スクウェア・エニックスは2016年3月19日、「ファンタジーアース ゼロ」のオフラインイベント「バンクェット~The NEW AGE AWAKEN 2016」の決勝大会を、東京・ベルサール秋葉原にて開催した。
「ファンタジーアース ゼロ(以下、FEZ)」は、スクウェア・エニックスが運営するMMORPG。プレイヤーは5つの国家のいずれかに所属し、大陸の覇権を賭けて激しい戦争を繰り広げることになる。MMORPGでありながらアクション性の高い戦闘と、100名ものプレイヤーが一つの戦場で戦う戦略性の高さが支持され、サービスが開始した2006年からの根強い人気を誇っている人気オンラインゲームだ。
今回行われた「バンクェット2016」は、それぞれ最大10人で構成されるチームの中から7人を選出し、先に相手を10人キルした方が勝者となるバンクェットと呼ばれる試合形式で対戦が行われる大会。決勝大会には、各ワールド合同のサーバーを3つのブロックに分けて行われた、代表決定オンライン予選を勝ち抜いた3チームと、敗者復活戦を勝ち抜いた1チーム、合わせて4チームのみが参加できる。さらに優勝賞金として、総額300万円もの賞金と1位のチームだけが手に入れられる専用装備が用意されるという非常に豪華なものとなっている。
決勝トーナメントに進出した4チームの戦いは、どれも白熱した展開に
大会がスタートすると、スクウェア・エニックス運営チームのプロデューサー 内山スグル氏と、アシスタントの小森未彩さんによる司会の元、決勝大会へと駒を進めた、Aブロック代表「Re:member」、Bブロック代表「まってください」、Cブロック代表「Orphanage」、敗者復活戦を勝ち上がった「あいうえおちーむ」の4チームのプレイヤーが入場。それぞれに大会に向けた意気込みを語りながら、クジ引きで対戦の組み合わせが決定された。
その結果、最初の対戦となったのは、「あいうえおちーむ」vs「Orphanage」。Cブロック決勝で一度戦ったという因縁のある相手との再戦となったが、試合前にはカメラを意識して装備を見せびらかすという、大会らしからぬ和やかな一幕も。しかしいざ対戦が始まると、一瞬で有利と不利が入れ替わる一進一退の攻防が繰り広げられる。「Orphanage」側が、残すは1キルにまで追い詰められた時には、数人からの攻撃をかわし切ってしのぐと客席から歓声が上がるという盛り上がりも見せるも、結果は「あいうえおちーむ」が勝利。初戦から見事なリベンジを果たし、会場を盛り上げていく。
一方、第1回戦のもう一つのカードは自分たちの実力に自信を覗かせる「Re:member」と謙虚な「まってください」という、対照的なチームの対戦。試合がスタートすると、「Re:member」が抜群の連携で数の有利を作りつつ、滝壺に「まってください」をまとめて追い込んでいき、そのまま「Re:member」が終止優勢を保ったまま完勝。「一番練習したのは自分たち」という試合前のコメント通り、「Re:member」が圧倒的な強さを見せつける結果となった。
その後に行われた「Orphanage」と「まってください」による3位決定戦は、先ほどの戦いの再現のように「まってください」が滝つぼへと追い詰めていく展開。ところが、ここで「まってください」のカウンターが決まり、壁に追い込んでいるはずが逆に「Orphanage」が追い込まれるという事態に。そのまま「まってください」が状況をひっくり返す鮮やかな逆転劇が決まり、見事3位の座を手にした。
10周年に向けた、「FEZ」の新たな方針が発表!
決勝戦の前には、内山氏によって、10周年目にあたる2016年の「FEZ」の方針に関する発表も行われた。
2016年の「FEZ」が目指すのは、ゲームの根幹ともいえる100人のプレイヤーが入り乱れて戦う戦争をより楽しめるような形にすること。10周年に向け、さまざまな新要素を追加させることを優先することを考えたこともあったものの、現状で実装されている要素を修正し、多くのプレイヤーが楽しめるよう、まずは土台を固めることを目指すという。特に「100人に満たない割れ戦場」「サーバー毎の人口格差及び戦場数格差」「国家毎の人口格差」といった問題は、防衛側のゲーム的なメリットを増やすなど、必要なテコ入れをしていくとのこと。
その他の戦争についての問題として、「キック機能」、「逆転のしにくさ」、「スキル性能」、「召喚と歩兵のバランス」といった数々の要素に関しても調整が入れられる。自身のプレイだけではなく、戦争に参加して勝つことそのものがモチベーションになるように勝利や目標戦の意味についても見直される。
また、現状では存在意義の薄い階級システムの見直しや、ライトユーザーに向けて、ポイントの意味やユーザーインターフェースも分かりやすく整理されるそうだ。
さらに、今後に向けた新要素として、新たなモンスター(召喚獣?)や、新たな戦いの舞台となるというそれぞれの国家の首都を連想させるような謎のシルエットが紹介されると、客席では大きなざわめきが(内山氏曰く、「プレイヤーにとって馴染みの深い場所」だというヒントも)。
なお、しっかりと土台固めが終わった後には、なにか「でっかいこと」をやる予定もあるそうなのだが、残念ながら今回はまだ詳細は明かされなかった。まだまだ隠し弾がありそうな2016年の「FEZ」、今後の情報からますます目が離せなくなりそうだ。
数々の激戦を制し、頂点に立ったのは「あいうえおちーむ」!
その後は、事前に行われたトトカルチョでも一番人気となった優勝候補「Re:member」と、敗者復活戦から決勝までたどり着いた「あいうえチーム」による決戦戦がスタート。決勝はそれまでの試合と異なり、3本中2本を先取したチームが勝利となり、1試合ごとのクラスチェンジもOKという、より実力やチームの戦略が結果に反映されるレギュレーションで行われる。
大きな盛り上がりを見せたのは、第1戦目から内山氏も絶賛していたピアッシングシュートが冴えに冴えわたり、「あいうえおちーむ」が1勝を先取した直後の第2戦。「あいうえおちーむ」はそのまま、「Re:member」はクラス構成を変更しての戦いとなったが、当初「あいうえおちーむ」が、バッシュで動きを止められた仲間をピアッシングでフォローする、絶妙な連携でキルを稼がせず、じわじわと有利を作っていく。ところが、後半に「Re:member」が一転攻勢に転じると怒涛の追い上げを見せ、制限時間ギリギリにキル数が並ぶという互角の展開。まさに一進一退の戦いに会場の盛り上がりも最高潮となり、時間切れ間近の乱戦を僅かに制した「Re:member」が取り返し、1対1のイーブンへと持ち込み、勝負はいよいよ第3戦へともつれ込む。
3戦目は、当初は勢いに乗る「Re:member」が一時優勢に立つも、粘り強く戦う「あいうえおちーむ」も盛り返していき、どちらも残すは2キルで勝負が決まるという、2戦目の再現のような互角の状況に。お互いがなかなか手を出せず、攻めあぐねるという膠着状態がしばらく続くことになるも、最後にギリギリの乱戦を制したのは「あいうえおちーむ」。敗者復活からの見事な下剋上を果たし、バンクェットの頂点を手にすることとなった。
大会終了後には、決勝に進出した4チームに賞金や特典の装備などの賞品が贈られ、最後は「行くぜ メルファリア!」のコールで熱い戦いの幕を閉じた。
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