DMMゲームズが8月26日より正式サービスを開始した「翠星のガルガンティア ONLINE FLEET」。その魅力を原作であるアニメ「翠星のガルガンティア」のファンである筆者のプレイフィールとともにお届けする。
「翠星のガルガンティア」とは?
「翠星のガルガンティア」は、海に覆われた地球を舞台に、宇宙から漂着した少年兵レドとさまざまな人々との交流を描いたアニメーション作品。人型機動兵器チェインバーに乗り、ヒディアーズとの戦いを続けてきたレドが、互いに協力しあって暮らす船団での生活を経て成長していく姿を、オリジナリティあふれる世界観で表現した。
2013年6月にTVアニメの放送は終了したものの、間もなくして新作OVAの制作が決定。2014年9月にはいよいよOVA前編がイベント上映されるなど、今なお盛り上がりを見せている。
そして、劇場公開を間近に控えた8月26日より正式サービスを開始したのが、オンライン船団都市育成シミュレーションゲーム「翠星のガルガンティア ONLINE FLEET」だ。
「A列車で行こう」シリーズや「ネオ・アトラス」シリーズなど、名作シミュレーションゲームを生み出してきたアートディンクが開発を手がけた本作は、アニメ「翠星のガルガンティア」をベースとした新たなストーリーが展開。その一方で、船団都市を育成していくシティービルドシミュレーションゲームとしての完成度の高さにも驚かされるものとなっている。
ここではシミュレーションゲームファンはもちろんのこと、アニメ「翠星のガルガンティア」のファンである筆者だからこそ感じた、本作の魅力をプレイフィールとしてお届けしよう。
プレイヤーが船団長となって船団の人々を導いていく
本作は、プレイヤーが一人の船団長となり、ガルガンティアの世界の特徴でもある船団を運営しながら、サルベージで船のコアやパーツを発見し、それを使って新たな船を建造、船団を少しずつ大きなものへと発展させていく都市育成型のシミュレーションゲームとなっている。
船団運営におけるサイクルは主に3つに大別される。ここではゲームの仕組みを知ってもらうべく、それぞれの要素について紹介しよう。
船の建造・強化
ゲーム開始時には船団の中心となる司令船はすでにあるものの、それだけでは船団内での生産活動、そして船団の住民を仕事に従事させることができない。そこでまず最初に行うのが、さまざま船の建造だ。
造りたい船を建造リストから選択する際には、もちろんお金や各種資材を消費することとなる。また、船を作るのに必要な核となる“コア”は探索航海やミッションで入手できるのだが、そちらについては後の項目で紹介する。
ちなみに、建造可能な船は下記の4種類に分類され、資材の生産、探索航海での漁やサルベージ、住居などそれぞれに役割が異なる。
- 生活:食糧の生産、住居の確保といった生活に関わる船。漁業船、農業船、住居船など。
- 技術:工業船、紡績船といった鋼材などの工業製品の生産などに関わる船。サルベージを行うサルベージ船もこれに当たる。
- 管理:司令船をはじめとした、船団都市の運営に関わる船。公共船、貯蔵船などが該当する。
- 戦闘:探索航海時に発生する海賊たちとの戦闘で中心となって戦う、護衛長船などの船。
また、船を建造する際には必ずいずれかの船と隣接していること、そして船ごとに設定されたコストが上限を超えてないことが条件として設定されている。コストが超過した場合でも配置済みの船を倉庫に淹れることで新たに建造できるので、まずはドンドン船を増やしていこう。
さらに、各船は資材とレアメタル、そしてお金を使って強化することができる。各船の強化度合いはLVによって量れるのだが、全ての船は司令船のLVを超えることはできないため、まずは司令船を強化する必要がある。強化についてはコアは不要でコストも増加することはなく、各船の性能や効果がアップするため、余裕があればドンドン強化していきたいところだ。
大型の船も当然強化できるのだが、そのほかにも「パーツ」と呼ばれるコマンドが存在する。こちらはパーツを選んでセットするだけでその見た目が変化し、その船の性能がアップしたり、性能そのものが変化する。
