培養したDNAを女の子に注入して強化!?独特の要素を詰め込みつつユーザビリティも考えられた「感染×少女」プレイレポート

ガマニアデジタルエンターテインメントが5月29日にDMM.comのプラットフォームにて独占配信する新作PCブラウザゲーム「感染×少女」。本作を一足先にプレイできたほか、プロデューサーを務める生天目未来氏に今後の展開などの話を伺ったので、その内容をお届けする。

本作は、台湾Gamaniaが開発したブラウザベースのアドベンチャーRPG。住人たちがゾンビ化してしまった街を舞台に、生き残った少女たちが命を賭けてゾンビたちと戦う姿が描かれる。プレイヤーは3人の女の子から主人公となるひとりを選び、彼女の親友を探すため、そしてこの街から脱出するために事件の真相を追い求めることとなる。

2月に同社COOの浅井清氏にインタビューを行った際、まだ仮題で「末日少女」と名付けられていた段階で、ゲームの概要だけお伝えしたことを覚えているだろうか。その時のタイトルが「感染×少女」と名称を新たに、5月29日よりサービス開始を迎える。

5月15日からハザードテストが実施されていたこともあって、すでにプレイした人もいると思うが、今回はゲームの流れや特徴的なシステムを紹介していくので、ノーチェックだったという人はぜひご一読を。

と、真面目に書き始めたものの、ブラウザでは…というより、PC向けのオンラインゲームでは珍しい、せっかくのゾンビ×美少女ものだ。システム部分はちゃんとお伝えしていくが、一番気になるのは美少女の部分だろう。ここは正直になっていいところのはず。主人公キャラクターとゾンビたちは以前の記事でも公開しているので、まずは新たに公開されたパートナーキャラクター6人をドドンと載せておこう。

さて、ここからはちゃんとシステムなどを紹介していく。ゲームの基本的な流れは、最大5人のキャラクターでパーティを編成し、クエストやストーリーに沿ってステージクリアを目指すというもの。そこで得た報酬を使って装備やキャラクターを強化したり、仲間を増やしつつ物語を進めていくのだ。

大まかな部分はソーシャルゲームやブラウザゲームとしてオーソドックスな作りになっているので、この手のゲームをプレイしたことがない人でも取っつきやすい印象だ。

体力を消費してステージを順にクリアしていくのが基本となる。
パーティ編成では「陣形」によってキャラクターの配置も設定することとなる。
序盤はキャラクターの特徴を活かせるよう、前・中・後衛を意識しよう。9マスのうち右側が前衛、左側が後衛だ。
必殺技によっては同じ列の敵全員に攻撃できるものもある。慣れてきたらその点も考えて編成するといい。

開発は冒頭でも述べた通り台湾Gamaniaなのだが、特徴はかなり日本を意識して作っているところにある。キャラクターのビジュアルなんかはまさにその筆頭だが、台湾版でもキャラクター名が日本人の名前を使っているというのだから驚きだ。ストーリー部分もかなり力を入れているというので、この点も注目しながらプレイしてみるといいだろう。

序盤はそのストーリーを進めているだけで、いろんな機能が開放されていく。アイテムの売買ができるゲームでは基本的な施設の「商店」をはじめ、キャラクターを新しく仲間にしたりする「避難所」などがある。

施設が開放されていない序盤はホーム画面が寂しめだが、すぐ色んな機能がオープンしていく。

大まかな部分はオーソドックスだと言ったものの、ソーシャルゲームのように登場キャラクターがカードで、という部分まで踏襲しているわけではない。本作ではしっかりとキャラクター性が確立されており、仲間にできるキャラクターはひとりの人物として存在しているのだ。

そのため、キャラクター同士を合成することもないので、成長させるのはステージをクリアして経験値を獲得する、まさにRPGのような形式となっている。この辺りの導線はソーシャルゲームやブラウザの村ゲーよりも、MMORPGに近いだろう。実際、クエストを進めていくだけで序盤はサクサク進むところも同じ。

キャラクターを仲間にする方法も気になるところ。ガチャじゃないならどうするのか。答えは簡単、ゲーム内マネーの“マニー”と、クエストクリアなどで獲得できる“名声”と呼ばれるポイントを消費して新たなキャラクターを仲間にするのだ。どちらもゲームプレイによって獲得できるので、課金せずとも好きなキャラクターを仲間にできるのが嬉しい。

