「ゼノギアス」とのコラボやアップデート情報も公開!「フィギュアヘッズ」メディア向け先行体験会をレポート

スクウェア・エニックスは、「フィギュアヘッズ」のメディア向け先行体験会を2月15日にe-sports SQUARE秋葉原にて開催。プロゲーミングチームによるデモンストレーションマッチや開発チームによるアップデート情報の告知などを行った。

「フィギュアヘッズ」は、2016年3月上旬にサービス開始が予定されている“ストラテジックシューター”ゲームだ。プレイヤーは人型のロボットを操作しつつ、2機のAI機体に指示を与えながら敵部隊との銃撃戦を制していくこととなる。

自機を操作して敵を射撃するシューター要素と、状況や戦術に応じてAI機に指示を下していくストラテジー要素が融合した新しいタイプのシューティングゲームとなっており、AI機への指示の仕方によって単独でも多彩な戦略を繰り広げられるのが特徴の一つとなっている。

今回実施されたメディア向け先行体験会には、プロデューサーの柴貴正氏や運営プロデューサーの石川岳氏が登場。本作のゲーム説明やクリエイター陣の紹介、アップデート情報の告知などが行われた。

また、プロゲーミングチーム「DeToNator」によるデモンストレーションマッチが実施されたほか、先行オープンβテストのゲーム内容をいち早く触れることができた。

“遊び”から“競技”へと進化した「BOTgame」

体験会では、本作においてサリーナを演じている声優の巽悠衣子さんがMCを担当。続いて本作のプロデューサーである柴氏と運営プロデューサーの石川氏が登場し、まずは世界観や設定などを含むゲーム概要の説明が行われた。

巽悠衣子さん 石川岳氏(左)、柴貴正氏(右)

「フィギュアヘッズ」は、巨大隕石の影響で地表が汚染され、人類が地下で生活することを余儀なくされた、近未来の地球が舞台となっている。このような背景から、地下から地上を管理すべく「無人ロボット」の開発が押し進められ、その技術は目覚ましい進歩を遂げることになる。

やがて、地下での生活に退屈した若者たちの間で「2Foot」と呼ばれる無人ロボットを操作して戦わせる遊び「BOTgame」が流行。この遊びに目を付けた企業連合が一大娯楽産業としてスタジアムや競技既定を整備し、「W2BF」という運営組織を樹立させると、競技性を高めた「BOTgame」は世界中の人々を熱狂させていった。

この「BOTgame」で用いられる「2Foot」は、基本となるフレーム(骨格)に頭部や胴体などのさまざまな装備と、マシンガンやロケットランチャーなどの多彩な銃火器を自由に組み合わせて作る2足歩行の無人ロボットだ。

「2Foot」には人間の代わりにフィギュアヘッズと呼ばれる高度な人工知能を持った遠隔操作用のAIが搭載されており、刻一刻と変化する戦況を音声で的確に報告してくれる。フィギュアヘッズも「2Foot」と同様に見た目を自由に変更できるほか、「弾薬を少し多く持てる」「武器を構えるのが少しだけ早くなる」など、戦闘をサポートしてくれるさまざまなスキルを保有している。

また、第2回クローズドβテスト(CBT)からの変更点も公開。大きな変更点としては、僚機の数が3機から2機へと減少したことと、ゲームルールの変更が挙げられる。

僚機の数については、操作量の膨大さからどうしてもゲームが難しくなってしまいがちだったことへのアプローチとして実施。これに付随して僚機指示操作の簡略化も図られた。例として、拠点アイコンのほかにフィールド上にカバーポイントが表示されるようになり、これを用いて僚機へ移動や防衛、攻撃などの指示を送れるようになった。

ゲームルールの変更では、僚機撃破と施設の制圧でチケット(チームのゲージ)が減らないようになった。これによって単独で敵を倒すだけでは勝利に結びつき辛くなり、コア攻撃の重要度が上昇。よりチーム連携が必要不可欠、かつ戦況を理解しやすくなった。

また、2月25日より実施予定の先行オープンβテスト(OBT)では、新要素としてマップ「Underground」のほか、新装甲・武器、フィギュアヘッズが多数追加される。こちらの先行OBTは現在実施中の事前登録に応募すれば誰でも参加できるので、興味の湧いた人はぜひ参加してみてはいかがだろうか。

開発チームの世界観へのこだわり!

