アラリオは、MONSTERNETが開発したMMORPG「エターナルシティ3」の日本でのサービスを提供すると発表した。開発元であるMONSTERNETの取締役グォン・ジョンジン氏とゲーム事業室室長ハン・ヒチャン氏に話を伺うことができたので紹介する。
「エターナルシティ3」は、ウイルスが蔓延してしまった世界を舞台に生き残りを掛けて戦うシューティングアクションMMORPG。本作用に開発された独自のゲーム開発エンジン「ブルドーザー3」を使用して制作されており、Full3Dグラフィックスでゲーム内のオブジェクトが再現されている。そのおかげで360度の視点切り替えができるようになっているため、前作ではできなかった建物の裏側や障害物などを調べることが可能だ。
また、本作からは朝、昼、夕方、夜明けなど、リアルタイムで時間帯が変更され、さらに気温に応じた変化などが追加されているので、非常にリアルなビジュアル演出を楽しむことが可能だ。
日本国内でのサービスにあたり、前作に引き続き、アラリオがライセンス契約を締結その発表に際して、MONSTERNETの取締役グォン・ジョンジン氏とゲーム事業室室長ハン・ヒチャン氏が来日し、本作のゲームシステムなどについて話を伺うことができた。
ストーリー
誰も想像していなかった変異ウイルスの発生に、人類は混乱と絶望に陥った。文明を守ろうとする人類と、すべてを蚕食する変異ウイルスとの10年間の戦争は、最終的にはEL.A(EternalAlliance-エターナル連合)の勝利で終結する。
しかし、戦争後に残ったのは廃墟になった都市と、残された者たちの怒りだけであった。この状況に地域や人種、宗教的理念を根幹的に結束された国という共同体は、極めて単純な生存という問題の前に崩壊し、排他的な武装団体が主権を獲得することになる。
これに対し、EL.Aは人類が再び繁栄を取り戻す足場を設けるとともに、単一の文明を成し遂げる計画を立て、保有している絶対的な武力を前面に出して連邦制を宣言する。2014年大韓民国の首都ソウルに、EL.Aソウル自治区が誕生することになる…。
独自のゲームエンジンを使ってFull3Dで制作
――まずは本作の概要とコンセプトについてお聞かせください。
グォン氏:本作は現代を舞台にしたゾンビものになっています。現代を舞台にしているということもあり、武器は銃などを扱うことが可能です。
――「エターナルシティ」シリーズはどういった経緯で生まれたものなのでしょうか?
グォン氏:私は小さいころからゾンビ映画などが好きで、自分の家の前にゾンビが現れたらどうするかを常に考えていました。そういった経緯からゾンビゲームが作りたいと思い会社を設立しました。
――「エターナルシティ」や「エターナルシティ2」との違いはどこでしょうか?
グォン氏:前作と同様にクォータービューである点は変わりませんが、切り替えができるようになり、オブジェクトなどがすべて3Dで表現されています。また、シリーズの共通点として間接的なストーリーの繋がりがあります。
――制作するにあたって苦労したところはどこでしょうか?
グォン氏:本作からは地形を利用してさまざまなアクションができるのですが、オブジェクトの上に登った状態で下にいるゾンビに銃を撃つときのヒット判定を計算するところですね。あと、本作ではゾンビがかなり出現するので、銃弾を何百発も同時に撃つことになるのですが、低スペックパソコンでも快適プレイできるようなシステムを拘置するのにも苦労しました。
――低スペックのパソコンでも快適にという話でしたが、具体的なスペックはどの程度なのでしょうか?
グォン氏:CPUはIntel Core I3で、メモリは2GBあれば快適に動かすことができます。日本のユーザーさんのなかにはノートパソコンでプレイする人もいると思いますので、グラフィックカードが搭載されていないオンボードのパソコンでも若干フレーム落ちはしますが、プレイできるようにしています。
――Windows 10への対応はどうなっていますか?
グォン氏:もちろん対応していく予定です。
――本作の開発が始まったのはいつ頃になるのでしょうか?
グォン氏:事業を準備する段階から考えると、3Dエンジンの開発などもしなくてはならなかったので、2010年から制作していました。ゲームコンテンツのみに絞ると約3年掛かっていますね。
――本作がサービスを開始したときに「エターナルシティ2」はどうなるのでしょうか?
グォン氏:「エターナルシティ2」も引き続き開発は続けていきます。
今後ハウジングなどの要素も実装予定
――本作の舞台はソウルとのことですが、町並みは再現されているのでしょうか?
グォン氏:日本でサービスをするにあたってこれからさまざまな協議をする必要があるのですが、韓国版ではソウルの町を再現しています。ストリートビューなどを参考にしながら制作しているので、韓国人であればすぐにわかるようになっています。
実際に韓国版をプレイしているユーザーさんは、ブログなどにゲームとソウル市街の比較画像などを上げている人もいますね。
――天気の概念が入っているという話を伺いましたが、詳細を教えてください。
グォン氏:リアルタイムで変化する時間に応じて、朝/昼/夕/夜/夜明けなどの時間の概念や、晴れ/曇り/雨雲などの天気があります。また、気温に応じた環境演出もあるのでリアルなビジュアルで本作を楽しむことができます。
実は雨や雪などの天気も開発はしてあるのですが、システム状の問題で保留状態になっています。
――本作は音にもこだわりがあるという話を聞きましたが詳細を教えてください。
グォン氏:銃器を扱うゲームなので、発砲音などはこだわって制作しています。敵が出現したときに常に打ち続けないといけないものなので、耳障りな音にならないように調整しています。
――キャラクター作成の仕方について教えてください。
グォン氏:最初にオセアニア、ヨーロッパ、アジア、アメリカなどの大陸を選択します。そのあとに人種と体型と過去の職業を決めます。
人種と過去の職業などによってステータスに多少差はあるのですが、自由度を高めるために使用できない武器を設けないようにしています。
――前作では過去の職業の選び方が特徴的でしたが、本作でもそれは健在なのでしょうか?
