ガンホー・オンライン・エンターテイメントは、「ラグナロクオンライン」において3月18日にアップデート「覚醒」を実施する。今回は、新たに実装されるスキルやシステムを体験することができたのでレポートしよう。
3月18日に実施される「覚醒」アップデートは大きく3つの要素に分けられる。
第1の覚醒はレベルキャップ解放で、3次職はLv150からLv165に、ジョブレベルはLv50からLv60になる。さらに、ステータス最大値が120から130に向上し、今以上にキャラクターの能力を向上させることが可能となる。
第2の覚醒は、3次職用の新スキル実装だ。新スキル実装以外に、ソーサラーには「精霊」システム、ジェネティックにはホムンクルスを進化させた「ホムンクルス S(ホムンクルス スペリオール)」が追加され、新しい戦い方や深い戦術を楽しむことができるようになる。
第3の覚醒はモンスターハウスの実装で、対人戦ではなくモンスターを相手にしたPvEが定期コンテンツとして追加される。
今回は、運営チームの中村聡伸氏、山本兼寛氏に解説いただきながらアップデート内容を先行体験することができた。本アップデートのレポートに入る前に、昨年行われたアップデートのその後について中村聡伸氏に聞くことができたので紹介しよう。
昨年末に実施された経験値テーブルの変更は、Lv150までに必要な経験値を大幅に下げることで、Lv100前後で停滞しているプレイヤーが次のステップに進みやすくすることが目的だった。このアップデートの2ヶ月後の時点で、Lv100前後のプレイヤーがLv110~115に達しつつあり、想定通りの結果が出ているという。さらに1人あたりのプレイ時間が伸びており、多くのプレイヤーが楽しんでいるそうだ。
また、2月18日に行われたアップデート「ホラーおもちゃ工場」は、昨年の発表時点ではLv140以上のキャラクターしか入れなかった仕様を、Lv110から入れるように変更し、経験値テーブル変更でレベルの上がったプレイヤーが遊びやすい環境を整え、非常に好評とのことだ。
今まで以上に強く頼もしくなる「養子3次職」
結婚したキャラクターが持つことのできる養子に3次職が追加される。養子は転生を行わずに、直接3次職になることができ、通常キャラクターが3次職になる過程に比べると短縮化されている。
その代わり、転生した職業が持っているスキルが覚えられなかったり、スキルを取るためのポイントが少ないといったペナルティが存在する。また、ステータスの上限やHPなどは通常の9割に制限されており、ステータスは通常は130のところが117となる。とはいえ、レベル上限は高くなり、通常の3次職スキルは取得可能になるので、今まで以上に頼りになるだろう。
なお、養子の2次職で、ベースレベルとジョブレベルをカンストさせた状態で転職NPCに話しかければすぐに転職可能だ。
新しく追加される3次職スキルから3種を紹介
追加スキル:ウォーロック「テレキネシスインテンス」
「テレキネシスインテンス」は、念属性のスキル攻撃を強化することのできるウォーロック用のスキルだ。スキルを使用するとシャボン玉のようなエフェクトがキャラクターを覆い、通常の2~3倍のダメージを与えられるようになる。念属性は連続して使用できるスキルが多いため、短時間でより大きなダメージを与えられそうだ。その他、SP消費量を半分にカットしてくれる効果や、念属性以外の魔法詠唱時間が短くなる効果も備えている。
追加スキル:シャドウチェイサー「エスケープ」
