ベクターが本日4月17日よりオープンβテストを開始する「ぎごしょくマスター」。本作のプロデューサーを務める手塚裕之氏にインタビューを行ったので、その内容をお届けする。
「ぎごしょくマスター」は、三国志を舞台としたMMORPG。三国志でお馴染みのキャラクターたちがデフォルメされた三頭身の可愛らしいキャラクターで描かれており、彼らを仲間にすることで自分だけのパーティを作りだせるのが特徴となっている。
クローズドβテスト開始前にはプレイレポートをお届けしたが、いよいよオープンβテストが開始となった今回は、プロデューサーの手塚氏にインタビューを行った。ゲームの魅力から今後の運営・アップデート方針などを伺ってきたので、早くもプレイしたという人はもちろん、興味あるけどまだ遊んでいないという人もチェックしてほしい。
――まずは運営移管の経緯を教えてください。
手塚氏:崑崙日本さんとは、直接タイトルの繋がりがない時期でも以前からコンタクトを取っており、ビジネスパートナーの一社という状態でした。それに加え、今回弊社と繋がりの強いChineseGamerさんのタイトルを運営されていたこともあり、弊社でチャネリングをしてみようという話がありました。しかし、チャネリングをするならいっそ運営移管をした方がタイトルとしていいのではないか、という流れになったのが理由です。
――「ほのぼのモグウ日記」のプレイデータに関してお聞かせください。
手塚氏:これまで遊んでいただいた方のデータは、非常に申し訳ありませんが削除させていただく形となります。崑崙日本さんと長い時間をかけて話をしたのですが、運営移管をするにあたり「ぎごしょくマスター」という生まれ変わったタイトルを、もう一度新しい気持ちで遊んでいただきたいということになりました。新しくプレイしてくださるユーザーさんもいらっしゃるので、そういった方々と肩を並べてプレイしていただきたいです。
ただ、崑崙日本さんも長く遊んでくださった方に感謝していて、何かをプレゼントしたいというご提案をいただきました。それについてもやり取りを重ねた結果、レベル30以上までプレイしていただいた方限定となってしまいますが、全身のアバターと武器のアバター、それから騎乗ペットをプレゼントさせていただくことになりました。また、「ほのぼのモグウ日記」で金貨(有料ポイント)をご購入されたことがある方には、「ぎごしょくマスター」で使用できる有料ポイントをプレゼントさせていただきます。
――タイトルを「ぎごしょくマスター」にした経緯を教えてください。
手塚氏:三国志は人気の高いコンテンツであると同時に、日本には三国志という名前が溢れていますので、タイトルに三国志と付けるとほかの作品に埋もれてしまう可能性がありました。そこで、“三国志ファンが聞けば一発で三国志と分かるけれど、三国志ではない言葉”を探したところ、三国を象徴する魏、呉、蜀を思い浮かべました。続けて読むと「ぎごしょく」で響きもいいですし、本作には君主や領主といったことをイメージするシステムも入っていますので、そこに「マスター」をくっ付けてみました。すると略称も「ぎごマス」で耳にいい感じでしたので、社内ではほぼ満場一致で決まりました。
――序盤は蜀軍メインで進みますが、「ぎごしょく」ということは蜀軍以外も登場するのでしょうか?
手塚氏:時代的に言うと赤壁の戦いの前ですので、比較的蜀軍の三人(劉備、関羽、張飛)と共にストーリーが進んでいく場面が多くなっています。ですが今後は呉軍の存在感も強くなってきます。
どうしても三国志のコンテンツは蜀軍のストーリーを追っていくものが多いため、蜀寄りのストーリー展開になってしまう部分はありますが、「キョチョを連れて歩きたい!」「太史慈はいつになったら出るんだ!」といったご要望に応えられるよう、台湾版に入っていない武将でも、今後オリジナル武将として追加していきたいと思っています。
――キャラクターのセリフがユニークな内容になっていますが、ストーリーの魅力はどこでしょうか?
手塚氏:基本的な展開は三国志演義に沿ったものになりますが、我々が持つイメージとはキャラクターの性格が異なっているのが特徴です。例えば劉備は人が良くて騙されやすいところがあったり、関羽がなぜかいつもお腹を空かせていたりと、思わずニヤッとできるキャラクター付けを楽しんでいただきたいです。
――世界観の部分で魅力はどこでしょうか?
手塚氏:一言で言うと、“オモシロカワイイMMO三国志”というところです。三国志というと、大きな戦いで武将同士の戦いが…という男臭い世界が定説だと思いますが、「ぎごしょくマスター」では三頭身のキャラクターたちが面白おかしく暴れまわる、非常にほんわかした世界に生まれ変わっています。
有名武将が、露店で売られているまんじゅうを食べたら大ザルに変身してしまったり、「○○には見えない服」をだまされて購入して裸になってしまったりと、ユニークな世界観が本作の魅力のひとつとなっています。
――ゲームシステム面ではいかがですか?
