ネクソンが運営する「メイプルストーリー」。7月17日より実装となる「SPARKアップデート」について開発チームにインタビューを実施したので紹介しよう。
7月17日より実装となる「SPARKアップデート」。今回は、アップデートの内容についてネクソン開発チームのメイプル本部 ライブ2室日本メイプルチーム チーム長のキム・ヒョンソン氏、メイプル本部 ライブ2室 室長のベク・ドゥサン氏、運用部 運用5チーム チームリーダーの中西啓太氏にお話を伺うことができたので、ご紹介しよう。
「メイプルストーリー」はアジアや北米、ヨーロッパなど世界各国でサービスを展開する横スクロールタイプのMMORPGだ。可愛らしいモンスターや豊富なアバターシステムが特徴で、簡単な操作ながら高いアクション性も楽しめるタイトルとなっている。
ネクソン運用部 運用チーム「中西啓太」氏(写真左) メイプル本部 ライブ2室 室長「ベク・ドゥサン」氏(写真中央) メイプル本部 ライブ2室日本メイプルチーム チーム長「キム・ヒョンソン氏」(写真右) |
新職業&高レベル向けコンテンツが実装となる「SPARKアップデート」
――「SPARKアップデート」全体のコンセプトについてお願いします。
キム・ヒョンソン氏:今回の「SPARKアップデート」では、新たな職業と高レベル向けコンテンツを用意しました。レベルキャップを解放したばかりですので、それに合わせて高レベル向けコンテンツを強化しようという意図があります。
新職業はすでに韓国でリリースしたものを導入する形ですが、追加要素としてモンスターを捕獲して育て、戦わせる「バモンズリーグ」というコンテンツがあります。今回の「SPARK」というタイトルは、ユーザー同士の戦いからイメージして名付けました。これ以外にも、ユーザーの皆さんに楽しんでいただけるようなサービスを実装していきます。
――新職業「ゼノン」について詳しくお聞かせください。
キム・ヒョンソン氏:独立した職業である「ゼノン」は、デザインからも分かるように「アンドロイド」というSF的な設定をもった職業です。「盗賊」と「海賊」という2つの特徴を備えた、非常に強力なハイブリッドジョブですね。STRやDEX、LUKといったパラメーターが必要で、これにより盗賊や海賊が別々に使用していた防具も一緒に装備できるようになっています。
スキルとしては「マルチモードリンカー」というものがあり、1つのスキルをシチュエーションに合わせて使い分けることができます。近距離攻撃や遠距離攻撃、範囲攻撃というバリエーションを可能としました。
――韓国におけるユーザーの反応はいかがでしょうか。
ベク・ドゥサン氏:かなり強い職業ですから、たくさんのプレイヤーに使用していただきました。「強すぎるのではないか?」という意見もありましたが、その分「ぜひ遊んでみたい!」」という反応も多く、海外での実装が期待されてきました。
――新職業「デーモンアベンジャー」について詳しくお聞かせください。
キム・ヒョンソン氏:「デーモンアベンジャー」は、職業軍「デーモン」を選択し、レベル10になった際に、既存の「デーモンスレイヤー」になるか「デーモンアベンジャー」になるかを選ぶこととなります。
そもそもデーモンスレイヤーは、暗黒の魔法使いの下で軍団長としていました。しかし裏切りにあって封印され、その復讐のためレジスタンスに加わったという背景があります。人間と魔族のハーフという設定上、スキルに「デーモンフォース」を持たせるなどコンセプトを活かしてきました。
今回は「敵討ち」「復讐」というコンセプトを適用できないかという意見に合わせ、復讐を遂げるためには自分の体に負担をかけてでも力を使うというものになりました。そのため他の職業はマナを使ってスキルを使用しますが、デーモンアベンジャーはHPを消費するという特徴を持っています。またパーティメンバーを回復させるスキルもありますので、ソロでもパーティでも十分に活躍できますよ。
――新コンテンツとなる「バモンズリーグ」とはどのようなものでしょうか。
ベク・ドゥサン氏:「バモンズリーグ」は、従来の「モンスターファミリア」とは異なるシステムです。開発段階ではファミリアのモンスターを活用するかどうか悩みましたが、このシステムを導入したのはもう2年前なんですね。すでにかなりのモンスターを捕獲したユーザーも多くいますから、最近始めたユーザーとかなり格差が生まれてしまいます。そのため、分離したシステムとして登場することとなりました。
ファミリアは「キャラクターを強くするための手段」という意味合いが強かったのですが、今回はキャラクターの強さがそれほど影響するものではありません。ユーザー同士のPvPに近い、モンスター同士のPvPとして捕獲・育成が必要となります。
もともと韓国を除いた海外向け専用として開発したコンテンツでして、この夏からさまざまな国でリリースする予定でした。しかし韓国からも強い要望があったので、時期のずれはあるとは思いますが、似たような期間中に韓国をはじめ海外でリリースしていきます。
――「モンスターファミリア」はコレクション要素が強い印象を受けましたが「バモンズリーグ」はバトル向けに特化していますね。
ベク・ドゥサン氏:メイプルストーリーの長所として「モンスターが可愛い」「モンスターの種類が多い」という部分があります。こうした長所を利用し、もっと活かせるコンテンツがないかと悩んでいたところ、日本をはじめ海外向けサービスの中にPvPコンテツがなかったんです。そこで長所と組み合わせ、ユーザーがより楽しめるPvPコンテンツを作りました。
この「バモンズリーグ」でも、バトル用のモンスターを捕獲し、図鑑に登録できます。なかでもボスモンスターは綺麗で大きなカードとして登録できますので、コレクションとしての要素も楽しんでいただけると思います。
コンテンツを遊ぶためのレベル制限はほとんどないので、低レベルの方でも楽しんでいただけます。同じようなバモンズリーグ順位のユーザーとマッチングし、戦闘するので、どのようなレベルで参加しても問題ありませんよ。
――UIの変更はユーザーの要望ですか?
