大成功を収めた「Hangame Festival★2012」&「ハンゲームキャラバン2012 冬」ではコミュニティが広がる施策を用意―ハンゲ太郎こと荒井淳氏にここまでの道のりと今後の展望を聞く

NHN Japanが2012年10月7日に開催し、6,207人の来場者を動員した大型オフラインイベント「Hangame Festival★2012」。今回、ハンゲ太郎としてイベントに参加した荒井淳氏に、同イベント成功までの道のりと、今後のオフラインイベントの展開について聞いてきたのでお伝えしよう。

「ドラゴンネスト」や「スペシャルフォース2」などの公式大会や、「ダンジョンストライカー」「ファイターズクラブ」といった新作の発表、さらには各タイトルの試遊台やアトラクション、ガチャコーナーなどを取り揃え、6,207人の来場者を動員、大成功を収めた「Hangame Festival★2012」。

本イベントから1ヵ月が過ぎた今、仕掛け人の1人である「ハンゲ太郎」こと荒井淳氏が、イベントで掴んだ手応えとこれからの課題をどのように感じているのかを聞いてきた。さらに今後実施予定のオフラインイベントの計画など、さまざまなお話を伺ってきたので、その内容をお伝えしよう。

「Hangame Festival★2012」の仕掛け人・荒井淳氏にインタビュー!

――まずは「Hangame Festival★2012」を振り返るところからお話を伺いたいと思います。当初の目標を大幅に上回る6,207人の来場者を動員しましたが、この結果を受けての率直な感想をお願いします。

荒井淳氏
荒井淳氏

荒井氏:「Hangame Festival★2012」はチケットを販売したわけではないので、お客様がどれだけ集まるか分からない、出たとこ勝負の部分がありました。しかし蓋を開けてみれば予想以上の動員数を記録して、正直驚きましたね。もちろん理想は高く持っていたのですが、本当にこれだけ多くの方に来ていただけるとは思っていませんでした。

事前のプロモーションに関しても、大きな予算をかけたわけではなく、各タイトルの公式サイトなどを使っただけの、小規模な告知でした。その中でこれだけ多くの方を呼べたことは、我々にとっても自信になります。

――これほどたくさんの来場客が足を運び、ステージイベントやアトラクションも盛況となりましたが、開催前に手応えはあったのでしょうか?

荒井氏:開催前は「できることを全部やろう」という気持ちしかなかったので、手応えを感じる暇はなかったですね。

イベント当日、開場前から600人以上のファンが列を作っていた。

――メインステージでは「ダンジョンストライカー」や「ファイターズクラブ」といった新作も発表されましたが、こちらの反響はいかがでしたか?

荒井氏:発表会にはレイザーラモンHGさんや、堀江由衣さんに登壇していただき、観客の皆さんの反応も良かったので安心しました。オンラインゲームですとひっそりと発表され、そのままスタートする作品も多いですが、「ダンジョンストライカー」と「ファイターズクラブ」に関しては良いスタートが切れたと思います。

メインステージでは武井壮さんが登場したゲストステージも開催しましたが、こちらも人気を集めていました。武井さんはゲストステージ終了後も会場でファンの方と写真を撮るなどのサービスもしてくれて、非常に助かりました。

――「Hangame Festival★2012」を開催するにあたり、工夫した点などはありますか?

荒井氏:元々「Hangame Festival★2012」は昨年の11月中旬あたりから動いていたのですが、僕は単発で大きなイベントをやってもあまり盛り上がらないと予想していました。ですから、事前に「ハンゲームキャラバン2012」を全国各地で開催し、「Hangame」のオフラインイベント」を認知してもらえるように努力しました。

「Hangame」はこれまでオフラインイベントをあまり実施していなかったので、その分今年は積極的に展開しました。「ハンゲームキャラバン2012」では、オフラインイベントにしては珍しく複数タイトル合同での開催となりましたが、これもその先に「Hangame Festival★2012」があったからこそ、1人でも多くの方に認知してもらいたいと考え、複数タイトルでの開催に踏み切りました。

――「Hangame Festival★2012」そのものの工夫というよりも、準備段階から長い期間をかけて種を撒いていたと。

荒井氏:ひとつひとつは点であっても、それが線でつながり、最終的に「Hangame Festival★2012」成功へ行きつくように準備していました。

――会場内には小さい子供を連れた親子の来場客も見受けられました。そういった幅広い層のファンを見ての感想はありますか?

