NHN PlayArtは11月2日、オンラインRPG「ドラゴンネスト」のオフラインイベント「Dragon Nest World Championship 2014 日本代表決定戦」を、東京都内のTFTホール300にて開催した。
「Dragon Nest World Championship 2014」(以下、DWC 2014)は、「ドラゴンネスト」の運営が行われている8つの国・地域から参加チームを募って繰り広げられるPvPの世界大会である。日本では2014年10月にオンライン上で予選を行っており、そこで上位成績を収めた3チーム・合計12名のトッププレイヤーがTFTホール300に集結し、日本代表の座を勝ち取るべくしのぎを削った。
会場では試合以外にも、「ドラゴンネスト」で今後導入を予定しているアップデートについて紹介されたほか、ご当地アイドル・ご当地ヒーローによるアトラクション、さらには山形ユキオさんによるミニライブが披露。12月にインドネシア・バリ島にて開催予定のDWC 2014世界大会に向けて、大きく弾みを付けるイベントとなった。
オンラインRPGでありながら公平なPvP環境が整えられている「ドラゴンネスト」
今回のDWC 2014に参加する各選手は、大会専用の“DWCモード”でキャラクターを作成して戦う。ここで作成したキャラクターは、全員がレベル60の3次職で、装備品やスキルポイントなどの環境は統一されている。オンラインRPGとしての成長要素が介入すると、e-sportsとして不公平さが生じてしまうため、これを排除するためにわざわざDWCモードが開発・実装されているわけだ。
そのほかにも、「ドラゴンネスト」の各クラスのスキルは、通常用とは別にPvP専用の性能がそれぞれ設定されており、また比較的新しい実装キャラクターの“アサシン、レンシア”に関しては、まだ未実装の参加国があるため、DWC 2014では使用不可となっている。オンラインRPGでありながら、公平にPvPを行うための配慮がなされているのが、DWC 2014の特徴といえるだろう。
あらかじめ行われたオンライン予選では、チーム戦と個人戦の2部門でトーナメント戦が行われている。チーム戦のトーナメントで優勝・準優勝を飾った「バル大部屋民」「絶対バリ島行くマン」と、個人戦のトーナメントで上位成績を収めた4名による混合編成の「ALL Japan」の、計3チームが今回の日本代表決定戦に出場した。
日本代表決定戦では、まずは「勝ち抜き戦(個人戦)」と「ラウンド戦(個人戦)」の両モードで、3チームが総当たり戦を行う。各試合のポイントを算出したうえで上位2チームが勝ち進み、続いてのクライマックスマッチで直接対決を迎えるという流れだ。
ざっくりとした下馬評としては、勝ち抜き戦に関しては、個人戦トーナメント出身の「ALL Japan」が比較的有利で、一方のラウンド戦に関しては、「バル大部屋民」「絶対バリ島行くマン」が有利で、「ALL Japan」はチームメンバー同士がほぼ初顔合わせとなるため、連携面でやや不利かも、という見方であった。
それでは総当り戦の試合展開を見ていこう。第一試合の「ALL Japan」対「絶対バリ島行くマン」では、1対1には自信があると思われた「ALL Japan」が、緊張していて実力を出しきれなかったのか、個人戦でまさかの敗北(2-4のスコア)。続いてのラウンド戦も、「絶対バリ島行くマン」が勝利を収めた。続く第二試合「バル大部屋民」対「ALL Japan」は、勝ち抜き戦では「ALL Japan」のウィンドウォーカーが2人抜きを決め、4-2で勝利。ラウンド戦は「バル大部屋民」が勝利という結果に。
そして第三試合の「絶対バリ島行くマン」対「バル大部屋民」は、勝ち抜き戦では「絶対バリ島行くマン」が、ラウンド戦は「バル大部屋民」がそれぞれ勝利。3試合の各試合を集計した結果、「絶対バリ島行くマン」と「バル大部屋民」がクライマックスマッチへと駒を進めた。
バリ島への切符を手中にしたチームは?
