GMOゲームポットが9月2日より正式サービスを行っている「ミラーウォー」。今回のインタビューでは、あらためてゲームの魅力を紹介すると共に、正式サービス開始から1か月が経過した手応えや、本日10月15日に実施されるアップデートなどについて話を伺った。RPG好き、シューティングゲーム好き、そして一風変わったオンラインゲームが好きな人は要チェックだ。
「ミラーウォー」=「RPG+シューティングゲーム」
――本日はよろしくおねがいします。まずは簡単に自己紹介をお願いします。
「ミラーウォー」運営スタッフ GMラキちゃん:「ミラーウォー」運営スタッフの、GMラキちゃんです。公式twitter等でお客様の前に出ている「公式の中の人」とは別人ですが、ミラーウォーのマスコットがこの「精霊ラキ」のため、このような身なりです(笑)。
――それで今回はお面を持っているんですね(笑)。「ミラーウォー」はとても珍しいゲームなので、今回のインタビュー記事で初めて知る人向けに、あらためてゲームの紹介をして頂けますか。
ラキちゃん氏:「ミラーウォー」は、RPGとシューティングゲームを融合させたオンラインゲームです。この両方を同時に楽しめるゲームは他になく、誰もが新鮮に遊べるのが最大の魅力です。もちろん、RPGが好きな人とシューティングが好きな人、どちらでも楽しむことができますよ。
――その2つのカップリングは普通に考えて中々ありえないと思いますが、実際にどういった感じでゲームが進んでいくのでしょうか。
ラキちゃん氏:ゲーム内では「街」と「ステージ」に大きく分けられます。街にいる最中は、3DグラフィックスのオンラインRPGのような画面で、クエストを受けたり準備を整えます。そして、街の出口から冒険に出かけるとステージへ移動するのですが、この部分が丸ごとシューティングゲームとなります。
シューティングゲームのステージをクリアすると再び街に戻り、街でクエストの報告などを行い、こうやってRPG→シューティングゲーム→RPGを交互に繰り返していくわけです。
――両者が当たり前のように切り替わるので、初めてプレイした時はびっくりしました(笑)。ちなみにシューティングゲームの難易度は、どれくらいなのでしょうか。
ラキちゃん氏:基本的には、シューティングゲーム未経験の方でも楽しめるバランスに仕上げています。お客様の中には、“シューティングゲーム=難しそう”というイメージを持たれている方もいるかもしれませんが、そうじゃないんだよ、というのは特に気をつけている部分です。
たとえばマイキャラはライフ制で、敵の弾に3~4回当たったくらいではやられたりしません。また“ジャンプ”で敵の弾を避けることもでき、これは何度でも行えます。序盤のステージなら、ピョンピョン飛び跳ねながら連射ボタンを押し続けているだけでクリアできる位簡単ですよ。
――シューティングゲームでジャンプというのは意外ですが、「ミラーウォー」の場合は街にいる間は普通にジャンプしていますしね。
ラキちゃん氏:あとは、RPGということでキャラクターの成長要素が盛り込まれているのも大きな特徴です。たとえステージで壁にぶつかっても、レベルを上げたり装備を集めたりすることでも、攻略の糸口が見えてくるわけですね。ゲーム内に登場する12種類のクラスや、習得スキルなどを見ても、オンラインRPGそのものですよ。
――初心者向けのケアは万全のようですが、コアなシューティングゲーム好きは、どういった風に楽しめますか。
ラキちゃん氏:「ミラーウォー」では同じステージでも複数の難易度を選ぶことができるのですが、最も難しい“HELL難易度”は相当キツいです。そのほかにも、ステージクリア型の弾幕シューティングゲームとして楽しめる「バラージフィールド」や、パーティープレイで強大なボスに立ち向かう「レイドステージ」といったコア向けのコンテンツも用意しています。もちろん、ネット上のツワモノ達とハイスコアを競うこともできます。
若い世代のゲーマーに“シューティングゲーム”の面白さを
――GMOゲームポットは、どういった経緯で「ミラーウォー」の日本運営を行うことになったのでしょうか。
ラキちゃん氏:弊社の強みは、さまざまなジャンルのオンラインゲームを展開していることです。クライアント型のオンラインゲームだけを見ても「スカッとゴルフ パンヤ」「トキメキファンタジーラテール」「ファンタジーアース ゼロ」「ペーパーマン」「ウィザードリィオンライン」「コアマスターズ」といった風に、総て違うゲームジャンルです。弊社の社員も同様、基本的に新しいことが大好きなんですよ。
――昔から、新しいことや変わったことが好きな会社ですよね。
ラキちゃん氏:そんな弊社なので、この「ミラーウォー」を見たら俄然気になるわけです。しかも、よくよく見ると開発会社は定評のあるL&K Logic Koreaさんで、物珍しいだけじゃなくてプログラムもしっかりしている。「このゲームはウチに向いてるんじゃないか? ……いや、ウチがやるしかない!」といった感じで、一気に盛り上がっていきました。
――とはいえ、他社が現在運営していないゲームジャンルという点で、不安などはありませんでしたか?
