ネクソンがサービス中のオンラインRPG「テイルズウィーバー」では、2014年の7月下旬と8月下旬に大規模アップデートが立て続けに行われる。現在は開発作業のピークに差し掛かっているとのことだが、そんな中、ネクソンの開発チームに直接話を聞くことができたので、本稿で紹介していこう。
2014年7月下旬に実装予定のアップデート内容
エピソード1&2のストーリーが「記憶の図書館」を通じて復活!
テイルズウィーバー(以下、テイルズ)では今から約1年前の2013年8月に、初~中レベル帯を育成しやすくするためのコンテンツ「ネニャフル学院」が実装された。ネニャフル学園は初心者にとって大助かりだが、その一方で該当レベル帯を担っていた旧コンテンツ「エピソード1、エピソード2」のストーリーには触れられない状態となっている。特に昔ながらのファンからは、旧エピソードのストーリーが楽しめないことを残念がる声が多く届いていたそうだ。
この要望に応えるべく、旧エピソードを追体験できるコンテンツ「記憶の図書館」が新たに導入される。難易度や報酬も見直されており、今後プレイヤーはネニャフル学院と記憶の図書館(旧エピソード)の、どちらでもキャラクター育成ができるようになる。たとえばネニャフル学園でレベル上げが行いにくいと感じたら、一時的に記憶の図書館を利用したり、あるいはその逆といった使い分けもできるのだ。ベテランのプレイヤーが昔を懐かしんだり、ネニャフル学園の実装後にテイルズを始めたような人が、旧エピソードのストーリーに触れてみるのも良いだろう。
なお、今回のアップデートでは、エピソード1の一部が記憶の図書館に対応される。そして今後のアップデートでエピソード1の残り分と、エピソード2の対応が予定されている。
イベント「アナベル・デル・カリル最後の聖戦」
続いて紹介するのは、日本運営チームからの要望で実現したイベント「アナベル・デル・カリル最後の聖戦」だ。
運営チームに聞くところによると、現在は「ベンヤ」(2014年3月に実装)の人気がとても高いそうで、このことに対し「アナベル(アナイス)がライバル意識を剥き出しにしているのでは?」と想像しているそうだ。そこから想像を膨らませていき、アナベルがベンヤに「カリル家大邸宅」の招待状を送り付け、2人は遂に直接対決を迎える……、といった経緯でイベントが始まる。
一見手強そうに思えるが、実はこのイベント、全レベル帯のキャラクターが挑戦できる。そういったこともあり、2人の聖戦(ドタバタ劇?)をたっぷり満喫できそうだ。ちなみに報酬に関しては、カリル家に関連した新規アイテムが用意されているようだ。
キャラクター間のバランス調整など
現在のテイルズには計15名のプレイアブルキャラクターが登場しているが、新たに登場するキャラクターの能力が高く設定される一方、旧キャラクターは長らく物足りなさがあった。2014年5月のアップデートで、既存4キャラクターのスキルや能力が見直されているが、今回は同様に「ティチエル」「ミラ」「ルシアン」「ボリス」に対して、バランス調整が行われる。
そのほか2014年の7月下旬のアップデートでは、クエストのナビゲーションシステムが整備されたり、チャプターを最後まで進めるとちょっとしたご褒美グラフィックスが閲覧できたり、高レベル向けダンジョン「シオカンヘイム」の入場部分が緩和されるなど、細かなバランス・システム調整も行われる予定だ。
2014年8月下旬に実装予定のアップデート内容
ここから先は、2014年8月下旬に実装を予定している大型アップデート「オルランヌ~eternal sonata~」について紹介していこう。
広域マップ「オルランヌ」
高レベル向けの新地域「オルランヌ」が新たに追加。この地域は魔法に通じており、一般市民でも簡単な魔法なら難なく扱えるそうだ。また従来のキャラクターの中だと、「イスピン」がオルランヌ出身ということが明らかになっている。
今回のアップデートでは、オルランヌに関して3つのエリア+1つのダンジョンが実装されるので、順番に見ていこう。
「首都オルリー」(拠点エリア)
オルランヌにおける首都の役割を担う、中世ヨーロッパ風のエリア。魔法が特に発達しており、ここにある大学には遠方から多くの留学生が訪れるそうだ。
「精霊師の村」(拠点エリア)
この村には精霊が隠れ棲むと伝えられている。ただしオルランヌにおいて精霊の存在は「悪」とされており、これがさまざまな面に影響を及ぼすことに。また、エリアの左上には「精霊の神殿」(詳しくは後述)への入口もある。
「歪みの丘」(フィールドエリア)
高レベル向けのフィールドエリア。難易度に関しては、レベル265以上のキャラクターがソロプレイで冒険するのに丁度良いくらいだそうだ。
「精霊の神殿」(ダンジョン)
