【gamescom 2013】エンドロールは最後まで目を離せない!友人や家族に勧められたらぜひプレイして欲しい!「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア」吉田直樹氏にインタビュー

ドイツ・ケルンにて現地時間8月21日から25日まで開催されていたゲームショウ「gamescom 2013」にて、正式サービスを8月27日に迎えた「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア」プロデューサー兼ディレクター「吉田直樹」氏にお話を聞くことができた 。

「E3 2012」を皮切りに「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア」について、プロデューサー兼ディレクター「吉田直樹」氏にさまざまなお話を伺ってきたOnlineGamer編集部。ドイツ・ケルンにて開催中のゲームショウ「gamescom 2013」会場にてβテストフェーズ4を終えて感じたことや、今後のコンテンツなどについてインタビューを実施したので紹介していこう。

――βテストフェーズ4でサーバー増設が頻発しましたが、同時接続人数が想定を上回ってしまったということですか?

吉田氏:βテストフェーズ4はプレリハーサルのようなイメージで、ワールド1つに対して、同時接続5000人に対応できる目算で作り、「5000人」というのは「いろいろなレベル帯にユーザーが分散している状態の5000人」を想定しています。β4では一斉にレベリングをスタートし、レベルキャップも20に制限していますので、どうしても前半のフィールドにユーザーが滞留します。なので1ワールドあたり5000人をいきなり入れられるわけではなく、徐々に入れてレベルが空いてきたらまた入れて…と開け閉めをしていく中で、正式サービスにデータを引き継ぐため、できるだけ過疎ワールドを作らないようにしました。

無尽蔵に開けてしまうと、人が少なくていきなりワールド統合ということになってしまうので、ユーザーさんをうまくいろいろなワールドに誘導しました。あれだけの速度でワールドを追加することは、もちろん準備はできていましたが、想像を上回る人数だったことは確かです。ワールド追加の際にもほとんどトラブルはありませんでしたし、一部ログイン制限やキャラクター作成制限などをお願いしましたが、その分ワールドをオープンしたときにスムーズにゲームをプレイしてもらえたのが良かったです。

――今回のgamescomでプレイした人の反応はどうでしたか?

吉田氏:実は僕はこのカンファレンスルームでインタビューを受けているか、ステージに登壇していたので、プレイヤーの皆さんとさっき少しお話したばかりなんです(笑)。ステージの最前列で観覧していたユーザーさんは去年のgamescomにも来てくれていた旧FFXIVから遊んでくれている方でしたよ。「一緒に写真撮って!」と話しかけてくれたユーザーさんは新規プレイヤーらしく、試遊後に「タイタンすげえ!サービス期待しているよ!」と話していました。ドイツはPCゲームが盛んでMMORPGの知識も豊富ということもあり、かなり喜んでいるようでした。

――帝国の武器などは実装しますか?

吉田氏:帝国出身のシドがいて、魔導技術をいろいろ持っているので、いずれ帝国のエピソードが落ち着いた際には…。僕が今回、日本を出てくる前に「バージョン3.0」と呼んでいるエキスパンションのプロットは書き上げて来ています。新生FFXIV2.0のバックグラウンドは旧FFXIVに対してある意味「決着」を付ける話でもあり、その先に誰も想像していないエピソードが展開していきます。その中で帝国の影を薄くしていくわけではないし、帝国の武器も人気があるので楽しみにしていてください。

――どのくらいのプレイヤーがβ4の3日間でレベル20に到達しましたか?

吉田氏:直後にケルンに向かってしまったので正確な数字は確認できていないのですが、おそらく3分の1強くらいの方が1クラスはレベル20に到達していると思います。新生FFXIVの世界はグラフィックが綺麗な場所も多く、探索していてレベルがぜんぜん上がっていない人や、8クラス、製作・採集などを含めてレベル20に達している人もいるので、MMORPGらしいスタートが切れているのではないかと感じています。

――同時接続人数15万人と聞くと、圧倒的に新規プレイヤーが多いと感じますがどのくらいの比率になっているか教えてください。

吉田氏:「Legacy」というのは旧FFXIVのボックスを購入し、アカウントを持っている人に与えられる権利であり、その権利を持つ人数は全世界で約60万人います。そのLegacyプレイヤーのカムバック率が、β3までと今回のβ4ではかなり数字が変動し、伸びてきているので、一概に割合というと難しいですが、現状新規の方が圧倒的に多いと思っています。新規の方もLegacyサーバーを選択する方もおり、旧FFXIVを最後まで遊んでくれた方のカムバックだったり、友人を誘ってくれたことが要因かなと思っています。

――今までにMMORPGのプレイ経験がない人もβ4に参加したと思いますが、どのようなフィードバックをもらいましたか?

