ケイブがサービスを予定している「ガン・ブラッド・デイズ」は、「ガンパレード」シリーズなどで知られる芝村裕吏氏がシナリオを担当するなど、豪華クリエイターが集結し生まれた戦略シミュレーションゲームだ。ここでは、その魅力をお伝えするとともに、芝村氏へのインタビューをお届けする。
「ガン・ブラッド・デイズ」とは?
「ガン・ブラッド・デイズ」は、2025年に発生した架空の“日本内戦”を描いた、ミリタリーSF作品。シナリオにゲームクリエイターであり、原作者・小説家としても活躍する芝村裕吏(しばむらゆうり)氏を迎え、重厚で、リアリティ溢れる作品となっている。
また、キャラクターデザインには、ネットでも人気の高いイラストレーターのkyo氏や、重厚な世界観と作風でファンの多い漫画家の広江礼威(ひろえれい)氏、ケイブとも縁が深いイラストレーターの緒方剛志(おがたこうじ)氏など実力派の作家陣が集結しており、これまでにないテーマ性と豪華なクリエイター達で織り成す、戦略シミュレーションゲームだ。
ストーリー
2020年に発生した世界的大恐慌により日本は、経済破綻を迎えた。
そんな中、新エネルギーの開発で急成長を遂げた新興財閥「オルトロス」が、日本政府に対する経済支援を発表する。
5年後―政府の大半を「オルトロス」の首脳陣が占め日本は、実質的に「オルトロス」に統治された形となった。
そんな中、「オルトロス」の統治体制に異を唱え、日本をあるべき姿に戻すために立ち上がった人々が反政府組織「日本解放戦線」を旗揚げする。
彼らは、解体された旧自衛隊や学生、市民などで構成され、「オルトロス」と衝突することになる。
そして、2025年全国同時クーデターを皮切りに、日本は内戦状態へと突入する。
更に、アメリカへ亡命していた「オルトロス」統治前の旧日本政府の要請により、アメリカ軍タスクフォース「セイバー」が事態収拾の為に大規模な部隊派兵を決定する。
こうして日本は、3つの陣営によって、泥沼の戦争へと突入する。
「ガン・ブラッド・デイズ」、銃と血で彩られた日々が、幕を開ける。
3つの陣営&オペレーションキャラクターを紹介!
本作品には、それぞれ目的の異なる、3つの陣営が登場する。ここでは、それぞれの陣営の特徴およびプレイヤーをサポートするオペレーションキャラクターを紹介しよう。
セイバー(アメリカ軍第198合同任務部隊)
亡命した旧日本政府高官の要請に応じるかたちで発足されたアメリカ軍のタスクフォース。「日本で勃発した内戦の早期集結」を主任務として掲げ、過去最大規模の部隊を派遣している。
アメリカ海軍キャサリン・ホワイトフィールド提督指揮のもと、特殊部隊による日本上陸作戦が進行中。
セイバー駐留地点/東シナ海
近海で新エネルギーが発見されたことにより、オルトロスが採掘拠点として接収した。後にアメリカ軍の上陸作戦によって奪取され、以後、軍事拠点として使用されている模様。
SAMサイト(対空ミサイル)や米軍艦隊によって島の制空権は完全にカバーされており、容易に近づくことはできない。
オペレーションキャラクター:ステファニー・クレメンツ
性別:女
年齢:25
所属:アメリカ軍“セイバー”
キャラクターデザイン:kyo
アメリカ軍第198合同任務部隊所属の兵士。主に戦術指揮がメインであるが、元は海兵隊のエリートであり、実戦に参加する事もある。
新興財閥オルトロス
経済破綻により崩壊した、旧日本政府に代わり新たに誕生したメガコーポレーション国家。傘下に民間の軍事会社を保有し、日本国内の軍事を“代行”している。
オルトロス軍事拠点/東京湾
近海で新エネルギーが発見されたことにより、オルトロスが採掘拠点として接収し、最新鋭のSAMサイト(対空ミサイル)や、実用化された電磁砲(レールガン)などを配備。
オルトロス軍事部門の最重要拠点として稼働している模様。
オペレーションキャラクター:福永紀香
性別:女
年齢:23
所属:オルトロス
キャラクターデザイン:kyo
オルトロスの新任オペレーター。美しい外見と、高い指揮能力で戦闘部隊を強力にサポートする。
日本解放戦線
オルトロスによる半ば独裁的な政策に反対する市民によって作られた反政府組織。元は、学生運動がはじまりとも言われている。学生などの若い兵士が目立つ一方、解体された旧自衛隊のメンバーも加わっており、高い戦闘力を誇る。
独自に国家体を形成しており、徹底した民主主義を貫いている。
日本解放戦線活動拠点/大阪湾
元は、民間の国際空港であったが、オルトロスによって接収され軍事拠点として改修されていた。クーデターの際に日本解放戦線により奪取され、以後、同組織の活動拠点として利用されている。
オルトロスによって構築された防衛設備をそのまま使用しているため、接近は困難。
オペレーションキャラクター:井坂ナミ
性別:女
年齢:14
所属:日本解放戦線
キャラクターデザイン:kyo
日本解放戦線の兵士。そのあどけない表情からは想像出来ない、人間離れした運動能力で敵を圧倒する。
その他オペレーションキャラクター
兎吊木アリス
キャラクターデザイン:岸和田ロビン
中立的立場のオペレーションキャラクター。チュートリアルなどに登場する。
商店キャラ
キャラクターデザイン:kyo
アイテム購入画面に登場。
ゲームシステム
ここでは、本作で遊ぶことのできるゲーム内容を紹介しよう。なお、先行して本作のプレイレポートが掲載されているため、より詳しいゲームの遊び方についてはそちらをチェックしてほしい。
基地建築モード
海上に浮かぶ巨大な都市に、自分だけの基地を建築しよう。未来的な建物や美しく作り込まれた背景が魅力となっており、建物は自由に配置できるため、カスタマイズ要素も充実しているぞ。
日本占領モード
実在の47都道府県を3つの陣営で奪い合う戦闘システム。ギルド同士の大規模な戦闘なども今後予定されている。
キャラクター融合モード
複数のキャラクターや素材を組み合わせて、異なるキャラクターなどを創り出せるシステムだ。融合こそが戦いの鍵になる!
