ネクソンが運営する「アトランティカ」では、10月24日に大型アップデートが実施される。今回、アップデートの詳細について本作の開発元であるネクソンコリアのアトランティカ開発副室長、パク・ヨンギュ氏にインタビューを行った。
本作は、失われた超文明「アトランティス」の謎を巡って冒険を繰り広げるオンラインRPG。ゲームの舞台は現実の世界と同じにできており、「王家の谷」や「ネクロポリス」「クレタの迷宮」など、実在するものから伝説上のものまで、さまざまな遺跡がダンジョンやマップとして登場するのが特徴だ。
10月24日には、初のオフラインイベント「アトランティカ フェスティバル2012」でも発表されたアップデート内容が実装される。それに先駆け、本作の開発元であるネクソンコリアのアトランティカ開発副室長、パク・ヨンギュ氏にアップデートに関してお話を伺ったので、その内容をお届けする。
――ゲームの舞台背景にもある「アトランティス」大陸がいよいよ実装となります。どんなストーリー展開が待っているのでしょうか?
パク氏:これまではワールド中心にストーリーが展開していましたが、アトランティスが実装されることによって、今まで見えていなかった大陸に隠されている秘密を解く、アトランティスが隠されていた理由を探すという内容を考えています。これまではアトランティスを探すという目標がありましたが、アトランティスの謎を解くという新しい目標を持ってもらえるように開発も進めています。
――ワールドは現実世界と同じ作りですが、アトランティスは実在するか分からない大陸です。アトランティスを作る上でこだわったところはありますか?
パク氏:ゲーム内ではアトランティスは失われた超文明として扱われていますので、そこをストーリー的にどのように生かせるかを考慮して作りました。なぜ大陸が空に浮かぶ形で残っていたのか、というところも活かせるように設定を考えています。
――空に浮かんでいることにも秘密が隠されているんでしょうか?
パク氏:これまでアトランティスは人から見えないように隠されていたのですが、大陸をコントロールしているメインコンピュータ・イヴの力が弱まり、その影響で人にも見えるようになった、という設定があります。
――アトランティス大陸は外郭地域と西地区に分かれており、先に外郭地域が実装されます。西地区との違いを教えてください。
パク氏:外郭地域は、既存のワールドとの媒介となるような場所になっています。また、イヴがアトランティス人を成長させる為の場所というストーリーラインがあるのですが、西地区は探検を行う場所として開発を進めています。
――大陸の大きさはワールドと比べるとどれくらいでしょうか?
パク氏:ワールドはやはり地球をベースにしていますので、単純な大きさは比較できませんが、アトランティスは今後も拡張していく予定です。
――新たに3つのダンジョンが追加されますが、どんな特徴がありますか?
パク氏:3つのダンジョンはどちらかというと低レベルプレイヤー向けにセッティングしてあり、難易度が低いのが特徴になっています。難易度は崇拝者の祭壇、キューブの墓、機械工場の順に高くなっていきます。
――レイドダンジョンについても特徴となる部分を教えてください。
パク氏:今回のレイドダンジョンは、仲間と力を合わせて攻略するのが一番の楽しみかなと思っています。登場するモンスターも多彩なので、いろんなパターンに合わせた対応方法をユーザーさん同士で考えてみてほしいですね。やっぱりキャラクターによって役割の違いがありますし、例えばモンスターがポップする場所のドアを誰が処理するかとか、それぞれ役割を担当しながらプレイするのが一番の攻略法になると思います。
――新傭兵も発表され、ギガスが10月24日に、リーバが11月下旬に実装されますが、それぞれ雇用方法はどうなるのでしょうか?
