「聖剣ONLINE」を開発したChinese Gamerにインタビュー!日本独自要素に対するこだわりや今後のアップデート内容について聞いた

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ネクソンが12月中に正式サービス開始を予定している「聖剣ONLINE」。本作の開発を務めるChinese Gamerでプロジェクトマネージャーを務める劉 哲魁氏にインタビューを行ったので、その内容をお届けする。

「聖剣ONLINE」は、台湾のゲーム会社Chinese Gamer International Corp.が開発した、ターン制タクティクス型戦闘を採用したMMORPG。英雄と呼ばれるキャラクターやモンスターを仲間にしながら、ヨーロッパをイメージしたファンタジー世界で冒険を繰り広げていくこととなる。

いよいよ正式サービスが開始となり、「英雄の名」「決闘王」といった対人戦の追加要素をはじめ、新たなミニゲームやクエストといった新要素も導入される。今回、正式サービスで追加される具体的な内容や、今後実装予定のコンテンツなどについて、Chinese Gamerのプロジェクトマネージャー・劉 哲魁氏にインタビューを行うことができた。

正式サービス時や今後のアップデート内容についてインタビュー

――本作はシミュレーションRPGとなっていますが、オンラインゲームでは珍しいこの戦闘システムを採用した理由は何でしょうか?

劉 哲魁氏
劉 哲魁氏

劉氏:「聖剣ONLINE」は「三国ヒーローズ」というオンラインゲームを手掛けた制作チームが開発しています。このチームにはシミュレーションRPG好きなスタッフが多く、開発実績もあったため、今回もシミュレーションRPG形式のシステムを採用しました。

――その戦闘システムで一番こだわったところはどこでしょうか?

劉氏:職業ごとに特殊なスキルを持たせているところですね。本作にはたくさんの英雄が登場しますが、それぞれが英雄なりのスキルを使えるようにしています。

――日本では主人公キャラクターの職業を9種類から選択可能ですが、今後追加の予定はあるのでしょうか?

劉氏:台湾版では、すでに12種類の職業が実装されています。日本では今後の大型アップデートで追加していく予定です。

――後の3つはどんな職業なのでしょうか?

劉氏:力タイプの「裁罰者」、敏捷タイプの「エレメンタル使い」、知恵タイプの「エンジニア」がいます。裁罰者は秩序を守るために悪を倒すというようなキャラクターです。エレメンタル使いは契約によってさまざまな魔法を使うことができ、エンジニアはさまざまな機械や罠を使って攻撃するスキルを持った職業になっています。

――台湾で人気の職業はあるのでしょうか?

劉氏:やはり魔法師のように、範囲スキルが多い職業は人気がありますね。

――英雄は史実やフィクション、さまざまな世界に登場するキャラクターがいますが、複数の世界から英雄を登場させた理由は何でしょうか?

劉氏:ユーザーさんが英雄の名前を見たときに「おおっ、あのキャラクターか!」と、元になったキャラクターがすぐに分かるよう、世界中で有名な人物やキャラクターを採用しています。また、それぞれの英雄に合ったスキルを設定しやすいこともあったので、いろんな英雄を使わせてもらっています。

アテナ(左)やフック船長(右)を始め、有名なキャラクターが多数登場する。

――現在サービスされている国では、どれくらいの英雄が登場するのでしょうか?人気のキャラクターがいればそちらも教えてください。

劉氏:台湾版では200体近くの英雄がいます。その中でも、やはりセクシーな女性、例えばアテナのようなキャラクターは人気が高いです。台湾ユーザーの中には、パーティメンバーを全員女性キャラクターで構成している人もいますね。

――英雄の中には日本人が想像する姿と違うキャラクターもいますが、デザインのコンセプトはあるのでしょうか?

劉氏:こういった英雄を登場させたいと企画を決めた後は、美術スタッフにお任せする感じで進めていました。美術チームはキャラクター、モンスター、マップそれぞれにメインにスタッフがおり、その上に美術リーダーもいますので、メインスタッフたちのスタイルなどを統一して、世界を組み合わせたときに統一感が出るようにしています。英雄とモンスターのイラストは、台湾でかなり有名な方(※)に描いてもらっています。

※英雄デザインは、台湾初の裸眼3D絵本やタロットカード、小説の挿絵を手掛けるEvan Lee(毅峰)氏が担当。モンスターデザインは、台湾で主席ファンタジーイラスト師と言われているPO-WEN(荘博文)氏が担当している。両氏ともに、ASIAGRAPH(アジアグラフ)に招待された実績がある。

――本作の世界観を作る上で影響を受けた作品などはありますか?

劉氏:映画の「ロード・オブ・ザ・リング」の影響は受けたと思います。「聖剣ONLINE」のシナリオは、連盟(人)と領域(神)という2つの勢力があり、この2つの勢力で戦いを繰り広げていますが、そこに魔王が現れ、一時休戦して同盟を組み、共に魔王と戦う…といった内容になっています。戦闘システムの部分では、「ファイナルファンタジータクティクス」「タクティクスオウガ」といった作品に影響を受けています。

――2つの勢力のうち、序盤はこちらがプレイしやすいといったオススメはありますか?

劉氏:両方とも力を入れて制作していますので、どちらを選択してもプレイしやすいと思います。個人的にはですが、いつも領域でプレイしていますね。

――ストーリーは勢力によって別の展開になるのでしょうか?

劉氏:一部のシナリオは違っていますが、聖剣を見つけ出して魔王を倒すというメインストーリーは変わりありません。あとは、ストーリー展開によって手に入る英雄が異なるといった違いがあります。

――PvPには「英雄の名」や「決闘王」といったものがありますが、それぞれどういった内容になるのでしょうか?