自分の部隊には最大9人のキャラクターを所属させることができ、戦闘に出撃させるキャラクターは、そこからプレイヤーのレベルに応じて最大5人まで選ぶことができる。同時に仲間にできる人数は9人と少なめではあるが、当然キャラクターの入れ替えが可能だ。

一度部隊から外したキャラクターでも、先ほど触れた避難所で再度仲間に加えることができる。レベルなど成長させた内容は維持されるので、新しいキャラクターが実装されたら、その子を育てるようとシフトしても大丈夫というわけだ。ただし、再度キャラクターを加入させる際もマニーと名声が必要になるので、無駄遣いしないように注意。

なお、キャラクターの成長要素は単にレベルを上げるだけではない。むしろ、本作の特徴のひとつに、成長要素の多さを挙げられるほどさまざまなものが存在する。

まず基本的なところからお伝えしていくと、武器の強化がある。これは単純にマニーを使って強化するだけで、失敗する危険性もない。プレイヤーのレベルによって強化できる上限は存在するが、もしクエストなどで行き詰ることがあったら、まず装備の強化を試してみるといいだろう。

次にキャラクターとの親密度だ。戦闘メンバーに入れてクエストをこなしたり、一日に全キャラクター共通で30回まで行える会話を繰り返したりすることで、少しずつキャラクターと仲良くなることができる。親密度は最大5段階あり、段階が上がるごとにキャラクターのステータスが上昇する。1段階上げるだけでも意外と大変なのだが、その分、得られる恩恵も大きい。

親密度を上げるためのアイテムも存在するが、これは一気に上げて強くするというより、日々コツコツと積み重ねていくタイプのものだ。なお、親密度を上げることで、そのキャラクター専用のクエストも楽しめるようになる。

親密度が上がるとセリフが変化するなど、細かいところも作られている。
パートナーキャラクター以外に専用クエストは用意されていないが、NPCとの“おしゃべり”も可能。
こちらもデイリーでの回数制限が設けられているが、会話することでマニーや名声、体力回復といったメリットがある。

お次は訓練だ。これはゲーム内マネーと課金通貨のダイヤ、どちらかを使用してステータスを上昇させることができるというもの。ここでの強化上限値はキャラクターのレベルに比例するので、しばらく訓練していなかったという時は、思い出したようにやっておくといい。

訓練でのポイントは、何度も同じ訓練をしていると、マイナス効果が出てしまうところにある。訓練終了後に、その結果を「保存」「取り消し」のどちらかを選べるため、マイナスが出たら単純にキャンセルしてしまえばいいのだが、当然お金は消費されてしまうというわけだ。

その次は、ドーピングシステム。薬剤系のアイテムが存在し、これらを使うことでキャラクターの性能を底上げすることができる。ドーピング用の薬剤は、サブクエストなどで解放できる“強敵戦”などの報酬から設計図を獲得し、素材を使って製作することができる。

ただし、こちらも無限に強化できるわけではない。同じ薬剤には使用回数が設けられており、多用すると薬物抵抗が付いて、より強力な薬剤を使う必要がある。…という、何ともリアルな設定になっている。

強敵戦は、同じ敵から報酬を獲得できるのは1日1回に限られる。日々素材を集めておくといいだろう。

それから次は、一番特徴的と思えるDNAだ。これは遺伝子を培養し、培養したものを女の子に注入して強化するという、何とも……うん、何とも言えないシステムだ。これを思いついた人はすごい気がする。

…さて、遺伝子にはそれぞれどの攻撃力が上がるなどの特徴があり、キャラクターごとに存在するスロットに設定していく形となる。スロットの数はキャラのレベルに応じて増えていくので、これまでの強化要素を含め、基本的にレベルが上がったらいろいろ試してみる、というのが一番だろう。

そしたら次は、キャラクターカードだ。「え、カード?」と思った人もいるかもしれないが、敵味方含め、登場キャラクターのカードをガチャによって獲得できる、図鑑的な要素がある。各キャラクターは4枚のカードで構成されており、味方キャラクターに関しては、全て集めることで戦闘時に衣服を破壊された状態のイラストを見ることができたり、性能がアップするという恩恵が得られる。

