セガがPC/PS Vita向けに運営しているオンラインRPG「ファンタシースターオンライン2」。7月17日より大型アップデート「Code:EPISODE2」で多数の新規要素が追加されたので、このエピソード2のプレイレポートをお届けする。
最近地球ばっかり守っていたのだが(※ゲームの話です)、セガの広報さんから「宇宙を守ってくださいよ!」と言われ、久しぶりに宇宙を守る使命を思い出した。いや、正確には「『PSO2』のエピソード2が配信されたので遊んでみてください」と言われた気もするが、筆者の耳には宇宙を守ってほしいと聞こえたのである。
ラグオルの調査に始まり、ガーディアンズやリトルウィングとしてグラール太陽系で戦い、アークスとして未知の宇宙を冒険してきた筆者としては、宇宙を守ってほしいと言われたら守らざるを得ない。と、妙な書き出しにしてしまったが、「PSO2」のエピソード2配信後にいろいろと遊んでみたので、そのレポートをお届けしたいと思う。
さて、エピソード2が配信されて最初に変わったと気付いたのは、プレイしている人の数だ。これが割と真面目な話で、筆者がプレイしているフェオサーバーでは、21時から24時ぐらいのゴールデンタイムはいつも“混雑”と表示されるぐらいのプレイヤー数だったが、エピソード2配信後からは“満員”と表示されることが多くなった。
ほかのサーバーもゴールデンタイムは軒並み混雑か満員で、ゲーム内に降り立つ前からエピソード2の影響力を感じた次第である。オンラインゲームでは、フレンドやチームといったコミュニティがモチベーションを保つひとつの要素でもあるので、プレイ人口は結構重要だったりするのだ。まあ、筆者はボッチだけど…。
ここからは人口ばかりでなく、エピソード2で実装された内容のうち、特徴的なものを要素ごとに触れていこう。
新フィールド「海岸」と新ボスの「バル・ロドス」
エピソード2から新惑星のウォパルが追加されたことに伴い、新フィールドの「海岸」も実装された。このフィールドは、最初に受けられるアークスクエスト「海岸地域生態調査」のノーマルでも敵エネミーのレベルが18からとなっている。龍祭壇より低いとはいえ、新しく追加されたブレイバーに転職したてで挑戦すると厳しいかもしれないので、腕に自信がない人はレベル5~10ぐらいまで上げておくだけでも安全度が違うだろう。
出現するエネミーは攻撃するまで半透明だったり、地面に潜って移動したり、動きが素早かったりと、それぞれ特徴を持っているので、油断しているとピンチになる可能性がある。さらにフィールドにいると昼夜が切り替わり、モンスターの行動が変化することもポイントだ。
ベリーハードに挑戦する前には、ノーマルやハードで海岸のアークスクエストを一通りプレイして、モンスターの特徴を簡単に掴んでおくといいだろう。新規で始めた人でなければ、フィールドの自由探索を解放する条件はかなり容易に行えるので、ノーマルやハードのクリアマークを付けるついでにオーダーをクリアしてもいい。
その自由探索に登場するボスエネミーのバル・ロドスについても触れておこう。このバル・ロドスは、「ファンタシースターユニバース」のディー・ロレイ戦を彷彿とさせる、足場の狭いステージで戦うことになる。筆者がレベル51のハンターで戦った時は、ノーマルでもそこそこダメージを受ける攻撃があったので、ハードやベリーハードに挑む人は、十分にキャラクターを育てておきたいところ。
ボスステージは足場が狭いだけでなく、銃座のようなものが設置されていることも特徴。バル・ロドスはプレイヤーがいる足場から離れて飛行することもあるので、近接武器しか持っていない人は、設置されている装置で攻撃するといいだろう。近接武器でも、足場の上に来ればジャンプしてフォトンアーツを使ったりすれば攻撃を当てることは可能なので、何度かプレイして攻撃が当たるときの感覚を掴んでみるといい。
エネミーの攻撃方法は、光弾を広い範囲に降らせたり、足場の後ろに陣取って突進を仕掛けたり、プレイヤー全員を攻撃する巨大な水球を放つなどさまざま。突進攻撃は特に威力が高いが、慣れてしまえばガードや回避はそれほど難しくないので、すぐに倒されてしまう場合はノーマルなどでタイミングを覚えてみるのもアリだ。