豪華クリエイター陣が共演!
本作では、数多くの著名イラストレーターがキャラクターイラストを手がけている。ここでは、そのイラストをキャラクター情報とともにチェックしていこう!
一般兵士
陣営に関係なく自分の部下として使用することができる兵士。
※その陣営でしか使えない兵士も一部存在する。
アーサー・マクダニエル キャラクターデザイン:高橋武久 |
ブラッド・ジョンソン キャラクターデザイン:カシペン |
鷺森彰一郎 キャラクターデザイン:藤城陽 |
朝霧美鈴 キャラクターデザイン:HIROAKI |
牧瀬涼子 キャラクターデザイン:緒方剛志 |
霧島沙希子 キャラクターデザイン:安達洋介 |
紅蓮の夜
陣営に関係なく武装している人間に対して無差別に攻撃をしてくる謎の陣営(NPC)。
※敬称略
芝村氏によって描かれるシナリオ
本作では、通常の任務以外に芝村氏自らが描き下ろした“シナリオ”任務が実装される。小説版にも登場するキャラクターと共に各地を転戦する内容となっており、こちらの任務は、随時アップデートで追加され、物語の軸となってくるのだ。
シナリオを手がける芝村裕吏氏へのインタビューをお届け!
今回、本作のシナリオを手がけ、同時にノベライズ版も執筆している芝村氏に、一問一答形式にてインタビューを実施したので、その内容を紹介!
――今回作品に参加することになった経緯
芝村氏:今回ゲームと小説の連動でどっちも出来る人材ということで、実は私の知らないところで複数の出版社が私の名前をあげて推挙していたようです。で、丁度小説の仕事を三本同時にうけたところで四本目入りましたーという感じでうけました。小説+設定という形ですね。
上町氏(広報):本作の立ち上げに際しては、小説化も視野に入れていた事もあり、小説・ゲーム更に軍事SFに強い方となると、芝村さん以外ありえないでしょうという話になりました。
――日本内戦、そしてミリタリーSFを題材とした理由
芝村氏:これは逆でして、実は日本内戦、そしてミリタリーSFだからそれを表現するならまあ芝村だろということで起用されたんですよ。
その上でプロジェクトとして日本内戦、そしてミリタリーSFになった理由は、
1.戦国物の同様ゲームは多いので変えよう
2.身近な時代、時代掛かった地名ではない身近な地名のゲームを作りたかった。
こういう理由だったそうです(といってケイブの上町氏を見る)。
上町氏:行った事のない異国の地や、遥か昔の日本というテーマよりも、誰しもが想像しやすい舞台を選んでいったところ、現代の日本というテーマに辿り着きました。そして、ミリタリーSFというジャンルは、ブラウザゲームでも少ないジャンルなので、“日本内戦”という衝撃的なキーワードと共に引きになるかなと思いました。
――本作の世界観について
芝村氏:日本の近未来での戦争、しかもSFということで、相当悩みつつ作りました。自分が納得する面白い物を作るのに時間がかかりました。元からゲームのために存在していた融合などのギミックをどう設定に織り込もうかなど悩みつつ、相談しながら作りました。
基本的には日本民主主義の敗北と失敗があって、政治は国民が適当に人気投票すりゃいいものではないという(経済の行き詰まりを背景に過激な変革を謡う)勢力が台頭し政権を握り、そこからごたごたが始まるというラインで行っています。アメリカがこれに介入するというお話ですね。
上町氏:SFモノではあるのですが、芝村さんには、ある程度リアリティある設定をお願いしました。政治の失敗や新エネルギーによる台頭といった部分は、現代の世相や時事的なモノを意識させるような内容になったと思います。ただ、リアル過ぎるだけでは、面白くないので、ファンタジーな部分も盛り込んでいただいてます。
――3つの陣営、それぞれの立ち位置について
芝村氏:オルトロスは「エネルギー革命を主導した巨大企業と一体化した日本政府。新しい日本のために」、日本解放戦線は「右から左までの昔までの日本が良かったという人々の集まり。呉越同舟、大同連立、少年兵や老人が多い。旧き日本のために」、セイバーは「アメリカ軍を中核とした多国籍軍。友なる日本のために」という感じですね。
