「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド」では、パッチ3.3「Revenge of the Horde 最期の咆哮」が6月7日に実装される。同パッチで追加されるコンテンツについてプロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏にインタビューを行った。
パッチ3.3「Revenge of the Horde 最期の咆哮」では、1000年以上の長きにわたる人と竜との争い「竜詩戦争」を軸とした“蒼天編”の結末が描かれる。
長い憎しみと闘争の果て、イシュガルドの人々の思いがようやく1つにまとまりかけた時に姿を現した“邪龍の影”。再び竜に対する強い激情を燃え上がらせた人々が行き着く先はどこなのか。そして、その身に邪龍を宿した“蒼の竜騎士”エスティニアンの結末はどうなるのか。
注目のメインストーリー以外にも、パッチ3.3シリーズでは新コンテンツ「ディープダンジョン 死者の宮殿」や「宝物庫 アクアポリス」が実装されるほか、アニマウェポンのサブステータス調整がいよいよ可能になる。
これらの気になるコンテンツ内容について、プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏にインタビューを行った。
竜詩戦争の終わりと、それぞれの“決着”
――1000年以上続いてきた人と竜との争いの歴史に一つの幕が下りる、今回のメインストーリーのポイントを教えてください。
吉田氏:パッチ3.0、3.1の物語を経て、イシュガルドにはさまざまな事情や感情を抱えながらも変わろうとする人たちと、変われないとする人たちがいました。そんな人々も、冒険者の活躍の甲斐もあってパッチ3.2ではついに一つにまとまる……かに思えました。
今回のメインストーリーでは、イシュガルドの人々が未だ一つになれない最後の理由であり、この長い争いの根幹でもある邪竜・ニーグヘッグの復讐の決着が描かれます。かねてよりお伝えしてきた通り、今回で蒼天編は結末を迎えます。日本語タイトルにもなっている最期の咆哮というのが、はたして“誰の咆哮”を指しているのか…こういった部分に注目していただければと思います。
――トレーラーにも映っていた、人の姿と酷似したニーズヘッグも気になります。
吉田氏:今存在しているニーズヘッグは、エスティニアンの身体を乗っ取っている状態なので、彼自身がどうなってしまうのかも今回のストーリーの重要なポイントですね。
――エスティニアン自身の戦いも、ここで一つの区切りを迎えそうですね。
吉田氏:そうですね。“蒼の竜騎士”として、彼がここまでやってきたことの成果というか、答えも今回で描かれます。
――メインストーリーに絡んだ新規インスタンスダンジョンとして「天竜宮殿 ソール・カイ」が実装されますが、ここでフレースヴェルグが冒険者たちの前に立ちはだかるのが衝撃的でした。
吉田氏:ソール・カイは、元々ニーズヘッグとフレースヴェルグの妹であるラタトスクの居城でした。人に裏切られ殺され、目を奪われたラタトスクの居城。そこがこのストーリー上でフレースヴェルグと相対する場所になっていることにも重さがあると考えました。
――人にとっても彼らにとっても、因縁の場所なんですね。
吉田氏:はい。フレースヴェルグは、かつて聖女シヴァを愛し人との融和を進めてきた一方で、人による裏切りも目の当たりにしてきました。その結果、人と竜の行く末をただ静観するようになっていたのですが、イゼルたちとの出会いを経て彼の中にも変化が生まれました。その答えとなるものが、ここに集約されています。
――エスティニアンやニーズヘッグ同様に、彼自身の物語も決着を迎えるんですね。
吉田氏:蒼天編の完結ということもあり、メインストーリーについてはほぼフルボイスに近い形で収録しています。またパッチ2.55ほどではありませんが、かなり多くのカットシーンも盛り込まれているので、そこにも注目していただければと。
その分クエスト自体は絞っているのですが、メインストーリーをクリアした後に、サイドストーリーとして蒼天編を振り返るようなクエストを用意しています。
――「蒼天のイシュガルド」で実装されたエリアを巡っていく、というような内容でしょうか?