本作は、かなり細かい部分まで設定が考えられて世界観が構成されていることが特徴の一つとなっている。説明ではざっくり“企業連合”と紹介されている、「2Foot」を制作する各企業たちも独自の歴史をしっかりと持っており、実際にゲーム内に登場する装備も各企業の特色がしっかりと反映されている。

たとえば、「ゴードン」は旧北米大陸を拠点とする企業で、旧世界の需産業に関わっていた企業が集まり大きくなったという歴史がある。現在でも世界中の軍事関連組織には巨大なパイプを持っている背景から、制作される「2Foot」は戦闘における合理性を重視した重装甲&高火力の商品が多くある。

また、「サリオ」という企業は旧アジア&オセアニア圏を拠点としており、デザインの美しさやコンパクトな利便性を追求するアイデアの商品を多く輩出している。製作されるフィギュアヘッズたちもアイドル性の高い美少女モデルが多く、日本の気色をイメージして考えられているようだ。

佐藤大氏
佐藤大氏

ここで一旦石川氏がステージを離れ、壇上には本作のシナリオ原作を務める佐藤大氏が登場。柴氏との対談という形で、本作に関するトークが展開された。

元々過去の作品で交流があった両氏は、ロボット作品が好きという共通点から往年の名作ロボットアニメなどを例に挙げつつ、「フィギュアヘッズ」を作る上で影響を受けた部分やこだわった部分を熱弁。数々のSFアニメやロボットアニメの脚本を手掛けてきた佐藤氏は、初めて本作のオファーを受けて作品の説明を受けた時に「面白いものができそうだ」と直感したという。柴氏も本作の世界観設定などを見た時、「佐藤さんにぴったりな作品」と考えていたとのこと。

巽さんからの「脚本執筆においてのポリシーなどはあるか?」という質問に対しては、「締切を守る」「クライアントのオーダーをきく」「監督の要望、やりたいことを訊き出す」という3つの事柄を挙げて回答した。前者2つについては「当たり前のことですね」と笑いながら割愛し、「作品の舵取りはあくまで監督やプロデューサーが行うので、“どういう風なものを作りたいか”“どんな作品に仕上げたいか”というようなことはよく訊き出すようにしています」と最後のポリシーについてコメント。「これについては脚本家になる以前はゲームライターとして記事を書いていたので、そのノウハウが今に活きている」と続けると、柴氏は「知らなかった…」と佐藤氏の意外な一面に驚いていた。

また、佐藤氏は本作に登場するフィギュアヘッズたちの性格や口癖など、細かなキャラクター設定も担当しているとのこと。開発当初は“無骨なロボット物”をイメージしていたが、現在は可愛いキャラクターたちの設定を考える比率が高くなってきており、壇上では冗談交じりにそのギャップに首を傾げていた。

そのほかの開発チームメンバー紹介として、本作の楽曲制作を担当する☆Taku Takahashi氏と、メカニックデザインを務めるアーロン・ベック氏がビデオレターにて出演。

本作に関する感想を訊かれたTaku氏は、世界観設定が個人的なツボだったとコメント。ロボット物のシューターゲームで、「どうしてロボットが戦うのか」という理由や過程がしっかりと書かれていたり、既存のものとは違った設定が気に入っているという。

またアーロン氏は、骨格が同じロボットに、各機体によって全く別のデザインが必要だったことが苦労した点であり面白かったポイントと語った。特にお気に入りの機体は、レーシングカーをイメージした機体で、形状やフォルムにMotoGPなどのレーシングバイクのデザインを参考として取り入れたそうだ。

アーロン氏一押しの機体

プロゲーミングチーム「DeToNator」によるエキシビジョンマッチが実施!

トークの後は、プロゲーミングチーム「DeToNator」対 スクウェア・エニックスチーム(SQEXチーム)によるエキシビジョンマッチが行われた。

SQEXチーム代表の岡野氏は「今までゲームを製作してきて、まさかプロゲーマーの人たちと戦うことになるとは思わなかった」と緊張した様子で語り、「シューターとしてスキルは及ばないが、僚機を使った『フィギュアヘッズ』らしい戦いを見せたい」と続けた。

対するDeToNator代表のYamatoNさんは、「本作のシューティング部分の楽しさを、ぼくたちのプレイスキルを活かして伝えられたらと思います。また、一見しただけでは伝わりにくいストラテジー要素の面白さも、プロゲーマーとして上手くアピールしていけたらと思います」とコメントした。

(左)DeToNator、(右)SQEXチーム
岡野氏 YamatoNさん

対戦マップは、先行OBTにて追加される新マップ「Underground」。特徴として、敵と味方のアウトポストの距離が非常に近いことが挙げられる。

開幕から真っ直ぐ敵陣に向かえば開始から10秒ほどで相手を捉えることが可能な本マップだが、両アウトポストの防衛設備を司る重要拠点が中央の画面端に存在。

まずはここを制圧しなければならないのだが、常に敵が側面にいる状況ということで、横槍や裏取りに一層の注意を払わなければならない緊張感のあるマップになっている。

試合が始まると、両チーム共に中央のリペアポイントを制圧するために移動を開始。さっそく苛烈な銃撃戦が開始され、DeToNatorチームがここを掌握した。中央の拠点を抑えて攻防共に有利に立ったDeToNatorチームだが、SQEXチームの一人が銃撃戦の裏で密かにDeToNatorチームの防衛施設を制圧していた。