銃座の中でも唯一光を放っているものが一機だけあるのだが、これはアンカーでバル・ロドスを捕縛できる効果を持っている。バル・ロドスの顎辺りにヒットさせると短い時間ながら無力化できるので、足場の近くにいる時は手持ちの武器で攻撃し、敵が離れていきそうになったら捕縛する、というのがオーソドックスな戦い方になるだろう。
ブレイバーと新武器の「カタナ」&「バレットボウ」
新クラスのブレイバーで使える武器カテゴリとして、カタナとバレットボウが追加されている。カタナは、既存の武器と比べるとまだ装備品やフォトンアーツの数が少なめなので、その点は物足りなく感じてしまうかもしれない。ただ、純粋にカッコいいし、それだけでアリと言えばアリ。
最近はソードのオーバーエンドに頼りっきりだったので、手数が多いカタナの攻撃は新鮮だし、プレイしているだけでなかなかに気持ちいい。強いかどうか判断できるほど使い込んでいないし、レア武器を取りそろえた訳でもないので、能力的な部分はまだ何とも言えないが、個人的にはかなり気に入った。
使い勝手の面については、通常攻撃を連打しているだけでも結構使えるので初心者でも扱いやすい。スキルのカタナギアを習得すれば、ジャストカウンターをすると一定時間攻撃力にボーナスが入るといったメリットがあるので、テクニカルな戦い方もできる。
バレットボウも、勝手に想像していたよりずっと使いやすくて驚いた。通常攻撃はボタンを押すだけで矢が出る弱攻撃と、ボタンを押し続けると威力が高まるチャージ攻撃を使い分ける形となるので、イメージとしてはフォースのテクニックを使う感じがちょっと近いだろうか。
肝心のブレイバーのスキルは「カタナギア」は習得しておいて損はないだろうし、バレットボウを使うなら「ラピットシュート」系統を進めていけばいいのだが、そのほかをどうするか悩みどころ。汎用性の高い「アベレージスタンス」系か、一定時間高速の移動と斬撃を繰り出せる「カタナコンバット」か、それとも弱点部位を攻撃するとダメージが増えるかわりに、弱点以外へのダメージは減少する「ウィークスタンス」か…。
個人的な予想ではカタナコンバットかウィークスタンスを習得する人が多そうな気もする。ただ、アベレージスタンスを取ってほかのクラスで活用する…といった方法も考えられるので、好みの問題はもちろん、どのクラスをメインで遊ぼうと思っているかも踏まえて習得スキルを選ぶといいだろう。
ちなみに、ブレイバー向けの新武器であるカタナとバレットボウだが、PC版プレミアムパッケージ vol.2の特典には、「剣影/リヒト」と「ヒロクテリ/リヒト」が封入されている。ちょっと金ピカすぎる気もするが、カタナはやっぱりカッコいい。プレミアムパッケージ vol.2の武器は、どちらも取得経験値が10%増える専用の特殊能力「アナザーヒストリー」が付いているので、新しく始める人には効果的でもある。
エピソード2からサブクラスにも取得経験値の10%が入るようになっているので、レベル1からプレイして育てなくても、ブレイバーをサブクラスにして少しレベルを上げたり、スキルを習得してからプレイするのもいいだろう。
サブクラスに入る経験値は、フィールドで倒した敵からだけでなく、エマージェンシートライアルやクライアントオーダーの報酬も対象となる。そのため、メインクラスでオーダーをクリアしても、サブクラスを上げたいから転職して報告したり、それで報酬が減ってしまうという事態も避けられるのだ。ただし、現状では経験値が入るのはサブクラスのレベルが40までに制限されている。
ミニルームとサポートパートナーシステム
クラスレベルが一定以上になると、プレイヤーにはお馴染みのコフィーから「サポートパートナー講座」というクライアントオーダーが受けられるようになる。これをクリアすることで、戦闘やアイテム収集系のクライアントオーダーを手伝ってくれるサポートパートナーが使えるようになる。
サポートパートナー獲得までの流れは簡単。オーダーを受けたら、まずは近くにいるアスタルテから説明を受けよう。 |
アスタルテはコフィーと同じエリアの1階中央テレポーター付近にいる。 |
