カプコンは11月16日、東京・渋谷ヒカリエにて「モンスターハンター フロンティアG」のオフラインイベント「誕生7周年 MHF-G感謝祭2014」を開催した。
「モンスターハンター フロンティアG」は、PC/PS3/PS Vita/Xbox 360/Wii Uの5機種間で展開中のカプコンが提供する人気オンラインハンティングアクション。今回のイベントはその7周年を記念して開かれたもので、会場の各所にはダーツやくじ引き、ボウガン風の射的にカプセルトイなどモンスターハンターに関連したアトラクションが屋台のように点在。会場はまさに祭りのような雰囲気で、個性的なコスプレに身を包んだ女性や楽しそうにクジを引く親子連れなどの姿も見られるなど幅広い層のファンが来場しており、改めて「モンスターハンター」の人気を実感させられた。
なお会場での圧倒的な人気は12月10日に実装される、「MHF-G」をより高繊細なグラフィックで楽しめるようになるアップデート「High Grade Edition」の体験コーナーで、付近には常に順番を待つファンに達の長蛇の列が途切れることなく、大きな賑わいを見せていた。
最速を競う2つの大会では、数々の熱い名勝負が繰り広げられる
会場の中央に設置されたメインステージでは、数々のイベントが行われた。まずおなじみとなるプロデューサー・杉浦一徳氏による開会の挨拶のあと、「VS.クエストチャンピオントーナメントin感謝祭2014」と「韋駄天杯チャンピオントーナメント@PS Vita版」という、2人1組でモンスターを討伐するまでの早さを競う2つの大会が実施された。
やはりどちらも使用武器として人気が高いのは攻撃性能と回避性能のバランスのいい、GGアップデートで追加された武器である「穿龍棍」で、それに何の武器を組み合わせるかの戦術が基本となっていたのだが、決勝戦ではその様相が一変。決勝は3戦中2本を先取したチームが勝利となるが、1つの武器を使用できるのは1戦のみというルールが追加され、どのタイミングで最も使い慣れている武器を使うのか、チーム同士での読み合いが起こるという光景も見られた。
また貸与防具である「ドラゴンGX」シリーズは、力尽きた瞬間に一定時間強化された状態で復活するも、その後時間経過により必ず死亡してしまう「最期ノ閃黒」のスキルをもっている。死亡してしまうとベースキャンプに戻され痛い時間のロスとなってしまうが、最後のトドメを刺すまでの瞬間に敢えてダメージを受けて倒れることで「最期ノ閃黒」での攻撃力強化による時間短縮を図るという、ハイレベルな戦術が展開されていたのも印象的だった。
最終的に「VS.クエストチャンピオントーナメントin感謝祭2014」では「たけし」、「韋駄天杯チャンピオントーナメント@PS Vita版」では「エンジョイ=ダオラ」の2チームが激戦を制し、豪華賞品と優勝の栄光を手にしていた。
「モンスターハンター エクスプロア」&「モンスターハンター メゼポルタ開拓記」の試遊コーナー&プレゼンテーションも
また、会場の一角では、4人でのマルチプレイを可能したスマートフォン向けアプリ「モンスターハンター エクスプロア」とモンスターハンターシリーズ初となるSRPG「モンスターハンター メゼポルタ開拓記」の試遊台も設置されており、折角なので正式サービスに先駆けてゲームの一部を体験することに。
まず「モンスターハンター エクスプロア」は、かつての天変地異によって作られた断裂諸島を舞台に、島の各地に眠る伝承の秘宝と呼ばれる秘宝を探し求める、「探検×ハンティング」をテーマとしたタイトル。ゲームが始まると島の全体図が表示され、そこから現在受領可能なクエストと装備・パートナーを選択すればと、すぐにクエストをスタートさせられる。
エクスプロア触れてすぐに感じたのは、モンスターハンターの狩りの楽しさをそのままにスマートフォンへと持ってきたような、非常にアクション性の高いゲームだということだ。操作は画面中央下に表示される疑似スティックをスワイプしてハンターを動かし、画面上にあるアイコンをタッチすることで攻撃かガード、フリックで緊急回避と、モンスターハンターシリーズでお馴染みの数々の動作を行うことが可能。画面の左右ふれるとその方向にカメラを動かすこともできる。
