キネシスは高火力も期待できる新感覚の職業!大規模レイド「破王ウルス」や今後の展望についても訊けた「メイプルストーリー」開発者インタビュー

ネクソンは、「メイプルストーリー」において、新職業「キネシス」の実装を含むブーストアップデートを実施する。アップデートに先駆けてキネシスの体験プレイや日本開発チームへのインタビューなども行えたので、その内容を紹介する。

一度に複数の敵を攻撃できるキネシスは爽快感抜群!

キネシスは、魔法使い系の職業で、新規主武器であるESPリミッターを装備して戦う。

多彩な遠隔攻撃はもちろん、名前の通り念動力によるモンスターの捕獲や投擲攻撃などが行える。特徴的なのはその攻撃方法で、キネシスは魔法職でありながらMPを使用せず、PP(サイキックポイント)を用いることで強力なスキルを発動する。

PPは特定のスキルを発動させることによって30ポイント(10ポイント×3段階)まで溜めておくことができる。PPを溜めるにはスキルを敵にヒットさせる必要はなく、空撃ちしても溜まっていくので、強力な敵との戦闘前にあらかじめPPを溜めておく、といった戦い方も可能だ。

HPバーの右にある、メモリのように四角で表示されているのがPPだ。

キネシスのスキルの特徴は、何といっても一度に複数の敵を攻撃できること。モンスターを捕獲・投擲するヒット&アウェイのほか、敵を動かす効果があるさまざまなスキルを活用して、敵を一ヶ所に集めてから強力な範囲攻撃を使って一気にダメージを稼いでいこう。

実際に触ってみて特に有用に感じたのは、念力を用いて前方のモンスターやオブジェクトなどを持ち上げる「サイキックグラブ」だ。モンスターを持ち上げ、さらにそれを投げつけて攻撃するというキネシスを代表するような本スキルは、自由に動きながら一度に複数の敵を攻撃することができる。

2~3体くらいの敵を一気に持ち上げることが可能。
威力や使い勝手はピカイチで、さまざまな用途にも応用が利きそうだ。

威力や範囲など、使い勝手が申し分ないことは言うまでもないのだが、本スキルで持ち上げているモンスターは、その間一切の行動が取れなくなるという特徴がある。これを利用して、たとえばボス戦などで出現する雑魚モンスターをあらかじめキャッチしておくことで、安全にボスとの戦闘に挑めるだろう。もちろん、雑魚を投げつけてボスを攻撃するのがセオリーだが、中には雑魚モンスターが無限に出現し続けるパターンもあるので、こういった方法も頭の片隅に置いておくと何かと役立つ場面があるのではないだろうか。

持ち上げた状態で↑キー+[サイキックグラブ]で相手を投げ飛ばす「サイキックショット」が発動。
持ち上げたモンスターも含め、一度に多数のモンスターを処理できる。

キネシスの戦い方としては、レベルの低い序盤は、前方にいる複数の敵を押し出しつつダメージを与える「サイキックフォース」で適度な距離を保ち、PPを消費して巨大な構造物を前方の敵に垂直に打ち込む「アルティメット‐マテリアル」でダメージを稼いでいこう。また、キネシスは魔法職でありながらも非常にフットワークが軽く、空中では連続で2回ジャンプすることができるので、機動力の高さも最大限活かした立ち回りを意識しよう。

中盤以降は既述の「サイキックグラブ」を用いてPPを溜めつつ、前方の一点に巨大な電車を降らせ続ける「アルティメット‐トレイン」や、PPが尽きるまで自身の前方に念力を放ち続ける「アルティメット‐B.P.M」など、状況に応じたアルティメットスキルを使い分けてダメージを稼いでいこう。また、「アルティメット‐B.P.M」発動中は自身が自由に移動できるだけでなく、「サイキックグラブ」などのスキルも問題なく発動できる。そのため、「アルティメット‐B.P.M」で減っていくPPをある程度回復させることが可能なので、かなり長時間攻撃し続けることができるぞ。

また、キネシスが持つバフはクリティカル発動率を高めるものが多く、中でも「判断」はリンクスキルなのでほかのキャラクターに伝授することが可能。レベルを上げていくことでその効果を実感できるレベルに成長するので、火力の底上げにぜひ育成しておこう。