グォン氏:前作の過去の職業の選び方が複雑でわかりづらいという意見を多く頂きました。ですので、本作からは直感的なわかりやすさを重視してカスタマイズできるようにしています。
――スキルの取得方法を教えてください。
グォン氏:スキルはキャラクターの体型によって決められています。体型は男性が筋肉質と標準、女性がグラマーと小柄になっています。スキルはキャラクター作成の段階で確認することができるのでよく考えて決めて欲しいですね。
――キャラクターのアバターは実装されるでしょうか?
グォン氏:アバターは、ヘア、トップス、ボトムス、靴、雑貨(手袋、アクセサリーなど)それぞれ別々に変えることができますし、デザインのみを変更することも可能です。
――武器は何種類ぐらい用意されているのでしょうか?
グォン氏:本作では銃のメーカーが20社以上あり、その会社がハンドガンやアサルトライフルなど26種類のカテゴリーの武器を制作しているので、すべてあわせると数百種類以上の武器が用意されています。
――そのなかでも特徴的な武器はありますか?
グォン氏:まだ韓国版のユーザーさんにも公開していない武器になってしまうのですが、東方という銃のメーカーが制作しているもので、黄金の龍の形をしたライフルが開発スタッフ内では好評です。
――コミュニティのシステムについて教えてください。
グォン氏:連合と呼ばれるギルドのようなシステムがあり、今後連合でしかできないハウジングシステムが実装される予定です。家を作ると連合メンバーだけで楽しめるミッションなどがあります。
――ハウジングで家具などは置けるようになるのでしょうか。
グォン氏:現在開発途中なのでどうなるかわかりませんが、気持ちとしては家具などが置けるようにしてみたいですね。
――ゾンビ以外の敵はどういったものがいるのでしょうか?
グォン氏:ジャンプやダッシュして襲い掛かってくる犬や昆虫などが変異した生物や銃を使ってくる野盗などがいます。障害物の上に乗って来て攻撃されることもあるので、うまく地形を利用しながら戦って欲しいですね。
――コンテンツはどの程度用意されているのでしょうか?
ハン氏:韓国版ではレベルの最高値が55になっています。コンテンツの種類としてクエストなどのシナリオを進めるものが用意されているのですが、40~50人でプレイできるアサルトと呼ばれるモードと、6人パーティーで遊べるレイド、ソロで遊べるシングルミッションなどがあります。
ほかにも感染病棟というサバイバルモードのようなものや、PvPができるアリーナや戦場などのコンテンツが用意されています。
――韓国版ではアリーナや戦場などのモードは盛り上がっていますか?
ハン氏:アリーナはデスマッチなので手軽にプレイできるということもあって、多くのユーザーさんが遊んでいます。
戦場はボスモンスターを連合で奪い合うコンテンツになっています。今までにない遊び方ができるので、韓国版で一番盛り上がっています。
――日本版と韓国版との違いというものはあるのでしょうか?
グォン氏:これから協議する段階になります。プレイスタイルが似ている部分もありますが、日本のユーザーさんたちが好むコンテンツもあると思います。ですので、日本に特化したサービスをするつもりです。
――本作のレベル上げの仕方はどうなっているのでしょうか?
ハン氏:序盤と中盤以降でレベルの上げ方の仕方が大きく変わってきます。序盤はクエストを受けてレベルを上げていく形になりますが、中盤以降になるとアサルトやレイドなどのコンテンツでレベルを上げていくことになります。
9月以内に正式サービスが開始!
――韓国版は2月にオープンβテストがスタートしているという話ですが、そのときのユーザーの反応はどうでしたか?
グォン氏:韓国で制作したゲームのなかでも韓国を舞台にしたものは少ないので、ユーザーさんからは好評でした。また、本作はシューティングアクションMMORPGというほかでは見ないゲームジャンルということもあり、コアユーザーさんが定着していますね。
――今後のスケジュールを教えてください。
グォン氏:韓国版では、クエストなどのアップデートを継続的に続けていき、盛り上がっているPvPコンテンツをさらに拡張していくつもりです。
日本では、8月6日にティザーサイトを公開し、現在もスケジュール調整を引き続き行っているため、9月前半にはCBT、9月中旬にOBT、9月後半には正式サービスを開始する予定です。
――最後に日本のプレイヤーに向けて一言お願い致します。
グォン氏:本作を日本でサービスすることが出来て感謝しています。ゾンビもので銃器を使ったMMORPGという珍しいジャンルになっていますのでぜひ一度触れてみてください。
――ありがとうございました。
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