吉田氏:イシュガルド地方だけではありませんが、蒼天編で出会った人たちをもう一度訪ねて旅するような内容になっています。
「ドラゴンズエアリーでこんなに全滅しちゃったよね(笑)」など、プレイヤー個々人にそれぞれの思い出があると思います。そういった“蒼天編の思い出”を呼び起こせるようなサイドストーリーとなっているので、ぜひコンテンツを一通りやり終わった後にでもやっていただければ、蒼天編の良い振り返りになると思います。
――そういえば、5月11日に放送された「吉P散歩」で少し言及されていましたが、「蒼天聖戦 魔科学研究所」に報酬を追加するかもしれないとのことでしたが……。
吉田氏:そうですね(笑)。宝箱が出ず、かといって時間のわりに得られるトークンがおいしいというわけでもないので、トークン量を増やしたりというような調整を行いたいと思っています。
とにかく、ルーレットなどで魔科学研究所に当たった時、パーティの間に流れるなんとも言えない微妙な空気感を払拭できればなと(笑)。
――ほかに、既存のダンジョンに何か調整を行ったりする予定はありますか?
吉田氏:特に予定はないです。ただ、どの装備にもマテリアの穴ができたことで、コールマターの出費がきつくなってきていると思います。バトル一辺倒の人なら尚更かな、と。
ですので、ルーレットボーナスや攻略手帳で入手できるギルを少し増やそうとは考えています。あとは、金策についてはぜひ”宝物庫アクアポリス”をプレイしていただければと。
――“トレハンダンジョン”と呼ばれていた、新コンテンツの「宝物庫 アクアポリス」ですね。こちらは、ジョブ編成が偏っていてもクリアできるのでしょうか?
吉田氏:腕によって補える難易度ですが、タンクとヒーラーは1名いたほうが楽かなぁ、と思います。個々の敵が強いわけでも、特別なギミックがあるわけでもないのですが、ウェーブ式に次々と敵が湧いてくるので、単純にDPSだけだと1度の攻撃を受けきり難いかもしれません。
――数体の敵を倒してさっくり進んでいくようなものを想像していたので、ちょっと意外です。
吉田氏:2人パーティだと人数的に厳しいと思いますが、いずれにしろ範囲攻撃などでまとめて倒してしまえる程度なので、そこまで身構える必要はないと思います。
内容としては、1部屋に1つ宝箱があり、それを開けようとするとトラップが作動して敵が出現します。すべての敵を倒すと宝箱が開けられるのですが、その中には次の部屋を開けるための鍵も入っています。いくつかの扉の中から好きな扉を1つ開錠し、当たりなら次の部屋へ、はずれなら強制的にダンジョンから退出させられる、というようになっています。当然、奥に行けば行くほど得られるリワードは大きくなるので期待してください。
――報酬は素材やギル換算しやすいアイテムということですが、ギルそのものの入手量はどうなっていますか?
吉田氏:ギルそのものも大量に手に入ります。最後の部屋の宝箱を開けただけでも10万ギル確定で、内容物をマーケットで販売すればトータルだともっと手に入ります。あとは、レアモンスターの落とすギルもかなり多いですね。序盤の部屋は比較的到達しやすくなっていますが、扉は奥に進むほど開きにくくなっているので、あとは運次第です。
レアモンスターについては、出現したら逃げない敵と、出現してからしばらくの間に倒さないと逃げてしまう敵がいるので、ちょっとしたパニックになりつつも楽しんでもらえればと思います(笑)。
――逃げるタイプのレアモンスターで気になったのですが、戦士のスキル「ホルムギャング」などを使った場合どうなりますか?
吉田氏:しっかり逃げます(笑)。
――あと、アクアポリスへの入り口が開いた時、新たにパーティメンバーを追加することは可能ですか?