戦闘でダメージを受けると少しずつ服が破れていく。そりゃ攻撃を受けるんだから仕方ない。うん、仕方ない。
普段は戦闘でしか見られない姿も、カードが揃えばいつでも鑑賞できるのだ。

※テストプレイ時の仕様のため、正式サービス開始後は仕様を調整した上で公開する予定です。

やっぱりガチャがあるじゃん、と思うなかれ。このガチャ、ゲーム内マネーで回すものとなっている。課金によってゲーム内マネーを購入できるが、本作はほぼすべての要素をゲーム内マネーだけで補うことができる。

敵キャラクターのカードもあり、ゾンビ化した背景などの設定を閲覧できる。

正直どこで収益を得るのか気になって、同席したディレクターにちょっと聞いてみたが、スタミナ回復やゲーム内マネーの購入が課金ポイントになるという。つまり我先にと急いでプレイしなければ、ゲームプレイだけでまかなえるという、これも昨今少しずつ増えてきたスタイルだ。

長々と成長システムを紹介したが、ほかにもパートナーキャラクターを派遣して経験値などの報酬を得る、いわゆる“探索”のような「討伐」。ログイン中に一定時間何も操作をしないとわずかながら経験値を獲得できる「休息」。サブクエストを進めることで開放され、レア報酬を狙える「強敵戦」。ほかのプレイヤーと協力して戦うレイド戦や、プレイヤー同士で戦うPvPなども備わっている。

とにかくたくさんの要素を盛り込んだだけでなく、遊びやすく作られているのも印象的。例えば製作で必要な素材をクリックすると、それが入手できるクエストの選択画面まで移動できたり、クリア済のクエストであれば繰り返し何回挑戦するかを決められたりと、親切な設計になっている。施設名や能力値など、一部独自の名称で戸惑うかもしれないが、そこは本作の味というやつだ。

サブクエストでは敵を一定の数倒すといった目標もあるので、それらをこなすときに便利だ。
体力を無駄にしないよう、朝のわずかな時間で設定だけして外出するという使い方もアリ。

本日からサービスが開始となるので、気になった方は一度触ってみてほしい。また、テストプレイ当日、ゾンビの特殊メイクでゲームの説明をしてくれたディレクターの生天目氏に今後の展開などを伺っているので、最後にその内容もお伝えしよう。

ゾンb…じゃなくてディレクターの生天目氏にインタビュー

――先行してサービスされている台湾での反響はいかがですか?

ディレクターのゾンビ(姿をした生天目)氏<br />
ゾンビになっているのは特殊メイクによるもの
ディレクターのゾンビ(姿をした生天目)氏
ゾンビになっているのは特殊メイクによるもの

生天目氏:サービス開始時に台湾で日本ブームが起きたようで、キャラクター名が最初から日本人の名前で作られていたり、現地でキャラクターのコスプレをする女性が出てくるほど大きな反響がありました。

――日本ではゾンビもののコンテンツが多く存在しますが、台湾でもゾンビという存在は受け入れられているのでしょうか?

生天目氏:たしかに日本でゾンビものは人気ですし、台湾でも一定の地位といいますか、文化として確立されているようです。ちょうど近年ではアニメやコミックでもゾンビもののコンテンツ数が多くなってきましたが、オンラインPCゲームではなかなか見かけなかったので、他社様との差別化も図れるかなと考えています。

――日本だとゾンビを題材にしつつも可愛い女の子が多数、というコンテンツもありますよね。

生天目氏:そうですね。可愛い女の子がゾンビをなぎ倒していく姿が受けたりと、強い女の子は日本でも台湾でも人気が高いです。最近の日本では戦う女の子がフィーチャーされているコンテンツも多いかなと感じています。

――本作を日本で展開するにあたり、独自仕様、例えば日本人イラストレーターの方を起用するといったことはどのくらい考えられていますか?