ラキちゃん氏:確かに珍しいゲームではありますが、クオリティに対しての不安はありませんでした。ただ、未経験の方に向けて「結局どういったゲームなの?」というのを分かりやすく伝えることは、想像以上に大変ですね。
――それは、RPG+シューティングゲームの融合という意味でしょうか?
ラキちゃん氏:どちらかというと“シューティングゲームそのもの”に対してです。というのも、お客様の世代によって、シューティングゲームに対する認知度が全然違うんですよ。たとえば我々の世代だと、シューティングゲーム全盛期を体験していますし、ごく当たり前のように接しているじゃないですか。
――お小遣いを握りしめてデパートの屋上にあるゲームセンターに行って、「グラディウス」や「ファンタジーゾーン」などを遊び込みんだクチですね。
ラキちゃん氏:そうそう(笑)。そういった年季の入ったゲーマーの方にとっては、懐かしさも相まって興味を引いて頂けていると思います。ただ、そこから少し世代が若くなると、シューティングゲームと聞いた時点でハードルの高さや、敬遠される方が少なからずいます。まあでも、ここまでは予想できていたので、先程説明したジャンプなどのように簡単に遊べるシステムを盛り込んでいます。
――他のゲームジャンルにいえることですが、熱心なプレイヤー向けに歯ごたえを重視した結果、ハードルが高くなりすぎて初心者お断りになりがちですよね。
ラキちゃん氏:ええ。そしてもっと世代が若いお客様になると、実は、シューティングゲームというジャンルそのものを全く知らない人も珍しくないんです。「弾を撃って敵をやっつけるゲームなんだよ」と説明しても、「それってFPSですか?」と返されたり。確かに言われてみると、近年は誰もが知るシューティングゲームの代表作がパッと思い浮かびにくいんですよね。
――えっ、そうなんですか!?流石にショックを受けますね……。
ラキちゃん氏:そういった方に、シューティングゲームの面白さをイチから伝えていくのは、想像していた以上に手こずっています。でも見方を変えると、あの面白さに触れていない、潜在的なプレイヤーも沢山いるわけです。シューティングゲームの面白さを、若い世代のゲーマーでも分かりやすい形で提供できれば、きっとウケるだろうという感触はあります。
開発会社との共同作業を行うことで徹底的なカルチャライズを実現
――「ミラーウォー」の日本版を展開するにあたり、仕様調整やカルチャライズなどは行っていますか?
ラキちゃん氏:先ほど申し上げた部分にも繋がりますが、ただでさえ変わったゲーム内容なので、これまで弊社が手がけてきたタイトル以上に“遊びやすさ”に拘っています。その結果、あまりに膨大な変更作業が生じてしまい、現在は日本市場向けの仕様変更(カルチャライズ)ではなく、韓国版を含めた「ミラーウォー」本編に手を加えてもらっています。つまり、弊社とL&K Logic Koreaが企画レベルからアイデアを出し合い、共に「ミラーウォー」を作り上げているんです。
――ローカライズやカルチャライズというより、“共同開発”に近い感じでしょうか。
ラキちゃん氏:そうですね。主な変更箇所だけを抜き出しても、マイキャラのフェイスパターン/髪型を追加、快適なゲームパッドでの操作、スタミナ制を廃止、チュートリアルやクエストの導線を充実、タクティカルスキル使用時のカットインを追加などなど、膨大な項目があります。現在ゲーム内に実装されているだけでも、100以上の仕様変更がありますよ。
――それは凄いですが、開発作業を行っているL&K Logic Koreaにとっても大変だったのでは。
ラキちゃん氏:「ミラーウォー」は、L&K Logic Korea CEOのナムさん(ナム・テクウォン氏)にとって、とても強い思い入れがあるタイトルです。これまで5年以上に渡って開発を続けており、ゲームをより良くするためのアイデアは真摯に、そして粘り強く対応してくれる開発会社という印象ですね。ナムさんは多芸かつ熱意のある方で、「ミラーウォー」の原作となった小説「鏡戦争」を執筆されていたり、本作に収録されているBGMでは、直接ベースを弾いてくれています。
