エヌ・シー・ジャパンのMMORPG「タワー オブ アイオン」は、先日行われたワールド統合により、サーバー内のログイン人数が一気に増え、大規模PvPなどを好きなだけ楽しめるようになった。現在は多くのプレイヤー達が嬉しい悲鳴を上げていると思われるが、今回は彼等の中に混ざって寝不足の日々を送っている筆者が、現地リポートをお届けしたい。
サーバー統合により人口密度が一気に上昇
アイオンでは去る7月8日に、ワールド(サーバー)統合が行われた。これまであった5つのワールドの全プレイヤーが、新規に作られた2つのワールドに移住する形だ。同社は「新ワールド誕生&移住」と表現しているが、どちらかというと「サーバー統合」と説明する方が分かりやすいだろう。
サーバー統合の直後は一部エリアがパンクするなどの混乱が生じたが、約2週間が経過し(本稿の執筆時点)、ようやく落ち着いてきた。そこで今回は、この統合について振り返ってみたい。
統合前後におけるゲーム内の変化に関してだが、(当たり前だが)サーバー内のログイン人数が一気に増えている。首都エリアで見かける人の数や、パーティープレイ時のメンバー募集の行いやすさなど、実際のプレイヤーなら「随分と変わったなぁ」と体感できるレベルだろう。復帰プレイヤーとの再会を果たしたり、新たな強者と出会ったりと、慣れ親しんだゲームに新鮮な空気が盛り込まれた印象だ。
まぁそれだけなら、他のオンラインRPGで行われるサーバー統合と大きな違いは無いのだが、今回のアイオンは少々事情が違う。このMMORPGは、PvP関連を中心に、ある程度の人数が集まることで成立するコンテンツが多いのである。サーバー統合によりそのための環境がようやく整い、タイトルそのものの魅力が高まり、相乗効果となって盛り上がりを見せているのだ。
5サーバーに含まれるキャラクターが2サーバーに圧縮されると、単純計算ではサーバーあたりのログイン人数が2.5倍となるが、実際はそれよりも大幅に増えているだろう。
数百人規模のPvPが毎日繰り広げられる「要塞戦」
現在のアイオンの盛り上がりを最も分かりやすい形で示しているのが、天族と魔族の両勢力が各地にある“要塞”を奪い合う大規模PvPコンテンツの「要塞戦」だ。
開催地や時間などによって若干の温度差はあるものの、筆者が計測したところ、場合によっては1勢力あたり380~450人のプレイヤーが要塞戦に参加している(※2014年7月中旬現在)。つまり、ざっくりの計算で敵味方を合わせて最大800~900名弱が、局地戦を繰り広げているのだ。
未経験者にはイメージしにくい光景だと思うが、これほどの規模のPvPでは、一個人ではまったくといっていいほど歯が立たない。どんなに強いキャラクターだろうが、単独行動でもしようものなら、敵勢力に瞬殺というか文字通り“轢かれる”。ある程度の数でまとまって行動したいところだが、要塞戦は複数箇所で同時に開催されるため、機動力も求められるのだ。しかし刻一刻と移り変わる状況に応じてチャットで的確に意思疎通を行うのは難しく、特に味方種族全体に対し指示を出す指揮官役の苦労は並大抵ではない。
それだけに、皆がまとまった時の一体感、そして勝利したときの達成感は格別で、従来のパーティー向けコンテンツとは比べ物にならない。近年のオンラインRPGはソロプレイやチャンネル、インスタンスダンジョンなど、手軽に楽しめることを重視する傾向が強いが、そういったタイトルに慣れた人がアイオンの要塞戦(MMOならではのコンテンツ)を目の当たりにすると、ちょっとしたカルチャーショックを受けるかもしれない。
要塞戦は開催地に応じて開催スケジュールがそれぞれ決められている。現在最も盛り上がっているのは 毎日22:00~23:00に開催される6箇所で、該当エリアではチャットウィンドウが死亡ログで埋め尽くされる |
カタラム要塞戦
現在最も激しいPvPが繰り広げられるのが、カタラム地域に位置する「シルス要塞、バッセン要塞、プラデス要塞」の3箇所。カタラムには要塞とは別に多数の“基地”が点在しており、これを支配下に置くことでエリア内を素早く移動できる。要塞戦の最中はひっきりなしに各要塞間を行き来する必要があり、要所の基地を押さえているか、あるいは逆に奪われているかで機動力がまったく違ってくるのだ。そのため要塞戦が始まる前から、各地で激しい基地争奪戦が行われることになる。
アビス要塞戦
「ラ ミレン要塞、ドキサス要塞、クロタン要塞」の要塞戦は、飛行移動を前提としたエリアのアビスにて繰り広げられる。アビスのエリアが実装されたのは大分前だが、要塞戦の報酬として入場できるインスタンスダンジョンが最近のアップデートでリニューアルされ、再び盛り上がるようになった。翼を備えたディーヴァ(プレイヤーキャラクター)達が一斉に羽ばたく様は圧巻の一言。
「ティアマランタの目」
要塞戦は開催時間が決められているが、24時間フルタイムでPvPが行われるエリアもある。現在多くのプレイヤーが集まっているのは「ティアマランタの目」のエリアで、コアタイムの23:00~01:00前後は、ちょっと歩けば敵対勢力の赤ネームを発見でき、PvP好きにはたまらない環境となっている。
ちなみに本稿の執筆にあたり、アイオンの運営チームに取材を行ったところ、ティアマランタの目における入場回数のデータを提供してもらった。プレイヤーなら肌身で感じているかと思うが、対戦相手さえいるのならPvPに参加したいと思っている人は多いのである。
現在の盛り上がりを大型アップデート「Episode 4.7」へ繋げることに期待
本稿の執筆にあたりエヌ・シー・ジャパンに取材を行ってみたところ、今回のサーバー統合には大きな手応えを感じており、しかも盛況ぶりが他のプレイヤーへと口コミで伝わり、復帰プレイヤーが次第に増えているとのこと。これらの各状況を見る限り、サーバー統合は今のところ、まずますの成果を挙げていると言っても良いだろう。
ただ、逆の見方をすると、統合直前は大分厳しい状況であった。サーバーによっては要塞戦がほとんど開催されず、それがインスタンスダンジョンなどの募集にも影響を及ぼし、負のスパイラルに陥っていた。「アイオン自体は好きだけど人がいないから……」と、ゲームから離れてしまった人もいるかもしれないが、そういった人は是非、今のアイオンの様子を確かめてみてほしいと思う。
現役プレイヤーの知人がいれば直接話を聞くのがベストだが、それ以外にも例えば、復帰プレイヤー向けに無料プレイチケット(3日間)や最高クラスのPvP用防具一式などが貰える「Fly Again」キャンペーンが行われている。また、8月5日から始まる「神々のポイントミッション」を通じて、各インスタンスダンジョンの募集が一気に増えると思われるので、復帰プレイヤーはこれに乗じてまずは肩慣らしをするのがオススメだ。他にも幾つかキャンペーンが展開されているので、詳しくはアイオンの公式サイトを通じてチェックしてみよう。
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