セットするだけというお手軽さが特徴的ではあるのだが、一定時間で壊れてしまうといったデメリットもある。パーツも基本的には探索航海やミッションで入手できるため、手に入れた際には積極的に活用していこう。
資材の回収・住民の募集
資材を消費して船を強化していくということは、つまり何らかのかたちで資材を調達しなければいけないということ。というわけで、次に紹介したいのが資材の回収だ。ゲーム中では各船にさまざまなアイコンが表示され、それらをクリックすることで対応した資材を回収することができる。
時間を置いて回収する場合には画面上に数多くのアイコンが表示された状態となるが、画面右部の資材貯蔵量の下にある「回収」ボタンをクリックすると、一気に回収してくれる。ゲーム初期はアイコンごとでも十分対応できるが、ゲームを進めた後にはこちらを活用すると便利だろう。
ただし、ここで注意してほしいのが資材の貯蔵量。資材は船の強化具合で生産能力、ストック量が変化することもあり、生産を重ねることで貯蔵量の上限を超えてしまい、生産したものが破棄されてしまうケースも生じる。着実に資材をストックしておきたい場合には、貯蔵船のレベルにも気を使おう。
また、もうひとつ重要になってくるのが船団を円滑に運営していくための人材の確保だ。船団の人口は、食糧が十分にある状態で、司令船から募集することで増やすことができるのだが、その際に注意すべきなのが住民たちの「幸福度」だ。これは画面右側、顔のマークで表示されており、これが高いほど住民たちが今の船団に満足しているということになる。
幸福度が下がってしまうと当然船団を離れる人も出てくるなど、船団の拡大そのものにも影響を及ぼす。つねに住民の声を聞き、各船ごとの労働人口を確実に確保しつつ、船団都市育成を進めていこう。
探索航海やミッション
そして最後に紹介するのが、海底遺跡がある海域へ向かい、サルベージを行う「探索航海」だ。海域ごとに用意されたエリアに挑み、最後に待ち受けるボスを撃破することで次のエリアに移動することができるようになる。また、海域を探索する際にはエリアごとにAPを消費することとなる。
探索には、自身が設定したデッキとともに向かうことになるが、その際、ほかのプレイヤーの船団からリーダーとなるカードを探索に連れて行くことができる。なお、カードデッキの詳細については次の項目で紹介する。
さて、各エリアは侵入した当初、一面が雲で覆われているため、上下左右のいずれか移動できる方向に雲を晴らしながら進んでいく。その途中にはサルベージポイントや漁群があり、対応した船を持っていればアクションを起こして、アイテムや食糧を手に入れることができる。
また、海賊と遭遇した場合にはそのままバトルに突入。バトルはオートで行われ、どちらかのHPが0になると決着がつく。相手の船へのダメージは、戦闘デッキに配置したカードの性能と護衛船の性能をメインとし、そこに船団全体の規模や成長度による補正を足した総計の攻撃力で決まる。なお、バトルは小型の護衛船同士の激突と、大型の護衛船(護衛船団の旗艦となる船)同士の撃ち合いの2フェイズに分かれている。
ボスポイントに到達した際も、同様にバトルとなり、勝利することでその海域の探索が成功し、新たな海域が追加される。なお、バトルにおいて敵を撃退することが出来なかった場合は、探索航海で得た全てのアイテムを奪われてしまい、失敗となるので引き際も肝心だ。
そしてもうひとつ忘れてはいけないのが、多彩に用意されたミッションの数々。海域やエピソードのクリアなどゲーム進行にも関わるメインミッション、さまざまな資材を納入するサブミッション、そしてガルガンティアからの来訪者や船団員からの依頼を達成する特殊ミッションの3種類が用意されており、達成することでさまざまな報酬が手に入る。後述するガチャポイントやエピソードポイントもこちらから入手できるので、ミッションが出現した場合は忘れずに報酬を手に入れよう。
以上の3点を意識しながらゲームを進めていく様は、まさにプレイヤー自身が船団長となって船団を成長させていくゲームの醍醐味に溢れている。また船団が組み上がっていく中で、サーフカイトが飛んでいる姿やユンボロイドが作業している姿などを見ることができるのも、ファンには嬉しいポイントといえるだろう。