――「ミラーウォー」のBGMって良いですよねぇ。先程、ゲームパッドへの対応の話が挙がりましたが、日本人のプレイヤーの割合ってどれ位なのでしょうか。
ラキちゃん氏:先日プレイヤー向けにアンケートを行ったところ、約3割の方がゲームパッドを使っているようです。興味深いのは、ゲームパッドを使っている人の方が、キーボードを使っている人に比べて、長くゲームを続けて下さる傾向が強いことです。きちんとカルチャライズを行うことの大切さをあらためて実感しましたね。
シューティングゲームでありながらタンク/アタッカーなどの役割分担を実現
――それでは続いて、もう1本の柱であるRPG部分について伺っていきます。未経験者からすると、RPGの要素がどのようにシューティングゲームに盛り込まれているか、なかなかイメージしにくそうです。
ラキちゃん氏:簡単に言うと、ファンタジー系のRPGにおける“クラス”の数々が、シューティングゲーム向けにアレンジされています。例えば、「アーチャー」「ウィッチ」などといった遠距離アタッカー系のクラスは、比較的イメージしやすいでしょう。「ミラーウォー」ではそれ以外にも、「ファイター」「ウォーリア」などのタンク系や、「ホーリースピリチュアリスト」「ダークプリースト」などの補助系のクラスも用意されているんです。
――たとえば“タンク系”のクラスは、シューティングゲーム上でどういったプレイフィールになるのでしょうか。
ラキちゃん氏:ファイターは主に、剣を振るうことで波動のようなモノを飛ばして攻撃します。これは射程距離が中程度とやや短いので、敵にある程度接近して戦う必要があります。その点では不利なのですが、その代わり、ファイターの攻撃は敵の弾を打ち消すことができるんです。たとえばパーティープレイでは、ファイターが前線で敵の弾幕をカットして、その後方からアーチャーが大ダメージを叩き込んだりできるわけです。
――オンラインRPGにおける、タンクとアタッカーの関係そのままですね(笑)。
ラキちゃん氏:補助系のクラスは、敵味方にさまざまな状態異常/支援系のアクティブスキルを繰り出して戦っていきます。たとえば「ダークプリースト」は、“フェッチ”というスキルでトリモチのような縄を敵にひっつけて継続ダメージを与えたり、仲間がMPを回復できるボールを周りにバラ巻いたりできます。
――現在プレイヤー達の間では、どのクラスが人気なのでしょうか。
ラキちゃん氏:アーチャーが15.6%とダントツの1位で、そこからウィッチ、コンジュラーと続く形です。やはりシューティングゲームということで、遠距離アタッカー系のクラスがイメージしやすいのでしょう。逆に、ぱっと見の第一印象で伝わりにくいクラスもあるので、ここは今後の課題の一つですね。
――クラスチェンジも用意されていますし、初期クラスの数が12というのは結構多いですよね。
ラキちゃん氏:元々違ったゲームジャンル同士を結びつけている点も含め、クラス数の多さがお客様を混乱させている部分もあります。内部からは「クラスの数を絞った方がいいのでは?」という声も挙がっていたのですが、開発作業を進めていくにつれ、シューティングゲーム+RPGの融合で面白いアイデアが次から次へと出てきてしまって……。クラスのバリエーションを広げることはできましたが、その一方でバランス調整には苦心しています。
――その辺りはオンラインRPGでは避けては通れない問題ですが、異なるゲームジャンルを融合させた「ミラーウォー」では、尚更大変そうに見えます。
ラキちゃん氏:現在、いわゆる不遇職のようなクラスを出してしまっており、お客様に対しては申し訳なく思っています。たとえば支援に特化したクラスの「ホーリースピリチュアリスト」は火力が乏しくて、アーチャーなどのアタッカー職と比べると派手さが少ないです。そういったクラスでも、お客様が愛を持って接して下さっているのを見ると、我々ももっと頑張らねばと身が引き締まる思いがします。
――アーチャーのような分かりやすいクラスに人が集まるのは仕方ないとして、そのほかのクラスを選ぶ際のアドバイスなどはありますか?
