まれに見る好勝負となった「サドンアタック」の全国大会「SACTL 2013」オフライン決勝大会をレポート

ネクソンは12月15日、東京・渋谷ヒカリエにて「サドンアタック」の全国大会「SACTL2013(Sudden Attack Clan Tournament League 2013)」のオフライン決勝トーナメントを開催した。ハイレベルな戦いが展開された同大会の模様をレポートしていこう。

今回の「SACTL 2013」には1028ものクランが参加。10月から1次~3次予選が行われ、「Adult.V(アダルトブイ)」「iZoNe(アイゾーン)」「Kmn-Gaming(カミナゲーミング)」「NabD(ナブド)」の4クランが決勝大会への進出を果たした。

NabDは前年度のSACTL 2012のチャンピオン、iZoNeは8月に神戸で行われたSAOMT 2013の覇者、Adult.VとKmn-Gamingも両大会で4強に残っているなど、いずれも近年の大会で抜群の成績を残している強豪クランであり、2013年最後の大会を飾るにふさわしい顔ぶれとなった。

iZoNe (写真左)とKmn-Gaming
NabD (写真左)とAdult.V

今回の大会は準決勝、決勝のいずれも2マップ先取の3回戦制で行われる。対戦で使用するモードはおなじみの爆破ミッションで、攻撃側のレッドチームは敵を全滅させるか、制限時間内にC4を設置しての爆破に成功すると勝利。防御側のブルーチームはレッドチームの制限時間内の爆破を阻止すると勝ちとなり、どちらかが5ラウンドを取得した時点で攻守交代となるルールだ。

実況はyukishiro氏(写真左)、解説はサドンアタックのプレイヤーとして知られるKinko氏が務めた。

決勝進出をかけて強豪4クランが激突!

準決勝第1試合 Kmn-Gaming対iZoNe

Kmn-GamingとiZoNeが対戦した準決勝第1試合は、互いに譲らぬ一進一退の好ゲームとなった。第1マップはKmn-Gamingが7-6として先にリーチをかけるも、そこからiZoNeが2ラウンドを連取。トータル7-8の逆転で第1マップを取ると、第2マップも1-5と圧倒的リードを奪った。

Kmn-Gamingも2ラウンドを連取するなどして粘るが、リーチをかけたiZoNeは第12ラウンドで1オン2の状況からLiaBerly(リアベリー)選手がダブルキルを決め、トータル5-7で勝利。2マップ連取で決勝へとコマを進めた。Kmn-Gamingは見事な個人技や的確な連携を随所で見せ、iZoNeを大いに苦しめたが後一歩及ばず。またも悔しい準決勝敗退となった。

ほぼ互角の戦いぶりを見せたKmn-Gamingだったが、わずかな差で敗退。

準決勝第2試合NabD 対Adult.V

準決勝第2試合は、昨年の覇者であるNabDが圧倒的な強さを見せた。第1マップでは防御側からのスタートとなったのだが、鉄壁のディンフェンスを見せて5ラウンドを連取。攻守交代しての後半戦も1on1をVader(ベイダー)選手が制し、なんと6-0のストレートで第1マップを先取した。

第2マップもNabDの勢いは止まらず、着実にラウンドを奪っていき、5-1と前半戦で大きくリードを奪うことに成功。後半戦最初のラウンドはAdult.Vに奪われたものの、撃ち合いをことごとく制して続く2ラウンドを連取。トータル7-2で第2マップも取ったNabDが2年連続の決勝進出を果たした。

3次予選では今ひとつだったNabDだったが、さすがの強さを見せて決勝に進出。

ライバル同士の対戦は屈指の名勝負に

かくして決勝戦はiZoNeとNabDの間で戦われることとなった。どちらも数々の大会で活躍し、日本代表にもなっている屈指の強豪同士だが、オフライン大会で直接対決するのは実に2年半ぶりとなる。

第1マップは中華街をモチーフにしたドラゴンロード。看板を登っての攻防など立体的な構成が特徴的で、かつてはブルーチームが有利とされていたが、最近ではレッドチーム有利の攻めやすいマップというのが定説となっている。

