日本向けローカライズ版のリリースも決定した「HAWKEN」テクニカルセッションの模様をお届け―12月に実装予定の要素も判明

NVIDIAは、PC向けメカFPS「HAWKEN」を題材としたテクニカルセッションを開催し、本作で使用されている同社のグラフィック技術紹介を行った。

ジェフ・イェン氏
ジェフ・イェン氏

本セッションでは、まずエヌビディアコーポレションでアジアパシフィック地域 シニア・テクニカル・マーケティング・マネージャーを務めるジェフ・イェン氏が、同社のテクノロジーとPCゲーム業界のトレンドについて説明。

PCゲーム業界はこの数年で大きな伸びを示しており、今後も成長を続けていく見通しだと話す。その成長の大部分はFree to Playと言われる基本無料のタイトル、いわゆるアイテム課金制を採用したタイトルが牽引していくのでは、と言われているようで、実際に収益を後押ししているのもFree to Playのゲームだという。

特にアジアでは、Free to Playのビジネスモデルを採用したゲームが大きな伸びを見せている。一口にアイテム課金と言っても、Pay for Winと呼ばれるような、必ずしも課金した人が有利になる要素だけでない。最近の動向では、キャラクターのカスタマイズに対して課金要素が設けられていることも多いという。実際にPCのオンラインゲーム、特にMMORPGをプレイしている人であれば、能力的な部分よりもアバターに対して課金要素があるというのも頷けるところだろう。

また、これまでに出てきたFree to Playタイトルは、グラフィックよりもコンテンツで勝負しているという意見もあるようだ。ただイェン氏は、今回のセッションで事例として挙げる「HAWKEN」は、同じFree to Playタイトルの中でも、コンテンツはもちろん、ビジュアルも卓越したものになっていると話す。というのも、本作に採用されている「PhysX」では、キャラクター同士や、キャラクターと環境などのインタラクションを、より優れたものにできるからだという。

例えば、メカ同士で戦う本作では、機体が撃破されると爆発してしまうが、その爆発のエフェクトも、「PhysX」のオンオフで見た目の違いがはっきり分かるほどに変化するという。会場では実際に、「PhysX」のオンオフによる比較が行われたが、下の画像を見ると爆発に伴うガレキの有無などが見て取れるだろう。

「PhysX」のみならず、APEXの機能として「APEX Particle」「APEX Turbulence」を実装したことで、機体から火が出ているのと合わせて火の粉が舞ったり、爆発に伴う粉塵が表現されている。こうしたテクノロジを活用することでディティールが細かくなり、ゲームへの没入感を上げることに一役買ってくれていることが伺える。「HAWKEN」は現在オープンβテスト中だが、これらはすでに実装済みだというので、気になる方はゲーム内でチェックしてみると、普段プレイするのとは違った視点で楽しめるかもしれない。

また、まだ実装されていない機能として「APEX Destruction」もあるという。これは、機体に装備された武器でフィールドの壁や床などを破壊できるようにするために使用されているが、マルチプレイヤータイプのゲームでは実装しにくい要素のようだ。というのも、“自分は壁を壊したのに、もう一人のプレイヤーではまだ壁が見えている”という状況が起きてはならないため、サーバーサイドでも、ローカルサイドでもしっかり反映されるようにする必要があるとのこと。

ただ、無事に実装が済めば、これまで壊れなかったものが壊れるようになるため、マップを進む戦略などが大きく異なり、ゲームプレイそのものに大きな変化が生じることになるだろう。

ポール・ロインド氏
ポール・ロインド氏

こうしてさまざまなテクノロジーを採用している「HAWKEN」だが、舞台設定やストーリーといったものも存在する。セッション後半では、細かいゲーム内容の紹介や「APEX Destruction」のデモンストレーションを、「HAWKEN」を運営するMeteor Entertainmentシニアプロデューサーのポール・ロインド氏が行ってくれた。

まず、「HAWKEN」はなぜ“Mech(メカ)ゲーム”として開発されたのかという根本的な部分については、これまでメカたちが戦うFPSがあまり出ていないことや、チームの全員がFPSやメカ好きなことが理由にあるようだ。オタクと呼べるほどメカが好きであり、純粋にメカがカッコいいと思っているという。

ゲームとしても、人間が戦う一般的なFPSと比べ、メカの場合は様相が全く異なってくるだろう。例えば武器を例に挙げると、人間よりメカの方が本体も装備できる兵装も大きなものになるため、こうしたメカならではの要素をゲームの核としてとらえ、巨大なメカである感覚を強調してゲームの設計が行われている。

また、物語についての説明もあった。舞台は、Illal(イラル)という、産業化が進み過ぎて崩壊寸前の惑星。この星では、生物の生死や有機物・無機物を問わず、あらゆるものを食い尽くし、ギガストラクチャーと呼ばれる金属に作り変えてしまう人工のウイルス「Ohmu Nano-Virus」が蔓延し、ゆっくり破滅へと向かっている。

