにしようと考えています。
「スペシャルフォース2」って、まだ出来上がってから1年ほどしか経っていなくて、サービスしているのは韓国と日本と中国の3ヶ国なんですね。これからはいろんな国でサービスが広がっていくと思いますが、「スペシャルフォース2」では常に日本が強いといわれるような運営をしていきたいですね。
――韓国では占領戦以外にも先行で実装されているモードはあるのでしょうか?
佐野氏:突破モードというものがあります。このモードはマップが3つの区間に分かれていて、攻め側がある線を突破すれば次の区間に行き、その先の区間も突破すれば次へと進んでいくというものです。ルールが単純なので、極端な話をすれば攻撃しなくても次の区間へ進むために走っていけばいいだけなので、初心者の方でも楽しみやすいと思います。演出も派手なモードでして、各区間が橋で区切られているんですが、ゴールすると今まで戦っていた戦闘フィールドが崩れる演出が入るようになっています。
イメージとしては脱出モードの簡易版のようなものですね。脱出ではヘリを呼んでからポイントまで行かないといけませんが、突破モードは最初から特定の場所まで行けばいいだけですし、進む道もたくさんあるので、8人対8人の最大人数でやると非常に楽しいと思います。
――課金要素はOBTと正式サービスどちらから開始されるのでしょうか?
佐野氏:正式サービスからですね。「スペシャルフォース」であるようなアイテム、例えば経験値が上がったりとか名前の色が変わるといったアイテムも販売しますが、ユーザーさんが気になるのは課金武器だと思います。いずれは課金武器も入りますが、最初は元々存在している武器の色を変えたものですとか、スコープなどのオプションを付けてカスタマイズしたものを販売していこうかなと思っています。方針としてはバランスを大事にしたいので、突拍子もなく強すぎる武器は入れないよう、そこは一番気を使っています。
――最後にユーザーの方へメッセージをお願いします。
佐野氏:CBTでお答えいただいたアンケートや、ユーザーさんから期待の声を聞いて、僕らも全力でいいものを用意していこうと考えていますので、ぜひ遊んでみてください。
最後にOBTで実装予定のマップ詳細を公開!
ロストテンプル
対応モード:チームデスマッチ
インドとパキスタンの核実験後、20年余りが過ぎた今、相当量の核弾頭が生産されてポカラン内の核兵器貯蔵庫に保管されていることが確認された。周辺国を意識したインド当局が、核弾頭の生産を否定しながら、核弾頭が位置する貯蔵庫を占拠するために、各国から特殊部隊を秘密裏に派遣し始める。
左右対称のマップ構成で、中心の建物内部が暗いため相手チームの識別が難しい。壁が脆い土で出来ており、マシンガンなどの貫通力が高い武器だと簡単に壁の向こう側にいる相手を狙うことができる。
発電所
対応モード:爆破モード
AUAとMAFの創設以後、スペイン政府はAUAの理念に対して積極支持の意思を表明し、AUAの一員となる。このような動きにもこれといった動きがなかったバスク指導部とETAは、AUA連合軍のヨーロッパ駐屯地の中で最初の場所がバスク地域内のビトリア市周辺に決定されるや、自分たちを脅そうとするスペイン政府の意志であると判断、MAFの支援を要請するようになる。ビトリア市周辺の古くなった火力発電所を再稼働して、AUA連合軍の駐屯地に電気を供給しようとしている情報を入手したMAF特殊軍は、火力発電所に潜入する。
このマップは一部の壁を爆弾により壊すことができる。目標までのルートが多数あり、どのルートから攻めるのか、読み合いが非常に熱いマップ。
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