「エスケープ」は、モンスターを足止めしつつ、逃げることのできるシャドウチェイサー用のスキル。足止めしたキャラクターに大ダメージを与える「エイムドボルト」を覚え、併用することで大きな効果を得ることができる。また、「フェイントボム」との併用などさまざまな使い方ができそうだ。なお、スキルを重ねがけして効果時間を延長することはできず、永遠にモンスターをロックすることはできないので注意しよう。
追加スキル:ギロチンクロス「ダーククロー」
「ダーククロー」はギロチンクロス用のスキルで、次に与える物理攻撃のダメージを瞬間的に増加することができる。「クロスインパクト」といったスキルと併用すると効果的だ。また、本人以外の攻撃にも効果があるので、複数人で攻撃している際、ダメージを底上げすることができる。
ソーサラーの心強い味方となる「精霊」システム
今回、ソーサラーに追加される「精霊」システムでは、火の精霊「アグニ」・水の精霊「アクア」・風の精霊「ベントス」・地の精霊「テラ」の4属性の精霊を使役して戦うことが可能となる。各精霊には3段階のレベルが用意されているほか、召喚主のステータスに影響を受けるので、ステータスの割り振りによっても個性を出すことができそうだ。
「アクア」の上位精霊であればキャラクターのダメージを肩代わりしてくれたり、「ベントス」であればスキルの詠唱時間を短縮するといった各精霊ごとに異なる能力を備えている。同時に呼び出せる精霊は1種のみだが、復数の精霊スキルを覚えることが可能だ。1種に特化したり、幅広くカバーしたりと、プレイヤーのスタイルにあわせて選択しよう。
精霊には、HPとSPを3秒毎にMAX値の2%回復するウェイトモード、プレイヤーのパッシブスキルに役立つ支援をしてくれるパッシブモード、ブレイヤーを防御の面でサポートするディフェンシブモード、プレイヤーと共に攻撃するオフェンシブモードの4モードが用意されている。
また、新スキル「エレメンタルシールド」で召喚した精霊を消滅させる代わりにパーティーメンバー全員に対して、物理攻撃をガードするセイフティウォールと遠距離攻撃をガードするニューマを同時に発動させることもできるので、タイミングよく活用したい。
新たな5種のホムンクルスが誕生!「ホムンクルス S(ホムンクルス スペリオール)」
「ホムンクルス S」では、すでに所持しているホムンクルスを変異させることができるシステムで、新たな5種のホムンクルスが実装される。
変異前の形態で習得したスキルなどを引き継ぐことができ、すでに実装されているホムンクルスが4種、そこからホムンクスル Sの5種に変異、計20通りのホムンクルスが誕生することになる。なお、どのホムンクルスにするかは選択可能で、特定のクエストをクリアすることで手に入れることができる。
今回体験できたのは肉弾戦が得意な格闘家タイプの「エレノア」だ。「エレノア」には連続技を重視したファイターモードと一撃必殺技を重視したグラップラーモードの2種類の攻撃スタイルがあり、追加されるホムンクルスの中でも個性的な戦い方を楽しむことができる。
「エレノア」の周りには球体状の気弾が表示され、それぞれのスタイル状態で戦闘をしていると気弾が最大で、10段階まで貯まっていく。その気弾を消費しながらさまざまな攻撃スキルを繰り出すことが可能だ。
「エレノア」は、ファイターモード用3種とグラップラーモード用3種、合計6種の攻撃スキルを持っており、各3種のスキルを連続してラッシュ攻撃を行い大きなダメージを与えることができる。ファイターモードの場合であれば、ソニッククロー、シルバーベインラッシュ、ミッドナイトフレンジの順でタイミングよく発動させることで連続した攻撃となり、成功すればスタン状態や恐怖状態にすることができるのである。
Breidablikワールドで好評だったイベントが「モンスターハウス」として登場!
