新システムや高レベルダンジョンの実装など今後のアップデートについて聞いた「テイルズウィーバー」開発者インタビューをお届け!

ネクソンがサービスを行う「テイルズウィーバー」の大型アップデートが2012年7月25日より実装される。今回、その内容について開発陣にお話を伺うことができたので紹介しよう。

先日行われたオフラインイベント「テイルズウィーバー ファン感謝祭 2012」で発表された通り、新ダンジョン「シオカンヘイム要塞」およびチャプター外伝2の追加や、レベルキャップ開放、3次スキル、属性システム、ルーンマスターシステムの実装など盛りだくさんの内容でのアップデートが予定されている。

今回、オフラインイベントでの発表内容について、「テイルズウィーバー」の開発を担当するNEXTORIC開発本部・開発2室・室長のシム・ギフン氏、同グラフィックチーム・チーム長のク・チャンヘ氏、同テイルズウィーバー開発チーム・企画パート・パート長のイ・スンボ氏の3名と、運用チームから嶋村昭彦氏にお話を伺った。

3次スキルや属性システムの実装で戦闘にバリエーションを

――まず、今回のアップデートの全体的な展望についてお聞かせください。

シム・ギフン氏
シム・ギフン氏

テイルズウィーバー開発陣(以下、開発陣):今回のアップデートの目的は大きく2つに分けられます。ひとつは、高レベルユーザーに新たな目的を与えるために地域やシステム、ダンジョンなどを追加することであり、もうひとつは新規ユーザーが育成をより簡単にできるよう、ルーンマスターシステムを実装することとなります。

――サービス開始以来、255のままだったレベルキャップを265まで開放した理由をお聞かせください。

開発陣:昨年サンスルリアを実装して以来、レベルが255に近づいたユーザーの数が増えており、新たなモチベーションを与えるために、レベルキャップの開放に踏み切ることになりました。そして、3次スキルや新たな武器などでキャラクターを強化し、新しく実装するダンジョンを攻略してほしいと思います。

――今お話にも出ました3次スキルは今までのスキルとは内容が異なりますが、その内容で実装しようと考えた理由についてお聞かせください。

開発陣:3次スキルは発動するためにゲージを溜めるという、既存のスキルとは違うかたちになっています。そのスキルの種類もパッシブやアクティブなどさまざまな種類を用意しており、その中から好きなスキルを選んで使うものになっています。

これと属性システムやレベル260武器などを合わせて用意することで、戦闘パターンを多くして遊べるように準備しています。

――属性システムは以前からユーザーの方も気になっていた部分だとは思いますが、今回実装に踏み切った理由をお聞かせください。

開発陣:属性システムは、以前からUI上では表示されていたものの、その内容は狩りに影響する要素になりますので、バランスの面で実装時期を悩んでいました。しかし、今回レベルキャップの開放や3次スキルの実装など、狩りのパターンが増えたため、追加することでPVPを含め、戦闘がより多角化すると思い、実装することにしました。

――相手モンスターとプレイヤーの使用スキルに設定された属性値の差でダメージ量を算出するということですが、実際、ダメージ量にどれほど影響が出るものなのでしょうか?

開発陣:数値が高ければ高いほど、ダメージはガラッと変わりますが、実装初期はバランスの面を考慮して、できるだけ数値の差が出ないように実装していくつもりです。

――レベル260武器の実装内容についてもお聞かせください。

ク・チャンヘ氏
ク・チャンヘ氏

開発陣:武器については、今までよりもハードなデザインとなっており、新たな舞台となる「極寒の地」に登場するレンムの象徴となる獅子のかたちをモチーフとして採用しております。もちろん、今までよりも強い能力を持った武器となっております。

――ルーンマスターシステムにも今までとは違った遊び方が楽しめると思いますが、プレイヤーが楽しむ上でのポイントをお聞かせいただければと思います。

開発陣:ルーンマスターシステムでは、キャラクターを多く育てれば育てるほどアドバンテージが得られ、その中で植物を栽培することなどでアイテムを入手したり、マスターID単位でスキルを取得できます。

――そちらはすでにいろいろなキャラクターを育てている方と、初心者の方で大きく差がついたりはしないのでしょうか?

開発陣:ステータスが上がるということではなく、キャラクターが増えるごとに育成がより便利になるというシステムなので、新しくプレイされる方も問題なく楽しめると思います。

――また、キャラクターそれぞれだけではなく、IDごとに共有の倉庫も用意されるということですが、こちらはユーザーの声を反映したかたちになるのでしょうか?

開発陣:もちろんユーザーからの要望も多かったですし、他のタイトルでもアカウント間の倉庫共有は多くなっていたので、「テイルズウィーバー」でもそれに合わせて倉庫の共有を実施することになりました。

新ダンジョン「シオカンヘイム要塞」は上級者向けのハードモードを用意

――新たに実装されるダンジョンについてお聞かせください。

イ・スンボ氏
イ・スンボ氏

開発陣:今回追加される「シオカンヘイム」は、北方に位置する極寒の地で、氷に囲まれています。そこにあるローゼンバーグ湖の中のフォーレンスター島にあった結界が破れることで、その地域にインスタンスダンジョンが登場するとともに、前哨基地という地域も追加されることでジナパ姫というNPCも登場します。そして、この地域でもクエストや狩りが楽しめるように構成いたしました。

――シオカンヘイムのマップでは、コンセプトの異なる7つの区画が用意されているということですが、区画ごとにどのような特徴の違いがあるのでしょうか?