クライマックスマッチでは、両チームが「ラウンド戦」「勝ち抜き戦」「ラウンド戦」の順に対戦し、先に2勝を収めた方が優勝というルールだ。いざ1回目のラウンド戦が始まると、橋の上などの狭い場所で双方がぶつかりあう形が多く、この場合は広々と動き回ることができないため、範囲攻撃が猛威を振るう展開となっていた。その結果、「バル大部屋民」が3-1のスコアで勝利をもぎとった。
続いての勝ち抜き戦では、「絶対バリ島行くマン」のスマッシャーが立て続けに2人を倒し、更に3人目のHPを3割近くまで減らすことに成功。勝ち抜き戦の勝者は、HPを持ち越しで次の対戦へ挑むため連勝することは困難で、彼は当日のMVPといっても良いかもしれない。これが功を奏したのか、「絶対バリ島行くマン」が4-1のスコアで勝ち抜き戦を勝利。そして勢いに乗った「絶対バリ島行くマン」は、最終戦のラウンド戦では3-0のストレートで勝利! DWC 2014 日本代表決定戦を制し、インドネシア・バリ島への切符を見事手中にした。
今後のアップデート計画についてざっくりと紹介
当日の会場では、新たに「ドラゴンネスト」の運営統括マネージャーに就任した山本 喜代志氏と、運営チームのYAMAMOTO氏により、今後のアップデートの大まかな内容・方向性が紹介された。
2014年11月に導入予定のアップデート
レベル80用「ボルケーノコアネスト」および「海賊王のトレジャーハント Season4」の実装と、「リッパー」に関するスキルバランスの調整が行われる。詳細は近日中に公式サイトを通じて発表予定だ。
2014年12月に導入予定のアップデート
「闘技場」に新しいPvPモードが導入される。これは単純なPvPだけでなく、PvE要素も盛り込むことで、従来のPvP好きだけでなく幅広い層が楽しめる内容に仕上がっているそうだ。報酬システムも考えられているとのことで、PvPの未経験者も注目しよう。
クラス間のスキルバランス調整も行われ、山本氏によるクラス名のヒントは「BB」。また、運営チームが以前から約束していた、アカウント倉庫やアイテム関連のアップデートや、そのほかにも幾つかのアップデートを検討しているそうだ。
2015年における運営チームの方向性
「ドラゴンネスト」運営チームは2015年に、ギルドを中心としたコミュニティ面を強化していく構えだ。現状では、ギルドやフレンド同士がコミュニケーションを楽しむうえで、具体的なメリットがやや乏しい。この面を強化したうえで、従来のコアプレイヤーのみならず、多くの人にコミュニティに参加することの楽しさを伝えていきたいと山本氏は語っていた。
具体的なアップデート計画に関してだが、まずは恒例となっている“新しいネストダンジョン”の早期実装。続いてのレベルキャップの引き上げは、新規やライトプレイヤー層が置いてけぼりにならないように、ギルドコミュニティとのシナジーを含め検討しているそうだ。それともう一つ、ユーザーインタフェースが分かりにくかったり、フォントが見づらかったりなど、細かな部分での利便性を改善していくとのこと。
今回の発表はかなり大まかな内容だったので、この点を運営スタッフに尋ねてみた。「ドラゴンネスト」は日本以外にも多くの国・地域でサービスを行っており、あまり先の計画を前倒しで発表してしまうと、国外のプレイヤーに情報が飛び火してしまうなど、色々と大変なのだそうだ。見方を変えると、今回発表した以外にも、さまざまなコンテンツが水面下で開発中で、具体的な導入計画の目処が立ち次第、随時発表を行うそうだ。今後も変わらないペースで精力的にアップデートを続けていくそうなので、プレイヤーは情報公開を心待ちにしよう。
そのほか会場には、DWCのSpecialサポーターを務める、福岡県のご当地アイドル「LinQ」のメンバーと、宮城県のご当地ヒーロー「未知ノ国守(ミチノクニノカミ)ダッチャー」さんが登場。「ドラゴンネスト」のミニゲームで対決した結果を、来場客が予想するというアトラクションが行われた。また、歌手・俳優として活躍する山形ユキオさんが、今回のDWC 2014のために作曲した公式応援ソング「ギガンティック ドラゴンバトル」を熱唱。野性味溢れるシャウトで観客を魅了した。