生天目氏:まだ具体的にどういったキャラクターを、どのイラストレーターさんにお願いしようといった段階ではありませんが、コンセプトに沿った形でイラストレーラーさんにお願いしたいなと考えています。私個人としては単に女の子だけでなく、グロテスクなゾンビも増やしたいと思っています。

――グロさと可愛さの二極化も面白そうですね。

生天目氏:私自身がゾンビコンテンツ好きなので、いくつもゾンビゲームをプレイしていたりします。実はポップなものよりも本格的なものが好きなんです(笑)。ただ、そこはユーザーさんの反応なども踏まえ、どういったものを提供していくか考えつつ、できる限り今までとは違ったコンテンツとして攻めていきたいです。

――日本展開にあたってコラボの予定や構想などはいかがでしょうか。

生天目氏:やはりコンセプトに沿ったコラボを行っていきたいです。社内で話に上がったこととして、「自社タイトルとのコラボはどうするのか」といったことがあります。弊社のコンテンツだとキャラクターの可愛さに焦点を当てたタイトルが多いため、世界観を壊しかねないですし、そこは慎重に考えています。できれば本格的なゾンビもののコンテンツとコラボしたいなと思っています。

――味方の可愛い女の子キャラを増やすだけでなく、敵キャラのゾンビとして登場する形でのコラボもできそうですね。

生天目氏:はい。実現できるかどうかは別ですが、カプコンさんの「バイオハザード」といえばゾンビゲームの代名詞とも言える存在ですし、例えばタイラントが敵として出現するとなったら面白いなと考えています。

――気の早い話ですが、過去に別タイトルなどでコミケに出展されたこともありますし、グッズのようなメディアミックス展開についてはどのように考えていますか?

生天目氏:私としてはそういったコンテンツに成長させていきたいと考えています。具体的な話はありませんが、漫画や映像コンテンツにできれば嬉しいですね。まずはそういった展開ができるコンテンツに育てていくことがチームの目標のひとつです。

――最近ガマニアさんではスマートフォンにも力を入れていますが、そうした端末からプレイできるように、というのは考えていますか?

生天目氏:サービス開始当初はPCブラウザだけになります。ただ、情報量が多い本作にとってスマートフォンは画面が小さすぎるのですが、タブレットからアクセスできればお客様のプレイスタイルが増えていいのかなと思っています。現在は開発担当とタブレットの対応について話をしているところです。

――日本向けのアップデートで検討しているものがあれば教えてください。

生天目氏:個人的に一番入れたいと思っているのが、パートナーキャラクターをウイルスに感染させてゾンビにできたらどうか、という話はすでにしています。ほかのゲームなどでは、主人公はゾンビにならないのが定説として存在しますよね。本作でもメインキャラはロストさせることはできないのですが、パートナーキャラクターのゾンビ化が進行して凶暴になっていき、最終的にはロストしてしまうのはどうか、という要素を検討しています。

――キャラがロストですか。賛否ありそうですがゲームとしては面白くできそうな印象です。

生天目氏:ダーティな世界観なので、女の子がこんな世界で生きていくのに果たしてキレイなままでいられるのか、というところを表現したいと思っています。あとはゾンビ化する可能性があるということで、ゲームにも緊張感を持たせられるのかなと。ブラウザゲームだと安心…といでもいいますか、ライト向きな仕様も多いですが、そうしたところと一線を画すような要素もアリかなと考えています。

――なるほど。感染するまで猶予があるのか、感染してから救済期間があるのかなど、色々考えられそうですね。

生天目氏:いきなり感染してロスト…となるとバランスとしても良くないですし、キャラクターに愛着を持ってくれたユーザーさんのモチベーションにも関わってきますので、どういった形が一番いいのか、開発担当と話をしているところです。

――サービス開始後のアップデートはどれくらいの頻度を予定されていますか?

生天目氏:コンスタントに毎月行っていきたいと考えています。大きなアップデートは3ヶ月に1度ぐらいのスパンで、なるべくユーザーさんを待たせることなく新しい要素を追加していく予定です。

――最後のユーザーの方へメッセージをお願いします。

生天目氏:暗い世界観にシリアスなストーリー展開など、今までのコンテンツとは一線を画したタイトルを提供させていただきます。これまで弊社のコンテンツを遊んでいただいた方にも、まだ遊んだことがない方にも新しい展開を見せられると思いますので、ぜひプレイしてみてください。

――ありがとうございました。

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