吉田氏:やはり多いのは「MMORPGってもっと難しいと思っていた」という意見ですね。先日イギリスのメディアの女性からインタビューを受けたんですが、もともとFFXIの大ファンで、旧FFXIVのローンチにも期待していましたが、ガッカリしたと話しており、特に新生FFXIVは「MMORPGというのはどういうものか」と説明してくれるゲームであり、今まで自分が「これまでなんとなくMMORPGをプレイしていた」と感じたと話していましたね。彼女は最後に「メディアとしては失格ですが、本当にドハマりしています!」とコメントをもらったのが素直に嬉しかったですね。

――新ダンジョンのウォークスルー動画が公開されましたが、詳細を教えてください。

吉田氏:今回公開した「ダンジョンウォークスルー動画Part2」で登場するダンジョンの大部分が4人で入場します。「邪教排撃 古城アムダプール」はLv50超えのダンジョンなので、カンストしてシナリオエンドでスタッフロール後に挑戦できます。かなり難しいですよ。旧FFXIVで使っていたダンジョンも、改めて4人用、新生FFXIVに合わせてダンジョンの長さ、ギミックの数、難易度をすべて調整しています。旧FFXIVよりレベルが下がっているものもあります。Legacyプレイヤーでも初見のダンジョンに感じると思いますね。

――βテスト中に「タンクが少ない!」と呼びかけていましたが、アタッカー、タンク、ヒーラーの比率はどのようなものですか?

吉田氏:正直βテストでレベル制限がある中で異常値が出ていると感じています。Legacyプレイヤーはバトルクラスが50で、ほぼ全員巴術士をテストしています。ファインダーのマッチングがLegacyワールドを含んでいるので、巴術士の数が異常に多くなってしまいます。結果アタッカーがものすごい数になってしまって…。しかし、アーリーアクセスが始まりシナリオ攻略が本気で始まった際にはメインに戻っていくと思います。

――コンテンツファインダーでハイレベルダンジョンに挑戦する際に、パーティーで作戦を話し合う時間がないように感じますが?

吉田氏:コンテンツに突入して終了する時間は、難易度に合わせて長くなります。実は全滅してリトライする回数を計算して時間を伸ばしています。新生FFXIVのコンテンツではプレイヤー側から手を出さなければ襲ってきませんので、その際に作戦会議をしたり、ボス戦の前には「ここから戦闘開始」というゲートが設置されているのでその前でパーティーでいろいろ話してもらえればと思います。

――「未知の採集」を導入した経緯を教えてください。

吉田氏:釣りに関しては場所や気候、時間といった変動要素、キャラクターの能力や確率論も影響しており、データを理解していても釣れたり釣れなかったりするんですが、クラフターはもともと欲しいものをちゃんと獲得できるのが基本コンセプトなんです、がずっとそればかりだと波がなくて飽きますよね。バトルコンテンツを何度も挑戦して入手するものと同等なクラフトを簡単に作れてしまうと、経済も破綻し、コンテンツの寿命もおかしくなってしまうので導入しました。

――対人戦(PvP)のテストでは実際のプレイヤーが遊んでいる姿を見て、どのような印象を受けましたか?

吉田氏:実は対人戦に関してほとんどシステムを公開しておらず、僕らが今回計測できたデータは「キャラクターとキャラクターがサーバ上で離れた状態で、どんなアクションをしてラグるか」ということであり、絵とサーバ上のズレがどのくらいになっているかというデータです。実際に僕らが想定しているより0.5秒くらいズレていたので、2.1までに修正していくことを決めています。

――F.A.T.E.はどのくらいのボリュームのものを実装する想定ですか?

吉田氏:今回公開したムービーの中に登場するベヒーモスとオーディンはF.A.T.E.です。ベヒーモスは受注型のF.A.T.E.で、相当な人数で開始しないとかなりキツイです。オーディンはプレイヤーがまったくコントロールできず、マップでも見れなくいつ発生するかわからないF.A.T.E.です。この2種類がF.A.T.E.でやろうと思っていることの頂点に近いですね。F.A.T.E.はパーティーを組まなくてもワイワイ遊べるようになっていますが、ベヒーモスとオーディンはある程度腕の立つプレイヤーもいないとキツイですね。もっと複雑なシステムを使うものはクリスタルタワーで実施しようと思っています。

――欧州のLegacyプレイヤーは他の地域と比べてどれくらいの人数がいるのでしょうか?

吉田氏:どの時点でのデータでお伝えするのかは難しいですが、日本と同等、北米が一番多いです。ちなみに現在北米のプレイヤーは日本の2倍です。北米のプレイヤーはダメなものダメ、と反応がストレートなんです。やってみて面白いならやるし、つまらないならやらないと。それがはっきりしたのがβ4が終了した直後からのAmazonの購入数の伸びが尋常じゃなかったことですね。日本のプレイヤーはまだ様子見している人もいると思いますが、PS3ダウンロード版の予約も過去最高の数字を記録しているとSCEJAさんから報告を受けています。

――マーケットを実装してみてどうでしたか?