吉田氏:できますよ。10分ほど転送魔紋というポータルが出現しているので、その間にシャウトやFCなどで人を呼んでもらうことができます。個人的には、モブハントのようにLSが流行るんじゃないかと、密かに期待しています。
モーグリ族の蛮族クエストはクラフター系!新たに蛮族なりきり装備も登場
――モーグリ族の蛮族クエストは、人とドラゴン族の“橋渡し役”を担うということですが、詳しいストーリーを教えてください。
吉田氏:まず、今回の蛮族クエストはイクサル族に続くクラフター系の内容になっています。イクサル族の蛮族クエストが追加された際に製作系のクラスを上げた人は多くいると思いますが、それ以降上げていないという人もいるので、今回はそういった人向けになっています。受注条件も製作クラスが50レベルになっていないと受けられなくなっているのでご注意ください。
ストーリーとしては、元々ドラヴァニア雲海に住んでいるモーグリたちはフレースヴェルグとの契約により、白亜の宮殿の管理を任されています。彼らは破損してしまった宮殿をいずれ修復してあげたいと考えているのですが、そのための技術がないんです。
――なるほど、そこで人間が関わってくるんですね。
吉田氏:そうです。いきなり宮殿を修復することは難しいので、まずは彼らの訓練施設のような集落を作り、冒険者はそこでイシュガルドの人々と協力して彼らに技術を授けていくことになります。ドラゴン族とモーグリ族は人間よりもはるかに寿命が長いわけですから、人から教わった技術を元に、彼らは長い時間をかけて白亜の宮殿を元通りにしていくのだろうな…という、将来への希望を含んだお話になっています。
――蛮族といえば、なりきり装備のようなものがトレーラーに映っていましたが……。
吉田氏:あれは完全にネタ装備として、さまざまなものを追加しています(笑)。各蛮族クエストの報酬だったり、ゴールドソーサーの景品で手に入るものもあります。
――そういったおしゃれ装備系も、今回のパッチで追加されますか?
吉田氏:いつも通り追加します。ただクラフターの人たちは、最初の方は他人のおしゃれ装備作成まで手が回らないんじゃないかな、と思います。今回はアクセサリを含めたクラフター用装備のクラフトレシピも追加されるので、まずは自身の装備更新に励む人が多いんじゃないでしょうか。
――今回で全身の装備を入れ替えることになりますね。
吉田氏:3.Xシリーズでのクラフターの装備更新は今回が最後になるので、作る難易度もそれなりに高くなっています。大変だと思いますが、主道具以外はすべて共通装備なので、1つ作ってしまえばすべてのクラフタークラスで使用できます。
あとは、赤貨の装備にも上位版が追加されるので、そこまでクラフターをやり込んでいないという人はぜひこちらをコツコツと交換していってもらえればなと思います。
――クラフターの人たちにとっても忙しい時期になりそうですね。
吉田氏:パッチ3.4で実装される新しい新式装備をいち早く提供したいと思っている人は、ここで装備を更新しておく必要があるので頑張ってもらいたいですね。
アニマウェポンのサブステータス調整にはマテリア以外の方法も!
――いよいよアニマウェポンのサブステータスが調整できるようになりますが、今回はマテリア以外にもステータスを上げる方法が追加されるのでしょうか?
吉田氏:まず始めに、今回はゾディアックウェポンの時のように任意のマテリアを転写して武器のステータスを調整するものではありません。
お話の流れとしては、人造精霊にとあるエネルギー源のようなアイテムを与えて能力を高めていく…という形になります。この与えられるアイテムは1種類だけで、与えた際にどのパラメーターを上昇させるかはプレイヤーが指示できます。
ただ、この人造精霊に与えるアイテムそのものをプレイヤーが作り出すことはできないので、ある人物に作ってもらう必要があります。その際、“この人造精霊のエネルギー源を渡す代わりに、○○を持ってきてくれ”というように、対価を要求されることになります。この対価として要求されるアイテムはさまざまなものが用意されていますので、どれを持ってくるか、自身のプレイスタイルと照らし合わせて選択してもらえればと思います。
――では、今回はスフィアスクロールのような触媒は必要としないのでしょうか?
