「G-STAR 2014」の会場内をうろうろしていたら、オンラインRPG「エルソード」の見慣れたキャラクターを発見。可愛らしい絵に惹かれてふらふらと立ち寄ってみると、実は同作などのキャラクターデザインを専門に請け負っている会社とのことで、あれこれ話を聞いてみた。
NHN PlayArtのオンラインRPG「エルソード」の魅力といえば、“あの”キャラクターの数々は外せない。2Dイラストの可愛らしさ/カッコ良さは勿論のこと、ゲーム内の3Dモデリングに関しても、控えめのポリゴン数で特徴を上手く表しており、そのお陰でPCのスペックを問わずに軽快なアクションが楽しめるのだ。
これらのキャラクターデザインに関わっているのは、「エルソード」の開発会社のKOGや、日本での運営会社のNHN PlayArtだけではない。たとえば海外向けのアバターアイテムは、“BANANA MON”という、あまり聞き覚えのない会社が開発しているのだ。韓国・釜山で先日行われたゲームショウ「G-STAR 2014」のB2B(商談向け)エリアに、このBANANA MONがブースを構えていたので、代表を務めるJeffrey氏(ペンネーム)にあれこれ話を聞いてみた。
BANANA MONは、元々はKOGで働いていたスタッフが中心になって創業した、キャラクターデザインを専門に請け負う会社である。今から約5年前にKOGの業務が一気に増えたのを機に、当時社内で開発を統括していたJeffrey氏が、別会社を立ち上げることにしたのだそうだ。現在のKOGとの間柄は“パートナー企業”とのこと。
設立当初はKOGからの請負が中心で、これまで実際に手がけてきたタイトルは「エルソード」「グランドチェイス」「ファイターズクラブ」など。業務が軌道に乗ってからは、KOG以外からの受注も積極的に行っており、今回の「G-STAR 2014」への出展も、国内外のゲーム開発会社とコンタクトを取ることが主な目的だ。
KOG以外のメーカーで関わった作品に関しては、直接のタイトル名は伏せておいて欲しいとのことだが、聞いてみてビックリ! OnlineGamerにも頻繁に記事が掲載される、あんなタイトルやこんなタイトルのキャラクターデザインを、このBANANA MONが行っている。言われてから各タイトルを改めて眺めてみると、なるほどなあといった感じで、素人目に見ても、BANANA MONならではのテイストが既に確立されているように思える。
現在、BANANA MONには40名弱のクリエイターが在籍しており、内訳としては2Dのイラストレーターと3Dのデザイナーの比率が、約1:3とのこと。ゲーム開発会社から提供されたイラストを元に3Dのモデリングを行ったり、あるいは、大まかなコンセプトから2Dのイラストを描く所から始めることもあるそうだ。ちなみにBANANA MONのブースには、“サボテン”をモチーフに描いたという参考用のキャラクターが展示されていたのだが、そのことを知らなかった筆者は「こ、この女の子はエルソードでいつ実装されるんですか?!」と息巻いてしまった。
キャラクターデザインを専門に行う会社は他にもあるが、BANANA MONならではの強みについて尋ねてみたところ、3つ挙げてくれた。まずは、日本の漫画スタイルをベースとしながらも、サービス国の文化などをモチーフとして盛り込むこと。次に、会社としての業績が安定しており、正社員のクリエイターが占める割合が高いこと。そして最後に、2Dのイラストを元に、少ないポリゴン数で3Dキャラクターを作り上げることだ。
最後に関してだが、近年はご多分に漏れずモバイルゲームの請負が多い。その際は、PCオンラインゲームよりも少ないポリゴン数というオーダーで頼まれることも珍しくないが、BANANA MONは元から「エルソード」のようなシンプルかつスマートな3Dモデリングを得意としているので困っておらず、クライアントからの評判も良いのだそうだ。ただ、現在は2Dのイラストレーターさんが不足しているそうなので、我こそはと思った人は同社の公式サイト(http://bananamon.com/)にアクセスしてみよう。勤務地は韓国だけど。
ちなみに、11月25日に日本版「エルソード」にちなんだLINEスタンプが販売開始になっているが(価格は100円)、こちらのデザインもBANANA MONが行っているそうだ。オンラインゲームのアップデート情報などとは直接の関係は無いかもしれないが、こういったエピソードを知ってから改めてゲームにログインしてみると、少し違った見方ができるかも?
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