ネクソンが運営する「マビノギ英雄伝」では、11月20日に大型アップデート「SEASON2」を予定、日本での実装を前に開発チームにインタビューを実施したので概要とともにお伝えする。
「マビノギ英雄伝」は、美しいグラフィック、壮大な世界観、多彩なアクション性、リアルをとことん追求した本格派オンラインアクションRPGだ。今回は11月20日に予定されている大型アップデート「SEASON2」について、韓国開発チームに話を聞くことができたので紹介しよう。
インタビューを受けてくれた開発チーム
ネクソン マビノギ英雄伝 LIVE2チーム チーム長「キム・ソンアン」氏
ネクソン マビノギ英雄伝 LIVE2チーム 企画パート長「イ・キュドン」氏
ネクソン マビノギ英雄伝 LIVE3チーム チーム長「イム・ドックビン」氏
新しいコンセプト
トレジャーハンターたちの夢は「運命の石」を見つけること。もちろん、すべてのトレジャーハンターがそれを見つけることを願っているわけではない。「SEASON2」の重要なNPCたちは大半が自分の願いを叶える。
【インタビュー】コンセプトについて
――コンセプトやストーリーの概要を簡単に紹介してください。
キム・ソンアン氏:「SEASON2」のストーリーの中心は、トレジャーハンターとしての「冒険」がテーマになっています。宝箱を探しながら新たに登場する「三日月島」や「船の墓場」を探検することが楽しいと思います。
――本コンセプトが決定した経緯を教えてください。
キム・ソンアン氏:やはり「宝を探して冒険」=「トレジャーハンター」だと思い、開発しました。
――ボツになったアイデアなどはありましたか?
イ・キュドン氏:特にありませんでした。SEASON2に関してはSEASON1の終盤から企画・開発してきました。
――SEASON1と2を明確に区別することで、どのようなコンセプトの違いが生まれるのでしょうか?
イ・キュドン氏:まずストーリーが完全に分かれ、システム的にもかなり違いははっきりしていますね。
――想定しているSEASONの総数を教えてください。
イ・キュドン氏:もちろん現在の状態では決まっていません(笑)。
ストーリーの追加
ゲーム内で「SEASON2」ストーリーへの分岐点は、「ドウィンの復讐」ストーリーを完了し、エピソード1を終えるところとなる。時間的な視点も同じとなる。
ユーザーがモルバンでトレジャーハンターギルドに入るために奮闘している時、 一方コレンでは傭兵団と騎士団が、氷の渓谷に急に現れたコボルドを調査することになる。NPCたちの視点ではユーザーがロチェストに入ってもいないし、騎士にもなっていない状態。もちろんこれは「SEASON2」を進行する時だけで、「SEASON1」を進行する時は違ってくる。
S2EP1
プレイヤーはモルバンに到着する。
トレジャーハンターギルドの加入試験として、地震術師ジャカルムの武器を入手するという依頼を受けるが、主人公NPCミレッドのせいで失敗。その後、偽魔法使いエラハンの依頼を受けるついでに村人たちに挨拶をしに回る。新しい試験を用意したという連絡をもらって行ってみると、次の試験はレジャーハンターギルドトリスタンの仕事を手伝うことだった。
三日月島でミレッドの友達デナルを紹介され、トラップハンターカルを退治する。デナルは、女族長キエルがラキオラの力を利用するかもしれないと、トリスタンの安否を心配する。
主要登場人物
主人公 ミレッド
子供の頃の記憶と両親に関する記憶はないが、本人はあまり気にしていない。 トレジャーハンターギルドに入りたいと、ギルド長のトリスタンに何度もねだるが、まだ成功していないようだ。トレジャーハンターになりたい理由は、究極の宝である運命の石を見つけるためだ。最高のトレジャーハンターになって姉を幸せにしたいという夢を持っている。
主人公の姉 エイレ
落ち着いていて優しい性格。しかし、弟のことになると怒鳴ったりする。それくらい弟のことを大事に思っている。過保護ではないかというくらい。弟は自分が守るべきだという使命感を感じている。 子供の頃、幼いミレッドを連れて村にたどり着いた。
偽魔法使い エラハン
村の魔法使い。モルバンで魔法使いの仕事をしているが、正式な魔法使いではない。ドルイド世界の最後のドルイドと言っても過言ではない。運命の石を見つけて助けないといけないという使命を持っていて、自分という概念が薄く、それには不満はない。
新しい村、戦闘の舞台
モルバン
大陸中心部から遠く離れた海岸の小さな村ですが、宿屋をはじめ、鍛冶屋、雑貨店、魔術師の家、トレジャーハンターギルドなどがあるので、生活するのに問題はない。壮大なロチェストの生活を楽しんだなら、今度は広い海を背景とするモルバン村を訪問してみてはどうだろうか?