吉田氏:うーん、ニュアンスが難しいですね。エネルギー源を人造精霊に与えることに触媒を必要とはしないのですが……。
今回、エネルギー源と交換するものについて、時間効率をあまり意識していません。あくまで一つのイメージですが、時間がかかるけど必ず1個手に入るものもあれば、そうでなかったりするものもあったり…みたいな。本当にいろいろな選択肢があるのですが、詳細はマーケットに影響するので深く言えません。
ただし、時間計算が成り立つ要素も楔として入れてあるので、それが触媒に当たると言えばそうなのですが……これ以上は説明が難しいです、すみません(笑)
――わかりました。それでは、新アライアンスダンジョン「禁忌都市 マハ」についてお聞きします。今回舞台となるマハといえば、「海洋都市 ニーム」への侵攻など、ゲーム内でも度々その名前を聞く機会がありますが、冒険者たちがここに至った経緯を教えてください。
吉田氏:前回のアライアンスダンジョン「魔航船ヴォイドアーク」にて、ディアボロスの目的が魔王級の大妖異である影の女王“スカアハ”の復活であることが判明しました。しかし、肝心のスカアハを封印した“女王の棺”は次元の狭間へと消えてしまい、首謀者であるディアボロスもいずこかへ消えてしまったわけです。
そんな折、あることがキッカケでケット・シーの語った魔法都市「マハ」への航路が判明。妖異たちも、スカアハ復活のために“マハ”に眠る何かを求めているということで、冒険者たちはそれを阻止するためにマハに乗り込むことになります。
――「禁忌都市 マハ」の特徴を教えてください。
吉田氏:前回の「魔航船ヴォイドアーク」が難易度とは別の意味で少し単調だったように思っています。ですので今回は難易度を上げるという意味ではなく、ボス戦ではアライアンスごとに役割をはっきりと持たせたり、各自が考えたり行動したりする要素を多くしてあります。また、マップ全体を使ったギミックも多く用意しているので、ボスとのバトル中でもさまざまな変化を楽しめるようになっています。
――先の通り、マハといえばニームやアムダプールといった諸国と大戦を繰り広げていた歴史がありますが、クエスト中にこの辺りの事情が語られることはありますか?
吉田氏:んー、そこまでは掘り下げませんが、一部過去のインスタンスダンジョンで登場したモンスターとの繋がりなどは判明しますね。
――黒魔法の開祖と言われている「シャトト」との繋がりなどが明かされたりはしますか?
吉田氏:それも特にないです。そこらへんを詳しく描き出すと非常に長くなってしまうので(笑)。
――では、獲得できる装備のアイテムレベルはいくつくらいになりそうですか?
吉田氏:はっきりとは言えませんが、大体みなさんの予想通りだと思います(笑)。今回のパッチで伝承装備の強化素材がウィークリーで取れるようになりますし、そこから大方の予想はつくと思います。
――レイドファインダーについて、改めて概要を教えてください。
吉田氏:まず、僕らが高難易度レイドダンジョンを実装する際にコンテンツファインダー対応させていないのは、高難易度であるがゆえに、ファインダーでのランダムマッチングではクリアするのが難しいと思っているからです。やっぱり、意思疎通を合わせて同じモチベーションを持った人たちでないとクリアは望めないでしょうし、コンテンツファインダーの一期一会という間柄だと、互いに言葉がキツくなってしまう部分も出てきてしまうと思うので、これまでは2パッチ分の期間はパーティ募集を使っていただくようにしていました。
しかし、練習だけでもデータセンターを跨いでやりたいという要望や、帰宅時間が遅くなった場合にパーティ募集が見つからない、あと1人が集まらなくて練習ができないなど、さまざまなフィードバックがありました。これらの問題を、ワールドを跨ぐことでもう少し効率良くできるのであればやってみよう、というのが今回の実装の経緯になります。
基本はコンテンツファインダーと同じになりますが、「あと一歩でクリア!」「本気でクリアを目指している!」という人向けのチェックボックスや、「クリア云々よりもとにかく練習がしたい!」という人向けのチェックボックスが用意されています。特に、練習がしたいという人向けには、フェーズの前半なのか後半なのか、というような細かな項目もあり、同じ項目にチェックを入れている人とマッチングするようになっています。
――レイドに挑戦するための選択肢の一つを増やすということですね。
吉田氏:そうですね。フェーズがスキップされるわけではないので、細かなチェックボックスも、あくまで指標の1つと捉えていただければと思います。パーティ募集の文章に、「○○フェーズ後の練習に行きましょう!」という一文を書く手間が省けるようなものです。
新しいテイストのコンテンツも盛りだくさん!