手塚氏:システム面では、フリージョブシステムを採用しているため、臨機応変に職業を変えることが可能です。「パーティを組んだけれど回復役がいない」といった状況などで重宝すると思います。いつも遊んでいるメンバーでもバランスよく遊べて、仲間たちとの距離が近くなる形のシステムです。
また、武将を仲間にしたりイベントをクリアすることでカードがもらえる、コレクション要素も入っています。非常に可愛らしいイラストも多いですし、中華飯店で扱っているロブスターのカードという、「なぜこんなものまでカードにしたんだろう」と思わず笑ってしまうような、バリエーションに富んだラインナップですので、収集も楽しんでほしいと思います。
――すごくやり込むよりも、毎日少しずつ遊べそうなイメージですね。
手塚氏:今まで弊社で扱っていたChineseGamerさん開発のタイトルは、いわゆる武侠系というか、男臭い、血なまぐさい世界観を楽しんでもらうものでした。ですが本作はもっと幅広く、ライト層の方が「キャラがカワイイからちょっと触ってみよう」と思ってプレイして、ゆっくり自分のペースで楽しんでいただけるようになっています。
――ChineseGamer開発のタイトルを複数運営されていますが、それによってメリットを感じたことはありますか?
手塚氏:ChineseGamerさんが開発したタイトルの運営は「Wonderland ONLINE」から始まり「ぎごしょくマスター」で8本目になります。それもあって、すごく慣れていると言いますか、どんなものを要求したらどういう風に応えてくれるのかが分かってきているので、スムーズに意思疎通が行えています。
ChineseGamerさんとしても、弊社だけでなく他社さんも含めて日本向けに多数のタイトルを提供していますので、日本人の好みを掴んできていると感じています。「ぎごしょくマスター」を弊社で運営させていただくにあたり、改善してほしい要望をいくつか出しているのですが、それに対して「システム的にこんな風に改修できるから、こんな内容はどう?」といった形でご提案もいただいており、友好的に日本版のカルチャライズが進められました。
そうして改善していただいたものの中で、武将保管庫の存在が目玉のひとつとしてあります。仲間にできる武将は100体をゆうに超えますし、やはり武将に対して強い思い入れを持つユーザーさんが非常に多いと感じています。ですが、これまでは武将を最大でも10体までしか仲間にできなかったため、何とか武将を保管できるものを作ってほしいとお願いしました。当初はシステム的に難しいと言われていたのですが、何度もやり取りを重ねて、無事に実現することができました。
――ほかに改善要望を出したものはありますか?
手塚氏:移動速度が遅いという意見がありましたので、その改善をお願いしました。システムの都合上、結果から言うと実現しなかったのですが、その代わりゲームのごく序盤で騎乗ペットが手に入り、普段からペットに乗って移動していただけるようにしています。まだ調整中ですが、毎日ログインしている人がちょっとお得になるようなシステムも追加したいと思っています。
――ほかのタイトルを含め、ChineseGamerさんが開発したものでいいなと思うところはどこでしょうか?
手塚氏:自動戦闘や自動移動のレベルが非常に高く、とにかくユーザーさんにストレスを与えさせない作りが最大の魅力だと思います。それだけでなく、ミニゲームやデイリークエストなど、コンテンツ量が非常に豊富です。アップデートでも、実装してもらうものがなくて困る経験がないぐらい、とにかくたくさんのコンテンツを作ってくれるので、そこを楽しんでいただきたいですね。
――今後の運営方針を教えてください。
手塚氏:弊社では、今までクライアント型のポータルサイト「GAMESPACE24」と、ブラウザゲームのポータルサイト「ブラゲタイム」を運営しておりました。それらを3月6日に「VectorGame」として統合したのですが、VectorGameがスタートして初めてリリースするタイトルですので、しっかりと皆様の声を聞いて、一緒に歩んでいけるタイトルにしていきたいです。
――課金アイテムのラインナップにはどんなものを準備される予定ですか?
手塚氏:アバター系の商品を中心に考えています。三国志というと、男性向けであればゴツゴツした鎧とか、女性向けであればヒラヒラした踊り子のような服が多いと思いますが、本作では“ほんわかのんびり”というイメージのものが多数用意されています。例えば園児服ですとか、小学生が着るような制服ですとか、「三国志なの?」と思われてしまうかもしれませんが(笑)、可愛さを全面に押し出すアバター衣装が揃っていますので、季節などに合わせて順次ご提供させていただく予定です。
――職業レベルを最大にすると、その職業のアバターセットがもらえます。そのほかにゲームプレイでアバターを入手する方法はあるのでしょうか?
