シーアンドシーメディアが11月20日に実施を予定している「大型アップデートワールドを越えた挑戦!~序章~」で実装される「帝国戦」のプレイレポートや、リニューアルされる楽曲を制作した作曲家、岩垂徳行氏となるけみちこ氏へのインタビューをお届けする。
本アップデートでは、新たに個人参加型の領地戦となる「帝国戦」が実装される。この帝国戦は、4勢力に分かれて戦うPvPとなっており、復活を遂げた4つの帝国、4人の女帝の指揮の元、それぞれが相手の陣地に攻め込んだり防衛をするというもの。
これまでの領地戦とは異なり、個人で参加できるようになっているのがポイント。もちろんチームを編成して参加することもできるので、ギルドメンバーとパーティを組んで参加することも可能だ。
11月20日の段階では、各ワールド(サーバー)ごとに勢力を争うことになるが、本作が6周年を迎える2013年4月のアップデート第二弾では、ワールドの垣根を超え、全ワールドのプレイヤーが共通のフィールドで帝国戦をプレイすることが可能となる。
今回、クローズドな環境であったため大人数での対戦ではないのだが、その帝国戦を一足先にプレイすることができたので、そのレポートをお届けする。また、記事後半では本作の新たな楽曲を制作した岩垂徳行氏となるけみちこ氏へのインタビューもお届けするので、最後までチェックしてほしい。
デメリットなし、一人でも参加OKなPvPコンテンツ「帝国戦」
帝国戦は白帝、黒帝、赤帝、青帝の4勢力に分かれて戦うこととなり、どの勢力に属するかは開始時に毎回ランダムで決定される。パーティを組んでいればパーティごと各勢力に割り振られるが、個人で参加した場合はそのままソロでプレイすることはもちろん、勢力が決まった先でパーティを組み直すことも可能だ。
所属先が決まると各勢力の陣地へと降り立ち、ここからマップを開いて敵陣地への進攻や、味方陣地の防衛へと向かっていく。ここでの操作は戦いに行きたい陣地を選択するだけだが、敵陣へ攻め込む場合、自国が占領しているエリアと隣接しているエリアに限られる。
進むエリアを選択した後は、そこに到達するまでの移動時間が表示される。味方エリアのどこに敵が進行してきたかなどが専用のチャットで流れるため、戦況を見ながら行動することが重要となるが、エリア移動をキャンセルすると途中まで移動した距離もリセットされるので、素早い判断が重要だ。
エリアに到達すると戦闘フィールドに移動し、いよいよPvPがスタートする。ここでの目的は、バトル開始から一定時間が経過するとフィールド内の3か所にランダムで出現する旗を自分たちのエリアに持ち帰るという、FPSでいうキャプチャーザフラッグのようなシステムになっている。
戦闘フィールドでも空を飛ぶことは可能だが、高度は8までしか上がらないため、旗の出現ポイントをすべて視界に収めることはできない。そのため、旗が出現するポイントを手分けしてチェックしておき、出現した瞬間に味方内で情報を共有しておくといいだろう。なお、旗を取ると飛行はできなくなり、移動速度もかなり低下し、マップ上では旗を持っている人の位置が表示されてしまうので、単独で旗を持ちかえるのは相当厳しい。
そのため、味方の誰かが旗を持った場合、その人が倒されないようにサポートすることが重要となってくるぞ。飛行などは制限されるものの、暗殺師であればシノビバシリやカゲバシリといった移動速度が上がるスキルは使用できるので、何度もプレイしながら、旗を持つのにオススメの職業を探してみるのもよさそうだ。
旗は、誰かが取得した時点でチームのスコアに1ポイント加算され、無事に持ち帰ると10ポイント加算される。各エリアでの勝利条件は20ポイント先取となっているので、旗を持ち帰ることで得られるポイントは非常に大きい。
ただ、エリアごとの戦闘は1回25分となっており、制限時間が来るとスコアの多い方が勝ちとなるので、どちらも旗を持ち帰ることができないほど実力が拮抗していた場合には、いかに早く旗を獲得してポイントをリードできるかも重要となってきそうだ。ちなみに、スコアが同点の場合は防衛側が勝利となる。
旗を持った人が倒されるとその場にドロップせず、再度一定時間が経過すると3か所のどこかに出現するという仕組みになっていたので、味方同士で連携を取って倒された時のことも考えておくといいかもしれない。
各エリアでの勝利条件は先に説明した通りだが、帝国戦という大きな括りでの勝利条件はまた別に存在する。帝国戦では全80のエリアが用意されており、一定時間ごとに自国が占領しているエリア数に応じて得点が加算されていき、その得点によって順位が決定するのだ。