すぐさま拠点を取り返しに向かったDeToNatorチームに対し、SQEXチームはそのままチーム全員で画面端の最重要拠点へと進行。先に拠点に侵入したSQEXチームが、あとから来るDeToNatorチームを押し返す形で大規模な戦闘が開始された。

複数の通路と繋がっている最重要拠点だが、SQEXチームは僚機とプレイヤーの連携を活かしてしっかりと守りを固める。さらに、攻めあぐねるDeToNatorチームに追い打ちをかけるように、SQEXチームの一人が再び裏を取ってDeToNatorチームのアウトポストに大きなダメージを与えた。

これを機に戦況は一気にSQEXチームへと傾き、中央のリペアポイントや防衛施設も一挙に制圧。DeToNatorチームは防衛に手一杯となり、SQEXチームが大きな点差を付けて勝利を収めた。

先行OBTのゲーム内容をいち早く体験!

DeToNatorとSQEXチームによる白熱のエキシビジョンマッチの後は、メディアによる5vs5の対戦プレイが実施された。今回触れることができた内容は2月25日より実施される先行OBTと同じゲーム内容になっているということで、新たなフィギュアヘッズや新装備なども使用することができた。

筆者は、プレイヤー機をアサルトライフルとショットガンを装備したアサルト機に設定し、フィギュアヘッズには先行OBTより実装される“シンディ”をインストール。僚機をガトリングガンとマシンガンを装備させたヘヴィアサルト&ストライカーという脳筋編成で出撃した。

カスタマイズ用のアバターも多数用意されていたので、髪型をさらさらのストレートヘアーにチェンジ!

CBTよりかなり大規模な調整が加えられた先行OBT版だが、大きく変化した部分はなんといっても操作感。僚機が2機になった分以前より操作量が減ったことも大きなポイントなのだが、僚機への指示出しがより簡略化されたことで格段に操作が楽になっていた。

僚機へ指示を出す際、以前はコマンドリングを開いてから攻撃や移動などの各指示をクリックしなければいけなかったのだが、先行OBT版では数字キーを離した時にマウスポインタが合っている指示を実行するようになっている。これによってより直感的な操作が可能になり、以前よりもスピーディに部隊を展開させることができた。

“クリックする”という、一つのアクションが減っただけでかなりスムーズに指示が出せるように。
常に変化していく戦況に、直感的に対応しやすくなったことは非常にありがたいポイントだろう。

また、拠点だけでなく通路の曲がり角や遮蔽物の端など、カバーにつけるポイントも視覚化されて一目で分かりやすくなったのも、情報量の多い本作において嬉しい点だろう。

全体的にシステムをコンパクトにまとめるような調整が行われていると感じ、ゲームへの敷居が格段に下がった印象を受ける。しかしながら、僚機が減ったとはいえAIを使った独自の戦闘はほかのTPSゲームとは一線を画す楽しさと難しさが両立されている。本作の醍醐味でもある単独での戦略を立てた小隊戦に魅力を感じていた人は、ぜひ新しくなった「フィギュアヘッズ」をプレイしてみてはいかがだろうか。

カバーに入れるポイントも小さく◎アイコンで視覚化されるようになった(画面中央左)。
拠点アイコン同様、このカバーアイコンを使って僚機に指示を送ることができるので、
より細かな指示を素早く行えるようになった。

「ゼノギアス」とのコラボが決定!今後のアップデート情報が公開

対戦プレイのあとは、柴氏と石川氏が再び登壇し、今後のアップデート情報の告知が行われた。こちらにて、名作RPG「ゼノギアス」とのコラボレーションが発表。なお、今回はタイトル発表のみとなっており、詳細な内容については明らかにされなかった。装備やフィギュアヘッズの追加など、いろいろな可能性が期待できるので、ぜひ続報に注目しておこう。

また、正式サービスが開始されてからある程度の時期を見て、トーナメント戦の実施が予定されているという。こちらはクラン同士によるレート制リーグ戦が一定期間行われ、各シーズンの上位入賞クランがトーナメントに出場できるようになるとのこと。対戦に重きを置いた本作ならではの、シンプルかつ文字通り“最強”のクランを決定する場が公式に用意されるというわけだ。

イベントの最後には、巽さんや佐藤氏、プロゲーミングチーム「DeToNator」のメンバーが勢ぞろい。そして柴氏と石川氏より、これから正式サービスが開始される本作に対する意気込みが語られた。

フィギュアヘッズサービス終了

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