三日月島
島全体が大きい三日月の形をした三日月島はとても温暖で、湿気の多い密林地域で、巨大な樹木と樹林が島全体を覆っている。この島の原住民は、原子トロール部族で、大陸のトロールから大昔やってきたという記録があるが、確実ではない。島の土着モンスターである巨大スズメバチを馴らせて、狩りと戦闘用で使用し、島の主であるラキオラを敬畏しながら神として仕えている。
船の墓場
船の墓場は最初、小さい暗礁に過ぎなかった。暴風雨の中から聞こえてくるセイレンの歌声に惑わされて近付いた船たちが難破し、次々と島の一部になっては想像を越える巨大な規模の墓になった。最近、船の墓場に到達してから生きて帰ってきたという生存者の話では、生き返った死体たちが島を占領しているのらしい。
【インタビュー】ストーリーについて
――SEASON1と2でストーリーはまったく別のものになるのでしょうか?
キム・ソンアン氏:世界の時間軸は一緒ですが、ストーリーはまったく別のものになります。
――新たに登場するミレッド、エイレ、エラハンとはどのような人物ですか?
イ・キュドン氏:ミレッドはハンターになりたい少年、エイレはミレッドのお姉さんです。
――SEASON2を始めるとまずはこの3人がメインで物語が進むということですか?
イ・キュドン氏:はい、そうです。
――新たな舞台となるモルバンや三日月島など、モチーフとなった場所はありますか?
キム・ソンアン氏:モチーフとなった場所はありませんが、モルバンは今までと異なった雰囲気のデザインを考え、難破船が集まる「船の墓場」やジャングルのような「三日月島」など、コンセプトに合わせて作りました。
――新しいモンスターに、クラーケンや海賊ゾンビなどグロテスクなモンスターが現れますが、モデリングなど苦労された点はありますか?
イ・キュドン氏:レイドボス「クラーケン」はプレイヤーが船の上で対決することができます。足を斬ることもできますよ。
――武器などはどんなものが登場しますか?
イ・キュドン氏:「クラーケン」と「ラキオラ」に関しては、討伐すると新しい武器を作るための素材が手に入ります。
――新規マップには新しいグラフィック技術が導入されていますか?
キム・ソンアン氏:ジャングルなど自然の多い場所では、草木など植物の陰影、船はゆらゆらと揺れるような表現も新しく導入しています。マップのギミックについてもかなり用意しています。残念ながらリアルタイムでの天候の変化はありません。
システム面の変更
新しい戦闘方式
「SEASON2」では戦闘の出航方法が変更される。一つの地域のボスモンスターを退治するのに成功したら、すぐに村に復帰するのではなく、また違う地域に移動し、そこのボスモンスターを狩ることが可能になる。
新規装備と最高レベル拡張
「SEASON2」新規装備が大量追加され、最高レベルが80に拡張。三日月島、船の墓場に似合う新しい武器と防具が大量に追加される。
キャラクター作成方式変化
キャラクター作成画面が変更され、キャラクターの体型の変更が可能に。「SEASON2」ではキャラクターのカスタマイズ機能が強化された作成画面になる。
トークンシステム廃止
トークンシステムが廃止され、新しいシステムが導入。「SEASON2」の新しい戦闘システムに合わせて、トークンシステムが廃止され、疲労度システムが追加される。
疲労度システムでは疲労度を全て消尽しても戦闘出航は可能だが、報酬を得ることができなくなる。このように残り疲労度量によってボーナスをもらえるボーナス疲労度システムと、疲労度量が少ない時に追加でもらえるシステムも追加され、余裕のあるプレイが可能になっている。
キャラクタースキル使用改善とバランス調節
リシタ、フィオナ、カロックのキャラクターバランスが大々的に調節され、イヴィとカイも一部バランス調整される。相対的に活用度が低かったスキルの能力値が強化され変更。アクションにジャンプが追加されるたり、アクションが改善されるなど既存より多様な活用ができるようになっている。
【インタビュー】ゲームシステムについて
――新しく導入される戦闘システムについて簡単に紹介をお願いします。
キム・ソンアン氏:SEASON1のトークンシステムは、他のゲームにはあまり見られないルールということで、不便に感じる人も多かったことを認識しています。SEASON2から「疲労度システム」を導入しますが、これはマップの拡張に合わせた変更ということにもなります。
――マップの拡張も実施されるのですか?
イ・キュドン氏:今まで1つのマップでは1体のレイドボスが登場します。SEASON2では複数のボスが登場し、続けて討伐に挑戦することが可能です。もちろん村に戻ることもできます。
――最高レベル80まで拡張した新規装備が大量に追加されるそうですが、特徴的な武器や防具はありますか?