各エリアでの戦闘は途中で離脱することもできるので、大局での勝利を見据えるなら、制限時間とスコアを見て確実に逆転できないと判断した場合などには、今いるエリアを放棄して別のエリアの加勢に向かうことも重要となってくるぞ。
ここまで説明した限りだとなかなかシビアな戦いに感じてしまうかもしれないが、帝国戦では負けても倒されても一切デメリットが存在せず、参加すればさまざまな報酬が獲得できるのもポイント。帝国別の順位だけでなく、個人戦績もカウントされており、職業ごとに戦績が増える基準は異なるので、味方の回復やサポートに徹したいという人でも安心だ。
帝国戦には「レベル100で一次転生を済ませていること」というそもそもの参加条件があるので、わりと高レベルプレイヤー向けのコンテンツではあるが、条件さえ満たしていれば何人でも参加できるので、デメリットがないことも加えて気軽に参加することができる。
「帝国戦」概要
開催日程
毎週金曜日、日曜日の21:20~23:20
参加方法
開始時間の5分前になると、祖龍の城、万界城のほか各種族の主城と蓬莱勢力の本拠地等にNPC「督軍・元覇」が出現し「帝国戦入場券」を受け取る事が出来ます。「帝国戦入場券」を「督軍・元覇」から受取後、21:20以降に話しかけ「帝国戦入場」を選択する事で、帝国戦に参加する事が出来ます。一旦退場すると、その日の帝国戦には参加できなくなるのでご注意ください。
対象キャラクター
レベル100以上、転生済み(クラスが「ロウ」「カオス」以上であること)
所属について
所属する「帝国」は、参加毎、システムによりランダム決定されます。
現在は幅広いプレイヤー層に向けてレベルアップキャンペーンやカムバックキャンペーンなどが実施されているので、PvPを楽しみたい人はこの機会にレベル上げに専念してみるのもいいだろう。今はプレイを止めてしまっている人にとっても、復帰してみるいいチャンスとなっているぞ。
新楽曲を担当した岩垂氏&なるけ氏へインタビュー
11月20日のアップデートでは、作曲家の岩垂徳行氏が担当したメインテーマ「Perfect World」の追加と、ゲーム内都市・祖龍の城のBGMを、なるけみちこ氏が担当した新楽曲「祖龍の城」への一新も行われる。新楽曲「祖龍の城」はゲーム内の同名都市で、メインテーマの「Perfect World」はこれまでと雰囲気がガラッと変わったログイン画面でそれぞれ流れるようになっている。
新たなゲームシステムの実装だけでなく、5年の長きにわたって使われてきた楽曲にも変化が訪れることとなったが、今回の楽曲はどういった想いで制作されたのか。本楽曲を担当した岩垂氏となるけ氏の二人にお話を伺うことができたので、その内容もお届けする。
――本楽曲を制作するにあたり、シーアンドシーさんからオーダーはあったのでしょうか?
岩垂氏:メインテーマに関しては、ログイン画面を見せていただき、「こういったところに流れる曲です」といった説明がありました。今の曲は優しく幻想的な曲ですが、新しいログイン画面では駆け巡ると言いますか、疾走する感じが欲しいという話をいただきました。そのイメージをもらい、まずはピアノとリズムだけが入っている状態のデモを作ったところ、「いい感じですね」と、そこからサビの部分を大空を飛ぶように明るくしましょう、メロディの始まりに女性らしさが欲しいなどと打ち合わせを重ねながら作っていきました。
なるけ氏:大きな指定はなく、資料でいただいた映像には中国を意識したものが多かったのですが、特にそれを意識した曲にしなくていいと言っていただきました。あとは街中でかかる曲ですし、あまりにも強烈にドーン!と曲が始まるとびっくりしてしまうので、曲の開始が強烈になりすぎないようにしてほしいという話はありました。
――音楽なので聴いてそれぞれ感想を抱いてもらうのが一番だと思いますが、聴きどころはどこでしょうか?
岩垂氏:やっぱり曲を聞いてもらった人それぞれの判断でいいと思いますが、この曲には疾走感だけでなく、優しい部分も悲しい部分もあり、でも強い部分もあったりと、いろんな要素を込めましたので、そこを感じ取ってもらいたいですね。それから、曲を聞いて「ゲームやろう!」と思ってくれたら嬉しいです。
なるけ氏:曲の中間部分では、篠笛でメロディを吹いていただいた部分があるので、そこは聴きどころですね。曲の全体としても、なんとなく覚えやすいメロディを意識して作ったので、ゲームの雰囲気といい感じで合わさってくれると嬉しいなと思っています。
――5年も続いてきたゲームの音楽がガラッと変わることになりますが、そこで意識したことはありますか?