荒井氏:キャラバンにも親子で参加している方はいましたし、ある程度予想はしていました。親御さんがプレイし、それにお子様も参加して…という具合に、何代にも続くゲームが生まれてくれたら嬉しいですね。

――「Hangame Festival★2012」は、「Hangame」のユーザー層の広さを改めて感じるイベントでした。

荒井氏:キッズコーナーが満員になるくらい多くのお子様に来ていただけましたし、低年齢層のプレイヤーさんに向けたコンテンツも今後は増やしていきたいと思いましたね。もちろん、メインターゲットは20代の方ですが、幅広い層へのアプローチも必要だと再認識しました。

4,000弱のアンケートの結果から見えた今後の課題とは

荒井氏:アンケートを集計したところ、男女比率は8対2の割合となっており、年齢は約半数が20代という結果になりました。これは、「Hangame」利用者の分布とほぼ一致していますね。今後のオフラインイベントでは、ギルドやクランのメンバーとともに来てくれる方を増やしたいです。

プレイしているタイトルで最も多かったのは「ドラゴンネスト」で、「エルソード」がそれに続くという結果になっています。実際僕が会場内をウロウロしていても、この2タイトルの話題を多く耳にしましたね。

――実際に会場内を見て回っていたのですね。

荒井氏:そうですね。ただ、当日はどうしても忙しくて、「あ、ハンゲ太郎だ」と声をかけられても「いえ、偽物です」とごまかすこともありました(笑)。

――アンケートの結果で、注目している点はありますか?

荒井氏:僕が特に注目しているのは「スペシャルフォース2」ですね。「スペシャルフォース2」はこれまで公式大会を開催していなかったのですが、今回初めて開催することができました。そのため、プレイヤーの皆さんのモチベーションも上がり、アンケートでも5位にランクインできたのではないかと思います。来場した方やTwitterでの反応も上々でしたし、ここから「スペシャルフォース2」をさらに盛り上げていきたいです。

――では、その他に目を引いたコメントなどはありましたか?

荒井氏:アンケート内にはフリーコメントの欄も設けていまして、本当にたくさんの意見をいただきました。良い意見、悪い意見ともに多数ありましたし、参考にしたいですね。

その中でも「『エルソード』の大会を入れてほしい」など、今回大々的に扱わなかったタイトルへの要望が強かった印象です。全体的に、厳しい意見の中からも皆さんの期待を感じることができたので、このアンケートを取ってよかったと思っています。

また、1件だけですが「ハンゲ太郎と話したかった」という意見もいただきました。これは僕の宝物にしたいと思います(笑)。

――「チョコットランドも出展してほしい」という意見もありますが、今回出展を見送った理由は何かあるのでしょうか?

荒井氏:「Hangame」のタイトルをすべて出展することは、会場スペースやスケジュールの問題もあり難しいので、今回は見送る形になりました。ですが、次に同じようなイベントをやる機会があれば、「チョコットランド」の出展も考えていきたいです。

――アンケートの結果から、今後へ向けた改善点はどこにあると感じましたか?

荒井氏:「Hangame Festival★2012」には社内の人間が約130名、スタッフとして入っていましたが、どうしても慣れない部分があり、来場者の皆様に迷惑をかける場面もありました。ここは真っ先に改善すべき点だと思います。

また、物販コーナーでもっとたくさんのグッズを買いたいという方が予想以上に多かったので、品揃えや在庫の数、列の並ばせ方などを考えていきたいです。

次に参加の理由ですが、我々の予想通りといいますか、プレミアムガラポンが圧倒的な大差で1位になりました。キャラバンもそうですが、イベント限定の何かがほしいというユーザーさんが多いです。

ですが、将来的には「友達に会いに行く」といった、コミュニケーションの部分がもっと上位に入ってくると嬉しいですね。

個人的に驚いたのが、「たまたま通りがかっただけ」という人が23名もいたことですね(笑)。通りすがりにもかかわらずしっかりアンケートにも答えてくれたことは面白い結果ですし、ありがたい話ですね。

――特別な動機を持たず、「とりあえず参加してみた」という人も多かったのですね。

荒井氏:そこは本当に嬉しいところですね。オフラインイベントは時間や体力、お金も使いますが、そこに「とりあえず」で参加してくれるということは、それだけ期待されていたということになりますし。

次に紹介するのが、面白かったもの、興味を持ったタイトルについてですね。面白かったものの1位も、やはりプレミアムガラポンでした。また、「ドラゴンネスト」の公式大会も評価が高く、興味を持ったタイトルでも1位になっています。「ドラゴンネスト」の大会は、人が最も多い時間帯に実施しましたので、その影響も大きいと思います。

――「ドラゴンネスト」の大会は、制限時間ギリギリでの逆転劇など、劇的な試合展開が多かった印象です。

荒井氏:ドラマチックな対戦が相次いだことはラッキーとしか言いようがないですね。試合展開は、僕たちではどうにもならない部分ですし。

来場者から寄せられたアンケート用紙の山。実に4,000弱のアンケートが集まったそうだ。

「ハンゲームキャラバン2012 冬」は関西、中部、関東の3地域で開催

――それでは次に、「ハンゲームキャラバン2012 冬」についてお聞かせ下さい。こちらの具体的な内容は決まっているのでしょうか。

荒井氏:「ハンゲームキャラバン2012 冬」のテーマは「コミュニケーション」です。春はオフラインイベントの認知度を高めることに注力し、夏は「Hangame Festival★2012」に繋がる、さまざまな施策を打ってきました。

