「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド」新コンテンツ「アニマウェポン」の詳細も!吉田直樹氏に新パッチ3.1&3.15の内容を訊いた

初のパッチ実装を控えるスクウェア・エニックスのMMORPG「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド」。11月10日に追加されるパッチ3.1のコンテンツと、12月に実装が予定されているパッチ3.15について、吉田直樹氏にインタビューを行った。

「ファイナルファンタジーXIV」は、ガレマール帝国の侵攻や蛮族による蛮神の召喚など、さまざまな問題を抱えたエオルゼアの大地を平和に導くために光の戦士たちが戦うMMORPG。初の拡張パッケージである「蒼天のイシュガルド」では北方の地「クルザス」を舞台に、ドラゴン族と皇都「イシュガルド」の千年にわたる長き戦い「竜詩戦争」が中心に描かれている。

そんな「蒼天のイシュガルド」初のパッチである3.1では、レイドダンジョン「魔航船ヴォイドアーク」や蛮神戦「蒼天幻想ナイツ・オブ・ラウンド討滅戦」が実装される。ここでは、パッチ3.1で追加されるコンテンツや12月に実装予定のパッチ3.15の内容について、プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏に行ったインタビューの模様を紹介しよう。

闇の戦士たちとの邂逅に注目!

――サブタイトル「光と闇の境界」の意味を教えてください。

吉田直樹氏
吉田直樹氏

吉田氏:パッチ3.0で「竜詩戦争」の根源を人とドラゴン、その双方が理解しましたが、はるか昔のことなので、その戦争で亡くなった人たちの怒りは収まらない。ですから、ドラゴン族とイシュガルドの人たちとの間には目に見えるぐらいの深い境界線がまだあるわけです。その境界線を消そうとする人たちと、その境界線を守ろうとする人たちの争いが、メインクエストの大きなテーマになっています。

さらに今回は、パッチ3.0の最後に登場した闇の戦士たちと光の戦士たちがメインクエストで相まみえることになります。

また光に満ち溢れた場所を探索する「雲海探索ディアデム諸島」と、パッチ3.1で実装される大空を駆ける闇の箱船である魔航船ヴォイドアークがあります。飛空艇を含め、さまざまなテーマで光と闇に分かれているので、パッチ3.1では光と闇の境界というサブタイトルにしました。

――メインクエストで闇の戦士たちが登場するんですね。

吉田氏:パッチ2.Xシリーズは、ストーリーの最後を必ず意味深な内容にして引きを作っていましたが、そこからストーリーに登場するまでが長く、キャラクターたちの影が薄くなったと感じています。今回のパッチ3.Xシリーズでは、アシエンなどの存在もそうですが、さまざまなキャラクターたちのシルエットをもっとはっきりさせていくつもりです。

今回のパッチ3.1では、闇の戦士たちがどのように光の戦士と邂逅するのかにご注目ください。

――パッチ3.1のメインストーリーの内容や位置づけを教えてください。

吉田氏:イシュガルド編完結に向かっての第一歩目という印象が強いです。エオルゼア軍事同盟に復帰したイシュガルドですが、竜詩戦争はまだ終わっておらず、一枚岩になり切れない状況です。さらに、姿を表した闇の戦士たちとの接近もあり、連作の第2話目という感じに仕上がっています。

――公開されたトレーラーに猫耳のフードを被ったキャラクターが登場しましたが、あの装備は作れるようになりますか?

吉田氏:うーん、いきなりそうきますか(苦笑)。あのデザインはNPC専用で種族対応を考えず作っているのですが、それを全種族に対応しようと思うと、ミコッテの耳はどうするのかなど考えることが多く難しいですね……。しばしお時間をください。

――バヌバヌ族の蛮族クエストはレベルいくつから受注できますか?

吉田氏:今回の蛮族クエストにはレベル条件はなく、レベルアジャスト機能を導入しています。最初の蛮族クエストは、レベル57のメインクエストを終わらせる必要がありますが、そこからはジョブレベル帯によって難易度が変更するようになり、さまざまなジョブのレベル上げができます。

――パッチ3.0に比べるとレベルは上げやすいのでしょうか?

吉田氏:レベル50のインスタンスダンジョンで経験値が入手できるようになっていますし、レベル50からレベル60のインスタンスダンジョンの獲得経験値も上昇しているので、さらにレベルが上げやすくなっています。

――蛮族クエストが受注できる場所はエーテライトの「オク・ズンド」でしょうか?