またアクションゲームが苦手なユーザーや、じっくりと操作できない場所などでプレイすることもあるスマートフォン向けのありがたい機能として、画面右上のオートモードをオンにすることで、自動で採集やモンスターへの攻撃を行ってくれるという非常に便利な機能も用意されていた。プレイヤーとして気になるのはオートモードの動きがどの程度のものなのかという所だと思うが、今回のプレイで最初に受領した複数のジャギィと戦うクエストでは、小さなジャギィ達を相手にするのは手動で操作するよりも効率よく倒してくれていた程で、小さなモンスターや採集が目的のクエストであれば、十分にオートモードだけでも簡単に進めることができそうだ。
短いクエストを2、2クリアして進めていくと、ジンオウガの討伐クエストが出現。この大型モンスターとの戦いはまさにモンスターハンターらしさに溢れたものとなっており、モンスターの攻撃は非常に強力。タイミングよくガードや緊急回避で相手モンスターの攻撃をしのぎ、攻撃後など隙を見極めて攻撃し、着実にダメージを与えていくという、まさにモンスターハンターシリーズならではの緊張感のあるアクション性の高い戦いを楽しむことができる。大型モンスター戦は、破壊可能なモンスターの部位をタップすることで部位を個別にロックオンすることができるスマートフォンの特性を生かした機能も追加されており、比較的簡単に部位破壊を狙うことができた。
また、攻撃を当てていくことで溜まっていくゲージによって使用可能となる、武器に装備されている必殺技も存在し、今回装備していた大剣の効果は、高い攻撃力の一撃をモンスターにお見舞いするという非常に分かりやすいかつ強力なもの。エクスプロアでは戦うボスモンスターの体力が画面上に体力バーとして表示されるのだが、その威力は一撃でジンオウガの体力を一気に3割近くもっていっていくほどだった。それぞれの武器にセットした必殺技の使い方が重要になってくるのは間違いなさそうだ。
無事にジンオウガを倒すと、報酬である素材などと共に、目的のアイテムである秘宝を見事ゲット。だが今度はそれを狙うハンター2人とアイルーのトリオが登場し、こちらの邪魔をしようとしてくる。どうやらこの2人(と1匹)はライバル的な存在として今後も登場しそうな様子で、こうした個性的なキャラクター達が織りなすちょっとコミカルな物語も本作の注目のポイントとなりそうだ。
メインステージで行われた本作のプレゼンでは、プロデューサーの杉浦氏が登壇。杉浦氏がかなり強く要望したという、本作の最大の目玉である4人での協力プレイに関しては開発も順調に進んでいるそうで、既に4人でしっかりと遊ぶことができるような状態になっているという。家ではフロンティア、出先ではエクスプロアといったように遊びわけつつ、将来的にはフロンティアとの連動企画なども検討しているという。気になるリリース時期は、「半袖のあたりには出したいなと思っております」とのこと。スマホの操作に最適化されて手軽ながら十分にモンハンの楽しさを味わえるしっかりしたアクションゲームが期待できるので、杉浦プロデューサーが極度の暑がりであることを祈りつつ(?)、気長にリリースを待とう。
一方の「モンスターハンター メゼポルタ開拓記」は、「MHF-G」と世界観を共有するブラウザゲーム。「MHF-G」のゲーム中より少し前のまだメゼポルタが小さな集落であった頃の時代が舞台となる、シリーズ初のSRPGだ。
今回試遊することができたのはリオレイアの討伐クエストで、まずクエストを受注すると複数のマスが組み合わさったフィールドへ移動。1マスの移動には1ターンを必要とし、クエストごとに設定されている最大ターン数までの間なら自由にフィールドを探索することができる。フィールドの各所にはモンスター達やアイテムのアイコンがおかれており、同じマスに移動することで戦闘が開始されるようになっている。
本作の戦闘はターン制でのコマンドバトルで、味方のハンター達はそれぞれにコストが設定されたアクションやスキルをもっており、1ターンの間で使用できるAP(アクションポイント)を振り分けることで攻撃を行える、戦略性の高さが特徴。スキルやアクションは事前にキャラクターにセットしていたものの中からランダムで選ばれた4種類を戦闘中に選択できる。