現在期間限定で公開されている無料ワールド「Breidablik」において、毎週土・日曜日に開催していたイベント「突撃!モンスターハウス」がアレンジされ、全ワールドで遊べるようになる。
もともとは、「Breidablik」で攻城戦が行われない代わりに、プレイヤーが協力してモンスターを討伐できるコンテンツとして開発されたもので、参加するとポイントがもらえ、さまざまなアイテムと交換ができる。対人戦が苦手な人でも気軽に楽しめるコンテンツになっているそうなので、是非参加してみよう。
開催日時は、毎週水・金曜日に各1時間が予定されている。その他、祝日の臨時開催なども検討中とのことだ。さらに、モンスターハウス実装にあわせ、モンスターハウスの開催時間を含む時間帯に無料で遊ぶことができるRAGホーダイが実施されるとのことだ。
その他のアップデート
今回挙げた3つの覚醒アップデート以外にもさまざまなアップデートが予定されているので、紹介しよう。
まず、新規キャラクター作成時に強制的に振る必要があったステータスだが、全てのステータスが1の状態で作成されるようになり、後から振ることができるようになる。各能力の特性を知った上で振れるので新規プレイヤーには嬉しい変更だ。
また、一部を除いたモンスターのHPバーが表示され、与えたダメージが視覚的に確認できるようになる。
多くのアイテムをコレクションしている人に嬉しいのがアイテム移動の改善だ。今まで消耗品といった複数個がまとまったアイテムを倉庫などへ移動する際に、ウィンドウが表示されウィンドウ間をドラッグして移動させる必要があった。今回のアップデートでは、ALTキーを押しながら右クリックを押せば、数の指定はできないが、全てのアイテムをワンクリックで移動できるようになる。
新たなアイテムとしては一時的に状態異常に対する耐性を上昇させることができるリリーフポーションが実装される。今回のレベルキャップ解放により攻城戦や対人フィールドでのレベル差がひろがることに対する影響が軽減される見込みだ。あわせて、対人戦でのダメージ増加を緩和するアイテムとして、防御性能を向上できる靴・肩・鎧の防具が実装される。これらのアイテムの入手はそれほど難しくないそうなので、今まで攻城戦で手が届かなかった相手にも一矢報いることができそうだ。
インターフェースに関するアップデートは継続的に実施していくそうだ。リリーフポーションなどは3月18日のアップデート時に導入される予定になっている。
4月以降もモンスターカードの追加や、ドラマチックなストーリーが楽しめるソロ用ダンジョン「ゲフェン魔法大会」など、さまざまなレベル帯のコンテンツが追加されるそうなので、楽しみにしていよう。
ユーザーレポーターといった新たな取り組みも!今後予定されているキャンペーンやイベントを紹介
新たな試みとして「レベル上限解放アップデート」ユーザーレポーターが3月1日より行われる。これは、ファンサイトやブログの運営者、生放送配信者を対象にレポーターを募集、「覚醒」アップデートを先行体験し、ユーザー目線で記事や動画配信を行なってもらうものだ。既に募集は締め切られているが、想定以上の応募があったそうなので、今後のレポートに期待したい。
気軽に体験できるRJC 2014ワールドもオープン!
5月25日に開催される「RJC 2014」に向けて、RJCの戦いが体験できるRJC 2014ワールドが開放されている。気軽に参加できる取り組みとしてランダムマッチングが導入されており、入室後すぐに対戦を楽しむことができる。運営チームの乱入イベントも好評とのことだ。
RJC 2014の見どころについて中村氏に伺った。今回から範囲内にいるキャラクターの足を止める「呪縛陣」を制限した一方、スキルを解放し、個々のキャラクターができる行動が増えたためキャラクター間の連携が重要な要素になるという。
ルールが変わったことにより、誰が火力を持つのか、どうやって相手を減らすのか、今までとは異なる戦略に注目したいと語っていた。
遊び方がさらに大きく広くなるアップデート「覚醒」
最後に中村氏と山本氏にメッセージを頂いたのでお届けしよう。
中村聡伸氏「今回のアップデートタイトル『覚醒』を考えたのは僕なんですが、『覚醒』という言葉がぴったりのアップデートだと思います。アップデート『覚醒』によって、遊び方がさらに大きく広くなります。その幅の広さが、ラグナロクオンラインの一番の魅力だと考えています。そこをもう一度体験してもらえればうれしいです。」
山本兼寛氏「レベルを解放したことによって、『自分がついていけないんじゃないか?劇的に世界が変わってしまうんじゃないか?』といった不安もあると思います。そういった不安をできる限り事前に対処したいという思いもあって、アイテムやシステムを実装するなどしてサポートしています。既存プレイヤーの皆さんは安心してレベルを上げコンテンツを楽しんでもらいたいですし、新規プレイヤー向けのアップデートやイベントも実施していきますので楽しみにしていて下さい。」
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