さまざまな局面で影響するカードデッキ構築
先ほど紹介した通り、本作ではカードを最大5枚使用してデッキを作り、海賊とのバトルに挑むこととなる。各カードに設定されたコストを、レベルに応じた総コスト内で収めたり、一定のレアリティ以上に用意されたリーダースキル、スキルを活用するといった基本部分は他のソーシャルカードゲームと変わりはないが、探索航海と組み合わさることで戦略性が深まっている。また、バトル時にはブラウザゲームトップクラスの3Dグラフィックが楽しめる点も触れておきたい。
そして、デッキにはもうひとつの側面がある。それは、船団都市育成で自動的に使用される五賢人デッキの存在だ。セットしているカードの性能に応じて、技術、生活、管理などの船団パラメータが上昇する。例えば、管理の値が高いと幸福度が上昇しやすいといった恩恵があり、その内容は司令船の「五賢人」アイコンよりチェックできる。
もちろん、アニメのさまざまなシーンや版権イラストを使用したカードにも注目。中でも高レアリティのカードにはボイスが設定されており、詳細画面からカード付属のボイスを再生することが可能だ。本作のために新録されたボイスもあるので、そちらもぜひチェックしてほしい。
作品の追体験だけでなくオリジナルキャラクターによるストーリーが展開!
そして本作のもう一つの魅力として紹介しておきたいのが、アニメ本編のエピソードや、ゲームオリジナルのエピソードなどアドベンチャーゲームの形式で進行するストーリーの数々だ。
まずアニメ本編のエピソードだが、アニメのワンシーンを切り抜いたフィルムコミックのような形式を採用しており、印象的なシーンではボイスが再生されるなど、本作を遊ぶことでアニメ本編の内容をひと通り網羅することができるボリュームとなっている。新作OVAに向けて復習したい人、ゲームそのものに興味を持っていちからガルガンティアの物語を楽しみたい人など、幅広いプレイヤーが楽しめる内容といえるだろう。
一方、ゲームオリジナルのエピソードについては、オリジナルキャラクターそれぞれに立ち絵を用意し、主人公であるプレイヤーの視点で展開するアドベンチャーゲームの形式となっている。
シナリオとゲームオリジナルキャラクターの設定はニトロプラス、キャラクターデザインはプロダクションI.Gが担当。そのほか、背景グラフィックやイベントスチルもプロダクションI.Gが制作することで作品の世界観にマッチしたものとなっている。
また、ゲームオリジナルキャラクターについてもパートボイスとなっており、赤羽根健治さん、江口拓也さん、松岡禎丞さん、佐藤拓也さん、豊口めぐみさん、折笠富美子さん、根谷美智子さん、瀬戸麻沙美さんといった声優を起用し、物語に華を添えている。
オリジナルエピソードで描かれるキャラクターたちは船団の中でそれぞれの役割を担っており、そこに主人公であるプレイヤーが介入することで単独のエピソードとしても十分に楽しめるのだが、さらにアニメのキャラクターたちが登場することで、彼らの新たな一面が垣間見えたりといったゲームならではの楽しさがあり、「翠星のガルガンティア」の世界をさらに広げてくれることだろう。
「翠星のガルガンティア」の世界観をゲームに落とし込んだ意欲作
実際にひと通り遊んでみた感覚として、エピソードの充実や船団都市育成の仕組み、細部のこだわりに至るまで、アニメの世界観を壊さずにここまでのオンラインゲームに仕上がっていたことにまず驚いた。新作OVAのイベント上映に合わせて、自宅のBlu-ray Boxを観直したばかりの筆者が言うのだから、間違いない!…はずだ。
一方、都市育成シミュレーションゲームとしての完成度についても十分に満足できるできるものとなっている。シミュレーションゲームは好きだけれど最近離れているというプレイヤーにこそ、ちょうどいいバランスで遊べるゲームであるとここでプッシュしておきたい。
現在、正式サービス開始記念として「3大スタートダッシュ応援キャンペーン」が9月25日まで実施中。今から始めてもまだまだ間に合うので、この機会にぜひ遊んでみよう!
Published by(C)DMMゲームズ (C)オケアノス/「翠星のガルガンティア」製作委員会