また、直接モンスターと戦うことができるのは4人までなのだが、常に最大12人ものハンターが行動を共にしており、戦闘中でもAPを1消費することで戦闘メンバーと控えメンバーを自由に入れ換えることが可能。それぞれのキャラクターにはコストの他にスタミナも設定されており、強力な技を使うとその分スタミナが大きく減少するようになっている。体力やスタミナの減少に合わせて、どのタイミングでメンバーを入れ換えて戦うのか、常に先を考えた戦術を用意する必要がありそうだ。
大型の敵に対しては、部位破壊によるチャンスが生まれることもある。部位破壊が可能になると「弾属性で攻撃」などの条件が表示され、それを満たすことで簡単に部位を壊すことができる。部位が壊れるとしっかりと戦闘中のモンスターのグラフィックにも適応されるという本編同様の作り込みに感心しつつ、無事リオレイアを討伐して破壊報酬を手に入れることができた。
なお今回は残念ながら戦えなかったのだが、フィールドを歩いていると超強力なレアモンスターが出現することもある。他のモンスターと異なり、レアモンスターはハンター達と同じように自らマスを自由に移動してくるので、逃げるにせよ戦うにせよ厄介な相手となるのは間違いなさそうだ。
プレゼンでは初公開となるアニメPVの上映が行われた。実はこのアニメPVは、開発チームの中のイメージを統一するため、ゲームが始まる前に既に完成させていたものだという。声優の竹達彩奈さんが歌う「ふぁいっ!」にあわせて、セクシーな格好の可愛らしいアニメチックな女の子達が大勢登場するという、これまでのモンスターハンターのイメージを激変させる非常に思い切ったものとなっており、会場の誰もがすっかりその映像に釘付けに。また「スタッフの悪ノリで広場にハイメタU装備のハンターが登場することに」や「ガイド娘を幼くすると決めたはいいが、その後のアップデートで衣装を変えてしまったのでイラストが古い衣装のものになってしまった」などの意外な開発の裏話も語られた。
そんな11月27日にサービス開始が迫っている「メゼポルタ開拓記」だが、大人の事情によりカプコンオンラインゲームスのアカウントでプレイできるようになるのは半年後になってしまうとのこと。早くプレイしたいユーザーはDMMでの事前登録を済ませておくのがいいだろう。
「反省の宴」では、ハンター達が今までのストレスを発散!?
「MHF-G」の歩みを振り返りつつ、これまでのアップデートで改善されてきた不満の声を改めて再確認してユーザーに謝罪するというちょっと自虐的なコーナー「反省の宴」では、ファミ通フロンティア通信のあらじ谷塚氏による司会の下、生け贄である杉浦氏、ディレクターの木本龍己氏、アシスタントプロデューサーの宮下元氏、運営プロデューサーの関野亮央氏が登壇。
「GRを上げるためにポカラドンを200体討伐する必要があった」「Gzが溜まらない」「G級武器の作成失敗」「シジルが上書きなのに入手数が少ない」などなど、あらじ谷塚氏がこれまでの問題を取り上げる度、ユーザー達からの拍手が何度も沸き起こる盛り上がり。中でも不満点が多かったG1でのアップデートに関しては、実装した新要素があまりにも多くテストプレイが不十分の状態でリリースせざるを得なかったなどの事情があり、開発陣も大いに反省している様子だった。
今回謝罪することになった内の多くは、これまで舵取りをやってきた杉浦氏と木元氏の担当だったのだが、G5以降のアップデートは宮下氏と関野氏にほぼ任せているという。中でも誰もが感じていた「パートニャーが弱すぎる」という問題には当時から杉浦氏も苦言を呈していたそうで、予想通りの反応がユーザーから返ってきた時は「ほらみろやっぱり!」と、子供のような喧嘩をしていたと明かし笑いを誘っていた。
さらにラストには、なんとこれまでの恨み(?)を晴らしていただこうと、会場にきたハンター4人に、開発陣にパイをぶつけてもらうというとんでもないコーナーも。パイをぶつけたい人を募集すると凄まじい数の希望者が殺到するなど、まさかのこの日一番の盛り上がりへと発展。歓声の中で顔面パイまみれになってしまった開発陣は「皆さんの声をしっかり聞きます」「調整が必要な所は調整、挑戦もしていきます」とそれぞれ反省した様子のコメントで、すっかりタジタジとなっていた。