このように「Dragon Nest World Championship 2014 日本代表決定戦」は、さまざまなイベントで盛り上がった。日本代表を勝ち取った「絶対バリ島行くマン」は、2014年12月にインドネシアのバリ島にて開催される、DWC 2014本戦へと出場する。現地での模様は、同社のハンゲ太郎氏らがニコニコ生放送を通じて楽しく紹介してくれるとのことなので、こちらも楽しみにしたい。
優勝チームへのインタビュー
最後に、DWC 2014日本代表チーム「絶対バリ島行くマン」の選手に対するミニインタビューの模様を紹介しよう。
――DWC 2014の日本代表決定、おめでとうございます。感想はいかがですか。
絶対バリ島行くマン:嬉しいの一言です。これまで4年間「ドラゴンネスト」を遊んできて、最近は大会に向けて練習を積み重ねてきましたが、その努力が実ったと思います。
――クライマックスマッチでは、個人戦の2人抜きからの勢いが凄かったですね。
絶対バリ島行くマン:これまでの大会では試合毎に作戦を変えていたのですが、メンバーが緊張してしまい、なかなか徹底しきれていませんでした。クライマックスマッチでは最後なので悔いが残らないように、作戦の徹底をあらためて強く意識したところ、上手く決まって、ここから勢いに乗れた感じがします。
――緊張という意味では、来月に行われるDWC 2014本戦では世界の強豪チームを相手にするわけで、もっと大変そうです。
絶対バリ島行くマン:個人的には、試合が始まったら周りが見えなくなるくらい集中できていました。ただ、海外渡航が初めてのメンバーがいるなど、むしろ試合が始まる前に緊張しそうなので、この辺りのケアが課題になりそうです。使い慣れたデバイスを持参したり、インドネシアでは生水が飲めなかったりするので、体調管理などにも気をつけたいです。
――4人は普段から「ドラゴンネスト」で一緒に遊んでいるのですか?
絶対バリ島行くマン:4人の内3人は、昔から一緒に遊んでいます。ここ2か月間は、DWC 2014に向けてPvPを集中的にプレイしていたのですが、その際に闘技場で一緒に対戦しているメンバーと意気投合して、この4人編成になりました。
――「ドラゴンネスト」のPvPに関して、どの部分が最も面白いですか?
絶対バリ島行くマン:元々アクション性が高く、奥深いオンラインRPGですが、PvPではそれらに加えて駆け引きや読み合いの要素がたっぷりとある所が好きですね。
――世界大会に向けての練習はどのように行いますか?
絶対バリ島行くマン:これまで通り各々が腕を磨くのはもちろんですが、これから各国の出場チームの動画などが公開されると思いますので、それを見るなどして情報収集したいと思っています。
――チーム名と選手名がユニークですが、念願叶った今、名前は変更しますか?
絶対バリ島行くマン:他に良いアイデアが思い浮かばなくてこの名前にしたのですが、意外と周りからのウケ良かったので結果オーライでした。でもさすがに、このチーム名では世界のプレイヤーに向けて伝わらないですよね(笑)。名前を世界バージョンに対応させるか、あるいは今まで隠してきたメインキャラクターの名前にするか、これから考えてみます。
――最後に、世界大会に向けての意気込みをお願いします。
絶対バリ島行くマン:今までゲーム内では練習を行ってきましたが、色々な人に付き合ってもらったお陰で、今日こうやって優勝を手に出来たのだと思います。もし良かったら、これからDWC 2014本編に向けて、これまで通り練習につきあってくれたら嬉しいです。
――本日はありがとうございました。
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