ベク・ドゥサン氏:プレイヤーが不便に思っていた部分の改善でもありますし、こちらの判断もあります。歴史の長いゲームですので、実は同じ内容のコンテンツなのに分離していた要素を統合し整理しています。メインUIは最近のトレンドにも合わせ、新しくゲームをスタートした人のために改善しました。まだまだ完成ではないので、ユーザーが不便に思う部分があれば改善していきたいと思います。
――高レベル向けコンテンツには、どのようなものがありますか?
キム・ヒョンソン氏:これまでの高レベルコンテンツは、レベル150~160帯をカバーしてきました。今回はレベル180~200前後をカバーするよう設定しています。
まず「黄昏のペリオン」は、一昨年に実装した「破壊されたヘネシス」というマップに似たコンセプトですが、登場モンスターはより高レベルとなっています。ストーリーとしては、住民が同じ夢を見たことから始まります。味方だったはずのレジスタンスがペリオンを支配しており、何故このような事態が起きているのかを解き明かすこととなります。
これまでの「アクアロード」は、泳いで移動する楽しさを楽しむものでしたが、今回実装した「もう1つのアクアロード」では、狩場としての役割をメインに設定しました。魚類というモンスターの系統は同じですが、やはり強くなっています。なかでもボスモンスターはある印をつけており、それを見るとメインストーリーのヒントを得られると思います。そうした部分にも注目してください。
「宇宙からの訪問者」は、5つのステージで構成したテーマダンジョンのような形を取っています。ストーリー上、宇宙人たちの宇宙船上で退治していくのですが、各ステージにはクリアタイムによりSやAといったランクがつきます。早くクリアするほどよいランクとなり、5つのステージについて総合でランクを判断して経験値に追加ボーナスを得ることが可能となっています。いわばタイムアタックのような要素ですね。
――アップデートで特に注目してほしいのは、どのような部分でしょうか。
キム・ヒョンソン氏:やはり、新たな職業「ゼノン」への期待が高いと思いますので、ぜひプレイしてほしいですね。PvPのように楽しめる「バモンズリーグ」もこれから追加・修正していくつもりです。皆さんの意見をフィードバックしてさらに遊びやすくしていきますので、ぜひご意見をお願いします。
10年という節目を迎えた「メイプルストーリー」
――10周年を迎え、思い出深いエピソードはありますか。
キム・ヒョンソン氏:ゲーム内での変化が大きかった2010年の「BIGBANGアップデート」や、日本独自の職業が入ることとなった昨年の「戦国アップデート」ですね。
――10年という非常に長い間ファンに愛された理由は、どこにあるとお考えですか。
ベク・ドゥサン氏:まずは「ユーザーが何を望んでいるのか」という部分を把握するための努力が大事だと思います。それと、魅力的なコンテンツを絶え間なく開発していくのも大事でしょう。それと、全世界のユーザーからフィードバックが集まるので、開発へのヒントにもなりますね。10年後どのようになっているかは分かりませんが、これからもプレイヤーの意見と共に歩んでいきたいと思います。10年という節目であると同時に、さらなるスタート地点に立っているような感じですね。
――10周年を記念し、イベントなどは行われるのでしょうか。
キム・ヒョンソン氏:8月のアップデートでもゲーム内でイベントを実施しますが、韓国でゲーム内で行った10周年イベントを日本でも実施するかと思います。日本独自の要素も入ると思いますので、そちらにご期待ください。
――今後、タイアップの予定はあるのでしょうか。
中西氏:先日、公式サイトでアンケートを取りましたので「こういうのに興味があるんだな」「こういうのとタイアップしたいんだな」というユーザーの希望はずいぶん見えました。こうした意見をふまえ、年内には新しいタイアップをお届けできると思います。
――ユーザーの皆さんにメッセージをお願いします。
キム・ヒョンソン氏:これまで10年という長い間、ご一緒してくださったファンの皆さんにとても感謝しています。サービスを提供する中で物足りないと感じる部分もあったかと思いますが、これからも努力していこうと思います。今後も10年20年と末永くよろしくお願いいたします。
――ありがとうございました。
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