手塚氏:課金販売だけでなく、ゲーム内の期間限定イベントをクリアすると手に入るといったイベントも追加していきたいと思っています。また、今後はベクター版オリジナルとして、有名イラストレーターさんに描いてもらったものや、コラボレーションしたアバターも出していきたいです。
――アップデートの予定についても教えてください。
手塚氏:正式サービスを開始してから、半年後をめどに大型アップデートを実施させていただく予定です。詳細についてはまだお伝えできないのですが、三国志の一大イベントである「赤壁の戦い」を舞台にしたものを考えています。
――赤壁の戦いの追加後など、大型アップデート後の予定も教えてください。
手塚氏:三国志の話は長いので、しばらくストーリーを追っていく流れがメインになると思いますが、いちキャラクターを掘り下げていくことも考えています。例えば、物語のはじめに、主人公(プレイヤー)は劉備、関羽、張飛の3人と出会いますが、すぐに別行動をとります。主人公と別行動をしていた間、彼らは何をしていたのかといったサイドストーリーをクエストとして追加する、などですね。
――そうした内容を実現させるとなった時、話の展開は何か史実などを参考にするのか、それともオリジナルのものを作るのか、どちらになりそうでしょうか?
手塚氏:恐らく半々になると思います。ChineseGamerさんのストーリーライターが本編の面白いストーリーを作ってくれましたので、こちらから作ってほしいストーリーのネタをお渡しして、出来上がったものを日本版にアレンジしていく流れになると思います。
――イラストに手を加えたりはするのでしょうか?
手塚氏:今回、「ぎごしょくマスター」ののんびりとしたイメージをお伝えするためのイメージイラストを1点ご用意しました。 もともとキャラクターのデザインはとてもかわいいものが多いので、それらをベースに、お正月用の貂蝉やクリスマ ス用の大喬・小喬など、季節もののイラスト展開ができないかとChineseGamerさんとも相談しているところです。
――季節ものなどイベントの予定は考えられていますか?
手塚氏:夏休みや七夕など、当然季節ごとに実施していきたいと思っています。弊社としてもChineseGamerさんとしても、ほかのタイトルよりもサービスが良いと実感してもらえるように、お得な情報や、ゲームを遊ぶと幸せになれるようなキャンペーンは随時ご用意させていただきたいと思います。
――VectorGameで運営しているほかのタイトルとのコラボは考えているのでしょうか?
手塚氏:開発会社の枠を超えると難しいところが出てくると思いますが、ChineseGamerさんのタイトル同士で両方登録すると特典が、というコラボは実施しやすいと思います。こういう話をするとChineseGamerさんも乗ってきて、「じゃあこっちのタイトルでやろうよ!」と返してくれると思いますので、みなさんにいいニュースをお届けできるのはと考えています。
――“ねんどろいど”とマッチするようなグラフィックですが、ゲーム以外の展開はいかがですか?
手塚氏:「ぎごしょくマスター」のフィギュア化よりも、今あるほかのコンテンツをゲーム内に登場させるといった流れがメインになると思います。まだフラッシュアイディアレベルですが、社内では全国のゆるキャラとコラボしてみてはどうか、といった話などが出ています。どういったものが実現できるかは今後次第ですが、面白い仕掛けをお届けできればと思っています。
――本日よりオープンβテスト(OBT)が開始となりますが、見どころを教えてください。
手塚氏:クローズドβテストはある程度人数を制限させていただいており、名前の通りテストの意味合いが強いため、未完成な部分を見せてしまったところも多くあります。OBTでは武将保管庫を含め、日本オリジナルコンテンツを入れた状態となっています。OBTでしか実施しないイベントも用意していますし、プレイしていただいたデータは正式サービスに引き継ぎますので、ぜひプレイしていただければと思います。
――本作で目指す将来像をお聞かせください。
手塚氏:弊社がこれまでご提供してきたChineseGamerさんのタイトルは、「ARK FRONTIER」などの3Dのリアル系タイトルと、「Angelic Crest」のような2Dのカワイイ系タイトルに二分されていました。今回はその中間となるカワイイ系の3Dという挑戦的な作品になっています。
弊社としてもVectorGame第1弾タイトルですし、移管タイトルを受け入れるのも初めての経験です。ほんわかしているゲームの雰囲気だけでなく、面白そうなコンテンツが揃っているなと感じていただけるようにアピールしていき、ご期待いただいた方に応えられるよう挑戦を続けていくタイトルでありたいと考えています。
「ほのぼのモグウ日記」を遊んでいただいている皆さんはもちろん、今回「ぎごしょくマスター」を知っていただいた方にも満足いただけるよう、我々の意欲が伝わる運営をしていきたいと思っています。
――最後にユーザーの方へメッセージをお願いします。
手塚氏:今までさまざまな「三国志」に触れてきたと思いますが、ほんわかドタバタとした、見たこともない三国志を楽しんでいただきたいと思っています。三国志を知らない方はもちろん、コアな三国志ファンもビックリと、そしてニヤッとしてしまう内容になっていますので、ぜひプレイしてみてください。笑顔あふれる桃園で、皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。
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