通路を封鎖することもできる「トレイン」
効果中、前方の敵にダメージを与え続ける「B.P.M」

韓国でのキネシスの評判は良好!開発者インタビュー

今回インタビューに応じてくれたのは、日本メイプルユニットの事業パート長 チョ・インギョン氏(通訳)、日本メイプルユニットのリーダー ミン・ヨンミ氏、日本メイプルユニットの企画パート長 チェ・ミンヒ氏、海外メイプルストーリーのディレクター ベ・ジョンイル氏だ。異色の新職業となる「キネシス」のことはもちろん、18人による大規模レイドコンテンツ「破王ウルス」や今後の展開についても話を聞くことができた。

キネシスの実装によってコミュニティの活性化も!

――ほかと一線を画す攻撃方法が多いキネシスですが、実装に至るまでの経緯を教えてください。

ミン・ヨンミ氏:メイプルストーリーには、すでに多くの職業が実装されています。今回は、それらとは異なるプレイの方法は何かないだろうかと模索したところ、念力で物体やモンスターを持ち上げて攻撃できるというコンセプトを思いつき、キネシスが生まれました。キネシスは、以前実装して好評を得たフレンズストーリーの世界観に生きるキャラクターという設定があり、実装するにあたって元の世界であるメイプルワールドにやってきて活躍する姿が描かれていきます。

――具体的にはどのようなストーリーが展開されるのでしょうか?

ミン・ヨンミ氏:キネシスのストーリーは、メイプルワールドとは異なる、現実に近い世界から始まります。その世界で生きていたキネシスという一人のキャラクターがある日突然超能力を持つようになり、その力を使ってさまざまな人を助けていました。しかし、突如として都心地にシンクウォールが出現したことをきっかけに、キネシスはシンクウォールを通じてメイプルワールドへと消えてしまった人々を助けていくことになります。

――メルセデスなどはメイプルワールドを舞台に物語が始まりましたが、ストーリー面もほかのキャラクターとは少し違っていますね。

ミン・ヨンミ氏:そうですね。メルセデスの物語はメイプルワールドを舞台に、かなりファンタジーRPGの要素が色濃く出ているストーリーになっていたと思います。キネシスの場合は、現実世界に近しい世界を舞台として、プレイヤーのようにキネシス自身がメイプルワールドというファンタジーの世界を体験していくので、ユーザーが感情移入できる部分がより多くあるのではないでしょうか。

――キネシスは魔法職でありながらPPを用いて戦うということですが、MPに何か用途はあるのでしょうか。

ミン・ヨンミ氏:MPは全く使用しません。すでに実装されているカンナやデーモンスレイヤーなどの“霊力”や“フォース”をイメージしていただければ丁度いいと思います。PPを用いた攻撃がより多様になっているのも、キネシスの大きな特徴の一つですね。ただし、自動的に溜まったりすることはなく、MPのようにアイテムで回復することもできないので、ポイントの管理が非常に重要になってくると思います。

チェ・ミンヒ氏:PPを溜められる基本攻撃スキルなどは、敵へのヒットの有無に関わらず、発動するだけでPPを溜めることができます。なのであらかじめPPを溜めておいて最初から強力なアルティメットスキルを発動することも可能ですが、基本攻撃スキルで敵をまとめてからアルティメットスキルに繋げる、というパターンのほうがより効率的に立ち回れると思います。

――やはり韓国でもそういったプレイパターンのほうが主流なのでしょうか?

チェ・ミンヒ氏:そうですね。スキルによってまちまちですが、一回に消費するPPの量も多いので、慎重になるよりも回転率を上げてどんどんアルティメットスキルを使っていくほうがキネシスの真骨頂を発揮できるかと。

――キネシスのスキルは敵を動かすものが多く、これが特徴になっていると思いますが、大型のモンスターなどには通用しますか?