開発陣:今までの「テイルズウィーバー」では、区画を分けて進むようなダンジョンはありませんでしたが、今回は区画を分けることでボスとの対戦の機会が増えるようにしています。そして、7体のボスを全て倒すと、最終ボスへの道が開かれるといった内容になっています。

――1区画につき、複数のボスが登場するということですが、そのボスは登場するごとに強くなっていくのでしょうか?

開発陣:それぞれの区画内部では、ボスモンスターはどんどん強くなっていきますが、区画ごとのボスの強さはあまり変わらないです。ただし、さらに強力なボスを求めるユーザーのために、9月後半にハードモードの実装を予定しています。

――ハードモードは、レベル265でも攻略が難しい内容になるのでしょうか。

開発陣:今回実装される内容ではレベル240以上のユーザーがプレイできるように設定されておりまして、ハードモードでは、もう少し高レベルの方を対象として、設定する予定です。また、1人で難しい場合はチームを組んでプレイできるようになっています。

――その他、今後検討しているアップデート内容などはございますでしょうか?

開発陣:オフラインイベントでエピソード3の制作を発表しましたが、エピソード2がまだ終わっていないため、まずはそれに関する仕上げやチャプターのコンテンツ追加を予定しております。

――エピソード3の制作について、現状で予定している実装内容はございますか?

開発陣:エピソード3のメインキャラクターはイソレットとなります。そして、原作に登場する「月の島」でのストーリーと、既存キャラクターがなぜそこに行くことになったのか、なぜイソレットが登場することになったのかに焦点を置いて進めていこうと思っています。

――イソレットは、新たなプレイヤーキャラクターとして登場しますが、武器やスキルなど、戦闘でどのように戦うキャラクターにしようと考えているのでしょうか。

開発陣:まだ決定した事項ではありませんが、原作の感じを活かして二刀流にしたり、吟遊詩人のようなスキルとして「神聖チャント」を入れていきたいと思っています。

アナイス実装やサーバー統合に対するユーザーの反応

――先日開催されたオフラインイベントはいかがだったでしょうか?

開発陣:昨年に続いて2度目の参加になりますが、オフィスで数字というかたちでのみ目にしていたユーザーの方々が集まっているところを実際に見て、かなり嬉しかったです。

今回は昨年と違い、パズルゲームなどいろいろなオフラインゲームを実施していましたが、思った以上にユーザーが積極的に参加していただいていて、私たちにとっても貴重な経験になったと思います。

――(嶋村氏に)今回のイベントを振り返ってみての感触などはありますでしょうか?

嶋村昭彦氏
嶋村昭彦氏

嶋村氏:前回のオフラインイベントでは、「Vanilla Mood」というアーティストの鑑賞会というかたちだったのですが、今回はクイズ大会など、ユーザーさんが参加するかたちで実施し、前回とは違った楽しみ方を見いだせたのかなと思います。

――アナイスの実装やサーバー統合後の反響はいかがでしょうか。

嶋村氏:サーバー統合は6月上旬に実施しましたが、今まで別々のサーバーだった方々がコミュニケーションを取ったり、クラブの勧誘をしたりとコミュニティが活性化しているなと感じています。また、フリーマーケットにも人が溢れて、アイテムの流通も活性化されているなど、肯定的な意見が多いのでやってよかったなと思います。

ただ、狩り場にいる人が多いという意見もありますので、今後クラブダンジョンに人気の狩り場である「デリンセヒル」などを追加する予定ですので、狩り場が混むという問題は解消されていくと思います。

アナイスに関してもユーザーが待ち望んだキャラクターということで、アナイスが実装された日はみんなアナイスの姿になっていたのが印象的でした。アバターアイテムもアナイスに合わせて可愛いものを揃えていたりと、アナイスを主流に動いている感じです。

――最後に、ユーザーへのメッセージをお願いします。

シム・ギフン氏:「テイルズウィーバー」を長くプレイしていただき、誠にありがとうございます。今年の夏にもユーザーの方々が待ち望んでいたアップデートを用意いたしましたので、今後も「テイルズウィーバー」をプレイしていただければ幸いです。

イ・スンボ氏:コンテンツやキャラクターをチャプター外伝として用意し、エピソード3以降も新しいキャラクターや背景を用意していきますので、これからもよろしくお願いいたします。

ク・チャンヘ氏:今回のアップデートで、フィールド、NPC、クエスト、チャプター外伝、多彩なモンスターを追加し、さらに属性システムや3次スキルを実装していきます。そして、今後も新たなコンテンツをユーザーのみなさんにお見せできればと思います。これからもよろしくお願いいたします。

嶋村氏:今回実装されるシオカンヘイムは、昨年のサンスルリア以来約1年ぶりの高レベルダンジョンで、推奨レベルは260とかなり歯ごたえのある内容になっていると思いますので、ユーザーの方も楽しみに待っていただければと思います。

また、3次スキルや属性システムなどの実装で、今までとは戦略も変わってきて新鮮味を味わえると思いますので、こちらもご期待ください。

――ありがとうございました。

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