劉氏:「英雄の名」は、自分が育てたキャラクターたちを使って、仲間と5人のプレイヤーでパーティを組んで戦うものです。各プレイヤーは主人公キャラクターと4人の英雄を連れていけるので、最大25キャラ対25キャラで対戦することができます。

「決闘王」は、通常の戦闘のようなシミュレーションRPG形式とは異なり、コマンドを打ち込んでスキルを入力して戦うというものです。「↑」や「↓」といったコマンドが表示されるので、正しく、素早くタイピングすることで攻撃力が上がったりするので、敵を倒しやすくなります。

実装時期は未定ですが、「輝く戦役」というものも用意しています。これは自分が育てた英雄やモンスターは使用できず、勢力ごとに用意された英雄とモンスターを選び、そのキャラクターたちで戦うという内容になっています。なので、戦闘のテクニックを磨くための要素として遊べるようにしています。

――オープンβテストでは荘園システムが実装されましたが、ここでこだわったポイントはどこでしょうか?

劉氏:実はこの荘園システム、台湾版には存在せず、日本のために制作したものです。私が台湾版をプレイした際、PvPイベントが多かったので、ライトユーザーが入りづらいと感じていました。そのため、チーム内でライトユーザーでも楽しめる要素を入れたいと提案し、荘園とハウジングシステムを開発しました。

――ほかに日本独自のコンテンツはあるのでしょうか?

劉氏:すでに実装しているものでは、誕生日によって星座が異なるのですが、パーティ内での星座の組み合わせによってバフがもらえるようになっています。

それから今後実装するものでは「国戦」ですね。台湾版にも国戦はありますが、国のために戦うといった意味合いが薄いので、日本版ではしっかりと国のために戦うイベントを入れようと考え、現在開発を進めているところです。ほかにも、モンスターを倒したときに手に入る「カード」を合成するシステムも開発中です。

そして結婚と、子供を育成するシステムも今後実装予定です。このシステムでは、まずプレイヤー同士が恋人になり、特定のクエストをクリアして結婚用のアイテムを手に入れることで結婚できるようになります。結婚後に愛情度と呼ばれるものを一定まで高め、再度特定のアイテムを手に入れると、自分たちの子供が生まれてきます。子供にはアイテムをあげたり、戦いをレクチャーすることも可能で、子供の育成度が最大になると自分の部隊に参加させることができるようになっています。これも日本版のために開発しているシステムですね。

――日本独自システムを追加するときに気を付けていることはありますか?

劉氏:私自身、日本のオンラインゲームやビデオゲームで遊んでいるので、日本ユーザーと台湾ユーザーの違いを感じることがあります。そのため、弊社が日本市場にタイトルを展開するときには、どの部分が足りないのか、どの部分を強化すればいいのかといったチェックをしてから企画案を出すようにしています。それを元に、運営会社と開発チームで相談しながら、新しいシステムやコンテンツの開発に取り組んでいます。

――日本独自に限らず今後実装予定のシステムなどはありますか?

劉氏:新しいミニゲームを実装するほか、ギルド戦も実装予定です。一般的なギルド戦は参加する勢力が1対1ですが、本作では1対1対1という、お互いのギルドがけん制し合う、三つ巴の戦闘が楽しめるシステムになっています。ほかにもレベルによって解放するマップやインスタンスダンジョン、正式サービス時に実装する、NPCをモンスターから一定時間守りぬくイベントなども用意しています。

――新しいミニゲームにはどんなものがありますか?

劉氏:大勢のスライムが描かれたイラストの中から、指定されたスライムを見つけ出す「スライム探し」をはじめ、日本では馴染み深い「モグラたたき」を正式サービス時に実装します。ほかにも、蛇に食べ物を食べさせて大きくしていく「ヘビゲーム」と呼ばれるものも開発しており、日本の干支は来年が巳年なので、お正月イベントで遊べるようにできたらと考えています。

――これらのミニゲームを導入しようと思ったきっかけは何でしょうか?

劉氏:やはり戦闘だけを繰り返していると疲れてしまうと思いますので、気分転換などで楽しめる要素を入れたいと思ったのが理由です。どのミニゲームも、発生すると多くの人が参加してくれていますし、実装済みのミニゲームではクイズゲームの人気が高かったです。

――アイディアで没になったミニゲームはあるんでしょうか?

劉氏:セクシーな女性キャラクターの絵を使い、ブロックを少しずつ消していくとイラストが見えていくといったミニゲームがありましたが、企画段階で止められてしまいました(笑)。

――最後に日本ユーザーの方にメッセーをお願いします。

劉氏:「聖剣ONLINE」は弊社の自信作ですし、日本独自のシステムも搭載しています。これからも新しい要素を追加していく予定なので、ぜひプレイしていただければ幸いです。

インタビュー時にはChinese Gamer 技術開発部エンジニアの黄 健庭氏も同席してくれた(写真左)。
日本サービスに関することも担当しており、子供育成ステムの開発が一番苦労したポイントだと話していた。

「聖剣ONLINE」特設ページ公開中!

今回お届けした開発インタビューのほかにも、特別連載ではゲームのポイントをまとめた紹介記事もお届けしているぞ。次回は年末年始を楽しく遊ぶ聖剣ONLINEのイベント情報などをお届け!特別連載として掲載した記事はまとめて特設ページにてチェックできるので、こちらもお見逃しなく!

※掲載中の画面は開発中のため実際の内容と異なる可能性があります。

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