その後は、会場に展示されていた12人のハンターの新規イラストを手がけたオンラインゲーム「リネージュ2」のイラストなどで知られるジョン・ジュノ氏がサプライズゲストとして登場。「今回のお話はモンスターハンターの1ファンとして非常に嬉しく、光栄な気持ちで作業させていただきました」と挨拶し、モンスターハンターの重厚なイメージを残しながら、新しいカジュアルさを盛り込んで欲しいという要望に対し、リアリズムと日本的なデフォルメを融合するような方向性を目指してデザインしたという。中でもお気に入りはもっともモンスターハンターらしい雰囲気を残せたという「ヘヴィボウガン」のイラストで、そこで描かれた非常に豊満なバストをみて、大巨乳好きで知られる(?)杉浦氏も「僕ともわかり合えるものがあると思います」と共感を抱いていた様子だった。
植田佳奈さんも駆けつけた「開発運営レポート(動画版)公開収録」では、驚きの新発表の数々が!
続けて行われた、公式ブログなどで見ることができる動画番組「開発運営レポート(動画版)」の公開収録では、宮下氏と関野氏に加えて、パーソナリティで現役ハンターとしても知られる声優の植田佳奈さんも登壇。
11月19日から追加されるポボルバルムと特異個体ナナ・テスカトリに関する告知や、12月17日から始まる「天廊遠征録」のプレイ映像などが上映されたあと、サプライズとしてPVが上映され、「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ」とのコラボレーションが発表。まどかやほむらの衣装にさやかやマミさん達の武器などのほか、男性用としてまさかのキュウべえとおかしの魔女シャルロッテの衣装が用意されることも明かされた。全身タイツのような衣装が公開された瞬間爆笑に包まれるなど、会場は大いに盛り上がっていた。
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さらに会場では、早くも次なるアップデート「G7」についての最新情報も公開された。新たに追加される烈種のモンスターの姿が明らかになった他、「G7」からはついにハンターの表情変化が追加される予定だという(PC版のみ)。ゲームバランスに直接影響する要素ではないが、グラフィックの向上とあわせてハンター同士のコミュニケーションやスクリーンショットの撮影など細かい楽しみ方として非常に嬉しい追加要素となりそうだ。
大賑わいの感謝際もいよいよ大詰め。最後に行われた閉会式では、木本氏、宮下氏、関野氏、そして杉浦氏がファンに向けてメッセージを送った。今後、これまで「MHF-G」の顔とも言える存在だった杉浦氏はエグゼクティブプロデューサーに就任し、主な実務をプロデューサーに昇格する宮下氏と、現運営プロデューサーの関野氏が担当することになるという。杉浦氏はそれに関して、「反省しなくてはならないことは沢山あるのですが、ゲームを作る側がどんより暗くなってしまったら、楽しいゲームは作れないと思っています。そんな中で関野と宮下の2人はチームの中のムードメーカーで、明るく皆を引っ張っていってくれる存在です。皆さんに良い物を届けたいという気持ちは、開発陣の中でも一番強いものをもっていると思いますので、これからも2人をご指導いただきつつ、末永く『モンスターハンター フロンティアG』を愛していただければ幸いです」と、ファンと開発陣両方に向けた熱い愛に溢れたメッセージを送り、沸き起こる盛大な拍手の中イベントは幕を閉じた。
7周年を迎え、今年も例年以上の賑わいをみせた「MHF-G感謝祭」。まだまだ続くアップデートにより狩りは進化していく上、11月27日にサービスインする「モンスターハンター メゼポルタ開拓記」を初めとした新たなタイトルも多数控えており、これからも「モンスターハンター」シリーズはさらに盛り上がっていくことは間違いない。
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