説明を聞いたら、エステに行ってサポートパートナーをカスタマイズ。基本的にキャラクター作成と同じ流れだ。 |
後はエピソード2から追加された「ミニルーム」(通常よりも小さいマイルーム)に行けばOKだ。 |
サポートパートナーは、ほかのNPCと同様に端末から呼び出して一緒にクエストに連れて行けるだけでなく、探索指示でクライアントオーダーの依頼品を見つけに行ってもらうこともできる。探索指示は、エピソード2から全プレイヤーに贈られた「ミニルーム」内の端末から行える。もちろん、従来のマイルームからでも大丈夫だ。
探索指示を出すのは、依頼品を集めるタイプのクライアントオーダーを受けている場合に限られるので、オーダーの枠に余裕があればサポートパートナー用に受注しておくといいだろう。依頼品を集めるものでも一部のクライアント―ダーは任せられないが、「ガロンゴが出ない!」「フォードランサも出てこない!」といった状況になったときは、積極的に活用していきたい。
ちなみにサポートパートナーにはレベルがあり、クエストに連れていっても経験値は入らず、探索指示によってのみレベルを上げられる。一度探索に行かせると、クライアントオーダー1件につき1時間かかるので、22時間に一度発行されるエクストリームパスをもらうように、ログイン時に探索指示を出す癖を付けるといいかもしれない。
また、コフィーからの報酬でも手に入る「パートナーコンソール」をルーム内に設置すると、サポートパートナーの各種設定が行える。ここで装備の変更が行えるのだが、クラス専用の装備を渡すと転職させることができる。プレイヤーと同様、クラスごとにレベルがあるので、サポートパートナーも自由に育てられる。
チュートリアルを兼ねた「アークスロード」
「アークスロード」は与えられた課題をこなしていくとスタンプがもらえ、枠が全て埋まると「経験値アップ+50%」などのアイテムが報酬としてもらえるというもの。クラスを変更してイチから育てるときに…というよりは、完全新規で始めた人がこの「アークスロード」のスタンプを埋めるようにプレイしていけば、ゲームに慣れつつ進められるといった内容になっている。
とはいえ、課題は筆者が確認できた範囲でも初級から上級まで用意されていたので、そこそこ遊んでいる人にも「次の目標どうしようかな…」という時には便利だろう。これまでのゲームプレイでクリアしていた課題は即座にスタンプが押されるので、ブースト系のアイテムやエクスキューブなど報酬として手に入る点も見逃せない。
パートナーサポートで関わるアスタルテがアークスロードの担当官となっているので、新米アークスは彼女のお世話になることが多くなりそうだ。
細かい部分も変更点が盛りだくさん
エピソード2での新要素のうち、大きな内容についてお伝えしてきたが、プレイヤーズサイトのアップデート詳細を見ると、かなり細かい点まで変更が加えられていることが分かる。
本当はほかにも、ストーリーの新章もプレイしようかと思ったのだが、実は筆者、9章でスーパーアイドルのクーナちゃん(人気急上昇中!)と偶然出会って仲良くなっている途中だったので、まだ遊べていなかったりする。
ストーリーを進めるマターボードも、サービス開始直後はかなり達成しづらいものもあったのだが、一定以上の敵を倒せば依頼品がドロップするようになったり、同時に探索できるマターが増えたりと、かなり遊びやすくなっている。…というのは、すでにプレイしている人ならほとんど知っていると思うが、マターボードに限らず、結構頻繁にバランス調整が行われているのは、PC版サービス開始から1年以上経った今でも変わっていない。
そして何より、これまで家庭用ゲーム機向けに展開されてきた「ファンタシースターオンライン」シリーズの最新作にも関わらず、PC版とPS Vita版のどちらも基本無料でプレイできるのがポイント。夏休みやお盆の時期に暇ができたら、一度遊んでみてはいかがだろうか。
ここまで一言も書いていなかったが、新種族のデューマンもエピソード2で追加されているし、今後の展開として8月、9月のアップデート情報も出てきているので、それらもチェックしてみてほしい。
(C)SEGA