【E3 2013】日本支社を設立したWargamingが持つ主要タイトル「World of tanks」「World of Warplanes」「World of Warship」のプレゼン&インタビュー

2013年6月11日~13日の期間、アメリカ・ロサンゼルスで開催されていた「E3 2013」。Wargaming.netブースでは、同社が持つタイトルのうち「World of tanks」「World of Warplanes」「World of Warship」のプレゼンテーションが行われたので、その内容をお届けする。

「World of Tanks」

「World of Tanks」はアメリカ、ドイツ、フランス、イギリス、中国、ソ連から多数の戦車が登場し、チームに分かれての戦車戦が楽しめる多人数同時参加型オンラインアクションゲーム。日本向けサーバーはないものの、日本人プレイヤーも多く、昨年ロシアで行われた国際大会「Ural Steel 2012」には「APOSTLES」という日本代表チームが出場していたほど人気のあるタイトルだ。

E3前日の「Xbox E3 2013 Media Briefing」では、これまでサービスが行われているPC版に加え、Xbox 360版の発表が行われた。現時点で日本展開については触れられていないが、本作の開発元であるWargaming.netの日本支社が設立されたこともあり、これを機に日本での正式サービスを期待している人もいるだろう。

Xbox360版の展開を決めたのは、Xbox LIVEには4000万人以上のユーザーがいることが理由のひとつであり、理想はその全ユーザーにゲームをプレイしてもらうことだというので、日本展開も十分に考えられそうだ。

なお、本作は基本料無料のアイテム課金制、いわゆるFree to Playのビジネスモデルを採用しているが、課金ユーザーが非常に有利になるPay to Winのスタイルではないことが特徴となっている。Free to Playのタイトルは、課金すれば勝てるといったイメージも存在するが、無料でも勝てる“Free to Win”をコンセプトにしているとのこと。

戦車同士の戦いというややマニアックなタイトルではあるが、基本無料でプレイでき、しかも自分の実力が重要とくれば、コアユーザーからしてみると面白いタイトルではないだろうか。日本向けサーバーはないとお伝えしたが、海外サーバーに繋いでプレイできるのはもちろん、現在は公式で日本語に対応しているので、プレイを始めるハードルはそれほど高くないだろう。

この後紹介するほかのタイトルと合わせ、ブース内では各タイトルについてWargaming取締役のVictor Kislyi(ビクター・キスリー)氏にちょっとだけ質問をしてきたので、その内容もチェックしてほしい。

――本作に登場する日本の機体について教えてください。

キスリー氏:現状、「World of Tanks」において日本ユニットは、中国のテックツリーにおいて登場するType 2597 Chi-Ha軽戦車(通称:97式中戦車 チハ)だけですが、ぜひ入手すべき車両だと思います。特に軽戦車のファンである場合、チハは入手すべきです。

この戦車は非常に高度な視野範囲を持っており、それに加えて優秀な700メートルの電波領域、また十分なヒットポイントと貫通バランス、ダメージとリロード時間の良い大砲を持っています。このパラメーターに、さらに高い機動性を加えると、この戦車はティア3の最も優秀な戦車の一つであると言えます。

――今後どのような方向性でゲームのアップデートを行っていきたいと考えていますか?

キスリー氏:「World of Tanks」は定期的にアップデートを続けて、新規コンテンツや新規要素を定期的に追加していきます。アップデート8.6においてゲームバランスの調整、さらにソ連、ドイツ、アメリカとフランスのテックツリーにおける自走砲を新たに追加しました。間もなく公開されるバージョン8.7においては、イギリスの自走砲のテックツリーに新しいコンテンツが追加されます。弊社の歴史専門家は、現在日本のテックツリーの草案も準備しています。

弊社は現在、複数のプロジェクトのプロダクションに同時に着手しています。我々の航空ゲームである「World of Warplanes」はクローズドβ段階にあって、7月初旬にオープンβに入ります。弊社の軍の武勇伝を構成する三つめのタイトルである「World of Warships」という、海軍のMMOも現在製作中です。

ですが、「World of Tanks」のアップデートを止めることはありません。新たな戦場、ゲームモード、ゲームプレイに関わる特徴など、数多くの新規コンテンツを準備しています。弊社のゲームデザイナーは、ユーザーをゲーム内で奨励し、開発者とコミュニティの間の交流を活発にするための方法を常に考えております。そしてUIと全体的なゲームクライアントの使いやすさの向上にも、引き続き心がけています。また、ゲーム要素の一つであるe-Sportの成長にも多くの力を入れていきます。

同時に、E3 2013の会場でも展示した「World of Tanks」のモバイルバージョンである「World of Tanks Blitz」、トレーディングカードのブラウザタイトルである「World of Tanks Generals」、そして「World of Tanks Xbox 360版」も弊社それぞれのチームが開発しています。

さらに我々は、「Wargaming.net」サービスを構築しております。このサービスは弊社の全てのプロジェクトを一つのポータルにまとめると同時に、統一されたアカウントにて、ユーザーがゲーム内で取得したゴールドやフリー経験値を、一つのタイトルからほかのタイトルに自由に移すことが可能になります。また、クラン対戦を通じても三つのゲームを繋げたいと思っています。そのためにクロスタイトルイベントやコンテストなど、スペシャルイベントを実施していきます。

――360版を発表できたときの気持ちはいかがでしたか?