イ・キュドン氏:新モンスター「クラーケン」と「ラキオラ」がドロップするアイテムで作成できる武器が最高レベルに設定されています。武器のデザインは新マップ「船の墓場」に合わせ、海賊のようなイメージとなっています。
――キャラクター作成の際に体型変更が可能になるそうですが、どのように変化したのでしょうか?
イ・キュドン氏:SEASON2では筋肉や肩の肉付きまで変更することができます。ぽっちゃりしているイヴィや、やせているカロックなども作成できますよ。もともとマビノギ英雄伝はリアルな造形を追求してきましたね。
――キャラクタースキルのバランス調整がおこなわれるようですが、具体的にどのような点が変わったのでしょうか?
イ・キュドン氏:フィオナ・カロック・イヴィのスキルが調整されています。フィオナはロングソードの強さ、カロックは近距離スキルのクールタイムなどの調整を実施しています。
――新たに追加されたジャンプアクションについて教えて下さい。
イ・キュドン氏:ジャンプ実装の目的は新しいアクションを追加することにあります。ジャンプをしながら繰り出せるスキルも登場します。マップにも登れる場所が存在し、ジャンプだけで倒せる敵も登場しますよ。SEASON1でのジャンプはアニメーションも基盤となるものでしたが、SEASON2では空中にいる敵にも攻撃できるようにあわせて調整しているのでバランスは大丈夫だと思います。
新規プレイヤーキャラクター「女戦士 ベラ」
新規プレイヤーキャラクター「ベラ」は、デュアルソードを使用し、素早く敵を殲滅する女戦士。素早い攻撃で敵と戦うことを得意とし、さらに敵の攻撃の隙をついてより大きなダメージを与えることができる。これをクロスアタックと言い、いくつかのスキルに分かれる。
クロススタンスで敵の攻撃タイミングに合わせて構えた後、クロスストライクで強力な攻撃を与えることができる。敵からの遠距離攻撃を利用するバックラッシュはリスクを伴うが、その分与えるダメージも絶大だ。
ベラは危機回避にも優れており、スリップアウェイは敵を攻撃すると同時に距離を広げ、危機回避に有効。タイフーンスラッシュは周囲の敵を自分に引き寄せて一度にダメージを与えることができる。ベラを象徴するスキルである「テンペスト」はボス戦に特化されたスキルで、敵を無力化しながら華麗な乱舞攻撃を繰り広げる。
【インタビュー】新キャラクター「ベラ」について
――ベラはどのようなキャラクターですか?
イム・ドックビン氏:一言で表すと「面白い」キャラクターです。リシタと同じ武器を使うのでスキルも少し似ているかもしれません。
――ベラのキャラクターを制作する際に苦労した点を教えてください。
イム・ドックビン氏:リシタと似ているような、デュアルソードを使う「ベラ」の新しいスキルを開発するのに苦労しました。
――特徴的なスキルはありますか?
イム・ドックビン氏:ジャンプを使った「ベラ」独自のスキルはありません。クロスストライクという反撃のスキルが特徴的です。敵からの攻撃をカウンターで返します。近距離・遠距離どちらの攻撃も可能です。
――最初から新キャラクターを「ベラ」のようなキャラクターにしようと思っていたのですか?
イム・ドックビン氏:マビノギ英雄伝を現在遊んでいるプレイヤーからの要望もありました。
最後に
――アップデート前にプレイヤーが準備しておいた方がよいことはありますか?
イ・キュドン氏:特に準備することはないと思いますが、SEASON2でガラっと物語は変わっていくので楽しみにしてください。
――SEASON2から初めてマビノギ英雄伝をプレイする人も楽しめますか?
キム・ソンアン氏:SEASON2を開発する際に考えていたことですが、SEASON1をプレイしていない人が物語を理解していなくても楽しめるように設定されているので安心して遊べます。
――「SEASON2」以降「マビノギ英雄伝」はどのように進化していく予定ですか?
イ・キュドン氏:アクションがメインとはなりますが、魅力的な物語も楽しめるようになっていくと思います。
――現在「マビノギ英雄伝」を遊んでいるプレイヤー、SEASON2から遊ぼうと思っているプレイヤーに向けてメッセージをお願いします。
キム・ソンアン氏:「マビノギ英雄伝」開発チームでは、アクション・ストーリーどちらも大事にして開発してきましたが、日本でもSEASON2の実装を楽しみにしていると聞いていますので、新しいアクションやスキルも含めて、ぜひ楽しみにしてください。
――ありがとうございました。
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