ミン・ヨンミ氏:ほとんどの敵に通用します。例外として、ボスモンスターや固定されているモンスターには効きません。

――キネシスを使う上で、オススメのスキルや立ち回りがあったら教えて下さい。

ミン・ヨンミ氏:オススメとしては、「サイキックフォース」でPPを溜めつつ、「アルティメット‐トレイン」に繋げていくことですね。

ベ・ジョンイル氏:「アルティメット‐トレイン」は、ある一点を垂直に攻撃し続けるスキルになっています。前方にダメージのある壁を形成させると思っていただければ分かりやすいですね。モンスターを集めて“トレイン”でダメージを与えている間、自身は別の場所に移動して攻撃を続けることができるので、マップ全体をカバーするような立ち回りができると思います。

しかし、キネシスは非常に多彩な攻撃手段を持っているので、まずはいろいろなスキルを使ってみて、各々の攻略法や遊び方などを模索していくのも楽しみの一つになると思います。

――一度に多数の敵を攻撃できるキネシスですが、やはり全体の職業からみても火力は出せるほうなのでしょうか。

ミン・ヨンミ氏:全体からみても上位に入るくらいの火力は出せると思います。

チェ・ミンヒ氏:キネシスは、ほかの職業と比べてかなりプレイパターンを差別化して実装しました。そのため、韓国のほうでは、初めて触る人は操作方法や攻略方法などをユーザー間で活発に話し合い、コミュニティが活性化されました。また、3次転職や4次転職を実際に使用して、パーティプレイにも向いているとの声も上がっています。

新規の職業が実装されると、コミュニティなどで「こういった戦い方が良い!」というようなテンプレートが出来上がり、プレイパターンも統一化されていく傾向があるのですが、キネシスについては現在もさまざまなプレイパターンが模索されています。これも多彩な攻撃が可能なキネシスの特徴ですね。

“破王ウルス”は複数の部位を攻撃可能!破壊した部位によって攻撃パターンの変化も

――下町では昔話を題材にしたクエストが多くあったと思いますが、今回のリニューアルでもこういったクエストは追加されますか?

ミン・ヨンミ氏:今回、下町は改変して再度オープンするという形を取っています。以前はなるべく昔話に沿ってクエストが構成されていましたが、今回はそのコンセプトだけを活かしてすべて新規ストーリーで組み立てています。

チェ・ミンヒ氏:今回のストーリーでは狐と鬼のキャラクターが登場し、この2キャラが中心となってストーリーが進行していきます。大まかな内容としては、人間になりたかった狐と、鬼の間に生まれた友情がテーマになっています。

また下町は、ストーリー以外にも新しい取り組みとして、スケルトンアニメーションというものが採用されています。

――それはどういったものなのでしょうか?

ベ・ジョンイル氏:スケルトンアニメーションは、複数の絵を重ね合わせて同時に見せる手法で、これによって背景の草木などをより滑らかに、かつ“揺れ”などの動作を加えながら見せることができます。「メイプルストーリー」では、本アップデートからこのアニメーションを積極的に取り入れており、下町の背景やキネシスのスキルエフェクト、さらに大規模レイドコンテンツの「破王ウルス」にも使用されています。

――下町のリニューアルに伴って追加される「シュピゲルマンのゴーストパーク」について、詳細を教えてください。

ミン・ヨンミ氏:「シュピゲルマンのゴーストパーク」では、ユーザー自身がさまざまな難易度を設定して遊べるコンテンツになっています。出現する敵はお化けなどをモチーフとしており、たとえば時間経過によってより強力な敵が出現するようになったり、追加の攻撃が発生するようにしたりと、多彩なハードル設定が可能になっています。また、設定したハードルによって報酬も異なります。

――報酬はどのようなものが用意されていますか?

ミン・ヨンミ氏:主な報酬はメルと経験値になります。そのほかにも勲章やポケットアイテムなどが設定されており、またこちらのポケットアイテムは7種類ほど用意しています。ポケットアイテムをすべて集めることで、より良いポケットアイテムと交換することができます。

――最大18人参加による大規模レイドコンテンツとなる「破王ウルス」ですが、こちらはどのような内容になっているのでしょうか?

