千葉・幕張メッセにて9月17日より開催中の「東京ゲームショウ2015」。DMMブースで9月17日に行われた、「ベセスダソフトワークス×DMMゲームズ発表会」にて、MMORPG「エルダー・スクロールズ・オンライン」の日本語ローカライズ版が発表された。
「エルダー・スクロールズ・オンライン」は、ベセスダ・ソフトワークスの代表作・人気ファンタジーRPGである「スカイリム」や「オブリビオン」と世界観を共有する「エルダー・スクロールズ」シリーズのMMORPG。ゼニマックス・メディア・カンパニーが開発を担当し、その膨大すぎるボリュームから日本語化は難しいとされてきたが、今回DMM.comによって日本語ローカライズ・運営が行われることが発表された。
Windows/Macの両方に対応し、2016年春にサービス開始予定。基本プレイは無料で、有料会員向けのプレミアムサービス「ESO Plus」や経験値ブースターやポーション、ペットやコスチューム等のカスタマイズアイテムなどが有料販売される。
本日行われたステージの直前には、DMM.comの取締役・東條寛氏とゼニマックス・アジアのゼネラルマネジャー・高橋徹氏らも特別ゲストとして登壇して挨拶し、協力して行われる超大型プロジェクトに向け、固い握手を交わすという光景も見られた。
そしてステージが始まると、DMM.comラボ エグゼクティブプロデューサーの松本卓也氏と、DMM.comラボ エグゼクティブマネージャーの白玲氏が登壇。数多くのブラウザゲームだけでなく、「HOUNDS」「ダンジョンストライカーズ」といったコアなゲーマーに向けた本格的なタイトルも手がけるDMMゲームズだが、今回の「エルダー・スクロールズ・オンライン」が初の北米タイトルとなる。
本作のローカライズを担当することになったのは、元々DMMの片岸憲一氏が「エルダー・スクロールズ・オンライン」をDMMで配信したいと熱望したのがきっかけだったという。
最初はなんのコネクションもなかった所、白玲氏らの必死の尽力によってゼニマックス・アジアの高橋氏にアポイントメントをとることができ、そこで片岸氏と高橋氏が意気投合したことで、話が進んでいくことに。
そこで片岸氏が突然の骨折に見舞われるなどのハプニングもあったものの、本国の責任者や、DMMの東條氏らを招いての何度もの長い打ち合わせを経て、ようやく今回の企画の実現にこぎつけたという。会場では開発を担当したゼニマックス・メディア・カンパニー開発からのビデオも上映され、ローカライズを待ち望む日本のファンに向けたメッセージが送られていた。
「エルダー・スクロールズ・オンライン」では、「スカイリム」を超える広大なマップに点在する、三つの国に所属する数百人のプレイヤー達が同時に戦うRvRと呼ばれる要素が存在しており、そのRvRを勝ち抜いたプレイヤーは「皇帝」となることができる。
サービスを開始した2014年4月から、これまでわずか2000人しか誕生していない皇帝だが、なんとその中には3人の日本人プレイヤーが存在しているという。松本氏はこの話を聞いた時、日本人の中にもそれだけ本作を愛してくれる人々がいることを嬉しく思い、大規模なアップデートへの対応もより早く、よい翻訳を届けられるように尽力していくと、今後に向けた意気込みを見せていた。
美麗な映像ながら要求するPCスペックがそれほど高くないのも本作の特徴で、参考としてTGS 2015にて展示される試遊ブースでは、MacBookのオンボードGPUでのプレイを体験できる端末も用意される。一方の「エルダー・スクロールズ・オンライン」のグラフィックを心ゆくまで堪能できるハイスペックなゲーミングPCも用意されており、中には144fpsを表示できるディスプレイもあり、他ではなかなか味わえないAAAタイトルならではのリッチなプレイも体験できるようになっているそうだ。
ただし、今回展示されているのは英語版で、500万ワードを超える膨大なボリュームがある日本語版については現在翻訳作業が進められている最中とのこと。TGSで上映された映像も含め、今後の情報は現在公開中のティザーサイトにて提供されていくそうなので、気になる人は是非ともチェックしておこう。
最後には両者から、「圧倒的なスケールにボリューム・深みをもったこのタイトルをDMMが皆さんの期待を裏切らないように提供できるか、正念場だと感じております。最高の状態でお届けできるよう頑張っていきます。また本作に限らず、DMMゲームズはより広いジャンルの様々なタイトルを皆様にお渡ししていきたいと思っておりますので、そちらもよろしくお願い致します (松本氏)」「本国の方々とお会いした時、本作にかける愛情がひしひしと伝わってくる作品だと感じました。日本語版はそれにDMMの愛情も加わりますので、よりエキサイティングでワンダフルなゲームになるのではないかと思いますので、ご期待下さい(白玲氏)」とメッセージが贈られ、発表会が締めくくられた。
DMMというパートナーとのタッグにより実現した「エルダー・スクロールズ・オンライン」の日本語化。AAAタイトルだけに本作にかけるDMMの情熱も並大抵のものではなく、ローカライズを担当する松本氏らの気合が伝わってくるステージであった。サービス開始までの残り半年、さらなる続報に期待しよう。