ガマニアデジタルエンターテインメントが今夏にサービスを予定している「ラングリッサー・トライソード」。今回、開発&運営スタッフに本作の内容やキャラクター、グラフィックの魅力についてお話を伺ったので紹介しよう。
「ラングリッサー・トライソード」は、日本コンピュータシステム株式会社より「メサイヤ」ブランドで発売された名作「ラングリッサー」がモチーフとなったWebゲーム。原作ゲームシステムの指揮官や傭兵、相性による三すくみといった要素を取り込みつつ、新たな世界での光・闇・帝国の物語が進行する。
今回、ガマニアデジタルエンターテインメントの商品開発部 プロデューサー・古川 浩史氏と、オンライン事業本部 ディレクター・梅本 清一氏に、本作の内容や、原作からリファインされたキャラクターデザインの魅力など伺ってきたので、その内容をお伝えする。
開発&運営スタッフへのインタビューをお届け!
――今回「ラングリッサー」を題材にしたブラウザゲームを制作することになった経緯を教えてください。
梅本氏:現在弊社では、クライアント型のオンラインゲームとして「ラングリッサー シュヴァルツ」を制作していますが、ブラウザでも「ラングリッサー」を題材にしたゲームを作ってみたいと思い、企画を立ち上げました。
――原作との共通点はどこにありますか?
梅本氏:ゲームシステムですと、オリジナル版にもあった3すくみの関係を取り入れて、タクティカルバトル(オーソドックスなターン制のシミュレーションバトル)に戦術性を生み出しています。
――それでは、本作独自の要素はなにかありますか?
梅本氏:「女神の刻」で兵隊を作り、「龍の刻」で戦闘を行うといった、現実の時間と絡ませたシステムを独自で採用しています。
また本作には原作のキャラクターも登場するのですが、すべて新規に描き起こしています。一部の指揮官のキャラクターはFlashで動くようになっているので、そこも注目してほしいです。
――どのような層のプレイヤーをターゲッティングしていますか?
梅本氏:もちろん原作ファンの方もターゲットにしていますが、既存のブラウザゲームを遊んでいる若いユーザーさんにも楽しんでもらえたらと考えています。
原作があるゲームだと、どうしても若いユーザーさんが入りにくい部分もあると思うので、キャラクターデザインやインターフェイスを分かりやすく変更するなどの工夫をしています。
――世界観やストーリーの見所を教えてください。
古川氏:光と闇と帝国という3カ国の対立が軸になっている点は原作と同じですが、それ以外の世界観はまったく新しいものになっています。ゲームの序盤は3カ国の対立が描かれているのですが、あるきっかけを境に、本作独自の変化が生まれてきます。
ストーリーもオリジナルのものを用意しており、3カ国間の戦争を進めていく過程で一波乱巻き起こるような仕掛けがあります。
梅本氏:どんな物語が展開されるかは、実際にプレイして確かめてほしいと思います。
――プレイヤーが所属できる3カ国に違いはあるのですか?
古川氏:3カ国間はマップでそれぞれ繋がっているので、国によって「このルートをたどれば攻めやすい」などの違いはあります。ですが、ゲームバランスが崩れないように調整しています。アイテムに関しても、所属国限定の装備品もあるにはあるのですが、スタートの段階では入手できないようになっています。
梅本氏:国別に描かれているイラストの好みによって選んでもらって構いません。
――バランスを調整する際に苦労した点はありますか?
古川氏:多数のプレイヤーが介入する作品なので、仮に社内の人間を全員導入したとしてもすべてを見るのは難しい部分があります。ですから、現段階で完璧なバランスを求めるのではなく、運営をしながら随時ユーザーさんの動向を見て柔軟に調整していければと思います。
現在は、6月8日より実施したデバッグテストで得られたデータをもとに、戦闘で得られる「戦略ポイント」の計算式の調整などをしています。
――デバッグテストを通して、ユーザーからはどのような意見が送られてきましたか?
梅本氏:登場する指揮官の数が少ないという意見が多かったです。あとは、傭兵を率いて戦うレギオンバトルの編制が分かりにくいという意見もあったので、そこは分かりやすくなるように修正を入れています。
古川氏:特に導入部分にかなりの修正を入れておりまして、デバッグテストでは一からすべて自分で準備しなければいけなかったところを、現在はあらかじめ部隊が編制されている状態でゲームが開始するように変更しています。
デバッグテストでは25種類のチュートリアルクエストをクリアしなければいけなかったのですが、オープンβテストからはバトルを3、4回行うだけでゲーム本編を楽しめるようになっています。
――チュートリアルクエストが長すぎるという意見もあったんですね。
古川氏:そうですね。もちろん何か分からない箇所があれば、いつでもチュートリアルクエストを受けることが可能です。そのほかにも、説明テキストの表示位置を操作の邪魔にならない場所へ移動したりと、細かい調整も行っています。
原作から一新されたキャラクターデザイン
――今回、多数のイラストレーターを起用していますが、「こんなイラストにしてほしい」という要望は出しましたか?