ただ、このギガストラクチャーはイラルで最も価値のある資源の源にもなっており、リトリウムという非常に強力なエネルギーを作り上げる。そのエネルギー、ひいては惑星のコントロールをも得ようとする巨大な企業たちが争いを繰り広げる。…という設定なのだが、ロインド氏は、こうした設定は横山宏氏の「マシーネンクリーガー」から大きな影響を受けたと話す。横山氏のスタイルにインスピレーションを受けたことで、こうした世界観はもちろん、「HAWKEN」というゲームができたのだという。

ゲーム紹介の後は、「APEX Destruction」を実装したテスト用のステージを使ったデモンストレーションも行われた。先述の通り、フィールドの床や壁などを破壊できるため、この要素が実装されればどこかの壁に身を隠してやり過ごす…といったことも容易ではなくなり、ゲームプレイそのものに大きな変化が伴ってくるだろう。

「APEX Destruction」の実装は2013年12月が予定されているが、最初の段階では1ステージだけ対応させるという。やはりゲームプレイが大きく変わるため、まずはひとつのステージだけ実装し、その後に順次ほかのマップにも「APEX Destruction」を実装していく予定とのこと。

ロインド氏は最後に、今回のテーマとなった「PhysX」をはじめ、「APEX Turbulence」「APEX Destruction」を組み合わせて使うことで、これまでのテクノロジー単体ではできなかったことでゲームプレイを向上させることが可能となったと話す。そしてこの体験が「さらなる次の波になると思っています。どんどんテクノロジーを統合していくことで、PCゲームの中でのFree to Playをさらなる高みへと登らせていきたいと思います」と述べた。

セッション内容は以上となるが、NVIDIAでは、日本語に翻訳された「HAWKEN」の日本向けローカライズ版が7月にリリースされることなどを記念して、「基本プレイ無料ゲーム、日本上陸キャンペーン」を実施することも明かされた。キャンペーン内容は、下記の通り。

キャンペーン内容

「HAWKEN」、「World of Tanks」のゲーム内で使えるクーポンプレゼント

1.下記の対象グラフィックスカードを購入の方
2.下記の対象グラフィックスカード搭載の「HAWKEN」推奨 PCを購入の方
システムビルダー各社(サードウェーブ、ツクモ、サイコム、マウスコンピューター、ユニットコム)より販売

GeForce GTX 660 またはそれ以上をご購入の方へ合計75米ドル(7,500円相当)のゲーム内ポイントをプレゼント

・「HAWKEN」 (50米ドル分)
・「World of Tanks」 (25米ドル分)

GeForce GTX 650、650 Ti、650 Ti Boostのいずれかをご購入の方へ合計50米ドル(5,000円相当)のゲーム内ポイントをプレゼント

・「HAWKEN」 (25米ドル分)
・「World of Tanks」 (25米ドル分)

※クーポンはなくなり次第終了です。このプレゼントは、一部の販売者に限定したもので在庫品に限られます。購入予定のグラフィックスカードの説明をよくお読みになり、クーポンが含まれていることを確認してください。ゲーム内のポイントは、概算の価格であり通貨の変動の影響を受けます。
※キャンペーン対象製品 GeForce GTX 660, 660 Ti, 670, 680, 690, 770 (GeForce GTX 780 は対象外です)
※NVIDIA ×「HAWKEN」オリジナルバックの数に限りがあります。

イベント情報

NVIDIAの技術が満載の無料ロボット FPS、HAWKEN プロデューサー来日記念イベント!

2Dなのに 3Dに見える?!Hawken 3D Street Art in Akihabara
参加者特典:写真を撮ってつぶやいた人の中から豪華賞品プレゼント
日程:6月22日10時~17時
場所:秋葉原 UDX 1F広場

「GeForce GTX 700 シリーズ紹介 & HAWKEN日本上陸キャンペーン SHOP イベント」

参加者特典:セッションを聞いていただいた方に NVIDIA x 「HAWKEN」オリジナルバックプレゼント

東京

日程:6月21日18時半~・6月22日13時~(一回目)、17時~(2回目)
場所:ドスパラパーツ館前
「HAWKEN」プロデューサーがスペシャルゲストとして登場!

名古屋

日程:6月29日13時~(1回目)、17時~(2回目)
場所:ツクモ名古屋 1号店

日程:6月30日13時~(1回目)、17時~(2回目)
場所:GOODWILL EDM館

東京

日程:7月6日13時~(1回目)、17時~(2回目)
場所:SOFMAPリユース館前

大阪

日程:7月13日13時~(1回目)、17時~(2回目)
場所:BuyMore

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