パク氏:ギガスは、今お話ししたレイドダンジョンで、クエストによってキーアイテムを入手して、それを使って雇用できるようになります。リーバについては、やはりユーザーさんのコンテストで選ばれて実装される傭兵ということもあるので、イベントダンジョンのような、みなさんで楽しめるようにセッティングを行っているところです。
――使用スキルなど、発表時よりももう少し詳しく新傭兵について教えてください。
パク氏:ギガスは大砲傭兵です。これまで大砲傭兵はスキルがひとつしかありませんでしたが、今回はパッシブや攻撃、防御といった3つのスキルを使うことができます。さらに永久傭兵でセッティングしていますので、そういった部分でも強い傭兵になってくれると思います。
リーバはバランス調整の最中ですが、楽器を使うネクロマンサーという設定なので、呪いをかけるとか、死んだ傭兵を生き返らせて戦わせるといったスキルを考えています。ただ、生き返らせると言っても蘇生というよりは、ゾンビ状態のような感じで一定時間だけ生きていられるなどの制限が付いてくる予定です。
――新主人公も発表されましたが、どちらも攻撃的なキャラなのは何か理由があるのでしょうか?
パク氏:アトランティスは高度な文明があったものですし、ワールドのキャラクターと違って体型を大きく設定しているので、攻撃力の高い、優れた主人公キャラクターという設定を活かしたものになっています。
――新主人公を使うための条件は設定されているのでしょうか?
パク氏:新規に始められる方であれば、新しくキャラクターを作成するときに既存の主人公かアトランティス人の主人公どちらかを選ぶことができます。既存のユーザーの方は、転職アイテムがありますので、それを使って転職する形になります。
――韓国ではすでに今回のアップデート内容が実装されているようですが、ユーザーからの反応はいかがですか?
パク氏:やはりアップデート以降は盛り上がっています。新規ユーザーさんも増えましたし、復帰していただいた方も増えた状態なので、喜んでもらえていると思います。今回低レベル向けのコンテンツが追加されたことがポイントになったかなと思っています。
――今回のアップデートの中ではどれが一番人気を集めていますか?
パク氏:やっぱり今までなかった新主人公の追加が一番の目玉になったと思います。韓国ではユーザーさんの一番の話題になっています。
――ちなみに新主人公は男性と女性どちらが人気でしょうか?
パク氏:ユーザーさんは女性キャラクターを好む傾向がありますし、非常にグラマーなキャラクターなので、女性主人公が人気ですね。ただ、我々が予想していたよりも男性キャラクターも多く使われています。
――発表されたコンテンツ以外にも、今後ゲームシステム部分のアップデートや調整はあるのでしょうか?
パク氏:具体案は出ていない状況ですが、戦闘をダイナミックに楽しめるよう、スキルや魔法を改変することを考えています。まだ開発中ですが、方向性としては戦闘をダイナミックにする形で進めたいと思っています。
――9月に行われたオフラインイベントを見ての感想をお聞かせください。
パク氏:スタッフ一同楽しみに見させていただきました。来場していただいた方を見ると、女性もいらっしゃいますし、年齢層が高い方がいらっしゃったりとすごく多様でしたので、そういったところも興味深かったです。これからもオフライン大会があったらいいなと考えています。
――大会を見て日本ユーザーとほかの国のユーザーとの戦術の違いは感じられましたか?
パク氏:韓国やアメリカの戦闘方法を見ると、体力管理が重要になっており、回復や防御にこだわっている傾向があります。ただ、今回の大会ではスキルもそうですし、積極的に攻撃する姿勢が見られましたので、そこが戦術の違うところですね。
――技術的な問題もあり難しいと思いますが、国別の対抗戦も考えているのでしょうか?
パク氏:実施するには課題や制限があると思いますが、個人的にはオフラインであれオンラインであれ国家ごとの対戦をやってみたいなという気持ちがあります。
――オフラインイベントの会場ではユーザーからの要望が読み上げられましたが、ほかにも多数寄せられている意見などはありましたか?
パク氏:ユーザーさんの動向をみると、今回実装するアトランティスのような新要素以外にも、既存コンテンツに対する調整をしてほしいといった要望がありましたので、そういった部分を肯定的に改善していきたいと思っています。
――スキル改変やシステムリニューアルについて、今話せる範囲で方針や内容をお聞かせください。
パク氏:スキル改変については明確に決まっていませんが、方向性としては傭兵が単純にひとつのスキルしか習得できないのではなく、ユーザーの方が好みのスキルを習得できるようにしたり、ある程度自由度を持たせてダイナミックに戦闘を楽しめるようにしていきたいと思っています。
――それは新傭兵だけでなく既存の傭兵にも手を加えていくのでしょうか?