吉田氏:バヌバヌ族のはみ出し者たちを助けて、新しい村を作るのが蛮族クエストの目的になるので、受注するのは新しい場所です。

――生産系と戦闘系のどちらになりますか?

吉田氏:イクサル族のような生産系ではなく、戦闘系のクエストがメインになっています。クラフターやギャザラー系のクエストは、ほかの蛮族で実施するつもりです。

――報酬にはどんなものが用意されていますか?

吉田氏:マウントや、新しいカララントがあります。

――蛮族クエストのストーリーの見どころはどこでしょうか?

吉田氏:バヌバヌ族は、あのなんとも言えない比喩表現のおかげで種族的に人気になりました。今回のストーリーでもバヌバヌ族独特の言い回しは健在なので、楽しんでいただけたらと思います。

――「蒼天幻想ナイツ・オブ・ラウンド討滅戦」は極蛮神になるのでしょうか?

吉田氏:蒼天幻想ナイツ・オブ・ラウンド討滅戦は極とついていないので、極蛮神か、と言われると正確には違います。「究極幻想アルテマウェポン破壊作戦」と同じ括りになります。ですが、難易度の方は極と同じか、むしろそれ以上なので、アルテマウェポンと比較すると段違いに難しくなっています。「機工城アレキサンダー零式:起動編」の第1層と第3層のあいだぐらいの難易度なのですが、第2層とはちょっと難しさの種類が違います。

蒼天幻想ナイツ・オブ・ラウンド討滅戦は、「大迷宮バハムート:真成編」ぐらいのコンテンツが欲しかったと思っていた方には満足していただけるはずです。必要DPSは高くしていませんが、10フェーズあるので、一歩一歩前に進む感じで、挑戦しがいのあるコンテンツにできたかと思います。

また非常に有効な武器も入手できる機会ですので、それを取って機工城アレキサンダー零式:起動編第3層の突破を目指していただきたいです。

――「ナイツ・オブ・ラウンド討滅戦」は好評だったので、今回も期待しています。

吉田氏:もともとナイツ・オブ・ラウンド討滅戦は、レイドぐらいの難しさだったコンテンツの難易度を下げてシナリオボスとして登場しました。それを元の難易度に戻し、さらに再調整したものが蒼天幻想ナイツ・オブ・ラウンド討滅戦です。2.Xシリーズのギミックの集大成という形ですので、1フェーズずつ確実にこなしていけばクリアできると思います。

――機工城アレキサンダー零式:起動編第4層をクリアしている人たちには簡単なのでしょうか?

吉田氏:クリアできるまでの時間は早いと思いますが、初ギミックだらけなので1回でクリアできることはないと思います(笑)。

「ファイナルファンタジーVII」でナイツ・オブ・ラウンドを召喚したときのシーンを連想しつつ、あの雰囲気を蛮神戦にしたつもりです。騎士たちのセリフにも注目していただきたいです。

――TGS2015のプロデューサーレターLIVEで、魔航船ヴォイドアークには過去の「ファイナルファンタジー」シリーズの要素が入っているとおっしゃっていましたが、どういったものが入っているのでしょうか?

吉田氏:空賊という意味だと「ファイナルファンタジーXII」の要素が入っていますし、「ファイナルファンタジー」シリーズに登場するボスの不浄王キュクレインやエキドナ、そのほかにもケットシーも登場します。

全体のイメージは「ファイナルファンタジーXIV」オリジナルのものですが、パーツごとに見るとさまざまな「ファイナルファンタジー」シリーズの要素があると思ってもらえるはずです。

――トレーラーのなかにはディアボロスも登場していましたよね?

吉田氏:「腐敗遺跡古アムダプール市街」のボスとして登場したディアボロスですが、「1つのインスタンスダンジョンのボスなのか……」というお声も拝見しました。魔航船ヴォイドアークのコンテンツで活躍するので、ぜひ確認していただきたいです。

――魔航船ヴォイドアークで入手できる装備のアイテムレベルはいくつになりますか?

吉田氏:正確なアイテムレベルは公開をお待ちください。ですが、禁書装備の装備条件がジョブで縛られているので、魔航船ヴォイドアークではサブジョブ用に有効なアイテムレベルにしたつもりです。

――禁書装備の強化素材のドロップ方法はどう変わりますか?

