ガマニアデジタルエンターテインメントの新作アクションMORPG「ティアラ コンチェルト」。今回、プロデューサーのGabriel Pang氏とイラストレーターのAki Li氏が来日されたとのことで、本作について早速インタビューを行った。
「ティアラ コンチェルト」は、大地と海が失われた雲間に漂う不思議な世界「アイランド」を舞台したアクションMORPGだ。さまざまな武器をあつかうヒューマン、攻撃・防御に優れたビースト、高い機動力のエルフなど、個性的な3種族から自分にあった種族を選んでプレイすることができる。
1月29日よりクローズドβテスターの募集がスタートし、2月6日からはクローズドβテストが実施予定となっている。今回、本作の開発会社でプロデューサーを務めるGabriel Pang氏とイラストレーターのAki Li氏、そして日本運営チームの金子朋嗣氏にインタビューを行うことができたので、その内容をお届けする。
昨年の12月に行なわれたデバッグテストを振り返って
――本日はよろしくお願いします。早速ですが、昨年末に日本でデバッグテストを行なわれましたが、ユーザーからの反響はいかがでしたか?
金子氏:本作は2010年の東京ゲームショウで初披露したのですが、それからほとんどプロモーションを行っていませんでした。そんな状況にも関わらず、私たちの想定を遥かに越える多くのユーザー様から応募を頂きました。
――率直にデバッグテストを終えたユーザーの反応はいかがでしたか?
金子氏:ユーザー様からは「操作性」と「スピード感」に難があるという意見を頂いています。特にスピード感という点では、スキル発動前後の硬直時間や、ダウン状態からの復帰が気になるという意見を多く頂いています。「操作性」に関してもさまざまな意見を頂いているのですが、ユーザー様ごとにプレイされてきたゲームが違い、それによってのことだと推測しています。
Gabriel Pang氏:最初は「モーションの早い武器もあれば遅い武器もある」という設定で、開発側としてはさまざまな遊び方ができると想定していましたが、物足りなかったとのことですので、その点は調整する予定です。
――ポジティブな意見についても伺ってもよろしいですか?
金子氏:「キャラクターの可愛さ」「ダンジョンのプレイ」という点では一定の評価を頂けました。
――ユーザーからさまざまな要望があったとのことですが、これは今後行なわれるクローズドβテストなどに向けて改善されていくのでしょうか?
金子氏:デバッグテスト終了後も開発チームと密に連携を取りながら調整を進めていて、今回のデバッグテストで頂いた意見については、概ね改善点の洗い出しが完了しており、何らかの調整を加える予定です。例えば本作には一人称視点モードがあるのですが、これまではキャラクターの向きに関係なくカメラ正面に向けて攻撃していました。しかしユーザー様からご要望がありましたので、オプションをつけてカメラの向きではなくキャラクターの向きに攻撃できるようにする予定です。
また、キャラクターメイキングについてももう少し細かくカスタマイズをしたいという意見がございましたので、オープンβテストではキャラクターの身長と、女性キャラクターのみですがバストの大きさが変更できるようになります。
――かなりシステムの深いところにまで手を入れられるんですね。その影響で今後のサービス開始スケジュールに遅れが出るようなことはないのでしょうか?
金子氏:現在はゲーム全体のバランスや操作性などの改善に重きを置いて開発を進めており、調整を行なうからと言ってスケジュールに影響が出るといったことは今のところありません。
――それは安心しました。今後のサービススケジュールなどについて教えて頂いても良いですか?
金子氏:まず2月6日から2月13日までクローズドβテストを行い、その後意見や要望を受け調整を行いオープンβテスト、正式サービスは2013年第1四半期の中ごろになるかと思います。
クローズドβテストでは、デバッグテストでは実装されなかったPvPシステムと、オークションシステムを解放します。その後オーブンβに向けて複数パーティで挑戦するレイドダンジョンのようなものも計画していますが、まずはゲームの面白さの基本部分の完成度を高めていくことがクローズドβテストの目的です。
「ティアラ コンチェルト」の世界観について
――多くの日本のユーザーがデバッグテストをプレイされたそうですが、本作のどのような点がユーザーにとって魅力的だったと考えられていますか?
金子氏:やはり日本のユーザーにも受けるキャラクターの可愛さだと思います。
――確かに可愛らしいデザインですよね。これは特に日本市場を意識したものだったんですか?
