【G-STAR 2012】さまざまな場面で活用できるフェローシステムが魅力―WeMadeの超大型タイトル「ICARUS」の開発者にインタビュー

2012年11月8日~11日まで韓国・釜山BEXCOで開催中の「G-STAR 2012」の会場において、WeMade Entertainmentが発表した新作MMORPG「ICARUS」の開発者へのインタビューを行ったので、その内容を紹介する。

「ICARUS」は、WeMadeが10年の歳月をかけて制作した、中世ヨーロッパスタイルをリアルに表現したファンタジー世界を背景に、勇猛な英雄たちの物語がスペクタクルに繰り広げられるMMORPGとなっている。

今回は、本作の開発を統括するWeMade Entertainment 「ICARUS」開発室 室長のオ・ホウン氏にお話を伺うことができた。ベールに包まれていた本作のポイントについて聞いているので、ぜひチェックしてほしい。なお、本作の日本サービス時期については現在未定となっているので、その点はご留意いただきたい。

オ・ホウン氏
オ・ホウン氏

――10年の制作期間があったということなのですが、その中で一番注力した点についてお聞かせください。

オ氏:開発期間は10年になりますが、今の「ICARUS」のかたちで作り始めたのは3年ほど前になりますので、それほど長い期間ではなかったと思っています。

そして、開発において最も注力したのはフェローシステムと呼ばれるシステムとなります。今までのMMORPGでは、モンスターといえば敵という認識があったかと思うのですが、今作ではただ敵というだけでなく、仲間として考えられないかというコンセプトで考えておりまして、たどり着いたのがフェローシステムとなります。

フェローシステムは、モンスターを倒して仲間にする、もしくは乗り物にするというかたちになりますが、モンスターを倒して仲間にするというだけでは飽きてきますので、地域別に特色をもったモンスターが登場します。

初期の段階ではモンスターを倒してから捕まえて乗り物にするだけになるのですが、例えば、移動している先にプレイヤーがジャンプするだけでは通れない崖があった場合、そこに生息するチーターみたいなモンスターを倒してフェローにすることで先に進めたりします。

最終的には空を飛ぶモンスターを倒してフェローにし、空中にしかいないボスを倒してフェローにするため、空を飛ぶフェローとともに戦いにいくという、徐々に盛り上がっていくかたちになっています。

――ほぼすべてのモンスターがフェローにできるのですか?

オ氏:人型のモンスター以外はほぼすべてフェローにすることができます。ただし、モンスターの中にはフェローにしても何も効果のないものもいますので、フェローにしてみて自分たちで使いたいように工夫してみるのもいいですし、大型のモンスターをフェローにして、フェロー管理者と呼ばれるNPCのところに連れていけば、小さくしてもらってペットにすることも可能です。

――空をとぶドラゴンをフェローとして手懐ける際に、特別なステータスは必要となるのですか?

オ氏:フェローとして手懐けることに特別なステータスは必要なく、モンスターの位置情報などが重要となります。例えば、自分のフェローに空を飛んでるモンスターの上に連れて行ってもらい、上から死ぬ覚悟でそのモンスター目掛けて落ちるというシチュエーションがあります。

モンスターを捕まえることに失敗するとそのまま地面に落ち、大きなダメージを受けて死んでしまいますし、レベル制限を設けていないのでレベル1でも捕獲は可能ですが、失敗する可能性がすごく高くなります。

ただし、空を飛ぶフェローをすでに捕獲していた場合は、落ちている時に呼び出すことができるので、ダメージを回避することは可能です。

それ以外にも、普段は現れないモンスターの場合、そのモンスターの好きなエサとなるモンスターを捕まえて置いておくと、特定の時間にエサを食べにそのモンスターが現れるので、食べている間に後ろから捕まえてフェローにします。

――崖下にいるドラゴンを捕まえる際に飛び降りる動作は、崖を飛ぶという動作そのものが組み込まれているのですか? それとも、専用のアクションとなるのですか?

オ氏:崖からジャンプするという動作ももちろんありますし、モンスターを捕まえる際にはジャンプとは異なるコマンドを設定しています。ドラゴンを捕まえるためにドラゴンに飛び移る時などもその操作になります。

地上で虎のようなフェローを使っていた時ですと、通常のジャンプですと虎と一緒になりますが、モンスターを捕らえる際には一度フェローの上に立ち、モンスターに飛び移る体勢になりますので、モンスターにジャンプするというよりは、モンスターを捕らえるための準備をするコマンドと考えてもらえばいいと思います。

――複数人が乗れるフェローも実装されるのでしょうか?

オ氏:現状では1人のみとなりますが、今後は複数人が乗れるフェローも実装したいと思っています。

――複数のプレイヤーが一緒になって戦う勢力戦の特徴についてお聞かせください。

オ氏:国の王様から命令される強力なモンスターを倒すクエストでは、当然ながらひとりでは倒せないため、複数のプレイヤーからなる勢力で向かうことになります。ただし、ゲーム内にはいろいろな勢力がいるので、そのモンスターの討伐に向かうため、それぞれの勢力同士が戦うこととなり、これが本作でのPvPに当たります。

――各ギルドがそれぞれ勢力となるのですか?

オ氏:ギルドが勢力となることに制限はありませんが、いくつかのギルドが連合してひとつの勢力となります。ゲーム内には多数の勢力が存在しており、勢力同士で争いながら王様の支持を集めた勢力がその町で優遇を受けることになります。

――ギルド同士でのPvPは存在しないのですか?

オ氏:主に勢力戦がメインとなるのですが、勢力の中には小さな拠点がいくつかあるので、その拠点を占拠するためにギルド戦が発生します。

拠点は鉱山や炭鉱といった、勢力にとっての資金源になっていまして、システム上、一定期間になると誰も占拠していない状態になりますので、そこを占拠することで、所属している勢力に資金が入ることとなります。

――勢力戦は地上と空中、それぞれに特化したフェローを所有したユーザー同士で自由に楽しむことができるのでしょうか?

オ氏:もちろん、陸に特化したユーザーであっても空に特化したユーザーとしっかりと戦えるように、バランス調整は施しています。また、先ほど説明した拠点の中には空にしか存在しないものもあるのでその場合は空を飛べるプレイヤー同士の戦いとなります。

――リーダーになった勢力にはどのようなメリットはあるのでしょうか?

オ氏:リーダー勢力になると、その城を占領してキャラクター同士のトレードや委託販売など、ゲーム内のほとんどの利権をその勢力がコントロールできるようになっています。

――拠点戦の参加や制圧にLv制限はあるのでしょうか?

オ氏:拠点戦に参加するキャラクターやギルドのレベルに関しては制限を設けるかたちで考えています。

――現在、どのぐらいのコンテンツ量を用意しているのでしょうか?

オ氏:今のところOBT時点でLv50を上限として考えていまして、現在はLv30ぐらいまでのコンテンツはすべて開発が完了していますので、開発の完成度としては80%ぐらいです。

――日本でのサービス時期はいつ頃になりそうですか?

オ氏:具体的な時期には言及できませんが、韓国でオープンした後、日本のどの企業と組むかは決まっていますので、早い時期にオープンしたいとは思っています。

――最後に、日本のユーザーに向けてメッセージをお願いします。

オ氏:以前、別のタイトルで日本でサービスをしていた時期があるのですが、日本のユーザーさんはクエストの内容をひとつひとつを全部見ながらプレイしていまして、とても感動しました。そのことが大きく印象に残っていますので、今回もひとつひとつのクエストについても気を配ってやっていきたいと思います。日本でのサービスの際はよろしくお願いします。

――ありがとうございました。

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