新旧・ジャンルを問わず、さまざまなオンラインゲームのプレイレビューを、毎月15日に紹介していく連載企画【オンゲをめぐる】。第4回目は、アラリオがサービス中の「ヒーローインザスカイ・パトリオット」をピックアップ!
この世から花粉がなくなるのなら、もうほかに何もいらない――。そんなダウナー気分からはじまりましたOnlineGamerの連載企画【オンゲをめぐる】は、「私が」「オンラインゲームを」「毎月1本」「プレイして」「ちょっと感想をかく」、凍てついた現代社会に一石を投じる企画です。
桜も散り、花見も終わり、悲喜交々な門出を通して、大人の階段を登りはじめた人も多くいることでしょう。私はエスカレーターが好きですけどね。特にオートウォークのタイプのやつね。そんなわけで! 人間の足を動かさずして移動できる最強の手段“飛行機”に着目しました!
仕事柄、運動を欠かすとろくなことはありませんが。
第4回「ヒーローインザスカイ」
第4回で紹介しますのは、アラリオがサービスしているオンラインフライトシューティング「ヒーローインザスカイ・パトリオット(略称:HIS)」。
世界各国の200機以上もの戦闘機が登場する本作では、プレイヤーは第二次世界大戦の中で、歴史の分岐点を決める戦いへと身を投じるのです。これをロマンといわずしてなんと言いましょう?
まあ、アイドル塗装、女の子ボイス、アイドル特殊応援部隊など、美少女キャラクターはたくさんいるようですけどね。かわいい。ソ連のスカイエンジェル「ニーナ・トルスターヤ」ちゃんが特にかわいい。
画像は心を鬼にしてあえて外したので、そのほかの娘たちは公式サイトで見てね。
本作ではゲームスタート時、「連合側(イギリス・アメリカ・ソ連)」か「枢軸側(ドイツ・日本・イタリア)」のいずれかの陣営を選択します。戦闘機ファンであれば機体で選んでもいいですし、各国に何らかの思いがある人はそれでもいいですし、全く知らない人も雰囲気でいきましょう。私もそうします。
機体の大きな区分は3つ。ドッグファイト(※)に長けた「戦闘機」、仲間のサポートを目的とした「管制機」、強力な対地攻撃を持つ「爆撃機」です。これらをプレイスタイルや用途に合わせて選択し、協力プレイが楽しめるミッション、最大30人の多人数同時対戦、巨大兵器とのレイド戦などをプレイしていけるようです。
※ドッグファイトとは:航空戦における機関銃・ロケットを使った格闘戦。名称の由来は“犬がじゃれ合って追いかけ合う姿”なんだとか。聞き覚えのない人は要単語検索。
操作方法はキーボード、マウス、ゲームパッドのいずれかを主軸にします。キーボードではAで機銃攻撃、Sでロケットなどの特殊兵装、↑↓←→で移動、そのほかのキーがスキルなど諸々。アクセスするキーは多いですが、最初のうちは攻撃&移動キーだけで事足ります。
なお、マウス操作の場合は攻撃および移動がマウス一つで済ませられ、キーボードを補助的に使うだけでプレイできるので、直観的かつ初心者向きなのかもしれません。私はキーボード操作にしましたが。
しかし、フライトシューティングというのはこれまでの経験上、エースでコンバットしたりで馴染みはありますが、得意かと問われれば得意、上手いかと問われればそうでもない、そんな感じなので若干不安です。
フライトシミュレーション特有の「こうー、ああー、そういう旋回じゃなくて、もっとこう、こう!」みたいな、“移動と旋回の違い”に四苦八苦することが多々あります。まあ飛行機ではありませんが、最近はPS4で戦車にお熱だったので、何らかのシナジーに期待しておきましょう。
嗚呼、メッサーシュミットが行く……
今回私たち(毎度おなじみ、ささみ君を巻き添えに)が選んだのは「枢軸軍」。正直、どちらも航空戦力に関してはゲーム知識くらいしかあらず、「ぜろせん!」「とむきゃっと!」「ふぁんとむ!」などと、なんか知っているけど詳しくは知らない機体名しか挙げられなかったので、日本贔屓を理由に枢軸軍にしました。
しかし、ささみ君は「ドゥーチェ!ドゥーチェ!」とイタリアに浮気。私の方も「ティーガーだの、パンターだの、フェルディナンドだの、E75だの、(ゲームの中の)陸では好き勝手暴れてくれたな……!」という逆恨みからドイツへ。この2ヶ月近く、マジで戦車漬けだったんです。
ここからはいよいよパイロットデビュー。機体に関しては全くといっていいほど分かりませんが、ドイツの一番最初の戦闘機「アラド Ar65」に乗り込んで、いよいよ戦火の大空へ。
最初のミッションは敵もぬるいぬるい。キーボード操作を覚えつつ、射撃練習ができるくらいです。ただし、操作に関しては思った以上にピーキーであったため、最初は「こんなん絶対攻撃当てられないわ……」という気分に陥りました。
しかし、機関銃やロケットの当たり判定がかなり広くとられているようで、精密に敵機体に弾が当てられずとも、周囲の空間に弾を飛ばせられればダメージがバシバシ通ります。ロケットも適度に誘導してくれるので、垂れ流しているだけで相手を一撃粉砕です。
左右旋回や上昇下降に右往左往させられてしまったのは言わずもがなですが、「撃つ」「飛ぶ」の2点だけに集中していれば、操作自体は非常にシンプルといっていいでしょう。
2人でいくつかのミッションをこなしていると、色々な人たちが出たり入ったり。今回選んだサーバーがグローバルであったためか、外国のプレイヤーも多く散見されました。
用語については一切分かりませんでしたが、「OK!OK!」のゴリ押しで、つたないコミュニケーションを成立。それらしい編隊を組んだり、戦友にしてもらったりと、一緒にミッションを遊べました。しかし、ミッションクリアのコツを覚えるとそうなるのか、場所によっては数瞬でクリアされ、ちょっと唖然でした。
そこから2時間、書くことも覚えていないくらいに熱中して黙々とミッションを消化。気付いたらLVも23に。本作ではミッションやショップから手に入れたパーツを機体に装着することで、さまざまなパラメータを自分好みにカスタマイズできます。なので、最新鋭の機体だけが強いわけじゃありません。いや、強いのは確かですが。めっちゃ早いし。
また、スキルを装着することで速度を落として相手の裏を取る「ブレーキ」、ビュンビュンと何度も横回転して相手の攻撃を避ける「バレルロール」など、さまざまな効果を任意で発揮できるようになります。戦闘機・管制機・爆撃機ごとの専用スキルも多数存在するので、どれをセットするかがとても悩ましい。
そして見事、LV1~LV15までの全ミッションをノーマル難易度でクリア。普通にぶっ続けプレイを楽しんでしまった。さて、レイド戦に関してはLV制限がかなーり高かったので諦めるとして、お次はいよいよ対戦の時間だよね……!