ラキちゃん氏:「ミラーウォー」はストーリーも凝っていて、3つある勢力の“リベレーションチーム/ブラックソーサリー/イーヴルフォース”では、それぞれ違った展開を迎えます。その点を踏まえたうえで、大きく異なるプレイフィールの“タンク系/アタッカー系/支援系”で、それぞれ1キャラクターを作って頂けると、本作らしさを存分に楽しめると思います。ちなみに、1プレイヤーあたりが作成するキャラクターの平均数は約3.2なのですが、各陣営のストーリーを楽しまれているお客様が多いですね。
――RPG+シューティングゲームの融合に注目してしまいがちですが、カットシーンで説明されるストーリーは、思いのほかボリュームがありますよね。
ラキちゃん氏:「ミラーウォー」のストーリーは小説「鏡戦争」がベースになっていて、その中の“神聖復活編”が展開されます。韓国版の公式サイトでは随時公開されているのですが、もし日本のお客様からの反響が高ければ、翻訳する可能性もあるので、もし興味を持たれた方はご意見をお聞かせ下さい。
“今冬”にレベルキャップを30→40に引き上げ予定
――10月15日にアップデートが行われるとのことですが、どういった内容なのでしょうか。
ラキちゃん氏:先程紹介した「バラージフィールド」と、「ボスパレード」の両コンテンツに関して、新しいステージがそれぞれ3つ追加されます。
――それぞれの見どころはどの辺りにありますか。
ラキちゃん氏:バラージフィールドは、いわゆる“弾幕系のシューティングゲーム”として楽しめるコンテンツです。街から歩いて外に出る通常のステージと異なり、ミニマップの隣にあるボタンを押すだけで、手軽に挑戦することが可能です。スクリーンショットを見てのとおり、絵に描いたような弾幕が展開されるので、シューティングゲームのファンはぜひ触れてみてください。
――ボスパレードに関してはどうでしょうか。
ラキちゃん氏:通常のステージはベルトスクロール形式で雑魚敵を倒しつつ、最後にボスと戦うといった展開になりますが、ボスパレードは、ボスとの戦に注力したコンテンツになっています。バラージフィールドと比べると、これまで無かった多彩なギミックも登場しており、しかも今回はかなり歯ごたえのある内容です。
――なるほど。今後の大まかなアップデートの方向性について、話せる範囲でお聞かせ下さい。
ラキちゃん氏:先程申し上げたバラージフィールドやボスパレードなどの各コンテンツに関しては、これからも随時追加していきます。そのほか、現在開発している中でも最も大きなアップデートとしては、マイキャラのレベルキャップを、現在の30から40へと引き上げます。引き上げに伴い膨大な数のステージが追加され、具体的には現在ある400から、その倍の800になる予定です。
――各難易度の合計ではなく、ステージそのものが400種類追加されるという事ですか?
ラキちゃん氏:そうです。3つの勢力は活動地域が異なるので、1勢力あたり約130種類ステージといったところでしょうか。現在、“今冬”の実装を目標に鋭意作業中です。
――縦方向のアップデートが結構速いように見受けられます。「ミラーウォ」ーはレベルが上がりやすいゲームですし、コンテンツの消費速度という面で不安はありませんか?
ラキちゃん氏:新キャラクターを作成しても、3日くらい頑張ればレベルキャップに到達しますからね。運営会社として不安が無いといったら嘘になりますが、でもそれらの不安って、“オンラインRPG”の観点で見た場合の話なんです。逆に言うと、“シューティングゲーム”で1回クリアしたらからといって、すぐに辞める人ってあまり居ないじゃないですか。ゲームプレイそのものを楽しんで頂くことが何より大切で、そのためにはRPGとしての育成の楽しさを前面に出していくスタンスですね。
――なるほど。そのほかゲームとしての遊び方の幅を広げる方向のアップデートはどうでしょうか。例えばオンラインRPG風のロビーエリアは、色々と可能性がありそうな気がします。
ラキちゃん氏:同感ですね。現在は、ゲームプレイの大半をステージ(シューティングゲーム)で過ごす方が多いのですが、もう一方の街がそれほど使われておらず、ここは是非改善させたいです。個人的には、あそこでのんびりと“釣り”を楽しんでみたいんですけど(笑)。
――そのほか、「こんな遊び方ができたらいいな」的なアイデアってありますか?
ラキちゃん氏:これは開発会社と協議を進めている段階なのですが、“弾幕”って丸とか三角とか渦巻き状とか、いろいろな軌跡を描くじゃないですか。あれをプレイヤーが自分自身がデザインして、それをアクティブスキルに登録して繰り出せたら面白そうだなと思っています。コンテストとか開いたらきっと盛り上がるでしょう。
――花火職人みたいで楽しげですね(笑)。それでは最後になりますが、今後のサービスに向けての意気込みをお願いします。
ラキちゃん氏:オンラインRPGのゲームジャンルは、これまで膨大な数のタイトルが登場しています。しかし新しいオンラインRPGが登場すると、グラフィックスなどは進化し続けているものの、ゲームプレイそのものに関しては、定番タイプにまとまっている印象を受けます。そういった中、本作「ミラーウォー」では、シューティングゲームの要素を盛り込むことで、お手軽に新体験が味わえるゲームに仕上がっています。シューティングゲームを知らない人でも楽しめるように配慮しているので、この機会にぜひ一度遊んでみて下さい!
――本日はありがとうございました。
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