原作者・水野良氏も登場!さまざま情報が明らかになった「ロードス島戦記オンライン」のスペシャルイベント「~良き再会亭の宴~」をレポート

ゲームオンは1月14日、同社がサービスを予定しているMMORPG「ロードス島戦記オンライン」のスペシャルイベント「良き再会亭の宴」を開催した。「ロードス島戦記」の著者・水野良氏も登場した本イベントの模様を紹介していこう。

「ロードス島戦記」は雑誌「コンプティーク」誌上で連載されていたテーブルトークRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ」のリプレイ記事から生まれた日本初のファンタジー小説だ。呪われた島・ロードスを舞台に英雄たちの冒険や興亡を描いた壮大な物語はゲーム、アニメ、コミックなどさまざまなメディアで展開され一世を風靡。ライトノベルの草分け的存在として今なお多くの支持を集めている。

今回のイベントには、この「ロードス島戦記」の原作者で本作の監修を務めた水野良氏のほか、運営プロデューサーの合田真二氏、ブランドマネージャーの加藤仁氏、共同開発元であるL&K Logic Korea CEOのナム・テクウォン氏が出演。ゲームの見どころの紹介やトークセッションなどを行った。

合田真二氏 加藤仁氏
水野良氏 ナム・テクウォン氏

オープニングでは著者の水野氏や原案の安田均氏、作家の賀東招二氏らが「ロードス島戦記」について語ったスペシャルムービーが上映された。非常に興味深い内容になっているので改めて紹介しておこう。

実機デモを交えてゲームの内容を紹介

まずは合田氏と加藤氏がゲームの紹介を行った。「ロードス島戦記オンライン」はクォータービュー形式の2DMMORPGで、ゲームのタイプは敵と戦って経験値やアイテムを入手していく、いわゆるハック&スラッシュ型だ。3Dではなく2Dを選んだのは「のんびりプレイできるMMOを目指したから」で、軽快かつ簡単な操作で冒険を楽しめると合田氏は語る。

プレイヤーは冒険者ギルドに所属し、依頼やクエストをこなすことによって成長していく。そして、パーンやディードリットら小説の登場人物たちと知り合い、7番目のパーティメンバーとして冒険を繰り広げていくというストーリーラインになっている。合田氏いわくストーリーは原作に忠実で、1巻「灰色の魔女」をベースにした物語をプレイヤーとして追体験できる上、原作にはない幕間のエピソードも楽しめるという。

ゲームのプレイ動画も見ることができた。原作でもおなじみのゴブリン退治に向かうところで、
グラフィックはかなりクラシカルだが、アクションは非常になめらか。

プレイヤーキャラクターは「エスカイア」、「オラクル」、「マジックユーザー」の3種類から選択できる。「エスカイア」は敵の攻撃から味方を守るパーティーの盾役で多彩な防御スキルを使用可能。「オラクル」は回復と補助を得意とするいわゆるヒーラータイプで、原作でもおなじみのマイリー教団の神官という設定になっている。「マジックユーザー」は魔法を得意とするタイプで、自分のステータスを向上させる補助魔法を保有していているとのことだ。

「トランスファーメンタルパワー」、「ファイアボール」など原作に登場したスキルが使用可能になっている。
必要スペックはかなり低く、ひと昔前のノートパソコンでも十分プレイできると合田氏は言う。
操作もいたって簡単で、マウスだけで戦闘を楽しめる。

「チェイン」、「クラス」という2種類の「リアクションスキル」を設定できるのも見どころのひとつ。どちらもプレイヤーの行動に合わせて発動するスキルで、「チェイン」は攻撃時に条件を満たすと発動。指定したスキルを使用することで、発動率をアップさせることも可能になっているという。「クラス」はクラス特性に合わせたスキルで、どちらも事前にセッティングしておけばマウスだけの片手操作で簡単に発動できると合田氏は語った。

あらかじめセッティングしておけば戦闘時に自動的に発動する。

チャットでのコミュニケーションも楽しむことが可能。チャットをするためのルームを形成できるようになっているので、例えば「ロードスについて」という名前のルールを作って、原作小説について語り合うといったことができる。もちろん、チャット時に特定の人だけが入場できるようにするなどのセキュリティ機能も搭載されている。

パーティー検索機能やプレイヤーの勧誘機能なども搭載されている。
感情を表現する38種類のアイコンも使用可能になっている。

キャラクターの成長要素やアイテム収集の説明も行われた。キャラクターは直接的な攻撃能力を上昇させる「成長」、アイテムの入手率など戦闘要素以外の能力を上昇させる「冒険」、キャラクタークラスの組み合わせによって新たなスキルが解放される「職業」といった「冒険者技能」が設定されていて、これらを成長させていくことで自由なキャラクターメイキングを楽しむことができる。「狩り」という冒険者技能も用意されているが、こちらは今後実装予定のものなので現時点では内容を明かせないとのことだ。