僕が戦闘機なら、君はトンボだね
「いざ尋常に30人対戦!」と意気込んでみたものの、プレイ時間がまたもや平日の真昼間であったために、対戦部屋は私たちだけのスイートルームと化していました。露天風呂なら最高のシチュエーションだけど、本企画においてはなんと侘しいものでしょう。今後はプレイ時間も考え直す必要がありそうです。
というわけで、計らずとも今回のマッチは「ドイツvsイタリア~2時間プレイヤーたちの社内タイマン格付け~」となってしまいました。私はドイツのLV20戦闘機「メッサーシュミット Bf109B」、ささみ君はイタリアのLV20戦闘機「MC.202 フォルゴーレ」で対戦です。
飛行速度に優れたメッサーシュミット、旋回機動に優れたフォルゴーレ。攻撃力・防御力などのステータスは若干メッサーシュミットに分があるようですが、2時間ぽっちの操縦経験しかない2人なので、誤差です誤差。
本日は晴天なり。メッサーシュミットとフォルゴーレの戦いの火ぶたが今、切って落とされた。どちらかの機体が地に堕ちるまで、この戦いは終わらない。どちらかのパイロット生命が断ち切られるまで、この決戦は終わらない。そもそもバトルロイヤル形式なので、制限時間まで終わらない。
先手を取ったのは私。アホ面さげて優雅に回遊しているパスタ野郎にゴキゲンな鉛玉をくれてあげます。あれ、当たんない。どうも被弾判定はNPC機のみが広くとられているのか、対人戦だと思うように機関銃が当たらない。おなじくロケットもなかなか当たらない。やっぱり、いかに初心者同士であろうと、人同士での戦いはそう簡単には決まらないのかも。ガッデム。
途中、空に浮いている木箱にぶつかりました。繰り返す、空に浮いている木箱にぶつかりました。これは演習ではない、空に浮いている木箱にぶつかったのです。とはいってもバグでも怪奇現象でもなく、戦闘を有利に進めるための対戦用アイテムが入った箱でした。中身はバーサーク。その効果は“体当たりで相手に大ダメージ”。
当然、そんな効果は知らなかったので「きた! スピードアップかなんかきた! 落ちろ! 割れろ! 落ちろ!」と、どちらも相手を視界に収められない醜いじゃれ合いが続きます。無用の長物とはこのことなので、新しいコンテンツに挑む際は色々と調べていくのもいいのかも。
撃って撃たれての一進一退。しかし、ささみ君の直上突撃vs私の直下突撃がかみ合い、映画のようなワンシーンから勝負が動く。そして、一方の戦闘機だけが爆散しました。散ったのは、彼のフォルゴーレ。飛んでいるのは、私のメッサーシュミット――。
私:1キル/0デッド
ささみ:0キル/1デッド
戦争は無情です。でも、ゲームの中だからこそ本気になれる戦争があります。どこまでも続くこの空の下、「いやー、まじ、上下の視点操作を入れ替えたばっかだし」と敗北の理由を語るささみ君に勝者としての立場から伝えられれる言葉は、たったの一言しかありませんでした。
「く そ ざ こ(笑)」。
「ヒーローインザスカイ」の感想
「兵器の名前とか知らないし、興味ないし」という人は、これらのゲームに興味を持たなかった人の分だけいるのかもしれません。でも、史実兵器が登場するゲームというのは不思議なもので、まったく知識がなかろうと、気付いたら名前とか結構覚えちゃうんですよね。
筆者はまだまだ乗れませんが、「メッサーシュミット Me 262 A-1a シュヴァルベ」とか気になります。「フォルムがスタイリッシュで、ちょーカッコいい!」なんて言っても興味がなければ響かないことは重々承知ですが、つまり、“兵器に興味がないと、ゲームの面白さ+興味が出ちゃうのダブルパンチをくらう”ケースが非常に多いのです、こういうゲームは。
未経験者に初プレイを促すための理由としてはちょっと弱いかもしれませんが、このダブルパンチを受ければ新たな知識、ひいては趣味に目覚めてしまうことだけは保証できます。いや、確かな保証は出来かねますが、なんというかそういうことなのです。
というわけで! 今後もジャンルや記事の切り口も含めて、さまざま方向でオンラインゲームの魅力をお届けしていきます。毎月15日掲載を予定しておりますので、頭の片隅で覚えていましたら、この連載企画【オンゲをめぐる】に目を通していただけると幸いです。おしまい!
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