吉田氏:魔航船ヴォイドアークをクリアするとマハ文明の人たちが作った「マハ古銭」が入手できます。それをある人物のところまで持っていくと、防具かアクセサリーの強化素材と交換してくれます。

――魔航船ヴォイドアークの難易度はどのぐらいでしょうか?

吉田氏:「クリスタルタワー:闇の世界」と同じぐらいの難易度にしています。このシリーズは今後この流れを崩すつもりはありません。

――雲海探索ディアデム諸島の参加可能レベルを教えてください。

吉田氏:レベル60です。雲海探索ディアデム諸島は3つの難易度があり、アイテムレベル179以上で参加可能となります。

――上層、中層、下層に分かれているという話でしたが……。

吉田氏:難易度はコンテンツ全体に適用されていて、どの難易度のMAPも上層、中層、下層で配置されているモンスターの強さに差があります。

――上層、中層、下層ごとにNMやHNMが出現するのでしょうか?

吉田氏:トリガーを引けば出現します。トリガーは隠されているので、パーティメンバーと一緒に探してみてください。これらのトリガーモンスターは、何か固有のアイテムを低確率で落とす、ということではなく、強力なアイテムの出やすい宝箱を落とす確率が高い、という位置づけです。

――入手できるアイテムのパラメーターはランダムなんですよね?

吉田氏:例えばタンクのアイテムレベル210の装備がドロップした場合、VITとSTRの値は、アイテムレベル210相当で保証されています。ただし、それ以外のパラメーターの付与されている個数や、アップするステータスはランダムです。装備のなかには、クリティカルや意志力、さらにスキルスピードまで付与され、機工城アレキサンダー零式:起動編で入手できる装備よりも高性能なものが出る可能性もあります。ですが、これは運次第ですので、そう簡単には出ないと思いますが(笑)。

ひとまず、アイテムレベル210相当の下限パラメーターはある程度保障されています。210の装備が出たら、とりあえず喜んでいいと思います。

――不要なアイテムはポイントに交換できるそうですが、ポイントで新たに交換できるアイテムにはどんなものがありますか?

吉田氏:新フライングマウントや、スクリップの赤貨でしか取れないアイテム、空賊装備というクラフターが作れる装備の素材、シャードやクリスタルなどがまとめて入手可能です。また欲しいマテリアと交換することもできます。

――空賊装備はどういったデザインなのでしょうか?

吉田氏:パッチ3.1のトレーラーの、魔航船ヴォイドアークに出てくるエレゼンの男性が着ている装備になります。

――ゴールドソーサーには「ロード・オブ・ヴァーミニオン」以外のコンテンツも追加されますか?

吉田氏:旧「ファイナルファンタジーXIV」のギャザラーのミニゲームが2個追加されます。旧「ファイナルファンタジーXIV」から担当しているプランナーが、「どうしても入れたい!」とのことで、実装の運びとなりました(笑)。

また攻略手帳がゴールドソーサーに対応して、毎週その項目を達成するとMGPが入手できます。その攻略手帳を埋めるつもりでプレイしていただければ、計画的に欲しいアイテムが入手できると思います。

――ゴールドソーサーの報酬アイテムはどのようなものが増えていますか?

吉田氏:今回はクアールマスクなどマスク系が増えています。あとはアフロもゴールドソーサーで入手可能です。「斧がないぞ!」という声にお応えして、遅ればせながら斧も実装されます。

――ロード・オブ・ヴァーミニオンでは、受注レベルが高いクエストの報酬で獲得できるミニオンのほうが強いのでしょうか?

吉田氏:そんなことはないです。強力なミニオンだったとしてもコストが高く設定されているので、大量に呼べるわけではないですから、ミニオンの使い方次第で対処できます。

さまざまな人たちに「サウンドトラックについてくるミニオンは強いですか?」と聞かれるのですが、それなりの性能にしていますが、これがないと勝てない、ということはないです。同じような性能のミニオンも用意しているので、ゲーム内で入手できるミニオンで十分戦えます。それよりも敵のミニオンとの相性や使用できる特殊技が重要になります。

――ロード・オブ・ヴァーミニオンの大会は予定されていますか?