勝負のほうは先攻のiZoNeがNabDを圧倒。ApoCalys(アポカリプス)選手の4人抜きなどで2ラウンドを連取すると、NabDが詰めてくるのを待ってカウンターを決めるという効果的な攻めで前半戦を5-1とリード。後半戦もiZoNeが2ラウンドを連続で取り、7-1で第1マップを制した。

iZoNeではSAOMT2013のMVPであるziNovif選手の活躍が目立った。

第2マップの舞台は第3補給倉庫。防御側に有利なマップで、直線の径路が多いだけに、スナイパーがどれだけ活躍できるかが重要になる。

後がなくなったNabDは、ここから怒涛の反撃を開始。TENG0(テンゴ)選手の3人抜きで第1ラウンドを奪取すると、第3ラウンドでもChemist(ケミスト)選手が驚異的なテクニックで3人抜きを決めるなど、防御側有利の状況をフルに活かして5ラウンドを連取したのだ。完全に勢いに乗ったNabDは第7ラウンドもきっちりとゲット。なんと6-0のストレートで第2マップを取ったのだった。

第2ラウンドでは2オン4から逆転。これで完全に流れをつかんだNabDは一気に勝負を決めて見せた。

第3マップはクロスポートで勝負。攻守互角のマップで、攻撃側のラッシュに防御側が対応できるかがポイントになる。

今回はこれまでと打って変わって、手に汗握る互角の展開となった。iZoNeはダクトから攻め込む戦法でファーストラウンドを取るが、NabDもうまく守って4-4のタイとする。

そして迎えた第9ラウンド。ここまで16キルを奪う活躍を見せていたiZoNeのziNovif (ジノビエフ)選手が、Matcha(マッチャ)選手を倒して1オン1に持ち込むが、残ったVader選手がすかさずカバーして、このラウンドをゲット。5-4とNabDがわずかにリードして前半戦終了となった。

iZoNe が4-2でリードを奪うが、そこからNabDが3ラウンドを連取。

後半戦はNabDが先行。立て続けに3ラウンドを取ってトータル8-4とした。iZoNeも1ラウンドを取り返すが、第14ラウンドでMatcha選手が開始と同時に速攻をかけ、すかさずC4を設置。さらに4連続キルを奪うという驚異のスーパープレイを見せ、ついにリーチをかけることに成功した。

しかし、iZoNeも意地を見せる。ziNovif選手がVader選手との1オン1に勝って第15ラウンドを取ると、第16ラウンドも強引な速攻を決めて9-7としたのだ。このまま勢いに乗りたいiZoNeだったが、第17ラウンドはMatcha選手のファーストキルで数的優位を作ったNabDがそのまま押し切って勝利。トータル10-7で第3マップを取ったNabDがついに頂上決戦を制し、2年連続のチャンピオンとなったのだった。

Matcha選手の電光石火の速攻が勝敗を分けるポイントとなった。

優勝したNabDには賞金200万円とトロフィー、記念の賞品が贈呈。準優勝のiZoNeには賞金30万円、3位のKmn-Gaming とAdult.Vには賞金10万円がそれぞれ贈られた。

大会のMVPに選ばれたのはNabDのMatcha選手。Chemist選手やBarley(ユナイテッド)選手らの活躍も大いに目立ったのだが、勝負どころとなった第3マップ第14ラウンドでの活躍と、クランマスターとしてチームをまとめたリーダーとしての貢献度が評価されての受賞となった。

こういったFPSの大会では巧みな連携など戦術面で感心させられることが多いのだが、今回は目にも止まらぬヘッドショットや驚異的な動きによる回避など、個人技や動きの速さに驚かされることが多かった。特に決勝戦はハイレベルなシーンの連続で、実況を務めたyukishiro氏が試合後に「感動的な試合でした」と語るなど、まれに見る名勝負だった。

もうひとつyukishiro氏が強調していたのが観客への称賛。実際、決勝戦では選手たちの好プレイのひとつひとつに歓声やどよめき、拍手が起こるなど観客のリアクションが戦いを大いに盛り上げていた。こういったファンの意識の高さも、プレイヤーのテンションを高める要因になっていたことは間違いないだろう。

大会の合間にはデバイスやモニターなど、さまざまな豪華賞品がもらえる抽選会も行われた。

ちなみに、イベントの最後にネクソンの加藤友秀氏より「同じことをやっていても面白くないと思うので、ルールとかマップとか、ちょっとずつ変えていきたいですね」とのコメントがあった。詳細は未定だが、使用マップの変更や1次予選における敗者復活トーナメントの導入などを検討しているそうなので、来年はまた違った戦いが期待できそうだ。

ロビーではおなじみのリアルガチャのほか、協賛各社による出展なども行われていた。
特に注目を集めていたのがゲーマー向けのチェアで座り心地は抜群のひとこと。
サドンアタックサービス終了

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