――新コンテンツとして実装されるディープダンジョン「死者の宮殿」では通常の装備が効果を発揮しないということですが、装備品の詳細を教えてください。
吉田氏:死者の宮殿突入時の装備品は効果を発揮しないだけで見た目はそのままなのですが、ディープダンジョン内でのみ効果を発揮する武器と防具が、アイテムのようなものとして用意されています。ダンジョン内にある宝箱を開けることで時折、これらのアイテムのステータス値が強化されていきます。階層を進むのと並行し、これを繰り返して装備品の強化を行っていくのが当面の目的になると思います。
――強化した“光る武器”はディープダンジョン以外にも持ち出せるようになるとのことですが、これは次回以降のパッチで可能になるのでしょうか?
吉田氏:いえ、今回ディープダンジョン「死者の宮殿」が実装された段階で持ち出すことは可能です。ただ、パッチ3.3では50階まで実装されるのですが、単純に50階に一度到達しただけでは強化値が足りないと思うので、何周かしてもらう必要はあると思います。強化値が最大になれば、持ち出すことが可能になります。
――トレーラーにて、ディープダンジョンに関係がありそうなNPCの姿が見えました。やはり専用のストーリーが用意されているのでしょうか?
吉田氏:ほかのクエストと同様に、導線用のストーリーは用意してあります。それとは別に、これまで特定のクエストをしっかりとクリアしていて、かつディープダンジョン「死者の宮殿」をクリアした人には、クリア後に1つサイドストーリーが用意されています。
サイドストーリーについては、今回はあくまで触りの部分だけになっています。パッチ3.3では50階まで実装されますが、以降のアップデートで200階くらいまで追加する予定なので、そもそも「死者の宮殿」とは何なのか、というような核心の部分については後々に追加される100階まで到達しないと分からなくなっています。今のところ101階から200階はどこまで行けるかのチャレンジフロアというイメージでいます。
――200階!かなり深層まで用意されるんですね。
吉田氏:でも、深部についてはあくまで“やり込み”の範囲なので、必ずしも全員がやる必要はありません。最下層付近は本当にプレイヤーを倒しにいくような感じで作ると思うので……(笑)。
今回実装される50階くらいまでは、トレーラーでもあったようにDPS4人でもガンガン攻略していけるようになっています。マッチングもフリーなので、編成を気にせず好きなジョブで挑戦していただけると思います。バランス的に、タンクが敵のターゲットを取ってDPSがそれを殴らなければいけないというものでもなく、むしろ序盤は全員がバラバラに動いても問題ない作りになっています。
――トレーラーではサキュバスなどのモンスターに変身する場面も見られましたが、あれは“アンク”によるギミックなのでしょうか?
吉田氏:アンクについては以前説明したものと仕様を変更していまして、アンクによるギミックは死んでしまった味方を蘇生させるという一点のみになります。そのほかのギミックについては、すべて宝箱から出現するダンジョン内専用アイテムに集約させることにしました。なので、アンクはヒーラーがいないときの蘇生要素として認識してもらっていいと思います。
宝箱を開けることで、ダンジョン内でしか効果を発揮しない専用アイテムがパーティ全員の持ち物として手に入ります。効果はさまざまで、そのフロアのマップを踏破済みにしてくれるものや、罠をすべて排除してくれるもの、宝箱を増やしてくれるものなんかもあります。
そういう専用アイテムの中に、サキュバスやマンティコアに変身できるものもあるので、ピンチの時などにぜひ活用してみてください。サキュバスのヴォイド・ファイラは誰でも範囲攻撃魔法が使えるようになりますし、マンティコアは強力なので変身すればどんな敵でも一撃で敵を倒せますよ(笑)。
――今までとは毛色の異なった遊びが多数用意されたコンテンツですね。
吉田氏:このダンジョンの中でのみ発揮する、という制限の下で結構好き勝手にやっています(笑)。
あとは、フェニックスの尾やポーションなどの薬品系のアイテムを持ち込んでいくと役に立つかもしれません。最初は全員レベル1からのスタートになりますし、エスナなどのスキルもレベルが上がらないと使用できないので、状態異常回復系の薬品は特に有用になるかもしれません。
――最初は覚えていたスキルも使用できないのでしょうか?
吉田氏:レベルシンクがかかった状態と思っていただければいいと思います。最初はレベル1シンク、レベルが上がるとレベル2、レベル3シンク……といった具合です。シンクなのでスキルをセットし直す必要もありませんし、40階に到達するくらいにはレベル60になるように作ってあるので、さくさく進めていけるはずです。
――ダンジョン内に制限時間は設けられていますか?