吉田氏:レートマッチングを使った大会を予定しています。大会専用のアチーブメントだったり、大会に参加し続けるともらえるミニオンなどもあります。「トリプルトライアド」の大会でフィードバックを頂いたように、今回は不正ができないようにしています。

大会のなかにはミニオンの種別を縛ったりなどの限定戦もあるので、プレイヤーの腕が試されます。

――今回のパッチはプレイヤーがワイワイと遊べるコンテンツが多いですね。

吉田氏:パッチ3.0でレベル上限が解放され、コンテンツの難易度が高くなりました。フロントラインに新しくシールロック(争奪戦)というルールの遊びが入りましたが、レベル60のプレイヤーたちが気軽に楽しめるコンテンツや、先ほどもいいましたが大迷宮バハムート:真成編ぐらいの難易度のコンテンツなどが少なかったので、それを実装した形になります。

パッチ3.15で新武器強化コンテンツ「アニマウェポン」が登場!

――新武器強化コンテンツの正式名称を教えてください。

吉田氏:今までは新ゾディアックウェポンと言っていましたが、アニマウェポンという名前に確定しました。

――アニマウェポンはどんなコンテンツですか?

吉田氏:ゾディアックウェポンは、古の英雄であるゾディアックブレイブが使っていた武器を復活させるものでしたが、今回はまたガラッと話の内容が変わっています。

ゾディアックウェポンをゼータまで完成させている人は、アニマウェポンを作る際の1ステップ目を飛ばすことができます。これはゼータを作った人のアドバンテージです。

また新ジョブにはゾディアックウェポンが存在しないので、ゼータを作ったという実績があれば、いずれかのアニマウェポンの1ステップ目を飛ばすことができるようにしました。

――今回はどのぐらいのステップが用意されているのでしょうか?

吉田氏:短いものも含めて5ステップぐらいあると思います。1ステップ目はもしかしたらあまりやりたがらない人が多いかもしれないですね……。少なくとも、僕は飛ばせるなら飛ばしたい(笑)。

――先にゼータを作ってからのほうが簡単なのでしょうか?

吉田氏:パッチ3.1でゾディアックウェポンの輝きの制限を解除して、1人でも溜められるようにしました。後半で止まっている方はゼータを作りやすくしましたが、はじめからゼータを作るなら「アニマウェポン」の1ステップ目をこなしたほうがいいと思います(笑)。

――パッチ3.15から学園モノのクエスト「聖アンダリム神学院記」がはじまるとのことですが、詳細を教えてください。

吉田氏:連続クエストなのですが、事件屋クエストとはまったく違ったものになります。事件屋クエストのようなノリのギャグ要素を期待している方もいると思いますが、今回はそういうお話ではなく学園モノです。

――聖アンダリム神学院はどんなことを教えている学校なのでしょうか?

吉田氏:神学院なので、イシュガルド正教に基づいた歴史や魔法を教えています。歴代の「ファイナルファンタジー」でも意外と学園モノがあるので、そのうちの試みの1つだと思っていただければと思います。

――聖アンダリム神学院の制服がもらえたりしますか?

吉田氏:それはプレイヤーからのフィードバック次第ですね。もし実装することになったらレシピをクエストで入手して、クラフターで制作するものになるかも知れません。

――最後にプレイヤーにメッセージをお願いします。

吉田氏:今までのパッチ2.Xシリーズだと、3ヶ月半に1回のペースでメジャーアップデートをしてきましたので、今回のパッチ3.1は実装までの期間が長かったと思います。スタッフの休息に当てたというのもありますが、僕たちコアチームは勢いとテンションだけでアップデートをかけるのには限界があるので、計画性もう一段階高めるために時間を頂きました。パッチ3.Xシリーズのプロットは完成したので、あとはそれに向かってメインストーリーを作っていき、またたくさんのコンテンツをお届けしたいと思います!

次なる拡張パッケージである「4.0」のトレーラーの制作も開始しました。すぐに実感できないかも知れませんが、パッチの品質であったり、「4.0」のスムーズなリリースに向けて、今回余分に頂いた時間は少しずつお返ししていきたいと思います。

パッチ3.2までの期間は3ヶ月半のペースに戻すつもりでいます。パッチ3.1はボリュームがあると思いますので、ぜひ楽しんでください。

――ありがとうございました。

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