Aki Li氏:私自身も元々日本のアニメやマンガが好きで、そこから大きな影響を受けています。意識せず自然にそういう感じになりました。
――音楽がさまざまな点でストーリーと関わってくる、独自な世界観を構築されていますが、この世界観はどこから生まれたものでしょうか?
Gabriel Pang氏:実は以前は「料理」をテーマにしたゲームを作っていたこともあるんです。それで今回「音楽」を選んだのは、音楽って練習すれば誰でもある程度までは上達するじゃないですか。それって魔法に似ているな、と感じたのがきっかけです。
――「ティアラ コンチェルト」の世界について詳しく教えて頂いても良いですか?
Gabriel Pang氏:「ティアラ」という次元は旧世界が破壊された後に出てきた世界です。本作には「ヒューマン」「ビースト」「エルフ」といった3種類の種族が登場するのですが、ヒューマンとビーストは旧世界から居た種族で、そこに新たにエルフが加わった世界になります。職業も「ファイター」「レンジャー」「チューナー」という3種類があって、ファイターとレンジャーについては戦闘をメインとする職業ですが、チューナーという職業は特殊で「チューニング」というスキルがあります。これも「ティアラ」という次元ができてから生まれたスキルです。
我々が生きている世界で産業革命以前と以後で人々の生活が大きく変わったように、本作の世界でも工業革命以前はファイターとレンジャーだけだったのが、革命でチューニングというスキルが生まれ、その技術を生かして大きく進歩しました。
――3つの職業の中でファイターとレンジャーは名前だけ聞くとあまり音楽と関わらないように感じるのですが……。
Gabriel Pang氏:実はファイターとレンジャーが使う武器も楽器なんです。ただ、革命以前と以後で違うのでチューナーが使う楽器とは少し異なります。
――ということは世界観だけでなく、本作のシステムにも音楽が関わってくるんですか?
Gabriel Pang氏:そうですね。例えば今後実装予定の「楽団」というほかのゲームのギルドのようなシステムがあります。まだ企画中ですが、楽団ではほかの楽団員と協力して「作曲」をするシステムなどがあり、音楽に大きく関わってきますね。
――もちろんストーリーにも音楽が関わってくるんですよね?
Gabriel Pang氏:実は本作は3部作(3部曲)にしたいと考えています。3部作の途中でエルフには古代遺跡やロボットなどが登場してSF風になっていくことも考えています。
――なるほど、「ティアラ コンチェルト」の世界がドンドン広がっていくというわけですね。
――NPCキャラクターでお気に入りや面白いキャラクターはいますか?
Gabriel Pang氏、Aki Li氏:(二人の意見が一致して)2キャラクター居るんですが、まず1キャラクター目はエルフの教官。2キャラクター目が船長です。船長はストーリーを進めるとプレイヤーと共闘するシーンがあるのですが、その時にカンフーを使って戦うんです。ここはぜひ見て欲しいですね。
――その2キャラクターがストーリーにどう関わってくるか教えて頂いても良いですか?
Gabriel Pang氏:まだ深くはお話できないのですが、エルフの教官はエルフの歴史に関わるキャラクターです。船長はメインのキャラクターではないのですが、“活躍する”脇役です。ゲーム内で彼らに会えることを楽しみにしていてください(笑)。
――それではプレイヤーキャラクターでお気に入りのキャラクターや衣装があれば教えて教えてください?
Aki Li氏:キャラクターですと、スタイルが良くて落ち着きがあるので、ビーストの女性キャラクターが好きです。衣装もさまざまな種類のものを用意していて、例えばメイド服などもあります。しかもメイド服は馴染み深い可愛らしい衣装と、伝統的なものの2種類を用意しています。
金子氏:着せ替えの楽しさも重視していきたいので、男女キャラクター共に豊富な種類を用意していく予定です。
――最後にユーザーに向けてメッセージをお願いいたします。
Gabriel Pang氏:できるだけユーザー様の意見を聞いて開発していくつもりなので、ぜひご支援をお願いします。
Aki Li氏:もしアバター要素などで要望があれば参考にしていきたいので、意見を送ってください。
Gabriel Pang氏:(アバター要素について)可愛いものであればドンドン意見を受け入れていきたいと思います。
――ありがとうございました。
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