パク氏:既存傭兵含め、主人公もですね。そういった部分で調整をしていきたいと思っています。
――そのほかのシステム面では何かありますか?
パク氏:詳しいところまでは言えませんが、これまでは新しいコンテンツの追加を多く行ってきましたが、これからはユーザーのニーズに合わせた改善や、既存コンテンツも調整していきたいと考えています。
――オフラインイベントでは剣闘場の見直しについて意見がありましたが、ほかに具体例は寄せられていますか?
パク氏:剣闘場以外にも多く意見はいただいており、その中でもリーグや狩場の改善をしてほしいという意見が多かったです。それらも前向きに検討していきたいと思います。
――今後のアップデートではレベルキャップの解放も実施されますが、このタイミングでやろうと思った理由はあるのでしょうか?
パク氏:レベル150が上限になっている期間が長かったこともありますし、それを拡張して皆さんに楽しんでもらえるコンテンツを追加していきたいと考えていましたので、今回レベルキャップの解放も発表しました。規模的には10レベルごとのアップデートがちょうどいいと思っていますので、キャップの上限は160にしています。
――まだ詳細は出ていませんが、ダンジョンもいくつか発表されました。これらはどのユーザー層向けになるのでしょうか?
パク氏:今後のアップデートは、高レベル向け、低レベル向けといったくくりにせず、どちらもケアできるようにアップデートしていきたいと考えています。仮にレベル向けのダンジョンが追加されたら、そのあとは低レベル向けのダンジョンを追加するようにしていきたいと思っています。
――新装備「審判者の装備」はどういったものでしょうか?
パク氏:現状、レベル141以上のキャラクターが装備できるものに「ペガサス装備」がありますが、それの上位バージョンにあたります。キャップ解放に合わせた、レベル160向けの装備ですね。
――ボスのリデランは同時に追加されるどこかのダンジョンに登場するのでしょうか?
パク氏:今もリデランにまつわるコンテンツ「リデランの侵略」といったものがありますが、これからはアトランティスの謎を解き明かす中でリデランと出会うことがある、といった内容にしていこうと考えています。実際に戦うことになるのかはまだ秘密ですが、そういった形でリデランを登場させていきたいと思います。
――今後のアップデート情報として発表された内容は、いつ頃の実装予定でしょうか?
パク氏:具体的な時期はまだ決まっていませんが、日本でアップデートする際には、日本に合わせてバランス調整を加えてから実装したほうがいいと考えています。その調整も含めて早めに提供できればと思って現在も開発を進めているところです。
――アトランティス実装のアップデートが10月24日、リーバの実装が11月下旬なので、やはり来年になってしまうのでしょうか?
パク氏:できれば今年中がいいなと思っているんですが(笑)、来年になるか今年実装できるかは、もう少し進んでからでないと決められないですね。
――リーバが実装されるのは日本だけですが、今後も日本独自の要素は考えられているんでしょうか?
パク氏:リーバのような傭兵だけでなく、アイテムや乗り物、アクセサリーなど、日本に相応しいものはどんどん追加していきたいと思っています。
――日本以外の国独自の要素もあるのでしょうか?
パク氏:インドネシアでは、伝統的なうちわやアクセサリーを実装しました。そういった形で、各国に向けて専用の独特なアイテムを追加していきたいと思います。
――最後にアップデートを待っているユーザーにメッセージをお願いします。
パク氏:開発チームではアトランティスを実装するためにいろいろと準備してきましたので、みなさんに楽しんでいただければありがたいと考えております。今までは高レベル向けコンテンツが多かったという意見もありますが、今回は新規コンテンツとして低レベル帯の方にも楽しんでもらえるようにしましたし、11月下旬にはサービス4周年を迎えますので、ゲーム内イベントなどの企画で盛り上げていきたいと思います。
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