また、装備アイテムにはアイテムオプションが存在していて、アイテムを入手すると装備の防御力や装備効果にポイントがランダムで付与される。「古代語」と呼ばれる特殊なパラメーターが付いている希少アイテムも登場するので、奥の深いアイテム収集を楽しめそうだ。そのほか、アイテムレシピを入手して新たなアイテムを製作したり、キャラクターの周囲を探索してアイテムを見つけたりすることも可能になっている。

オープニングのナレーションとカシュー役を担当しているのは中田譲治さん。
ほかにもさまざまな人気声優を起用しているとのことなので続報に期待しよう。

「ロードス島戦記」をテーマにさまざまなトークが展開

続いて、「ロードス島戦記」をテーマにトークセッションが行われた。最初のテーマは「ロードス島戦記の好きなエピソードを教えてください」というもの。加藤氏が挙げたのは1巻のベルドとカシューの対決シーンで、勝負を決めた矢を射った人物の正体が物語の大きな謎になっていることから、水野氏に会ったときに誰なのか聞いてみたが、うまくはぐらかされてしまったそうだ。ちなみに、今回同じことを改めて聞かれて水野氏は「今、決めていても後で変えることがあるので、書くまでは決まらないんですよ」と答えていた。

ナム氏は1巻最後のカーラとの対決をお気に入り場面に挙げ、新装版で一部のセリフのニュアンスがかなり変わっていたことも興味深かったと答えた。合田氏は4巻のオルソンが死亡するシーンをセレクト。初めて読んだときかなりショックを受けたそうで、今も一番心に残っているとのことだ。

水野氏の知人のバーテンダーが作ったという特製カクテル「ナイト・オブ・ロードス」で乾杯。
かなりアルコール度数が強いそうで、「一口だけにしておいたほうがいい」と水野氏はアドバイスしていた。

次の「ロードス島戦記にまつわる自身のエピソードを教えてください」というテーマでは、ナム氏が人気MMORPG「RED STONE」の開発秘話を披露。実は「RED STONE」でウィザードがファイアボールを発射する演出を作ったとき、「ロードス島戦記」の1巻でカーラがファイアボールを撃つ描写に着想を得たと明かした。

「好きなキャラクターを教えてください」というテーマでは加藤氏が「ディードリット一択でしょう!」と即答し、ナム氏もそれに同意。合田氏はやはり「オルソンが飛びぬけて好き」だそうで、水野氏もオルソンは男性ファンの間で特に人気が高いと答えていた。ちなみに、水野氏は母子3代のキャラクターである大ニース、レイリア、小ニースがお気に入りだという。魔法使いと盗賊も思い入れが強く、書くときに特に力を入れると語っていたが、逆に戦士系はまったく感情移入できないそうだ。

最後のテーマは「ロードス島戦記の魅力は?」というもので、ナム氏は「表現や設定に力を入れていてファンタジーをよく知らない人でも楽しめること」、合田氏は「あまり本を好きではなかった自分でもスッと読める。自分が本を読むきっかけになった」とそれぞれコメント。加藤氏も「ファンタジーとしてはもちろん主人公の成長物語としても戦記物としても楽しめる正統派の作品であることが魅力」と持論を述べた。

水野氏は「原作者が自分の作品の魅力を分かっていたら苦労はしない」と困りつつ「当時好きだったテーブルトークRPGとファンタジーというものをマジメに書いたことが共感を得たんだろうなと思います」と分析。その上で「もう一度このような大成功を生む作品を書きたいなといつも思って苦労しています」と語った。

プレミアムクローズドβテストの募集内容や実施期間も発表された。詳細は既報のとおりで、プレイ可能レベルは20まで。プレイできるマップはザクソン周辺、ザクソン村、アラニア周辺となっている。オープンサービスの時期は未定だが、「なるべく早くお届けできれば」と合田氏は述べていた。

イベントの締めくくりとして、登壇者がファンにメッセージ。ナム氏は「開発にかなり長い時間をかけました。ぜひ1回プレイしてみてください」、水野氏は「オンラインRPGはTRPGに一番近い形ではないかと思っています。僕自身も楽しみにしていますし、皆さんにも「ロードス島戦記」の世界をオンラインでぜひ体験してもらいたいと思います」とそれぞれ述べた。

加藤氏は「僕の大好きな作品で、それを全面に押し出していますが、押し出しすぎないようにもしています。作品を知らない人もご存じの人も、深くご存じの人も満足していただけるようにやっていきますのでよろしくお願いします」とコメント。合田氏は「当時の小説の雰囲気を思い出しつつプレミアムβテストに参加していただけたらと思います。ありがとうございました」と語り、今回のイベントのまとめとした。

参加特典の小さいティード「ぷちでぃーど(鎧)」が動いているシーンも見ることができた。
とってもかわいらしいので、ぜひ手に入れたいところだ。

最後に水野氏が小説「ロードス島戦記」執筆の経緯や本作への期待などを語ったロングインタビューの動画を紹介しておこう。「コンプティーク」での連載開始当時の貴重なエピソードの数々が聞けるので原作ファンは必見だ。

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