オルトロスは国民による選挙の連続的な失敗(国民が選挙で選んだ政治家がことごとく無能だったこと)による反動的な動きとして、民主主義に懐疑的です。彼らの主張はこうです。「日本の国民のレベルは高いとは言えない。自由な選挙が生んだ結果を見ろ。散々だ」です。
逆に日本解放戦線は選挙制度の維持という点で一致して動いているところがあります。セイバーは内戦の早期終結のために派兵をしています。
これが面白いもので、陣営の立ち位置がプレイヤーグループとしての性格にも影響を及ぼしていまして、どの陣営も”らしい”プレイングをしている人が多くいます。
上町氏:先行体験の動きを見ると、数は圧倒的に多く、連携よりもスタンドプレイに寄った“日本解放戦線”、ゲームの攻略や効率的なプレイをこなす、頭脳派な“オルトロス”、数は少ないけれど、戦略的に勝ちをとりにいく“セイバー”といった感じで、特に誘導したわけでもないのに、ユーザー層が3つの陣営毎の特徴に合致する形で分かれたのが非常に興味深いです。
――オンラインゲームの特性を活かした仕掛けは用意しているか?
芝村氏:もちろん。オンラインゲームの特性を生かして、色々な仕掛けを作っています。
一例をあげれば3つの陣営でシナリオが関連していまして、他の陣営のプレイヤーのブログやtwitterのつぶやきを見て不意に裏側の事実に気付くものもあったりします。
他の陣営のプレイヤーとゲーム上で争って欲しいとは思っていますが、それ以外は敵味方なしのノーサイド。俺はこうだった、こっちはこうだったという雑談したりしながら、人の話を通じてガン・ブラッドデイズの世界の奥行きを感じて欲しいと思っています(面倒くさい人は別に気にしないでもゲームに支障はありません)。
一方でオンラインゲームですので、当然ですが拡張や進化、新イベントを予定しています。それまでのプレイヤーの動きなどを踏まえた(取り入れた)新イベントや小説展開が出来たら嬉しいなあと思っています。
上町氏:オンラインゲームならではの「繋がり」をかなり感じていただけると思います。同じ陣営に所属するプレイヤー同士は、目的を同じくした、まさに戦友と呼べる存在になると思います。
先行体験でもチャットを使って情報を交換したり、初心者に対してフォローしてあげたりと、古き良きオンラインゲームの遊び方を、きちんと踏襲している印象を受けました。今後は、芝村さんのシナリオなどを一緒に体験して、それを共有していく楽しみが、どんどん増えていくと思います。
――ノベライズ版の内容およびゲームとの関連
上町氏:激しい銃撃戦あり、恋愛要素ありと、映画一本を観た気分になれる作品だと思います。小説内にゲームに関連したちょっとした仕掛けも仕込んであるので、そちらも是非、見つけてもらえると幸いです。
芝村氏:ノベライズ版は登場人物などで同一だったりしますが、ゲームとは独立して楽しめます。一方で多くのノベライズにありそうな、独立しすぎてもはや別作品、ということもありません。なにせ書いている人が同じだったりしますからね(笑)。
ノベライズ版ではプレイヤーである司令達はまだ出てきておらず、ゲーム開始の少し前からはじまります。ノベライズ版主人公は女性ジャーナリストの日系アメリカ人 イーヴァ・クロダです。読者と同じようにガン・ブラッド・デイズ日本の現状を知らない彼女の目を通して、物語は進んでいきます。と、長々紹介するのもなんなので読んだ人(関係者)の感想でも。
担当編集
「ハードだね。うちのレーベルでだせるかどうかはさておき、正直面白いと思った。ケイブさんがなんていうか分からないが、どうにかこの原稿を世に問おう」
↓
ケイブ上町氏
「いやー。面白いっすね!」
↓
担当編集
「ずこー」
↓
女性スタッフ
「裕次郎いいですな! 萌えますな!」
↓
担当編集
「え、そこ!?」
みたいな感じのやりとりがありました。どんな内容かは実際に読んでもらえると分かります(笑)。
――これからゲームを始めるユーザーにひとことお願いします
芝村氏:ゲーム共々小説の方もよろしくお願いします!
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