梅本氏:原作のキャラクターデザインを担当していたうるし原 智志さんは露出の多いイラストを描いていたので、その魅力に負けないようなスタイリッシュなデザインに仕上げてほしい、という要望は出しました。あとは、様々なユーザーさんに触れてほしいという思いもあるので、かわいいタイプのイラストも描いてもらいました。
――リファインしたキャラクターデザインについて、ユーザーからはどのような反響がありましたか?
梅本氏:概ね好評な意見をいただいています。その中でもFlashで動く姿が好評でした。今後も追加していこうと考えています。
――キャラクターデザインをうるし原さんから変更することに不安はありませんでしたか?
梅本氏:不安はなかったといったら嘘になりますね。ただ、今回は名作ラングリッサーを現代風にリファインして提供したいといった思いが強くありました。なので思い切って変更させていただいた次第です。 今後はさらに魅力的な指揮官を登場させていけたらなと考えています。
――これから先、うるし原さんがデザインしたキャラクターが登場する可能性はありますか?
梅本氏:企画としてはあがっていますが、あくまで企画段階です。こちらに関しては、今後いつか皆さんに何らかの形で発表できたらと考えています。
古川氏:オリジナル版は20年以上前のゲームなので、その際は当時のデザインをそのまま持ってくるのではなく、うるし原さんに“今の”レディンたちを新たに描いてもらえたらと思っています。
――原作からの登場キャラクターは今後も追加されていくのですか?
古川氏:当然、今後も随時追加していきたいと計画しています。サービス開始時には代表格である6名を出して、その後はユーザーさんの反応を見ながら、徐々に追加していく形になると思います。
梅本氏:本作は3カ月~4カ月で戦争が終わる周回制になっているので、節目のタイミングごとに追加していけたらと考えています。
――今後のスケジュールについて教えて下さい。
梅本氏:7月6日から、デバッグテストで出たユーザーさんから寄せられた要望を取り入れた状態でプレオープンβテストを開始します。その状況を見つつ、オープンβテストに移行したいと考えています。これらのテストが問題なく進んだ場合、早い段階で正式サービスが開始できると思います。
――装備品は正式サービスの段階で何種類ほど用意されますか?
古川氏:全体では200種類ほどありますが、ゲーム開始の時点でユーザーさんが使用できるのは80種類ほどになります。
――課金アイテムはどのようなものを配信する予定ですか?
梅本氏:装備品に関しては、課金はしない方針で考えています。現在は指揮官キャラクターなどを販売しようと考えています。もちろん、指揮官も無料で雇用できるものが多数いますし、戦争の報酬でも手に入るようになっています。
――アップデートで実装される予定のコンテンツはありますか?
古川氏:正式サービス開始から1カ月ほど経てば、プレイヤー同士の戦争も本格化してきていると思うので、そのタイミングで傭兵や魔法、スキルなどを追加できればと考えています。
――タブレット端末で展開する予定はありますか?
古川氏:2つネックがありまして、1つはグラフィックにFlashを多用しているため、ファイルのサイズがかなりの量になってしまっている点があります。
もう1つは、Flashの処理が重くなってしまうので、スペック面で厳しいところがあります。ひょっとしたら、3年後くらいに発売される製品なら動くかもしれませんが、今の段階では難しいです。
――それだけグラフィックに力を入れているということなんですね。
梅本氏:とにかくよく動きますよ(笑)。プレイしてくれれば、これまでのブラウザゲームとは違うと感じてくれるはずです。
――今後本作をどのような作品にしていきたいと考えていますか?
古川氏:サービスが開始した段階で終わりではなく、そこから先はユーザーの皆さんと育てていくものだと考えています。ですから、ユーザーさんが何を望んでいるかを常に聞くようにしていて、マップを広くしたり、魔法やスキルの種類を増やしたりといった調整を加えていきたいです。
――これから「ラングリッサー・トライソード」を遊ぶプレイヤーへメッセージをお願いします。
古川氏:原作ファンのの方にも、本作で「ラングリッサー」を知ったという新しいファンにも楽しんでもらえるような作品を目指しています。弊社としては今後「ラングリッサー シュヴァルツ」も控えているので、そちらも合わせて盛り上げていけたらと考えています。
梅本氏:ブラウザゲームということで、クライアント型とは違った手軽さが魅力だと思います。グラフィックもかなり良いものになっていますし、特に戦略性が深い作品になっています。クライアント型のオンラインゲームをメインで遊んでいる人でも充分に楽しめるようになっているので、ぜひ多くの人に遊んでもらいたいです。
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