精霊師の村から入場できるダンジョン。内部は7本のルートに分かれていて、それぞれ「火、水、風、地、稲妻、光、闇」の属性に対応している。各ルートではそれぞれの属性に対応したモンスターが待ち受けており、自分の属性に応じて攻略しやすいルートを選べたりするそうだ。難易度に関しては「265レベル以上のキャラクターがソロプレイで攻略できる位」とのこと。
マルチシナリオ形式の「チャプター3 外伝」
オルランヌを舞台にした新たなストーリーの「チャプター3 外伝」が導入。このストーリーは、テイルズで初となる「マルチエンディング形式」となっている。
シナリオは、人間の男性と精霊族の女性の2人を中心に進行する。人間の男性は、魔法関連の事件を専門に捜査する、オルリーの監察官。以前は精霊に対して否定的なスタンスだったのだが、精霊族の少女と接することで考えを改め、やがて2人は恋に落ちる。しかしオルリーの住民からすると、人間と精霊の恋愛なんてもってのほか。大きな障害としてのしかかってくるが、それに対して2人が選んだ行動とは……、といった感じの内容だ。
今回のチャプター外伝3では、プレイヤーの選択に応じて2人の恋がハッピーエンドやバッドエンドなど、さまざまな展開を迎えることになる。1回のプレイは(シナリオによって異なるものの)30分~1時間少々で楽しめるそうだ。一つの物語を違った角度から見ることで、より深くこの世界を楽しめるとのことなので、注目したい。
レベルキャップ開放&三次覚醒
プレイヤーキャラクターのレベルキャップが、従来の270から285へと引き上げられる。引き上げに伴い武器や防具などの装備品も登場するが、これらの大半がオルランヌにおける冒険で入手できるそうだ。
また、レベルキャップ開放とは別に「三次覚醒」も可能になる。覚醒を行うためのクエストは、オルリーの魔法大学にちなんでおり、クリア条件は相当難しいとのこと。見事に三次覚醒を達成すると、続いて紹介する「SHOW ARMOR」用の衣装アイテムが入手できる予定だ。
「SHOW ARMOR」部位が追加
プレイヤーキャラクターの装備スロットとして「SHOW ARMOR」が追加。この部位の装備を行うと、キャラクター性能は変わらずに、見た目だけが変わる。他のオンラインRPGでいうところの「アバターアイテム」が展開できるようになるわけだ。
テイルズのグラフィックスは、ドット絵による独特の温かみを感じさせるが、これは開発する側にとってかなり大変なのだそうだ。仮に1つの「SHOW ARMOR」用装備を開発する際も、実際には15人分のグラフィックスを描き起こす必要があるからだ。それだけに、三次覚醒の報酬として得られるアバターアイテムは、今回のアップデート全体を通じても特に心を込めて開発したとのことなので、ぜひ注目してみてほしい。
3種類のミッションが追加
オルランヌの各エリアを舞台にしたミッションが計3種類追加される。各ミッションの成績に応じて専用の通貨(コイン)を獲得し、それを集めて報酬と交換できる。報酬の目玉となるのは装備品で、これはハイエンド一歩手前くらいの性能があるそうだ。
「時空の狭間」(入口:首都オルリー)
既存フィールドで特別な探知機を使うことで、「時空の狭間」を通じてインスタンスへと移動できる。その中にはレベル265相当のモンスターが群れをなしており、これを退治するという内容だ。
「最後の祝祭」(入口:精霊師の森)
精霊師の森にて、精霊たちが人間に襲いかかるようになってしまった。村長が精霊たちをなだめる儀式を行っている間、プレイヤーは精霊からの攻撃を防ぐという、いわゆるディフェンス系のミッションだ。
「狂った戦場」(入口:歪みの丘)
モンスターと戦うミッションだが、プレイヤーキャラクターは直接参戦せず、精霊を使役して代わりに戦わせるという一風変わった内容。経過時間に応じてリソースを獲得し、それと引き換えに精霊を召喚することになる。
駆け足の紹介となったが、2014年夏には盛りだくさんのアップデートが行われることが分かって頂けただろう。テイルズは2014年の9月に国内の正式サービス10周年を迎えるが、今後さらにプレイヤーからの要望に応える形で、ゲームバランスを修正していくとのこと。7月23日には、これらの要望&改善箇所をまとめた特設サイト「みんなの意見で育っテイルズウィーバー!」を公開する予定だそうだ。
この特設サイトでは、今後のアップデート内容や、すでに実装済みの改善点ついても詳しく紹介される。現役のプレイヤーはもちろん、しばらくテイルズウィーバーから離れていたというプレイヤーも、一度公式サイトを通じてチェックしてみるとよいだろう。
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