ですが、元々僕がオフラインイベントで実現したかったことは、地域ごとのコミュニティを活発にして、ゲームをプレイするモチベーションを高めることだったのです。

前回までは全国7会場など、かなり大規模なキャラバンを展開しましたが、今回は関西、中部、関東の3地域に絞ります。会場をある程度絞ったほうが、密度の濃いコミュニケーションが取れると考えたからです。

取り扱うタイトルは、「ドラゴンネスト」「エルソード」「スペシャルフォース2」の3作品です。各会場とも2週間に渡って開催し、1週目は「ドラゴンネスト」で固め、2週目に「エルソード」「スペシャルフォース2」のイベントを実施します。これまでのイベントでも「ドラゴンネスト」の応募者が圧倒的に多かったので、今回は特に力を入れています。

また、全会場で懇親会も実施予定で、ここではファンの皆さんと、僕を含めた運営メンバーが膝を突き合わせてさまざまな話ができればと思っています。ゲームを運営していくうえでの気持ちなど、前向きなメッセージを皆さんに伝えたいですね。

――運営チームとの距離が近いイベントになりそうですね。

荒井氏:そうしたいですね。ですが、懇親会は未成年の方は参加できないことになっているので、そこだけは許していただきたいところです。

――タイトルごとに、どのようなイベントを企画していますか?

荒井氏:「ドラゴンネスト」では、PvP大会を実施する予定です。今後は国際大会への参加も見据えており、今のうちからユーザーさんがPvPに慣れる場所を作ろうと考えました。また、PvPで仲間になったユーザーさん同士が、グループトークで盛り上がってくれればと思います。

「エルソード」ではグループトークに力を入れようと考えています。春にグループトークだけのイベントを行い、これが非常に盛況でしたし、参加者の皆さんからも「またやってほしい」という声をいただきました。また、今回のテーマとも合致するので、改めて開催します。

「スペシャルフォース2」は「ドラゴンネスト」と同じく、今後の世界大会を見据えたイベントにしたいです。現在調整中ですが、有名なプレイヤーの方に来場していただいて、初心者の方へ向けた講習会を開いてもらったりですとか、ライト層、ミドル層のユーザーさんが上達できるイベントにしようと考えています。

また、「スペシャルフォース2」にはお遊び要素も入ったモードもあるので、そこで楽しく遊びながら、皆さんとコミュニケーションを取っていきたいです。

そして、今回はニコニコ生放送の視聴者の方ともコミュニケーションを図りたいと考えており、応募枠に「ニコ生枠」を作ったりですとか、現場にPCを持ってきてもらい、その場で配信してもらったりといった展開もします。

今までは、「Hangame」の規模と比べると、ニコニコ生放送でゲームを配信している人は少ない印象でした。ですが、配信はゲームを楽しむ姿勢のひとつとしてありだと思うので、今後はこのようなユーザーさんも育ってもらいたいと考えています。

――イベント内容の中にある「視聴者対決」も、ニコニコ生放送と連動した企画なのでしょうか?

荒井氏:まさにその通りで、来場したユーザーさんと、視聴者の皆さんが対戦するという内容になります。これは、ニコニコ生放送の公式配信ではよくある、視聴者参加型のイベントを、オフラインイベントでも実現したいと思い企画しました。こちらが一方的に情報を流すのではなく、視聴者に参加していただくことで、初めてコミュニケーションが成り立つと思うので。

――将来的に「Hangame」のオフラインイベントをどのように成長させていきたいと考えていますか?

荒井氏:ユーザーさんひとりひとりと向き合えるようなイベントにしていきたいですね。例えば、イベントにSkypeを導入して、ニコニコ生放送を見ている人と直に話すなど、「顔の見える運営」のひとつとして取り組んでいきたいです。

また、ユーザーさんが主催するオフラインイベントも企画していきたいです。僕たちが考えるオフラインイベントとは、また違った魅力があると思いますし。

本来はユーザーさんが主催するイベントも、今年の内に開催したかったのですが、先ほど話した通りオフラインイベントの定着に注力していたので、そこまで辿り着くことができませんでした。これからは、バリエーション豊かな企画を考えていきたいです。

――ちなみに、「Hangame Festival」は来年も開催されるのでしょうか?

荒井氏:今まさに調整中の段階で、まだ決まっていません。当然、開催できたらいいな…とは思っています。やるのであれば、規模を拡大して「Hangame」のタイトルをさらに幅広く取り扱いたいですね。

ユーザーさんから「やってください」という要望があれば、開催につながるかもしれないので、ぜひ応援をよろしくお願いします(笑)。

――最後に、今後のイベントに期待しているファンへのメッセージをお願いします。

荒井氏:全国を回るキャラバンや、公式大会、ファン感謝祭など、さまざまな種類のイベントを作っていこうと思っています。また、参加したことがない人も「楽しそうだな」と感じたらぜひ来てほしいですし、そう思ってくれるように努力していきます。

僕たちも皆さんが楽しめるように、全力で準備をするので、本当に楽な気持ちで来てもらえたらと思います。

――ありがとうございました。

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