キスリー氏:「World of Tanks」タイトルのコンソール版を作ることが長い間、我々の夢でした。しかし我々の希望は単純にゲームを新しいプラットホームに移すことではありません。コントローラーからオンライン統合まで、コンソールプレイヤーに合わせるために「Wargaming West」チームは、何も無い状況から「World of Tanks Xbox 360版」を構築していく必要がありました。

E3に訪れた方がどのようにゲームを評価してくださるのか心配しながら見ていましたが、ゲームがポジティブに評価されたことが、我々にとって大きな喜びや激励となりました。

「World of Warplanes」

「World of Warplanes」は、戦闘機同士による戦いが楽しめるフライトコンバットMMOアクションゲーム。プレイヤーは大きく3つに分かれた戦闘機の中から、自分が使用する機体を選び、空の支配を巡る終わりなき戦いに身を投じていくこととなる。

戦闘機ごとに搭載できる武装やエンジンが異なり、自分に合った機体構成を選択できるようになっているのが特徴。同社のほかのタイトル同様、日本での展開は決まっていないが、ゲーム中にはゼロ戦の呼び名で知られる零式艦上戦闘機といった日本の戦闘機も登場する。

7月2日にはアメリカとヨーロッパに向けてオープンβテストが行われる予定となっているので、海外バージョンのクライアントでもいいから遊びたいという人は、今後のテストや海外のサービス状況もチェックしておいてはいかがだろうか。

――本タイトル独自の魅力はどこでしょうか?

キスリー氏:ゲームプレイの視点から「World of Tanks」と「World of Warplanes」は大きく異なっており、異なるユーザーに対してアプローチを行いたいと思っております。

航空対戦は地上対戦と比較すると、倍速いです。種類を問わず、どんな航空機でも「World of Tanks」に登場する地上車両の速度を大きく上回ります。そして地上交戦と違って、航空機による対戦は三次元空間にて行われ、流動的かつダイナミックなものです。上空における状況は随時に変わっていくので、プレイヤーは自分のアプローチを考える際に、非常に柔軟に対応しなければなりません。

デザインの視点からは、対戦ゲームにおける初心者でも「World of Warplanes」を気軽にプレイできるようにすると同時に、リアリズムとゲームプレイの深さを与えることで、プレイヤーがゲームに従事してプレイを続けられることを目指しました。プレイスタイルの視点では、ゲームプレイは統一された一つのプレイスタイルになっています。ダイナミックな対戦が好きな人はきっと「World of Warplanes」を楽しんでいただけるでしょう。

――本作に登場する日本の機体について教えてください。

キスリー氏:「World of Warplanes」においては、日本の空母ベースの航空機が導入されています。個人的にゲームのメジャーハイライトは、日本の主力機体であるティア6のA7Mゼロ(通称:零戦)だと思います。このモデルはいくつかの構成を選ぶことが可能であり、より良いエンジンや武器、大砲や効果的な機関砲を含めた選択が可能です。敵の地上目標を目指す場合、航空機に爆弾を搭載することも可能です。

「World of Warships」

「World of Warships」は、20世紀の海戦を舞台にしたMMO戦艦アクションゲーム。プレイヤーは駆逐艦や巡洋艦、戦艦に空母という4つの軍艦から操作するものを選び、ほかの軍艦と戦っていく。どの軍艦も移動速度や装甲、兵装などが異なるため、空母であれば艦載した航空機で空から同盟国をカバーしたりと、それぞれの特徴に合わせた戦術を取ることがポイントとなる。

現在はαテストの段階であり、開発が進んだ段階でクローズドβテストやオープンβテストが行われるのだろう。海外でもサービス開始はまだ先になりそうだが、すでに日本の軍艦として、大和が実装されることが決まっている。「World of Warplanes」と同じく、日本の機体がどれだけ登場するのかも注目したいところだ。

――本タイトル独自の魅力はどこでしょうか?

キスリー氏:三つのタイトルの中で「World of Warships」は、最も戦略を重視するゲームです。「World of Warplanes」と比較すると、ゲームプレイのペースはかなり遅いです。航空対戦には迅速な反応が求められますが、海上対戦はより念入りに開発された戦術が楽しめます。そしてこのゲームはほかのタイトルと比べ、かなり広い戦場にて戦いが行われます。

ゲームには四種類の軍艦があります。駆逐艦、軽および重巡洋艦、戦艦(超弩級戦艦や巡洋戦艦)そして空母です。ユーザーは船長としてプレイをしますが、ほとんどの武器は自動的に運営されます。ゲームの操作はWASDキーで移動、大砲や魚雷はマウスによって撃てるので、オンラインゲームに慣れた人は遊びやすいようになっています。

――本作に登場する日本の機体について教えてください。

キスリー氏:「World of Warships」には、ローンチされるタイミングから日本軍艦ラインが導入されます。すでにいくつかの著名な軍艦はゲーム内に登場しています。「長門」と「扶桑」という戦艦、「陽炎」という 駆逐艦、そして空母「瑞鶴」もすでに導入済みです。さらにほかのモデルも徐々に導入する予定です。

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