吉田氏:あります。すべてのフロアの探索や宝箱の解錠、モンスターの討伐をくまなくやっていたら時間が足りなくなってしまうので、ある程度敵を倒して次の階へのポータルがアクティブになったら、さっさと進んだほうがいいと思います。10階ごとにボスがいて、それを倒せばセーブされるので。
――パッチ3.3でのジョブの調整はどのようになっていますか?
吉田氏:大きなところだと、吟遊詩人の全体的なDPSの底上げと、忍者の範囲攻撃力アップですね。あとは占星術師のバリアスタンスにも少し手を入れる予定です。
特に吟遊詩人は調整項目が多くなっています。ですが、特定のスキルの威力を上げるというわけではなく、さまざまなアクションに手を加えて調整を行っています。一点注意していただきたいのは、総合DPSを機工士とまったく同じようにする、という変更ではない点です。機工士の火力の高さはプレイヤースキルに依存するところが多く、操作も複雑です。その上で、少し開きすぎていると感じる2つのジョブのDPSの差を、もう一歩縮められるような調整の方向を考えています。
忍者については、やっぱりインスタンスダンジョン攻略時の範囲攻撃性能が、ほかのジョブと比べて劣りすぎていると認識しています。ですので、今回は範囲攻撃を強化して、よりスムーズにインスタンスダンジョンの攻略が行えるようにするのが狙いです。
占星術師は、ピュアヒーラーとして能力とカードに関してはかなり使いやすくなったと思います。プレイヤースキルの高いチームでは、すでにレイド攻略にも組み込まれ始めているのを確認しています。ただ、学者と比較した際のバリアスタンス時について、もう一歩とは感じていますので、その部分に少し手が入ります。あとはカードの使い勝手をさらに向上させようかと。
ほかにもいくつか細かな調整を行っているので、、こちらについてはパッチノート公開時に確認していただければと思います。
――「雲海探索 ディアデム諸島」に関して、何か調整は行われますか?
吉田氏:お待たせして恐縮ではありますが、今回は何もしていません。というのも、現在世界中のプレイヤーからいただいたフィードバックを元に、新しい雲海探索コンテンツを制作しているからです。まだまだ制作中ですが、新しいフィールドを追加し、ギャザラーのみのマッチングなども可能になる予定です。
――ギャザラーのみというと、探索がメインということでしょうか?
吉田氏:ギャザラー系のみの探索と、バトル系のみの探索を明確に分けてしまおうと考えています。マップ全体を使った、すべてのパーティが集まってちょっとしたレイドを行うようなボスも作っていたりします。
――新しい試みが数多く盛り込まれる予定ですね。
吉田氏:今現在、次世代のオンラインゲームの進化が停滞している部分もあり、新しいことをどんどん試していかないと、どのゲームでも効率を重視する遊びばかりが求められてしまうと思うんです。雲海探索というコンテンツ自体、そういった停滞期を切り抜ける可能性を模索する、一つの実験場のような意味合いも含まれているので、現在はいただいたフィードバックから新しい雲海探索をパッチ3.4での実装を目指して制作しています。
――「竜詩戦争」の結末が語られる今回のストーリーに、多くのユーザーが注目していると思います。最後に、プレイヤーに向けたメッセージをお願いします。
吉田氏:2.Xシリーズのシナリオは、どうしても旧FFXIVからの流れの清算を含め、エオルゼアという世界全体の説明に注視した部分が強くありました。それを踏まえた上で、この蒼天編のシナリオは今の開発チームが、新生を踏まえた上で、キャラクターを掘り下げ、FFらしい盛り上げをパワーアップさせ、きっちり作り上げてきたストーリーです。ぜひ、その大きな歴史物語の結末をご覧いただいて、皆さんのご期待に沿えれば幸いです!
また、当然パッチ3.Xシリーズはまだ続いていくので、パッチ3.4や3.5は一体どうするの?というところにもぜひ注目してもらえればと思います。あとはぜひ、蒼天編を巡る邂逅の旅を楽しんでいただけると嬉しいですね!手の空いた時に一人でのんびりやってもらうと、きっとじんっとくると思います。
――ありがとうございました。
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