ミン・ヨンミ氏:以前ボスモンスターには、パーティを組んだ状態でなければ挑戦することができませんでした。しかし、「破王ウルス」ではソロでもパーティでもレイドへの参加申請が行えます。ソロの場合、リアルタイムで参加申請を行っているほかのプレイヤーと自動でパーティが編成されます。

チェ・ミンヒ氏:ウルス戦では専用の大きなフィールドで戦うことになります。ウルス戦ではさまざまなフェーズが用意されており、これによってウルスの攻撃パターンなどが徐々に変化していきます。

――ウルスには複数のフェーズが用意されているとのことですが、18人という大人数を活かしたギミックなども用意されていますか。

チェ・ミンヒ氏:ウルスにはいろいろなシステムが導入されており、まず頭・腕・足などの部位攻撃が可能で、どの部位を攻撃するかによってダメージ量が異なっています。ウルスがプレイヤーに掴みかかるような攻撃も用意されており、掴まれてしまったプレイヤーを助けるにはほかのプレイヤーが腕に対して一定のダメージを与える必要があります。

ミン・ヨンミ氏:また協力を誘導できるシステムとして、今回は“瀕死”というシステムが導入されています。以前のボス戦では自身の体力を上回る大打撃を受けてしまうと即死してしまいましたが、ウルス戦では行動不能になるものの、ほかのプレイヤーが助けることによって再び戦えるようになります。ただし、蘇生できる回数はパーティ全体で決まっているので、一人で死にすぎないように注意が必要です(笑)。

――いわゆる“ゾンビアタック”的なことはできないようになっているんですね(笑)。

ミン・ヨンミ氏:はい(笑)。また、優先的に部位を破壊することで、ウルスの行動を抑制することもできます。たとえば腕を真っ先に破壊すると、ウルスは先述したような腕を使った攻撃をしなくなります。「どこを優先的に攻撃しよう!」というようなやり方や攻略法は、きっとパーティ毎に異なってくるでしょう。そのための話し合いも、入場を申請する専用のマップで行うことができます。

――報酬はどういったものが用意されていますか?

チェ・ミンヒ氏:ウルスの報酬についてはスコアリングシステムというものが導入されています。これは先ほどの蘇生関連とも紐づいており、“誰が何回味方を蘇生させたか”“誰がどのくらいダメージを与えたか”など、貢献度のようなものがキャラクター別に集計されます。これによって総合的なグレードが決定、もらえる報酬が決まります。

ミン・ヨンミ氏:報酬には“ウルスの戦利品”というアイテムが用意されており、専用のアイテムと交換可能なショップも登場します。交換できるものには、ポイントアイテムのアバターやペットなども用意されています。今までボスの報酬としてポイントアイテムは実装されたことがなかったので、こちらにもぜひ注目してもらいたいですね。

――今回のブーストアップデートを踏まえた上で、今後どのような展開が行われていきますか?

ミン・ヨンミ氏:いろいろと手を付けたいと思っている部分もあり、まず、ゲーム内の強化システムである「スターフォース」がコストがかかりすぎていると認識しています。現在のプレイヤーがどの区間で進行に詰まっているかなどを調査し、コストを調整していく予定です。

また、今回のブーストアップデートでは多くの職業に改変が行われました。しかし、ハヤトやカンナ、ビーストテイマーなどの一部の職業は改変が行われなかったので、今後手を加えていこうと思っています。

チェ・ミンヒ氏:日本のユーザーからもさまざまな意見をもらい、日本専用のコンテンツにもニーズがあると把握しています。これに付随した調整として、すでに入っているキノコ神社の周辺地域に、新しいストーリークエストが実装される予定です。

――それでは最後に、日本のユーザーに向けてコメントをお願いします。

ミン・ヨンミ氏:いつも日本のユーザー意見をお聞きしたいと思っており、さまざまな要望などを素早く収集し、ゲームに反映させたいと考えています。「メイプルストーリー」を快適にプレイしていただくことはもちろん、ストーリークエストなどの日本独自のコンテンツにも注力していくので、2016年もよろしくお願いいたします。

左から、ベ・ジョンイル氏、ミン・ヨンミ氏、チェ・ミンヒ氏、チョ・インギョン氏

コメントを書く

この記事に関する意見や疑問などコメントを投稿してください。コメントポリシー

メイプルストーリー関連ニュース

ゲーム配信情報

おすすめオンラインゲーム情報

おすすめオンラインゲーム情報