岩垂氏:逆に意識しないよう皆さんが進めてくれていました。もちろん資料はいただいていましたし、普通はこれまでの曲をしっかり聞き込み、そのイメージに沿うようにとか、この世界観でといったことを言われるのですが、「新規に」「新たな世界を」という話でしたのでほとんど意識しなかったですね。ただ、ゲームの舞台が大陸という感じでしたので、その広大さみたいなものは気にしながら作りました。
なるけ氏:私も中国っぽい建物があったりしたので、少しは中国風の古い音楽を入れた方がいいかなと思いましたが、それを踏襲してしまうと、どうしても借りてきたような曲になってしまうんです。なのでそれをわざわざやる必要があるのかなと考えて、そこを排除しないようにしつつ、意識としては日本人から見たアジアのようなイメージで作りました。なので中国っぽいというよりは、日本の大河ドラマを見ているような感じでしょうか。
――どちらの楽曲もフルオーケストラでかなり大がかりな印象ですが、これまで手掛けてきた楽曲などと比べて制作期間はどれくらいだったのでしょうか?
岩垂氏:イメージが組みやすかったので、話をいただいてから最初に曲を出すまでも早かったですし、その曲を「これでいきましょう」と言ってもらったので、制作期間は短かったですよ。
なるけ氏:私も世界観をすぐにイメージできましたので、普段よりスムーズに制作がすすみました。
――楽曲のタイトルはシーアンドシーメディアさんで付けたとのことですが、曲を作る際にタイトルは考慮したことはありましたか?
岩垂氏:「パーフェクトワールド」というゲームのテーマソングと聞いていたので、特にタイトルのことを考えてはいませんでしたが、自分で作っている時もそのままの名前で作っていました(笑)。
なるけ氏:私もコンシューマゲームの町のBGMのような雰囲気や、大陸感を意識して作っていました。
――タイトルが決まっていたことで作りやすかったり、逆に作りにくかったというのはありましたか?
岩垂氏:今回はうまくいきましたが、やっぱりほかの人が作っているものを継承するのはすごく大変なことですから、普通は作りづらいです。今回の曲は勢いのある曲で、自分がこういった大陸系の曲が好きというのもあると思うのですが、すんなり作れました。僕のテーマ曲は三拍子になっているのですが、三拍子って馬が駆けるときのときのリズムなんですよ。なので三拍子のリズムにすると大陸っぽい雰囲気になりますし、「レッドクリフ」などが好きなので、そういった世界の感じがいいかもしれないな、なんて思いながら作りました。
なるけ氏:もともとの祖龍の城で流れていた曲を意識しないようにしましたし、意識しても多分同じことはできないので、純粋に街の曲ということだけ意識していました。なのでタイトルが、というのはなかったですね。
――それぞれ別の楽曲を作られていますが、制作時にお互い相談したことはあるのでしょうか?
なるけ氏:実はオーケストラのレコーディングが一緒だったんです。
岩垂氏:そうなんです。なのでオーケストレーションの編成や収録で打ち合わせをすることはありましたね。今回オーケストラの収録方法にはこだわらせてもらい、レコードを作る有名なデッカというメーカーのやり方、吊りマイクを3本用意してアンビエント(周囲の音)を録るという方法を採用しています。ハリウッドでもやっている録り方なのですが、あまりハリウッドっぽくしすぎてもこのゲームと合わないと感じる部分がありましたので、そのさじ加減を気にしながら録音しました。
なるけ氏:通常、スタジオでオーケストラの収録をするときは、奏者が座った状態の目の高さぐらいにマイクが立っているんですけど、天井からも吊りマイクがあったんです。
岩垂氏:そうすると部屋の中のミックスされ一体となった響きが録れますので、そういったところも意識して聞いていただくと面白いと思いますよ。
――オーケストラにある楽曲の中で好きなものや印象に残っているものはありますか?
岩垂氏:今回弦楽器はいいメンバーが集まってくれたのと、全体的に若かったんですよ。若い人たちが意識を上げて演奏してくれたので、すごい盛り上がる感じになりましたし、木管は逆に平均年齢が高くて、そこに渋い感じが出てくれました。金管は僕がいつも一緒にやってもらっている人たちが多かったですし、本当に日本のトップの人たちが集まってくれたのですごくよかったです。
――さきほどなるけさんのお話に合った篠笛の奏者の方もすごく有名だとお伺いしました。
なるけ氏:「母をたずねて三千里」というアニメのイントロで笛を吹いている旭さんという方ですね。基本的にはフルートなんですが、ほかにも民族楽器を吹ける方なので、今回篠笛を担当してもらっています。レコーディングに来ていただいたときも、吹いていただけるのを楽しみにしていますと伝えたらノリノリでやってくれたので、収録も本当に楽しかったですね。
――最後にプレイヤーのみなさんへメッセージをお願いします。
岩垂氏:すでに曲を聞いているかもしれませんが、新しくなったログイン画面でも聞けますので、いきなり街に行かずにぜひ聞いてみてください。
なるけ氏:音楽を止めずにゲームをプレイしていただくのが理想ですので、ぜひ楽しんでください。
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