吉田氏:レベル20では使うことがないと思いますから、そういう意味では想定通りでしたね。PvPを含めバトルコンテンツが増え、アイテムが消費されていくのでクラフターのチャンスが出てくると思います。2クラス目、3クラス目の育成の際にわざわざダンジョンドロップを狙うより1クラス目の資金を回して買った方が楽ですしね。

――クリスタルタワーと言えば「古代の民」ですが…?

吉田氏:タワー本体に入るまでもかなり大変だと思います。やるからにはしっかりと再現し、FFXIVに馴染むような設定やバトルも準備していますので楽しみにしていてください。今後映像でパッチの紹介もしていく予定です。

――新生FFXIVから始めた新規プレイヤーが旧FFXIVのストーリーをわかるようなコンテンツは用意しないのでしょうか?

吉田氏:僕はそのようなものを見ないと旧FFXIVの物語がわからないというのはなしだと思っています。「FFXIV-2」を作ったわけではないので。新生FFXIVの物語をエンドロールまでプレイすればどんな話だったのかとわかるように作っています。ちなみにエンドロールは最後の最後まで見るようにしてください。スキップしてもしつこく主張してきますので見逃すことはないと思いますが、今後のパッチのストーリーに関わるエピソードが隠されていますよ。

――エンドロールはどの時点で見ることができるのですか?

吉田氏:ファイナルファンタジーシリーズの最新作として、プレイヤーがひとつの目的を達成したというタイミングで流れます。ただその先の展開はエンドロールにあり、ちゃんと収録されているので安心して楽しんでください。

――「FFXIII」シリーズのライトニングの衣装などコラボレーションも発表されましたが?

吉田氏:コラボレーションを決める際に、ライトニングがどのライトニングサーガの中のどのタイミングでエオルゼアに来て、彼女の人生の中でどんな影響があったのかをちゃんと決めて作っています。シリーズのライトニングのファンも「なるほど!」と理解できるようにしています。例えばFFVIIのエアリスはあのシーンがあってこそなので、たとえ人気があろうがエオルゼアに来ることはありません。また、魔導アーマーをマウントで実装しますが、物語にかなり絡んでくるのでぜひ楽しみにしてください。

――本作ではどのような移動方法を用意しますか?

吉田氏:フライングに関してはやらないと、と思っています。ファミコンやスーパーファミコンのFFで「次はどんな演出で飛空艇が飛ぶんだろう?」とワクワクしていたので、そんな驚けるフライングマウントを考えていきたいと思います。

――イベントバトルでFFIIのアレンジ曲が使われていましたが、他にはどんなBGMが使われていますか?

吉田氏:実は過去のFFシリーズのフレーズを使っており、気付く人は気付くと思います。テキストにも隠されているのでぜひいろいろ探して見てもらえればと思います。

――PS4版待ちという人も多いと思いますが、開発状況はどうでしょう?

吉田氏:順調に進んでいることは確かです。みなさんが思っているより早いと思います。PS3版をプレイしていて良かった!と思えるような移行のサービスも考えています。新生FFXIVと「LIGHTNING RETURNS:FINAL FANTASY XIII」の2本のファイナルファンタジーで現行機を締めくくってもらえれば…(笑)。

――ちなみにPS4版の発売の際にPS4本体とのコラボなども?

吉田氏:PS4のローンチだったらアリだったと思うんですが、すでにプレイヤーが多く参加しコミュニティなども形成されたときに発売すると、ちょっと申し訳ない気もするので慎重に考えていきたいです。FFXIVは過酷なスタートでここまできていますので本体のデザインまで関われたら、そんなに嬉しいことはないですね。

――世界の国によってキャラクターの好き嫌いに違いはありますか?

吉田氏:やっぱりララフェルの人気はスゴイですね。ミコッテは国によって好き嫌いが分かれます。自分はタンクで仲間を守ることに喜びを感じるからルガディン!というプレイヤーは北米に多いですね。

――日本ではまだ様子見の状態の方が多いかもしれませんが、メッセージをお願いします。

吉田氏:欧州や北米のメディアの方から「旧FFXIVをプレイして二度とスクウェア・エニックスのゲームは買わない、二度とFFは買わない!」と決めた人に、吉田さんはなんて答える?と質問されることがあるんです。それだけ好きでしょうがなかった人の信頼を失った際に、嫌われている僕ら側からいくら真摯にプレイしてみてよ!と語っても、そう簡単に受け入れることはできないと思います。

初めてプレイをした人、旧FFXIVから応援してくれている人、旧FFXIVを途中で辞めたけど新生FFXIVをきっかけに戻ってきた人に対して、とにかく面白い!と感じるように、友人や家族などから薦めてもらえるようゲームを作ることが大事だと思っています。なので様子見することはもちろん構いませんし、警戒するのは当然だと思います。ただ友人に「面白いからやってみて!」とおすすめされたらぜひプレイして欲しいです。新生FFXIVはスタートダッシュをしなくても自分のペースで遊べますし、気が向いた時に触った際に面白いと感じて貰えたら嬉しいです。

――ありがとうございました。

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